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「不思議の足跡」 日本ベストミステリー選集

『不思議の足跡』日本ベストミステリー選集  

不思議の足跡―日本ベストミステリー選集 (光文社文庫)

 編者:日本推理作家協会編
 著者:伊坂幸太郎/山本幸久/中山智幸/
     真柴幸子/小路幸也
 出版社:光文社 光文社文庫



・『吹雪に死神』 伊坂幸太郎
・『酬い』 石持浅海
・『あなたの善良なる教え子より』 恩田陸
・『ナスカの地上絵の不思議』 鯨統一郎
・『暴君』 桜庭一樹
・『隠されていたもの』 柴田よしき
・『東京しあわせクラブ』 朱川湊人
・『とまどい』 高橋克彦
・『八百万』 畠中恵
・『オペラントの肖像』 平山夢明
・『ロボットと俳句の問題』 松尾由美
・『箱詰めの文字』 道尾秀介
・『チヨ子』 宮部みゆき
・『悪魔の辞典』 山田正紀
・『Do you love me?』 米澤穂信
以上、2004~2006年にかけて発表された15編からなるアンソロジー。

『吹雪に死神』 伊坂幸太郎
吹雪を理由にある洋館に泊まることになった死神。そこで次々と人が死んでいき…。死神は仕事で来たため事件の真相を知りたいとは思わなかったが、情報部に少々腹立つことを言われたのを思い出し、自分の得た情報から洋館で起こったことを整理していく。

『死神の精度』に収録されていた話。死神のキャラは覚えているけど内容は全く覚えてなく、最後まで読んでもピンとこず^^;連作短編集の一つだけどこの作品だけでも十分読めると思うのは、私が既に『死神の精度』を既読だから?でも『死神の精度』を全編読んでからこそ死神のキャラが理解出来てより面白く読めるような気がする。

『酬い』 石持浅海
満員電車でムーちゃんが痴漢に遭って3週間後、その痴漢男性がホームで倒れていた。どうやら事件のよう。周囲には駅員、警察官、そして1人の女性。その状況を見てムーちゃんは事件の真相を語り出す。

タイトルから難しい内容なのかと思ったら、探偵役のムーちゃんは普通じゃなかった!同居人の北西くんは相棒って感じ?内容的にはタイトルどおり。ムーちゃんには色んな能力(洞察力?)があり、私も彼女からエネルギーを吸収して欲しいけど「まずっ!」って言われそう~。2人の出会いはなんだったんだろう?シリーズ化されたら(もしかしたらもうされてる?)読んでみたい。

『あなたの善良なる教え子より』 恩田陸
子供の頃の恩師に宛てた書簡。恩師の教え「真実の善を為すこと」を礎として今までの人生を生きてきたという。そこに書かれている善とは――

辛い幼少時期の記憶、先生が教えてくれた善、そのことによりその後の人生を先生の教えをずっと信じてきたという男性。先生も男性も罪だが、先生からみた男性の幼少期の状況、男性の年齢、発端の内容から簡単に罪と言うには辛い内容。でも歪んだ罪でも罪は罪。これを読んだ先生は一体どう思うんだろうか。先生の心理とその後の行動が気になります。

『ナスカの地上絵の不思議』 鯨統一郎
バーで、いつもの客3人とバーテンダーはふとした話の流れから、ナスカの地上絵について語り合うことに。いつ誰が何の目的で描かれたのか?

祭りの話からナスカの地上絵の話に行き着くとは!ナスカの地上絵は知ってますが詳細や過程は全く知らない私。なので彼らが出した結論は案外そうなんじゃ?と感心しちゃいました。ただ、3人のうちの1人の女性が、あまりにも上から目線の言い方にちと驚いた。そのうちの1人と信頼関係があったとしても馴染めず。それよりこのバーにスクリーンがあるのにびっくり!あとこの短編ってカクテルとかナスカの地上絵についての説明が多く勉強になりました^^

『暴君』 桜庭一樹
中学一年生の金堂翡翠、親友の田中紗沙羅、近所に住む三雲陸。3人のひと夏のカミュと出刃包丁とオバケヤシキをめぐる物語。

今、桜庭さんの『GOSICK』シリーズを読んでいるので楽しみにしてました!3つの話から成り立っているのですが、途中から非現実的でこの物語のジャンル一体なんだろう?と頭抱えてしまった。。難しい年頃の少女の気持ちがわかったようなわからなかったような…。←多分わかっちゃいない。ところでピンクの霧って一体何?

『隠されていたもの』 柴田よしき
フリーライターの絵美が取材に向かったのはゴミ屋敷。隣家の人に話を聞き取材の方向性を見つけた絵美は、ゴミ屋敷に住む女性から話を聞くことに。部屋の中の積まれたゴミの山から絵美は、そこにあるはずのないモノを見つける。

結婚を機にフリーライターになった女性の仕事現状を描きつつ、ゴミ屋敷を描きつつ、女性心理を描きつつ…。なんだろう、ゴミ屋敷なんだけど、そのゴミの意味合いというかゴミの中にある歴史というか…。ゴミ屋敷の女性が40歳以上の女性のみ取材を受ける理由はそこにあったのか!あとからぞくっときました。

『東京しあわせクラブ』 朱川湊人
小説家の主人公が数年前に体験したある事件をエッセイに書いたことがあった。数年後、そのエッセイを読んだ女性から編集者づてに会いたいという。その事件に少々関連ある品を貸して欲しいとのこと。彼女が入っている「東京しあわせクラブ」に持って行くとい話を聞き、小説家は貸すかわりに連れて行ってもらうことに。そのクラブとは…。

『東京しあわせクラブ』と楽しそうなクラブ名ですが、実際はとっても悪趣味なクラブ。実際にありそうなクラブで、オチも実際にしてそうで怖い。

『とまどい』 高橋克彦
小説家の木島はあるパーティ会場で、学生時代に知り合いだった女性に声を掛けられる。当時、木島の同級生と付き合っていたのだった。40年ぶりにあった彼女から昔話を聞かされるが、木島はどうも腑に落ちなかった。

彼女が記憶している木島が、実際の木島の性格とかなりかけ離れているのが木島にとって腑に落ちない。もしや二重人格?それともよく似た人物が自分になりすましてる?と思ってしまいそうですが、オチはありきたりかも。こういう世界を短編でまとめるのは難しそう。

『八百万』 畠中恵
江戸の神田大和町、油問屋の次男坊が倒れ事切れていた。町に越して来たばかりの春門に疑いがかかるが、実は春門、人ではなく新米の稲荷神・八百万の神の一人であった。春門は自分が下手人を挙げようと意気込む。

読み始めは背景や人物の名前がよくわからなかったのですが、春門が神様とわかってから面白く読めました。家人ら3人がこの神様を敬ってない様子も楽しいし、言いたい放題いわれムキになる春門も読んでて楽しい^^まだ越してきたばかりの春門たち、今後、この場所でまた事件を解決していくのかな?シリーズ化されたら(もしかしたらもうされてる?)読んでみたい。

『オペラントの肖像』 平山夢明
近未来、人が悪い欲望に突き動かされ、悪い習慣を手に入れ、破壊的風習に従ってしまうのはオペラント(条件付け)されていないから。というスローガンのもと、国は民衆に対し積極的にオペラントを行っていた。中でも芸術は堕術とされ、徹底的に厳罰を与えていた。堕術者を一掃する機関に勤めている男は疑いのある家族を調査することになるが…。

『独白するユニバーサル横メルカトル』に収録されている1編。『吹雪に死神』と同様、こちらも内容を覚えてなかったので初めて読んだ気分です^^;『独白するユニバーサル横メルカトル』の感想でも書きましたが、ラストまで読むとありそうな話。異色なストーリーではなく普通にSFとして読めます。ちょっと切ないのがいい。でも主人公の今後を考えると……怖い。

『ロボットと俳句の問題』 松尾由美
ライターの寺坂がよく行くレストランには幽霊のハルお婆ちゃんがちょくちょくやってくる。ある日、寺坂は常連客の刑事から不可解な出来事を相談される。いつもはハルお婆ちゃんが解決してくれるのだが、最近姿を見せないため寺坂は1人で解決しようとするが…。そんな時、レストランの店長からハルお婆ちゃんの情報がもたらせる。

ロボットとハルお婆ちゃん家と2つの謎解きが主体になっており、ほんの少し恋愛のスパイスも入ってます。謎解きの両方とも、こんな回りくどい暗号にしなくてももっと違うやり方でメッセージを残せばいいのになんて思ったり。個人的にはハルお婆ちゃんがもっと活躍する話が読みたい。

『箱詰めの文字』 道尾秀介
作家の男の家に、青年が2ヵ月前にこの家から盗んだ貯金箱を返しに来た。だが作家には全く見覚えがなく、その場で貯金箱を開けると中から1枚の紙が出てきた。それを見た作家は…

二転三転する内容に興味深く読みました。作家が思ったように私も青年は一体何をしたかったんだろうと。そこも含めて今作品の魅力?

『チヨ子』 宮部みゆき
友達に紹介してもらい着ぐるみを着て風船を配るアルバイトをすることになった主人公。頭の部分をかぶり、のぞき穴から外を見ると誰もがみな着ぐるみを着てるように見えてしまうという不思議な現象が起こる。自分は一体どのような姿に見えるのだろうと鏡を見ると、そこには懐かしい姿があった。

ここにきてほんわか系の話が読めてちょっと嬉しい^^着ぐるみを着ると誰もが着ぐるみを着てるように見えるっていう設定が面白い!幼い頃に大事にしていたものを私も思い出すきっかけになりました。多分私はリカちゃんに見えるはず?作中に出てくる母子のように黒いモノだったらイヤだな~(><。)

『悪魔の辞典』 山田正紀
1920年、探偵のキャラハンは依頼を受けてある男性を尾行することになったが、その尾行が2週間続いただけでなく、サンフランシスコからメキシコ国境まで行くはめになってしまった。そこで悪党や革命家と遭遇し…

これはハードボイルド?『悪魔の辞書』を書いたアンブローズ・ビアスという実在した人物を絡めた内容ですが、何が何なのかよくわからず。私には難しすぎる内容でした。

『Do you love me?』 米澤穂信
渡良瀬の家の前に成仏できないでいる青年が立っていた。彼女に殺されたのはわかっているが理由がわからない。なぜ殺されたのか納得がいかずこの世に残っているという。渡良瀬は彼から死ぬまでの経緯を聞き、真相に辿りつく。

渡良瀬は何度も幽霊の相談を乗ってるようで、今回は青年の話を聞いてあげるという設定。青年が自分を殺した彼女との思い出を嬉しそうに話すのがどこか憎めない。真相を知ってもなお恨み言を言わないなんていい人すぎ~。それより彼女の方が断然怖い…。


2004~2006年にかけて発表された作品ということで、半分知ってる作家さんだったので嬉しい♪巻末の解説にも書かれてますが、探偵役が死神だったり、謎の生命体だったり、幽霊お婆ちゃんだったり、神様だったりとバラエティに富んでいて面白く読めました。内容もいろんな設定でぞぞぞってきたり、ほんわかな気持ちになったり。中にはシリーズ化されたら読んでみたいと思う作品も何作かありました。個人的に好きな作品は『あなたの善良なる教え子より』、『隠されていたもの』、『八百万』、『チヨ子』、『Do you love me?』かな。いろんなタイプの作家さんが読めるので、アンソロジーはやっぱり読んでいて楽しっす!

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