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「ストーリー・セラー」 有川浩

『ストーリー・セラー』  

ストーリー・セラー

 著者:有川浩
 出版社:新潮社





※ネタばれあり※
<簡単なあらすじ>

side:A
「仕事を辞めるか、このまま死に至るか。二つに一つです。思考に脳を使えば使うほど、奥さんの脳は劣化します。つまり、奥さんは思考することと引き替えに寿命を失っていくのす」と医師から妻の病状を告げられた。妻の職業は売れっ子作家。そして作家になることを勧めたのは夫である自分だった。
side:B
次作の小説内容を悩んでいたら夫からある助言をもらい、妻は面白そうと思う。そんなことを考えていたらバチが当たった。幸せに暮らしていたある日、夫が交通事故に遭ったと連絡が入る。そこで妻は医者からあることを聞かされる。

<感想>
side:Aは"面白い物語を売る"というコンセプトで作られたアンソロジー『Story Seller ストーリー・セラー』に収録。で、アンソロジータイトルにインスパイアされて生まれたのが今作品で、単行本化にあたりside:Bが書き下ろされたそうです。

side:Aは3年前にアンソロジー収録を既に既読。私にはめずらしく内容を覚えてました!だってインパクトある内容だったんですもん。以下、アンソロジーの時の感想とちょっと重複します。2人の出会いのきっかけ、結婚にいたるまで、なぜ作家になることになったか、作家になったゆえの苦悩などが描かれています。自分が書いたものを最初のファンである夫に読んでもらう喜び。本来は幸せなはずだったのに書くことによって自らの寿命を縮めてしまうなんて!致死性脳劣化症候群、と彼の妻のためだけに名づけられた彼の妻のためだけに使われる病名。

小説が書けるのも激怒したおっさんの霊が降りてきて威勢よく正論をもって戦えるのも、すべて後ろに支えてくれる夫がいてくれるからだと彼女は言う。物語の結果は既に知っていたものの、彼女の手紙にはちょっとだけうるっときてしまった。

で、そのままside:Bへ。こちらは初めて読むので一体どんな内容だろうと思っていたら…冒頭から驚きの真実が!!やられたー。と思ったのもつかの間、バチが当たったという言葉で嫌な予感…。

side:Aもside:Bも夫はサラリーマンで妻が作家という設定。といってもside:Aは夫からの目線で病気の妻を看取るもの、side:Bは妻からの目線で夫を支えるというもの。信頼しあっていて支え合う夫婦間はいいですが、どうも全体的に「泣かせよう」という雰囲気が…。

しかも最後の担当者との会話の真意は?死を扱った物語で「もしかしたら真実かもですよ」と読者に「えっ、どこまでは本当なの?」と謎を残すのは個人的に正直引いてしまう。全部フィクションなら洒落にならないジョーク。(いくら旦那さんがOKを出したとしても)

有川さんのベタ甘シリーズはなんだかんだと好きですが、今作品に出てくる作家の妻2人にはあまり惹かれるものがなかったかも。逆に夫2人はなんて出来すぎなんだろうと(笑)。「君を甘やかすのが好き。君を甘やかすのが俺の人生の目標」と言われてみたい。もしかしたら作家の妻2人の妻に惹かれるものがなかったのは、2人とも優しすぎる夫を持ち甘やかされてるから?ただ単に私がそんな妻に嫉妬してるだけだったりして(笑)。作中の夫像はきっとノンフィクションなんだろうなー。作家である自分の一番の理解者で助言もしてくれるご主人だからこそ、今作品が書けたのではなかろーかと。

私が独身ではなく夫がいたら、今作品の感想がまた違ったものになったかもです。

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんにちは~
最後の担当者との会話、思い出しました。
だから私は困ってしまったのです。
TKATさん同様、シャレにならないジョークだと思います。
物語自体には、驚かされ、泣かされ、起伏に富んだ展開を
楽しんだ覚えがありますが。
図書館シリーズや、その他ベタ甘と言われる有川作品では、
登場する女性自身の努力が見られたので、好意を持って
見ていました。
でも今回は夫を持ち上げようとしたせいか、あるいは
妻たちを謙虚にさせすぎたせいか、彼女らの魅力に
欠けた物語になった気がします。
なんだかんだいって、私は男も女もガツガツしている方が好きだわ。
2011.08.30 18:24 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
こんばんは!

孔雀の森さんのおっしゃるように今回の物語は現実的に見えて
実はすごい虚構なので自分と重ねるということはなかったかも。。
図書館シリーズは明らかに設定が非現実背景なので楽しめマス(笑)
登場人物たちもみな前向きだし、ベタ甘過ぎるのもまたよしw

>物語自体には、驚かされ、泣かされ、起伏に富んだ展開を 楽しんだ覚えがありますが。

そうそう、私も途中までは完全フィクションとして楽しんだのですが、
最後の担当者との会話で死をノンフィクションと匂わせたことで
エンターテイメントとして純粋に楽しめなかったんですよぉ~。

今、有川さんの違う著書を読んでいるのですがこちらは
ポジティブな結果になりそうな内容で面白い予感がしてます^^
2011.08.30 20:45 | URL | #- [edit]

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