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「リプリーをまねた少年」 パトリシア・ハイスミス

『リプリーをまねた少年』 THE BOY WHO FOLLOWED RIPLEY

リプリーをまねた少年
 著者:パトリシア・ハイスミス (Patricia Highsmith)
 訳者:柿沼瑛子
 出版社:河出書房新書 河出文庫   




<感想>
リプリー・シリーズの4作目。ダーワット事件(3作目「贋作」)の後の設定で、作中でも「贋作」での絵について何度か話題になってます。
父親を殺してしまい、家出をしてきたアメリカ少年フランクがトム・リプリーを頼ってくるというストーリーで、リプリーをまねた少年というよりは、リプリーを慕ってる少年と言った方が合ってるかも。
まだ16歳の青年で、お金持ちの子供らしく教養があり素直でスレてないところがないフランク。彼の書いた事件の真相を書いた原稿に、トム・リプリーになぜ会いにきたのか、なぜトム・リプリーただ1人にだけに事の顛末を知って欲しいのか、トム・リプリーこそが真の自由な魂を持ちそれに値する生き方をしている・・・とトムに対する想いが書かれてます。そんなフランクに対しトムは心を打たれ何かと親身になって手助けをし、良心の呵責に耐え切れなくなった少年を守っていこうとする姿はまるで少年の父親のよう(殺人を犯してしまった罪悪感を取り除こうとするのはまさにトムにはうってつけの役目?)。
2人の接点は理由は全然違うにしろ、殺人を犯したことがあるということだけ。こんなことで少年の将来が崩壊するのは見たくないということなんだろうけど、肝心なのはフランクの心には彼女に失恋したという思いが大部分を占めており、さすがにこればかりはトムにもどうしようもない。というか、今までの人生で女性に対し真剣に愛し悩んだことがトムにあったのかが疑問・・・。

フランクのために一緒にアメリカに行ったトム。ディッキー事件以来はじめての帰国かと思うのですが、母国に対しての愛着が殆ど見られず、今の生活を大事に生きてるんだと改めて認識。親身になって人の世話をするも、自分が飽きたり決着が付くと自分の生活に戻る切り替えがとても早く、それでいて周りの人間には礼儀正しく振舞う姿はやはりトムだな~と。

今まで非道で残酷な面々を出してきたトム・リプリーですが、この4作目ではそれほど悪い奴には見えない・・・と思わせつつやはり内面は一貫しており、ハイスミスが描くトム・リプリーに破滅はあるのかシリーズ最終巻が気になるところ。

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