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「セデック・バレ」 <第7回大阪アジアン映画祭2012>

『セデック・バレ 太陽旗』  賽克・巴萊 太陽旗  WARRIORS OF THE RAINBOW I : SUN FLAG
『セデック・バレ 虹の橋』  賽克・巴萊 彩虹橋  WARRIORS OF THE RAINBOW II : RAINBOW BRIDGE

賽克・巴萊 太陽旗 賽克・巴萊 彩虹橋


製作年:2011年
製作国:台湾
監督・脚本:ウェイ・ダーション(魏徳聖)
出演者:リン・チンタイ(林慶台)、マー・ジーシアン(馬志翔)、安藤政信、河原さぶ、ビビアン・スー(徐若瑄)、ルオ・メイリン(羅美玲)、ランディ・ウェン(温嵐)、ダー・チン(大慶)、パワン・ナウェイ(曾秋勝)、ヤーカオ・クーホン(田駿)、リー・シージア(李世嘉)、リン・ユアンジェ(林源傑)、チャン・ジーウェイ(張志偉)、シュー・イーファン(徐詣帆)、スーダー(蘇達)、木村祐一、マー・ルーロン(馬如龍)、田中千絵、チェン・ジーウェイ(鄭志偉)

<簡単なあらすじ>
1895年から始まった日本の台湾統治により、先住民のセデック族やタイヤル族たちは自身の文化や習慣を禁じられ、過酷な労働や服従を強いられていた。1930年、日本人警官との間に起こった事件がきっかけとなり、セデック族の長、モーナ・ルダオは日本側への蜂起を計画。長年の屈辱を晴らし、民族の誇りを取り戻すべく、運動会開催中の小学校や警察派出所へ奇襲攻撃をかけるのだった。多くの日本人が殺害され、日本軍は直ちに報復を開始。武器や毒ガスによる鎮圧を行う一方で、親日派先住民を動員し、蜂起部族の長の首に懸賞金をかけて部族の分裂を画策する。

今まであまり知られることのなかった台湾での抗日運動・霧社事件を再認識させるとともに、その奥にある人間の苦悩と意志、原住民部族のアイデンティティと部族存続の行方を力強く描き、歴史に名を残すであろう感動巨編。日本統治下における台湾最大の抗日暴動事件「霧社事件」を圧倒的なスケールで、歴史的事件の陰にある人間の葛藤を描いている2011年台湾映画界最大の話題作。ヴェネチア、ベルリンをはじめとする国際映画祭で上映された短縮版ではなく、台湾公開時と同じ1・2部で計4時間半におよぶ完全版。
(公式パンフレットより引用)

<感想>
昨年、台湾で上映された時に話題になり、是非とも観たいと思っていた作品。まさか大阪アジアン映画祭で上映されるとは思ってなかったので、日本初上映というだけでなく字幕付きで観れることがものすんごく嬉しい(泣)

日本統治下の台湾で、実際に起こった霧社事件を題材にした作品。実際に起こった事件を映画にするのはとても難しいと思う。ましてや歴史上に残る、しかも日本統治下の台湾で起こった日本人に対しての蜂起。時代背景だけは事前に調べて観に行きました。

マヘボ社の頭目モナ・ルダオが軸になっており、セデック族のアイデンティティ、文化や風習、そして葛藤が痛いほど伝わってきました。今作品を"抗日"と言っていいのかさえ疑問に思えるほど。セデック族は首を狩って残虐で野蛮だとか、日本人が容赦なしに殺されるとか、いろいろとマイナス評価はあるみたいですが、本作品を観て私にはそう思いませんでした。

セデック族は自分たちの狩場に無断で侵入するものは許さない。たとえ同じ種族であっても許すことはない。首を狩ることは勇気ある英雄として扱われ、社に戻ると真の男として入れ墨をしてもらえる。祖先の魂を受け継いでおり、真の男は戦場で死ぬ。それが祖先の天の家に入ることに繋がる。セデックの男としての証は顔の入れ墨。入れ墨がない綺麗な顔だと祖先の天の家に入る資格がないと幼少の頃から親に言われ、伝統を代々受け継いでる誇り高き者。同じセデック族内でも狩場争いはし烈で、首を狩るのが当たり前で仲間同士でも容赦ない。

モナが日本人の運動会を奇襲攻撃を決意した際、日本人を殺すことは祖先に捧げるためといって仲間たちを奮起させる。どこかカリスマ性がある人物像に思えますが、若い時から今までの振る舞いで、他の社からよく思われてなかったりも。なかには負け戦とわかっており、若者たちを無駄死にさせることはできない、子孫を絶やすことはできないと反対する頭目も。でも子供はそうじゃない。モナのように真のセデックの男になるため、伝統や風習を守ろうとしてる。

セデック族の誇りやアイデンティティを前面に出しているかといえばそうでもありません。現代では受け入れがたい内容もあり、良い面も悪い面もちゃんと描いてます。日本人はみな悪者に描いているのかというと、これもまたそうではありません。相手を侮辱する典型的な嫌な日本人ももちろんいますが、セデック族を理解しようとする日本も一部います。

花岡兄弟はとても印象的。「死んだら日本人の墓に入るのか?それとも天上の祖先の家にいくのか?」というモナの問いに葛藤。自決することで葛藤に決着し、これで魂が自由になれるんだと。なんだろう、花岡さんといい、モナが言う死んだら祖先の家に行くというくだりは、セデック族でありながらどこか日本的な部分を感じてしまいました。

本作を観る事ができて良かった!映画なのでフィクション部分もありますが、霧社事件を知ることができてホント良かった。一つの歴史的事実を偏りなく描いているので、冷静にこの事件を考えることができました。私自身、この事件は事前に調べてだけで詳細を深く知らず鑑賞したのですが、この時代の前後の歴史、さらに台湾における当時のセデック族の位置付けをちゃんと理解した上で鑑賞するともっと理解が深まったかも。

霧社事件を知らない人もぜひ観て欲しい作品。こういう史実があったんだということを知るいい機会にもなると思うし。台湾の方にはいま一度、わが国セデック族のアイデンティティについて知って欲しい、日本人にはセデック族はこういうアイデンティティを持ち、そして様々な葛藤があって日本の敵になったり味方になったりしたんだということを知って欲しいと監督は伝えたかったのかなと私は思いました。

実際、モナはここまでカリスマ性なかったとか、日本人はもっとえげつないことをしたとか、詳しい方から見るといろんな感想があるかもしれませんが、映画としては完成度の高い作品だと思います。セデック族の歌や踊りも良かった!第7回大阪アジアン映画祭で計8本観た中、今作品は私の中で1位です☆


上映前に監督の舞台挨拶があったのですが、そこで
・歌に意味が込められている。
・台湾社会が安定してる時に起こった事件なので描きたかった。
・原住民の人に出演してもらっており、牧師、SEなど様々な仕事をしており初めて映画出演した人が多い。
といったことをおっしゃってました(多分)。

さらに『セデック・バレ 虹の橋』の上映前に監督を囲んだトークイベントがあったのですが、私は時間が合わず断念(><)。Twitterで行かれた方の感想を拝見してると、いろんな話が聞けたようで有意義な時間だったようです。うらやましい~。

ちなみに今作品、第7回大阪アジアン映画祭2012で【観客賞】を受賞しました!!2011年の【観客賞】は『一万年愛してる』、2010年の【観客賞】は『聴説』。すごいぞ台湾映画!!3年連続【観客賞】を受賞するなんて!大阪アジアン映画祭のラインナップはセンス良く、その中で観客が選ぶ賞だからめちゃ価値あるよ!来年も是非とも開催して、たくさんのアジア映画を期待してまっす^^

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんにちは!ご無沙汰しています。
私もやっと本作品を鑑賞しました。
観終わったら疲れてしまい、しばらくレビューを書けませんでしたが
ようやくアップしました。
おっしゃるように、霧社事件という歴史的事件を知る契機となって
よかったです。
誇り高い民族の風習や人間関係など、音楽も合わせて興味深く
鑑賞することができました。
大阪アジアン映画祭2012での盛り上がりも体験したかったです。
第二部の方をTBさせていただきました。
2013.04.26 11:40 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
こんばんは!孔雀のもりさん。ご無沙汰しております^^
そして返事が遅くなってしまい申し訳ないです~(涙)
しかも!2ヶ月の間ログインしなかったら
いつの間にかコメントが承認制に変わってました…^^;あれれ
(公開にしちゃいましたが大丈夫ですか?)
しかも広告が常に出てきてブログが見辛くなってる~。

さてさて、本作品公開になりましたね!
神戸は5月中旬すぎ公開と毎度ながら関東より遅めデス。
(きっと神戸には監督来てくれないでしょう:涙)
監督は本作品に対しホント思い入れがあるようで、
映画祭でも熱く語ってらっしゃいました。

映画祭ではかなり観客賞を獲るぐらい評判よかった(のかな?)ですが、
そちらでは皆さんの評判はどうなんでしょう。
内容が内容だけに、かなり賛否が分かれそうな気がします。
でも歴史的事件を知るという意味では観て良かったと
私も思います^^
2013.05.07 22:15 | URL | #- [edit]

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