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「Happy Box」

『Happy Box』  

Happy Box

 著者:伊坂幸太郎/山本幸久/中山智幸/
     真柴幸子/小路幸也
 出版社:PHP研究所





・『Weather』 伊坂幸太郎
・『天使』 山本幸久
・『ふりだしにすすむ』 中山智幸
・『ハッピーエンドの掟』 真柴幸子
・『幸せな死神』 小路幸也
以上5編からなるアンソロジー。

『Weather』 伊坂幸太郎
大友の学生時代からの友人である女性関係が派手だった清水が結婚することになった。だが、彼の最近の行動が少しおかしいので、何か隠し事があるのではないか調べて欲しいと新婦が大友に頼んできた。実はこの新婦、大友が高校時代に交際していた女性であった。そして結婚式の当日、先入観のせいで何を見ても怪しく感じ周囲を観察する大友。そしてあることに気付く。

天気のことがやたら詳しい大友。それも清水の女性関係が派手で、その彼女たちに会うたびうっかり変な事を喋らないよう無難な世間話をするため、必要に迫られ独学で身に付けたらしい。本人もいつしか会話に困ると、天気の話がしたくなるほど依存しちゃってる^^;で、内容ですが、大友が披露宴で色々と推理するなんちゃって探偵みたいな雰囲気がありつつ、清水は一体何を隠しているのかとハラハラしつつ、もしや新婦の方が何か企んでるんじゃないかと疑いつつ……なんて思っていたら、最後はちょっぴり涙(TT)。良い話でした。読み終えると伏線ありありだったです^^;しかし披露宴にいた新婦の後輩女性、あまりにも無神経な会話にびつくり!

『天使』 山本幸久
一人暮らしをしている77歳の福子は、仕事をしにショッピングモールに行った。この道66年になる掏摸師なのだ。そこで同業者の男に逆にスラれそうになったことをきっかけに、その男が連れていた9歳の少年タカシとその姉の置かれている状況を知ることになる。そして福子は少女の頃に知り合った掏摸の師匠を思い出す。

なんだかせつないラスト。これが掏摸師である福子の幸せ?昔の出来事を思い出し、少女の頃の自分と同じような境遇にいる子供たちを見て、何とか助けたかったんだろうなー。何とも言えない余韻が残ります。子供たちに福子の想いが届きますように。

『ふりだしにすすむ』 中山智幸
もうじき派遣の契約が終了する29歳の多喜りりこの前に、「ぼくね、きみの生まれ変わり」と68歳の男性が突然話しかけてきた。次の人生でまた妻と会うため、妻の前世だった女性に会って欲しいと頼まれる。美味しいご飯をご馳走してもらうことを条件に、りりこは引き受けるが…

SFっぽいけどそうではない?結局は…だよね?でもりりこのとった行動は、前世と名乗る男性と会って欲しいと頼まれた女性にとって決してマイナスではなかったはず。一体どんな結末なんだろうとわくわくしながら、反面、最後は頭の中が少しこんがりつつ読みました。前世を信じるのもいいかなとちょっぴり思ったり。でも本書のように、いきなり年上の人に「ぼくね、きみの生まれ変わり」と言われたらかんなりこわい!

『ハッピーエンドの掟』 真柴幸子
小学生のアイコは、ホステスをしている母親と暮らす母子家庭。家には最新家具が揃っており何不自由ない生活だったが、一人での留守番はちょっぴり寂しかった。だがアイコは今の暮らしを気に入っていたし、母親が化粧するのを見るのが好きだった。ある日、母親が再婚することになったが…

この本って幸せがテーマのアンソロジーだよね?この話ってハッピー??ある意味、彼女は幸せなのかもしれないけど^^;解説によると、著者の真柴さんはイヤミス(読後にイヤな気分にさせてくれるミステリ)の立役者の一人らしい。なんといっても最初の出だしで騙された!最後まで読むと、そーだったの?!とびつくり!読後だけでなく、担任の先生もりりこに掛ける言葉といい、絵本のくだりといい、模範的な態度をとってるという自己満足な言動がかなりヒドイような気がする。何と言ってもりりこの今後が心配でしょーがない。でもかなり読ませてくれる内容で、真柴さんの他の著書も読んでみたくなりました。

『幸せな死神』 小路幸也
吉祥寺のバーで、26歳の榎本帆奈は死神と知り合いになった。どうやら帆奈は死神のルールで彼を召喚し契約してしまったのだった。その後、バーや家に突然現れるようになりいろんな話をするようになる。その時、死神から「私たちは幸せを感じることができない。だがたった一つそういう気持ちを持つことが出来る場合がある」と聞かされる。それを聞いた帆奈は…。

死神と知り合い幾度か会う仲になっていたら、もしかして今回は私の最期を見届けに来たの?!と私なら思っちゃうかも。。イケメンで気配りの出来る死神なんですが、彼の幸せは人間にとって切ない。でも死神にとってはそれが最大の幸せ。その内容は人間にとっても幸せなこと。伊坂さんの『死神の精度』に登場する死神も良かったですが、こちらの死神も良かったです。


巻末の解説によると、この1冊は名前に"幸"せの一文字を持つ作家を集めた幸せのアンソロジーなんだそう。伊坂幸太郎さんしか私は知らなかったのですが、どの短編もそれぞれ違った形の幸せが詰まっていて、読み応えがありました。喜ばしい幸せ、酷な幸せ、切ない幸せと、幸せといっても色んな形があるんだなと改めて思いました。とりあえず、イヤミスの真柴幸子さんの他の著書を読んでみようかなー^^

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