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「愛おしい骨」 キャロル・オコンネル

『愛おしい骨』  BONE BY BONE

愛おしい骨 (創元推理文庫)

 著者:キャロル・オコンネル (Carol O'Connell)
 訳者:務台夏子
 出版社:東京創元社 創元推理文庫 




<簡単なあらすじ>
カリフォルニア州の小さな町コヴェントリーにオーレン・ホッブズは合衆国陸軍犯罪捜査部を辞めて20年ぶりに帰郷した。幼少の頃に母親が亡くなった時、家にやってきホッブズ一家の世話をしてくれてる家政婦ハンナから気になる手紙をもらったからだったが、彼を迎えたのはハンナ、元判事の父親ヘンリー、そして何者かが玄関先に置いていく15歳で行方不明になった弟ジョシュアの骨だった。20年前、当時17歳のオーレンと15歳の弟ジュシュアは森に行き、ジュシュアだけ姿を消し今に至っている。その弟の骨が今頃になって家に戻ってくるだけでなく、その骨にはジュシュア以外の骨も混ざっていた。これだけの年月を経た今、町の人々の秘められた裏の顔が次第に明らかになっていく中、オーレンは真相を探り始める。

<感想>
2011年の『このミステリーがすごい!』で1位を取ったということで借りてきました。といっても予約してから5ヵ月以上経ってやっと手元に。各ランキングに入ると人気の度合いがぐんと上がるので待ち人は増えるばかり。その分、期待度もアップし楽しみにしていた1冊。

読み始めは文章がとっても読みづらくページがなかなか進まなかったのですが、いつしか気にならなくなり小さな町コヴェントリーの個性ある人たちに興味が沸いてきました。元判事の父親、町の保安官と副保安官、副保安官の母親であり図書館司書、ホテルの女主人、鳥類学者とその両親、元警官、ゴシップライター、州捜査官等々。登場人物のキャラがとっても濃く、それぞれが複雑に繋がっており徐々にそれが明かされていきます。

なんといっても魅力的なのは家政婦アンナ。謎だらけはあるものの賢くて誰よりもホッブズ一家を愛している。威厳に満ちた家政婦というところから大柄でおっかない感じというイメージがあるのですが、実は小柄で華奢で小妖精(ピクシー)と表現されてます。そして州捜査官の女性。最初はいけ好かない人物だと思ってましが予想を覆してくれる人物でした。
もう1人鳥類学者であるイザベルの強烈な性格にはびつくり!突然キレるし挨拶代わりが事件に発展しそうなほどの暴力的。いくら過去のことや家族背景があるとはいえもう30代でしょ?この態度はかんなりこわい…。これでアンナに認められてなかったならただの危険人物です。。

誰が犯人なのかが全くわからず、「この人?」と思ったら違い「この人だ!」と思ってたらまた違い…という風に最後の最後まで引っぱってくれるもんだから先が気になって後半は一気に読んじゃいました。心の奥に秘めたものや複雑に絡み合ってるそれぞれの過去の描き方がスゴイ。ってか皆よく20年以上も前のことを覚えているねー。私は些細なことはもちろん、多少重要なことがあったとしても20年以上の前のことなんてこれっぽっちも覚えてません…

あとがきに書かれている通り、今作品は様々な愛について書かれています。父と息子、母と娘、妻と夫、男と女。みなそれを口にしないから複雑そうに見えますが、口にさえ出来ていれば簡単な愛のはず。愛と言えどもどれもが奥深すぎて一筋縄ではいかない。

ジュシュアの事件によって、あるいはその家族の事情によって、過去のトラウマによって、奥に潜み何か起こらないと表面に出てこない歪んだ愛。骨が玄関先に置かれ、オーレンが帰郷したことで秘密のパンドラの箱が開けられてしまったという感じ。
そんな中、ハンナが語る20年ぶりなのに家の中が全く変わってない様の理由、そして「オーレンはいまどこなんだ?」と言われて答えるハンナのセリフはなかなか!前者はうるっとき、後者は「ヒィ~!」て雰囲気。

じっくり読まないと頭の中がこんがらがってしまいそうなぐらい読み応えある一冊でした。映画化したら面白そうかも。
読み終わってとっても疲れた一方、人物の描き方がハンパなく凄いなと。他の著書でもそうなのかな?『クリスマスに少女は還る』が面白いらしいので早速図書館で予約しました。楽しみだなー♪

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