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2006.07.18 Tue 『死者と踊るリプリー』 RIPLEY UNDER WATER
![]() 著者:パトリシア・ハイスミス (Patricia Highsmith) 訳者:佐宗鈴夫 出版社:河出書房新書 河出文庫 <感想> リプリー・シリーズの5作目で完結編。3作目「贋作」の続編となっており、ダーワット事件をベースにその5年後を描いている作品。 妻エロイーズと平穏に過ごしているトム・リプリー。そんな中、近所に越してきたアメリカ人のプリッチャード夫妻がトム夫妻の生活を脅かす存在に。今まで後ろめたいことをしてきたトムは、誰かが雇った探偵やCAIが過去に犯した殺人事件を調べてるのかと勘ぐるのですが、やましい過去が多すぎると身に覚えが多すぎて大変です・・・。 トムが殺したはずのディッキーを名乗る人物からの不審な電話もかかってくるようになるのですが、トムに対してたちの悪い嫌がらせをするとはかなりのチャレンジャー。 プリッチャードがトムの過去をほじくり返し、どこまでも付きまとうという行動は一種のゲーム。しかも今まで面識もない相手を傷つけるという尋常なゲーム。今までトムに関わった人達の中で一番変わり者というか常識を逸した夫婦の登場で、トムはそんな相手にどう対処するか。 「贋作」で名前だけが頻繁に登場するシンシアが今回登場し、マーチソン事件に関わった人物も多数登場しており「贋作」を読んでないとわからない内容となってます。ちなみに3作目「アメリカの友人」、4作目「リプリーをまねた少年」は読んでなくても大丈夫。 両親が溺死、ディッキーも水の中に沈め、最後の最後まで水が関わってくるこの完結編。神は一体どこまでリプリーの味方をするんだろう。ハイスミスはこれが最後と意識してこのような結末にしたのか、それとも続編を考えた上なのかはわかりませんが、正直これで完結なのは少し残念。アメリカ人夫妻によって忌々しい過去をトムに思い出させるということは、いくら現在平穏な生活をしてても結局過去は消せず、過去とともに生きていかなければならないというメッセージなのか? 作中にトムが読むのをとても楽しみにしてる本が出てくるのですが、それはオスカー・ワイルドの伝記。トムは他人の生き方にまったく興味がないのかと思ってた私には少し意外な感じ。しかもなぜオスカー・ワイルド?耽美主義、破壊的人生に共感?文中にもトムのオスカー・ワイルドに対する想いが書かれてるのですが、わかるようなわからないような・・・。 しかしこのシリーズ、1作目から5作目までに36年かかってるのが凄い!今となってはすぐ次の作品を読めますが、当時リアルタイムで読んでた読者には完結まで超長かっただろうな〜(笑)。 晩年のリプリーがすごく気になるのですが、私の想像ではトムはきっとこの調子で人生を終えそうな気がします。 19:37 | [小説]F-J | edit | trackback(0) | comment(4) リプリー・シリーズ全部読破ですか!すごいなあ。
ハイスミスの作品は目に付く限り買っていますが、全然といっていいほど読んでません。短編集は全部読みましたが、長編は二、三作のみ。ハイスミスの長編を続けて読むのは、しんどいんですよね。 この勢いで、ぜひTKATさんには、ハイスミス全作品読破にチャレンジしてもらいたいです(笑)。 リプリー・シリーズ一気に読んじゃいました。ハイスミスの長編はこのシリーズしか読んでないので、是非他の作品も徐々にチャレンジしようかと思ってます(やっぱり全作品読破?)。
私からみると短編を全部読破したkazuouさんの方がすごい!ほとんどの著者の短編を読んでらっしゃるんですね〜。kazuouさんが読んだことのない著者っているんだろうか思ってしまうほど。師匠と呼ばせていただきます(笑)。 TKAT URL #- | 2006.07.19 07:20 | edit?
リプリー・シリーズ読破おめでとさんです。
ぼくは4作目だけ読んでませんけど、リプリーの話って陰湿な話なのに、なんで引き込まれちゃうんでしょうね。 ぼくは長編を4、5冊読みましたけど、どれも普通の人(家庭)が犯罪に至るまでをジクジクと描いています。 でも好きなんですよね、ハイスミスって。 ありがとうございます。5011さんに教えていただいたリプリーシリーズもとうとう読破してしまいました。
続けて読みリプリーワールドにどっぷり浸かって少し疲れました(笑)。今後ハイスミスを読むときは間をあけて読むことにします。次のハイスミスの予定は「見知らぬ乗客」(こちらはとりあえずDVDから・・)。このあとはもちろん「鬼ママを殺せ」を見なきゃね。 TKAT URL #- | 2006.07.20 19:37 | edit?
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