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「苦役列車」 西村賢太

『苦役列車』  

苦役列車

 著者:西村賢太
 出版社:新潮社





<簡単なあらすじ>
『苦役列車』
19歳の北町貴多は、父親が性犯罪者になったことで他者と交わることをしなくなり、中学を出て以来ずっと日当5500円の日雇い港湾人足仕事でその日暮らしの生計、お金に困ると母親から強奪するようにお金をむしり取る生活を送っていた。友達も彼女もおらずだらけた生活を送っていたある日、日雇いの現場で同年代で専門学校に通う日下部と知り合う。友達と呼べるような付き合いをするようになるが、日下部に女子大生の彼女がいることを知った貴多は僻み、妬むようになり、お酒の席で暴言を吐いてしまう。そして日下部は貴多と距離を置くようになる。
『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』
バイトしながら小説を書き原稿料をもらうようになった貴多。ひどいぎっくり腰に悩まされるてる中、唯一の光明となっているのは川端康成文学賞の候補に残ったことだった。1週間後、薬をもらうため病院に行った帰り、ゲンをかつぐためにある古本屋に寄ることにした。名声・栄誉がどうしても欲しい貴多、川端康成文学賞を受賞することができたのか。

<感想>
第144回芥川賞ということで図書館で予約し、やっと手元にやってきました!初西村賢太さんです。読み終えて著者のインタビュー記事を読んだところ、どうやら主人公の北町貫多は著者自身で内容の9割は事実という私小説なんだそうな。
そう言われてみれば『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』の方は普通の日記を読んでいるような感じがしたような気がしないでもないです。
『苦役列車』はどうして冒頭から難しい漢字を使うのかしら?後半はそれほど難しい漢字はないような気がするんだけど。"曩時"って?って最初から読むのつまづきそうになっちゃった^^;

人一倍の見栄っ張りでプライドが高い、だが覇気はなく根が意志薄弱で目先の欲にくらみやすく、そのときの環境にも流されやすい性質。友達も彼女もいず虚しい毎日。唯一友達のような関係になりつつあった日下部に対してもこのような態度で接してしまう。自分でもひがみ、コンプレックスだとわかっていてもそれを口に出してしまう。せっかく友達になりかけたのに自ら壊してしまうわけで。すごいダメ男くんに描かれているのですが、大人になった著者が書いているため、そのダメ男ぶりを冷静に書いてる部分もあったり。

実際の体験にどこまで物語としての事柄が付け足してあるのかわかりませんが、話題になるほど壮絶な青年時代を送っているとはあまり思えないかも。親が性犯罪者というのは別として、実際、貫多よりひどい生活してる人、貫多より強烈な性格をしている人は沢山いるし…。でも確かに周囲にいると面倒臭くて扱いにくい青年^^;

恵まれた環境にいる日下部とを比較し、自分のこのような生活は一体いつまで続くんだろうか、自分の行く末に心細さや不安も描かれてます。といっても彼の劣等感・嫉妬心は普通以上のもの。結構自虐的な内容です。将来はどんな生活を?と思っていましたが、次に『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』を読んで「なんだかんだといってちゃんと小説書いて川端康成文学賞の最終候補まで挙がってるじゃん」とwさらに芥川賞まで。今後、私小説を書いても現在の境遇が違うからモチベーションも変わりそうな…。どうなんでしょ?

『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』では担当者にかんなり非常識な態度をとり続けておりこりゃひどい…。これって40歳前後の話でしょ?社会人として問題ありありレベルです。こういうダメ男ぶりをアピールした作風が西村さんの特徴なのかなぁ??この本を読む前に、西村さんの他の著書を読んでどんな内容の本を書く方なのか知ってた方がより理解できたのかもしれないと今更ながら思いました。

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