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「三匹のおっさん ふたたび」

「三匹のおっさん ふたたび」 有川浩
『三匹のおっさん ふたたび』  

三匹のおっさん ふたたび

 著者:有川浩
 イラスト:須藤真澄
 出版社:文藝春秋



『三匹のおっさん』の続編。
定年退職後に近所のアミューズメントパークで嘱託として働くことになった剣道の達人キヨさんこと清田清一、今は息子夫婦に任せている居酒屋「酔いどれ鯨」の元主人、柔道家のシゲこと立花重雄、娘の早苗と2人暮らしをしており見た目はおとなしい感じだが機械にめっぽう強い工場経営者のノリこと有村則夫。昔「三匹の悪ガキ」だった幼馴染みの3人――今は「三匹のおっさん」がキヨさんの定年をきっかけに物騒になってきた町を守るため私設自警団を結成することに。6話+ボーナストラックから成り立っており次々に起こる問題を解決していく痛快アラ還の世直し物語。


第一話
キヨの息子の嫁、貴子が去年の暮から知り合いの肉屋でパートを始めた。貴子の息子である祐希が反発ばかりしているのはもしかしてお金を稼ぐ苦労もしらない自分を嫌っているんじゃないかと思い、働きに出てお金を稼げば息子との溝を埋めることが出来るのではと考えてのことだった。だが手際が悪く周囲を見ず自分の事で精一杯の貴子は、職場で浮く存在で店のテンポに全く合ってなかった。今すぐにでもパートを辞めたいと思うが、今辞めたら周囲からそら見たことかと言われるのがオチ。それが悔しくて意地でも辞めてたまるか!という意地だけで続けていた。そんな中、年が近い他のパート、小島育代と話すようになり友達が出来たと思われたがトラブルが起こる。

貴子が初めて給料をもらいケーキを買って帰った時、家族みなで一緒に食べようってことになり貴子は恐縮するが、「こういうのは気持ちなんかだら」と義母と夫に言われ、息子もぶつぶつ言いながらもついてくる。このくだりが何だかほっこりしていていいなと思ったり。憎まれ口を叩きながらも母親を心配する祐希もいい。その祐希のことを一番理解しているのが祖父のキヨ。いい感じ☆貴子の話だけれど早苗と祐希のエピソードも少し盛り込まれており、最後の母親の爆弾発言で祐希の顔を真っ赤にさすのはさらに微笑ましい☆


第二話
シゲは購読している将棋雑誌を買うために商店街の「ブックスいわき」に立ち寄った。そこで学生服を着た3人の少年が悪さをしてるのに出くわし、追いかけようとするが店主に引き止められる。店主から万引きの実態を知らされ、シゲは万引きの見張りを買って出た。こうして三匹のおっさんはパトロールを開始する。ある時、娘に万引きをすすめた母親の対応をした本屋の店主は、思うことがあって万引き常習犯の中学生を捕まえて欲しいと3人に頼む。祐希も手伝うことになったある日、その中学生たちが店にやってきた。シゲは万引き少年を捕まえる気でいたが、店主は「万引きをしないで帰ってくれるのが一番」と。万引きする前に抑止する方を望んでいる。だけどこのままだと先日出会った娘に万引きをすすめた母親のような身勝手な親になってしまうと考え、捕まえて親を呼ぶ。警察を呼ばない条件として書店の仕事を手伝わせる。一方、そろそろ進路を考えないといけない祐希と早苗。早苗は一応第一志望は決めているものの、将来のビジョンが全く決まってない祐希はいろいろ考えた末、進路を決める。

万引き常習犯たちに書店を手伝わせ、バイト代を払い書店の売り上げや実利益、さらに1冊売るといくら本屋は儲かるかの話を聞かせる。私も本屋さんがどんな風に儲けているのか全く知らなったから驚いた。有川さんのあとがきを読むとこの第二話に思入れがあるらしい。出版社が取りすぎのように思われるけど、その本を売るためには宣伝や次作の資金が必要。ベストセラー作家の売り上げで新人作家の本が出版できる。なので一冊の本にはいろんな経費や未来への投資が載っている。読者が買うことで作家はまた本を出せる。そうだよね、本にも流通があるんだから当たり前といっちゃ当たり前だよね。最近は本を購入せず図書館で借りるばかりの私には少し耳が痛いよ……。


第三話
最近どうも早苗の様子がおかしい。成績も落ちるし祐希にも八つ当たり。その原因は……父の則夫がお見合いしたからだった。則夫は妹から、「兄さんが再婚しないと早苗が心配して家を離れられない。男やもめの父親を背負わないといけないなんて不憫すぎる」と言われ、決定打は「早苗も賛成でその方が安心できるって」と言われたからだった。相手の満佐子は則夫のことを知っており、以前、夜のパトロールをしてる時にその女性の家に入ろうとした泥棒を捕まえたことを覚えていたのだ。お付き合いは順調と思われたが、ある日、早苗が志望校を県外にするかもしれないと言い出した。様子がおかしい早苗から事情を聞いた祐希は則夫たちに早苗の気持ちを伝える。

お見合い相手の満佐子さん楽しい♪すっぴんとはかなり違う顔の満佐子さんを見て「お化粧がたいへんお上手で」とお見合い席でありえない言葉を則夫から言われても「おかげさまで♪若い頃から塗るのはかなり」と答えるなんて面白い。夢見る少女のようでいて行動力があり、料理も上手で早苗にも優しい。なかなかのご縁だと思うけどやはりまだ高校生の早苗の気持ちが一番。だって父親との二人暮らしで十分幸せな時にあれよあれよとお見合いの話が舞い込んで、早苗の気持ちがついていかなかったんだね。満佐子さんとは出会う時期が早すぎただけ。このまま友達の関係を続けてもらって数年後にご縁があったらまたお付き合いして欲しいなー。則夫と早苗のどちらもが互いの邪魔にならないように気遣い合ってたことを知り、「なんだよ、相思相愛じゃん」と唇を尖らせた祐希も可愛かったデス♪


第四話
キヨが嘱託として働いているアミューズメントパークで、ゴミの不法投棄が増えていた。キヨが見回っている時に、未成年が地べたに座り込みお菓子やジュースを広げタバコを吸っているのを見つけ注意する。それ以降、大きな家庭ゴミが投棄されるようになった。キヨは注意した青年たちの意趣返しだと思い、シゲ、則夫たちと現場を見張ることにする。ある日、早苗の一言でゴミ投棄の現場を押さえることができた。

作中に出てくる新聞のコラム「変質する老人」がすごく印象的。「最近の若者は」と年配者がこぼしていたのは昔の話。今どきは反対に「最近の年寄りは」と若者がこぼしたくなるような年配者が増加している、近年の年配者の公衆道徳が乱れているとのこと。ゴミの不法投棄な話だけど、その「最近の年寄りは」に関連するような内容も盛り込まれており、電車の携帯マナーの話にはものすごく同意しちゃいました。それに対しキヨの奥さんである芳江の言葉にも納得。「向けられる厚意は素直に頂戴しておくのが愛される年寄りの秘訣」←これが何より一番!


第五話
商店街の寄り合いで活性化するための方法が話し合われた。娘の奈々と近所の神社に散歩に行き、子どもの頃に秋祭りで子供神輿を担いたことを思い出したシゲの息子、康生は「お祭りはどうでしょうね」とふと口からこぼれた。いろいろと意見はあったもののシゲの一言で開催にむけて頑張ることに。だが資金が足りずその資金集めに四苦八苦し、トラブルもあったりしたがなんとか無事神社で祭りを開催することが出来た。

今回はシゲの息子の康生が主役。キヨの息子の健児との関係も描かれており、康生目線での健児の性格もわかるようになってます。そしてそれぞれ子どもの時に自分の親のことをどう思っていたのか。特に康生は子供時分、居酒屋経営の父親が他の親は違い背広姿じゃないのが恥ずかしかった。でも今は孫の奈々の相手をしているシゲを見て、自分もかつて同じように慈しまれていたことを思い出し、幼い日の心ない自分が立ち上がってきて自分を責める。なんでしょう、親になった今、自分を育ててくれた親の気持ちがわかるんでしょうな。


第六話
予備校の帰り道、祐希は三人連れのおっさんに「こら!何をしてるんだ!」とけんか腰に責め立ててこられた。反発する祐希と言い合ってるとそこにキヨが通りかかり、大ごとにはならずに済んだ。キヨはその後に行った「酔いどれ鯨」でシゲと則夫にそのことを話す。ある日、その三人連れのおっさんが放火を発見し消防に通報したことで警察に表彰されたことが新聞に載っていた。それを見た芳江は三人のうち一人は高校の時の部活の先輩だという。ある日、また新聞に載るために頑張ってパトロールをしているとタバコを吸っている若者を発見。高飛車な態度で注意するが今回の若者は少し質が悪そうだった。そこに三匹のおっさんがやってき若者から三人連れのおっさんたちを助け出す。するとその中の一人、松木が一方的にまくし立ててきた。どうやら彼の初恋の相手がキヨの妻である芳江で、夜回りでキヨに勝とうとしたのだった。三月のある日、祐希と早苗は無事に志望の大学に合格。そしてキヨはまた新たに剣道の生徒の募集をすることにした。

偽三匹のおっさんが誕生したのは芳江が高校時代の先輩、松木と偶然会った時にすすめたから。しかも芳江は松木の初恋の相手で今でも芳江のことを可憐だと思ってるほど。さらに地域パトロールで成果を出すと称賛の嵐でやり甲斐のある趣味ときてるからなおよい。さらにさらに夜回りでキヨたちに勝てたらなおさらよい。こんなに年月経って自分自身にも妻がいるのに、初恋がここまで特別なものだなんて松木さん、ものすごく純情だったのね。思い入れが強すぎてちとコワいけど^^;今回はキヨと芳江さんの馴れ初めが知れて楽しかったです!


好きだよと言えずに初恋は、
転校が決まった潤子は、同じクラスの男の子とよく目が合うようになった。そして昼休みに誘われてついていくと桜の木の下で草の名前をし始めた。そして翌日、またその翌日も。ある日、休み時間にクラスの女子数人に囲まれて彼と一体何をしているのかと問われる。人気者の彼と仲良くしているのが気に入らないらしい。それから潤子は彼の誘いを断るようになった。担任が潤子のお別れ会をしてくれることになったが、潤子がクラスの女子から総スカンくらっているのが明るみになっただけだった。卒業式の日、彼に誘われて一緒に帰る途中、草や花の話を潤子にし出す。転校後、生きやすいようにキャラを変えて新しいクラスに馴染むようになった。そしてまた転校。またキャラを変えようとするが、今度は今までの自分よりもしっくりくるような気がしている。

最初、三匹のおっさんに登場する誰かのスピンオフ的な内容かと思ってたらどうやら違う模様。登場人物の名前を見てもピンとこないから一体誰の話なんだろう?と思い調べると……どうやら彼(話の最後の方にやっと苗字が登場)は、『植物図鑑』に登場する日下部樹くんの息子らしい。日下部樹くん本人の小学生時代だという説もあるようで……。今回の話では日下部くんと苗字だけで名前が書かれてないからな~。どっちだろ?でもよ?「うちのお母さんがお別れする人には花の名前を教えておきなさい。花は毎年、必ず咲くからって」って言ってるのでやはり息子説の方が有力なのかな?うーん、わかりません。で、潤子は初登場でいいのかな?


『三匹のおっさん ふたたび』は初めて読んだのに、なぜだか知ってる内容がいくつかあり「ん?」と思ってたらドラマ版で見た内容でした。毎回ではなく思い出した時に何回か見ただけだけど、第一話の小島=藤田朋子さん、第六話の松木=大和田伸也さんというのはしっかり覚えてます!ドラマの影響力はすごい。『三匹のおっさん』では挿絵をイメージしながら読んでいたけど、『三匹のおっさん ふたたび』ではキヨ一家、シゲ一家、則夫一家はドラマでの配役さんを想像しながら読んでましたもん。その中でもシゲ=泉谷しげるさんが一番キャラが合っててナイスキャスト!挿絵だと全然違う見た目だけど(笑)。

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