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08/01 「青猫家族輾転録」 伊井直行
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2006.08.01 Tue

『青猫家族輾転録』 

青猫家族輾転録
 著者:伊井直行
 出版社:新潮社






<感想>
主人公は51歳の僕。30年ほど前に亡くなった叔父に対して語りかけてる僕の人生。妻と17歳の長女、そして0歳の次女(この次女についての顛末はのちに語られています)を持ち、小さいながらも会社を経営してる主人公のこれまでの波あり谷ありの人生を綴ったもの。

娘の問題、過去に仕事で自分を裏切った荻田とその元妻の桃ちゃん、自分が経営する会社、叔父さんと過ごした思い出、その頃好きだった女の子の存在などが今現在の自分と過去の自分、そしておじさんが語る話と交差しながらストーリーが進められていくので最初は頭で整理しならが読んでいくことに。今時の娘のようでありながらドライな部分もあり、父親の話をちゃんと聞くところはやはり小説の中の17歳かなと。叔父さんが体験した話も少し現実離れしてはいるけどとても興味深い叔父さんであることは間違いなし。
そんな中、主人公が働いていた会社を辞めるに至っての経緯、そして元夫に対する桃ちゃんの感情ではストーリーに引き込まれるぐらい共感。
しかしこの「青猫家族輾転録」というタイトル、どこからきたんだろう?と思ってましたが、最後の方で娘が描く自分自身を重ねた青い猫の絵を見た主人公がふと口にした荻原朔太郎の「青猫」という詩集からきてたんですね。うーん、このほんの数ページにしか出てこない「青猫」がタイトルに?この詩を思い出して色々考える主人公、わかるような気もしますが正直わからないかも(笑)。

友達に薦められて初めて読んだ伊井直行。名前を聞いた時は思わず「井伊直弼が書いた本だって?!」とベタな事を言うぐらい全く知らなかった著者です
この本を読んで好きな部類か嫌いな部類かとと言えば・・・・・実は好き(なんか恥ずかしい)。
なんでしょう、途中からちょっと夢中になって読んでしまった。淡々とした主人公の語りなんですが、一つ一つの問題を考えると現実的に身近にあること。完璧な解決法を提示する訳でもないのですが、なぜか惹かれるといった感じ。
        
この作品の発表後大幅な改稿をしており<重心位置>が移動されてるそう。新潮に掲載されてた時の内容が気になるところ。

21:33 | [小説]A-E | edit | trackback(0) | comment(4)

こんにちは。井伊直行は私も好きな作家です。
なんか不思議な味わいのある文章を書く人なんですよねえ。
絶版が多いのが非常に残念です。
Takeman URL #- | 2006.08.02 15:39 | edit?
こんばんは。
私、伊井直行を間違って井伊直行と書いておりました・・。大変失礼いたしました。(←修正済)

伊井直行著者も絶版が多いのですか!「お母さんの恋人」「草のかんむり」が読みたいのですが、おそらく図書館頼りかな。他の作品も是非読んでみたいですね〜。
TKAT URL #- | 2006.08.02 21:14 | edit?
ああ、お恥ずかしい。私も間違えておりました。

>伊井直行著者も絶版が多いのですか
絶版でないのは、おそらくはこの本と「お母さんの恋人」ぐらいではないでしょうか。
傑作と名高い「濁った激流にかかる橋」も絶版のままで、文庫化されるのを期待しているんですが……。
Takeman URL #- | 2006.08.03 11:26 | edit?
「井伊直弼」が頭にあったのですっかり「井伊」と勘違いしておりました。Takemanさんにまでご迷惑お掛けして申し訳ないです。

「濁った激流にかかる橋」も面白そうですね。連作短篇集なのだとか。最寄りの図書館には置いてあるようなので借りてこようかな(記事を書いた時は、図書館OPACでずっと井伊直行で検索してました・・。どうりで一冊もヒットしなかった訳だ)。
TKAT URL #- | 2006.08.03 19:54 | edit?





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