TK.blog

好きな映画や小説etc

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「クリスマスに少女は還る」 キャロル・オコンネル

『クリスマスに少女は還る』  JUDAS CHILD

クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)

 著者:キャロル・オコンネル (Carol O'Connell)
 訳者:務台夏子
 出版社:東京創元社 創元推理文庫




<簡単なあらすじ>
クリスマスも近いある日、ニューヨーク州の片田舎メイカーズ・ヴィレッジで聖ウルスラ学園に通う10歳のグウェンとサディーの少女2人が行方不明になった。特捜班に抜擢された25歳の刑事ルージュ。彼は15年前、同じ時期に双子の妹が誘拐されクリスマスの日に死体で発見されるという過去を持っていた。そんな時、ルージュの前に顔に大きな傷跡がある法心理学者のアリが現れ、妹の事件と今回の事件が関連しているようなことを言う。だが15年前の犯人は現在も刑務所で服役中。では一体誰が?少女たちを救出するため警察官、FBI捜査官、心理分析官たちが捜査に乗り出す。一方、グウェンとサディーは監禁された場所で脱出の方法を考えていた。

<感想>
ニューヨーク州副知事の母親を持つ金持ちで美少女のグウェン、ホラー映画が大好きでその手の手法であれこれと人を驚かすのが大好きなサディー。2人は大親友。そんな2人が誘拐され、特捜班に抜擢されたのは15年前に妹が誘拐され殺された過去をもつルージュ。新たな犯人を見つけるために闘志をメラメラというタイプではなく、あまり喜怒哀楽を表に出さない淡々としたタイプ。だけど侮ってはいけない。彼は意思も強いし素質も十分に持ち合わせてます。

少女を最後に目撃した聖ウルスラ学園の生徒デイヴィット。ものすごく内気で彼から事情を聞くのは至難の業。そんな彼と交流を持っていくルージュ、そして心を開いていくデイヴィット。という話もありつつの前半。

また法心理学者のアリは、今回の犯人は15年にわたって殺しを繰り返している小児性愛者だと。子供たちはいつも2人づつ誘拐されるというパターンを提示し、そして誘拐された2人の少女(の役割)について見解をはっきり言い切る。法心理学者のアリが散々「○○はもう…」なんて言うもんで、読んでいる側は心配するじゃないか~。でもすぐに少女たちが監禁場所で何とか助かろうとしているのがわかったのでとりあえずは一安心?

一体誰が犯人なのか?現在服役中の犯人は冤罪だったのか?と謎解きの部分は「すごい!そうだったのか!なるほど!」という感想はないかも。犯人がわかっても特に驚きも感動もなし…。というより、この本は犯人探しがメインではなく、エピローグに全てがつまっているような気がします。犯人もわかり手口もわかり、長編の本作をやっと読み終えた…と思ったら最後のエピローグでびつくり!!!な、なんとまぁ…。タイトルの『クリスマスに少女は還る』の意味がわかりました。クリスマスらしいといえばそうですが、「奇跡」と言っていいのかどうか…。せつないというか何とも言えない余韻が残ります。

サディーの母、ベッカ・グリーンが印象的。フォークに刺さったゴムの目玉を愛用しているサディーを芸術家と言い、子盗り鬼との遭遇に備えていろいろと人を驚かすのを趣味にしているからサディーは必ず生きてると。そしてなんといってもサディーがとっても魅力的。思慮深いグウェンを励まし勇気と希望を与え続け、「これでも一生懸命やってるの」「わたしにあんたを置いていけるわけないでしょう?」といった言葉が印象的。読み終えて真相を知ったあとならなおさらのこと。母親が言うとおり、彼女を愛さずにはいられなくなっちゃいます。

一体アリにはどんな事情が?と思ってましたが、最後にはアリの顔の傷跡、誘拐のパターンをはっきりと言い切った訳などがわかり、かなり重要なポジションっだったと納得。そういやアーニー、登場時に比べ最後ではかなりイメージが変わった!嫌~な奴だったのに、最後の方ではそうでもなくなってた。

強く結ばれた友情、贖罪、親と子、宗教観、正義感、葛藤。そして辛い過去を持つ人たちの描写がすごい。ただ登場人物が多いのが難点で、巻頭に登場人物紹介がなければきっと誰が誰だかわからなくなってたかも^^;真相にびっくりし、作中に伏線はあったと思うのですが600pもある本作をもう一度読み直す気力はないかも…。なにはともあれ最後の最後に犯人の名前すら思い出せないほど強烈な真相が待ち受けており、読み応えある1冊でした。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://tkat.blog55.fc2.com/tb.php/855-adef81c4
該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。