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「アメリカの友人」 パトリシア・ハイスミス

『アメリカの友人』 RIPLEY'S GAME

 著者:パトリシア・ハイスミス (Patricia Highsmith)
 訳者:佐宗鈴夫
 出版社:河出書房新書 河出文庫   

<感想>
リプリー・シリーズの3作目。前作「贋作」の翌年の設定となっており生活基盤はそのまま、さらに再登場のリーブズ(「贋作」でトムは彼の仕事を時々手伝ってた)が今回、トム・リプリーのもとに殺人が出来る前科のない人物の紹介依頼にやってくることに。トムは白血病の額縁商トレヴァニーに残りの人生は僅かと思い込ませ、この仕事を引き受けさせるようあの手この手で裏から策略することに。しかも初対面でトレヴァニーに何気に言われた言葉を根に持ってたトム、トレヴァニーが不安におちいらせたいというゲーム感覚でしかないのはますます悪者ぶりが増してる・・・。
ディッキー事件から約7年経ってても(文中によると贋作ではディッキー事件から6年経ってる設定だったので、今回はディッキー事件からおそらく7年後のはず)未だにディッキー事件に対する周りの反応が気になるトム、それと同時に自分の評判もよくわかってるようです。

この物語の主人公は一瞬トレヴァニーだろうか?と思ってしまいがちですが、全ての発端はトム・リプリー。自分からトレヴァニーを巻き込んだにも関わらずトレヴァニーが追い込まれると助けてしまうのは、ただ単にマフィアの大物を消すことに手を貸すという自己満足で高潔の行いに酔ってるせいなのか?
よく恋愛に例えて、恋をしてる自分に恋してるっていうのと同様、悪者を消す正義の味方という自分に恋してるって感じ??←ちょっと違うか。
そんなトムに対し、トレヴァニーは自分の家庭まで振り回され思案深くなっていくのですが、どうみてもトムが関わらなければそれなりに幸せに暮らせたはず。

前作の登場で興味を持った妻のエロイーズの出番が少なくちょっと残念。でも家政婦のマダム・アネットがとても機転が利きトムから絶大な信頼を得ているのがよくわかります。少しだけディッキー殺害についてトムの気持ちが描かれてるシーンがあるのですが、それを若気の至りととらえ、それからのトムが手をかけた殺人は自分自身あるいはほかの人間を守るためだけに行ったと思ってるのは心底からなのか、それともそう自分に言い聞かせているのか・・・。
まだまだトム・リプリーから目が離せません。

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