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「殺し屋」 ローレンス・ブロック

『殺し屋』  HIT MAN

殺し屋 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

 著者:ローレンス・ブロック (Lawrence Block)
 訳者:田口俊樹
 出版社:二見書房 二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション




殺し屋ケラー・シリーズ第1作目で10作品からなる連作短編集。このシリーズ最新作『殺し屋 最後の仕事』を読み、過去のくだりが結構多く、もう一度このシリーズを最初から読んでみようかなと。ただの過去の回想なので覚えてなくても問題ないのですが、読んでいるのに思い出せない自分がもどかしくて再読。ローレンス・ブロックの著書は殆ど持っていると思っていたのですが、ケラーシリーズで持っているのは『殺し屋』と『殺し屋 最後の仕事』のみ。どうやら残りは図書館で借りた模様。。なので2作目と3作目は再び図書館で借りてきました。

※感想というより、どこへ行き、ターゲットは誰か、そして後にどんな内容だったか私が思い出せるようにストーリーの特徴だけを書いた覚書です。若干ネタバレあり


『名前はソルジャー』
ローズバーグ、ターゲットは証人保護プログラムにより全く別人として住んでいるイングルマン。彼らが印刷屋をしているということもあり、ケラーは何年も忘れていた昔飼っていた犬のソルジャーの名前で迷い犬のチラシを依頼する。驚くほど安くて美味しいメキシコ料理屋が近くにあり、そこのウェイトレスの生活背景を勝手に想像するケラー。この章からすでに「もしここに住むことになったら…」という空想は既に持っている模様。

『ケラー、馬に乗る』
マーティンゲイル、ターゲットは石油で一財産築き広大な牧場を持つクラウダー。仕事をする前に行ったラウンジである女性と関係を持つが、実はターゲットの娘だった。今回起きた出来事はすべて起こるべくして起きたこと。空港ではキャッチフレーズが気に入りウェスタンもののペーパーバックを購入。その内容と自分とを照らし合わせるケラーはどこか面白い。あと、ホテルの部屋は2階より上には取らないほうがいいと教えてくれたキューバ人の話あり。このくだりは違う話にもちょくちょく出てくる。

『ケラーの治療法』
ヘルス・クラブのインストラクター:ドナの紹介で、セントラルパーク・ウエストに住んでいる精神科医ブリーンの所に週2回通うケラー。夢の話や名前の話などを話す。そんな中、仕事のためトゥーソンに向かう。ターゲットはロリー・バスケス。仕事を終え再びブリーンの所へ行き両親や昔飼っていた犬ソルジャーの話をする。そんな中、また仕事のためフィラデルフィア(?)に向かいターゲットであるポルノショップを経営している男を始末。そして再びブリーンの所へ。するとブリーンがケラーの正体を知っているといい、別れた妻と犬の写真を見せた。
ケラーはマンハッタンのミッドタウンにある19階のアパートメント、寝室が一つの部屋で窓からは国連ビル、イースト・リヴァー、クウィーンズが見渡せる場所に住んでいる。のちに飼うことになるオーストラリアン・キャトル・ドッグのネルソンは、この精神科医の元夫婦が飼っていた犬。

『犬の散歩と鉢植えの世話、引き受けます』
「犬の散歩と鉢植えの世話、引き受けます」という張り紙を見たケラーは、仕事で家にいない時、アンドリアにネルソンの世話をしてもらうことに。そして仕事。オマハに飛んだケラーの今回のターゲットはテレマーケティング会社の重役ディンズモア。ステーキに塩を大量にかけて食べる男。既に地元の殺し屋が失敗しており、ディンズモアは対応策を講じ警備面を強化していた。この章では、ケラーはネルソンを話し相手として気に入っており、昔の秘密を明かしたり自分自身をさらけ出したり、仕事の話などをしている。

『ケラーのカルマ』
セントルイス、ターゲットはシェラトンホテル314号室に泊まっている組合の役員。とホワイト・プレーンズの男は言っていたが、ドットによるとホワイト・プレーンズの男のミスにより部屋番号違いだった。本当のターゲットはタルサに住んでいるガナー・ルースヴェンだった。一方、ネルソンの行動がきっかけで世話をしてくれているアンドリアと関係を持ってしまうケラー。彼女がケラーが何をしているか知ってると言うが、2人はそのまま一緒に住むことに。

『ケラー、光り輝く鎧を着る』
ホワイト・プレーンズの男からここ何ヵ月も仕事をもらっていないケラー。ドットによるとホワイト・プレーンズの男がいつもと違い、依頼の電話を全部断っているという。そこでドットは内密に『傭兵タイムズ』という雑誌に仕事を請け負う広告を出したという。一通まともな仕事の依頼がき、ケラーは引き受けることにする。依頼主はマスカティーンに住む児童書作家のクレシダ・ウォレスでターゲットはストーカーのラウドハイム。だが仕事が終わっても残金の入金はなかった。今回、ドットとケラーはケラーの家の近くのイタリア料理店で待ち合わせ。普段のハウスドレス姿ではなく、スーツに身を包み髪もセットしており、郊外の有閑マダムといった格好をしている。

『ケラーの選択』
シンシナティ北部、ターゲットは肥えた男ストラング。だが仕事をする前にドットに呼び戻されたケラー。もう一つ同じ場所で依頼が入ったという。別の仲介者からで最初の依頼者モンクリーフを始末してほしいという最初のターゲット:ストラングからの依頼だった。どっちを殺しても入る報酬は同じ。ケラーは一体どうするのか?
ホワイト・プレーンズの男の具合はどんどん悪化している模様。さらにいつの間にかアンドリアがネルソンを連れて出て行ってしまった。ケラーがシンシナティに滞在しているもっと前のことらしいが、いつシンシナティに行ったんだろう?違う短編集にシンシナティでの仕事があるのかな?

『ケラーの責任』
ダラス、ターゲットは豪勢な暮らしをしているギャリティ。彼が開いているパーティに下見がてらのぞく事したケラーだったが、偶然にも彼の孫がプールで溺れているのを助けてしまったことからターゲットと懇意になってしまう。依頼内容、彼の人柄からケラーは依頼者が誰かわかってしまう。いつもの仕事と違い、少し切なさが残るストーリー。ケラーがせめてものととった行動とは?

『ケラーの最後の逃げ場』
依頼人の指示どおり赤いカーネオションを襟につけ、雑誌を持ってユニオン駅に立つケラー。だが少し前に仕事はキャンセルされていた。翌週、国家安全研究所の職員を名乗るバスコウムがケラーに近づき、アメリカ政府は君を必要としている愛国心をつつき、売国奴を消すよう依頼してきた。ターゲットはワシントンの特許弁護士ラムズゲート、フロリダの老人が多くいるコンドミニアムに住んでいるドラッカー、コロラド州に住む女性。一方、本業でのターゲットであるシアトルに住むその土地の大物ウィルコックスも始末。のちにバスコウムの正体を知ったケラーは…。たいして疑うこともなく個人的に依頼を受けてしまったケラー(アメリカの兵士の気分で)。やはり祖国への愛が深いのか?

『ケラーの引退』
仕事も充分にやり、暮らしていけるだけの蓄えもある。引退を考えてるケラーにドットは夢中になれる趣味を持った方がいいと助言する。ケラーは子供の頃に集めていた切手のことを思い出し、再び切手蒐集を始める。今回の仕事はニュー・オリンズ、ターゲットは妻を少なくとも1人、あるいは2人殺しているウィックワイア。その後、ドットから本名を使って休暇を取るように言われ、ケラーはカンザス・シティに行く。その間にホワイトプレーンズの男が"自然死"で亡くなってしまう。ケラーは切手蒐集にハマってしまい、引退資金にも手を付けてしまった。とても引退できる立場ではなくなってしまった。


パターンとしては、ホワイト・ブレーンズの男から依頼があると、同居人のドットからケラーに連絡が入り、トーントン・プレース通りにあるの古いヴィクトリア朝風の建物に出向くケラー。そこでホワイト・ブレーンズから依頼を頼まれたり、ドットが作るアイス・ティーを飲みながら話をする。そして依頼を受けた地にレンターカー、もしくは飛行機を使って行き、その日のうちに仕事を終えすぐ戻ってくる場合もあれば、数週間滞在することもある。殺害方法も事故死、自然死、自殺、殺人と依頼者の要望に合わせ、それによって武器も様々。

殺し屋としての仕事はもちろんほぼ毎回あるのですが、気がつけばドットと話しているシーンに変わることがあったりして残虐なシーンは殆どなし。ケラー自身、ターゲットと親しくなったりすることがあったりするのですが、始末するのに躊躇することもあっても結果的に仕事をやり遂げるプロの殺し屋。状況が悪ければターゲット以外の人物も始末したり、依頼者自身も殺してしまったりと抜かりはなし。出張殺し屋みたいな感じですが、始末するシーンがないと、出張の多い男性の日常を描いた作品みたいな雰囲気。日常生活の描写が多いので、うっかり殺し屋というのを忘れてしまいそう。

ケラーの日常は犬の散歩をしたり<ニューヨーク・タイムズ>のクロスワード・パズルをしたり、いたって普通の生活。ニューヨーカーで今の暮らしが気に入っているが、仕事で旅に出るとその場所で郊外にあるこぎれいな家、過度な労力を求められない仕事、対処しやすい人生…という夢を描くことがある。なので、ターゲットが住む町や家を見てはいろいろと想像。ちなみに決して男前というワケではないものの、なんだかんだと女性にモテる。

ホワイト・ブレーンズの男のことはこの1作目ではどんな人物なのかよくわからず。とりあえず口数の少ない男で沈黙のエキスパートだということ。結局、最後には亡くなってしまうので詳細はわからず。でも4作目にちょろっと彼の事が書かれていたような…?

と、殺し屋としてエキサイトなシーンやドキドキするようなミステリー的なシーンは全くなく、実に淡々とした文章なんですが、それでもケラーの日常に惹きつけられてしまう今シリーズ。またドットとの会話がウィットに富んでいて楽しい。原語ではどんな文章なのかわかりませんが、個人的に自問自答する言い回しが結構好き。もちろん訳者が良いことも含めて。次は2作目『殺しのリスト』。長編なので楽しみ。

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