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「我らが愛にゆれる時」 <三大映画祭週間2011>

『我らが愛にゆれる時』  左右  IN LOVE WE TRUST

我らが愛にゆれる時


製作年:2008年
製作国:中国
監督:ワン・シャオシュアイ(王小帥)
出演者:リウ・ウェイウェイ(劉威葳)、チャン・ジャーイー(張嘉譯)、チェン・タイシェン(成泰燊)、ユー・ナン(余男)、チャン・チューチアン、チン・ハオ(秦昊)、カオ・ユアンユアン(高圓圓)

<簡単なあらすじ>
メイ・チュー(劉威葳)と夫シエ(成泰燊)は、幼い娘ハーハー(チャン・チューチアン)の熱が下がらないため病院へ行くと、白血病で発見が遅く、余命数年で救うためには骨髄移植が必要だと医者に告げられる。メイ・チューは前夫でハーハーの父親であるシアオ・ルー(張嘉譯)に連絡を取り移植の適合検査を受けるが、2人とも不適合だった。医者から両親が同じ姉妹や兄弟からの移植だと助かる可能性があると言われたメイ・チューは、ドナーを待つ時間がないため前夫シアオ・ルーとの人工授精で子供を生み、ハーハーを救おうと考える。だがメイ・チューには現夫シエ、シアオ・ルーには現妻ドン・ファン(余男)がいた。なんとか同意を得て人工授精に挑むがうまくいかない。なんとしてでもハーハーを救いたいメイ・チューは、シアオ・ルーに連絡を取りあることを提案するが…。2008年ベルリン国際映画祭銀熊賞(脚本賞)受賞作。

<感想>
印象深かった『北京の自転車』と同監督ということで観てきました!主人公メイ・チューと前夫との子が白血病にかかり、骨髄移植をしないと余命数年というのをベースに、2組の夫婦の心理、葛藤が描かれてます。ここで問題なのは白血病の子の親は数年前に離婚し、現在はそれぞれが再婚し、新たなパートナーがいるということ。

それぞれの夫2人は誠実。互いが気を遣い合っているのも印象的。シアオ・ルーは子供を欲しがっている現在の妻を想いながらも1人娘ハーハーのことを大切に想い、命を救うことを第一に金銭面で協力しメイ・チューの提案も聞き入れる。現夫のシエは、妻を愛し実子ではないのにハーハーを我が子のように可愛がる。家事も率先して手伝ってくれ、ハーハーに付き添うため自宅で仕事ができるように内勤、と絵に描いたような善人。人工授精で妊娠しない妻の苛立ちや行動を受け止める姿を見ると、正直どうしてここまで?と思えてくるほど。彼の葛藤は尋常じゃないと思うのですが、結果的にこんなにできた人間っているのかな。

一方、当事者でもなくいきなり夫の体を提供することになったシアオ・ルーの現若妻ドン・ファン。客室乗務員という忙しい仕事をしつつも、シアオ・ルーとの間に子供を欲しいと思っている。自分との間には子供を作りだがらない夫、なのに元妻とハーハーのために医学上とはいえ子供を作ろうとする姿勢が理解できない。そりゃそーだ。最もな反応。

復縁ではなく、ただただハーハーのためだけに前夫との間に子供を作ろうとするメイ・チュー。生まれてくるかもしれない子の将来はどうなるの?その将来もひっくるめて全てを受け入れようとするシエ。中国の一人っ子政策が背景にあるため、状況は深く複雑。メイ・チューとシアオ・ルーにとっては自分たちの1人娘だが、メイ・チューの現夫シエとシアオ・ルーの現妻ドン・ファンは再婚した相手の子供のため、生まれてくるかもしれない未来の子供のために、自分の子を作ることができない。ハーハーを救いたいという思いで納得するしかない現実。複雑すぎます。

その4人の描写が悲しい。メイ・チュー1人だけ、決めたことを最初から最後までやり通そうとする一本気。やはり母親だからか?あとの3人はこの状況に揺れに揺れ動く。シアオ・ルーの現妻ドン・ファンだけは想像通りの態度をとるものの、結局は"1人の少女の命を救う"という現実に同情し受け止めてしまう。

結局、左にいっても右にいっても何も変わらない。一番いい解決法も見つからない。4人が出した結論が正しかったのか誰にもわからない。社会的背景、道徳的モラル云々を問題にしているのではなく、これらの背景の上にいる4人の心情を淡々と描いているという感じの作品でした。深いです。ホント深いです。
今作品で初めて劉威葳さん、張嘉譯さん、成泰燊さんを知りましたが、皆さん素晴らしい演技で、実際も作品中と同じような性格なんじゃないかと思えるほど。特に成泰燊さんの笑顔にはやられた!

高層マンションの下請けの仕事をしているシアオ・ルー。そして高層マンションの不動産仲介をしているメイ・チュー。高層マンションラッシュの中、下請けでのお金の問題や、高級マンションを買いに見学にくる若い夫婦を見てると、高度成長の中国、また中流階級以上の家庭が増えている現状も背景にあるのかなとふと思いました。

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんにちは♪
先日まで開催されていた『中国映画の全貌』のラインナップに入っていたのですが
都合がつかずDVDを借りました。
衝撃的な内容でしたが、おっしゃるようにモラルの是非を問う、というよりは
心理描写の方に重点が置かれている作品でしたね。
私は心の中で激しく是非を考えてしまいましたが。
ただ、もし自分があの立場なら、とは考えなかったです。
現実世界ながら、芸術的に見せるシーン、象徴的な場面が
たくさんあって、興味深かったです。
2012.12.09 10:39 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
こんばんは、孔雀の森さん♪
ホントこれは衝撃的な内容でした。メイ・チューの決断は
想像を超えてましたが、いざメイ・チューの立場になると…
うーん、立場になること自体考えたくないというのが正直な感想^^;
ただ彼女を取り巻く3人のような寛容な態度は私には取れないかも…

孔雀の森さんの感想を拝見し、実話に基づいていると知りびっくり!
中国では本作品をどのようにとらえられているのかしら。

王小帥監督はこれで2作目ですが、結構社会派ですね。
他の作品もこんな感じなのかしらん?
他の作品も興味ありありです^^
2012.12.11 22:17 | URL | #- [edit]

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我らが愛にゆれる時
2007年/中国/1時間55分(レンタルDVD) 監 督  王小帥(ワン・シャオシュアイ) 原 題  左右 英 題  In Love We Trust 出 演  劉威葳(リウ・ウェイウェイ) 成泰燊(チェン・...
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