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「蝦蟇倉市事件1」

『蝦蟇倉市事件1』  

蝦蟇倉市事件1 (ミステリ・フロンティア)

 著者:道尾秀介/伊坂幸太郎/大山誠一郎/福田栄一/伯方雪日
 出版社:東京創元社 ミステリ・フロンティア






・『弓投げの崖を見てはいけない』 道尾秀介
・『浜田青年ホントスカ』 伊坂幸太郎
・『不可能犯罪係自身の事件』 大山誠一郎
・『大黒天』 福田栄一
・『Gカップ・フェイント』 伯方雪日
以上5編からなるアンソロジー。

『弓投げの崖を見てはいけない』 道尾秀介
蝦蟇倉市には、自殺者の霊が集まっているのでこの道を走行中は崖を見てはいけない、霊と目が合うとあの世に連れていかれると言われている弓投げの崖という自殺の名所がある。そこで安見邦夫は前方の車に衝突し事故に遭ってしまう。悲劇から3ヵ月、刑事の隈島は邦夫の妻に犯人を絶対捕まえると約束するが、事故から逃げ去った若者が殺された。一体誰が犯人なのか――

しょっぱなから道尾さんなのでこりゃ期待大だと思っていたら、ホントに期待通りでした。読み手にきっとこうだろうと思わしておいて実は違ったなんて!いい意味で騙されたー。あとでもう一回読み直すとちゃんと伏線はあったのね。。奥付の前ページに執筆者コメントが記載されており、道尾さんだけ問題を出しているのですが私はてっきり邦夫だと思ってました。でもわざわざ問題にしてるってことは違うのか?!他の方の感想を拝見してると皆さん出されている3つのヒントにのっとってちゃんと推理されてます。他のストーリーとの時系列も関係してるようで意外と難しい問題だったのね~。道尾さんの解答はどこかで発表されてるのかな?
※初版に時刻の誤植があるみたいです。詳しくは出版社のHPに記載されてます。

『浜田青年ホントスカ』 伊坂幸太郎
僕は慣れない車で蝦蟇倉市にやってきた。スーパーの駐車場で相談屋をしている稲垣から「アシスタントをしないか」と声を掛けられる。客との応対中に裏の部屋にあるモニターで監視し、1週間後に自分の代役をして欲しいと言われた僕はそこに寝泊まりし言われた通り監視する。そして1週間後…

こちらも二転三転し意外な展開に。相談に対する稲垣の素晴らしい(?)解決法、何も考えてなさそうな浜田青年の会話が軽妙でサラッと読めちゃうんですが、結末はどちらかと言えばダークな感じ。でもそれを感じさせないのが不思議。ちなみに伊坂さんは他の作品を数作読んでから仲間に加わったそうです。だから他のストーリーとリンクしている部分があるんだ。遊び心があって面白い♪

『不可能犯罪係自身の事件』 大山誠一郎
不可能犯罪の発生件数が名物になるほどの蝦蟇倉市。不可能犯罪係の真知博士のところに10年前に起きた不可能犯罪を解決して欲しいと当時の被害者の息子:水島賢一が現れる。話を聞いてるうちに博士は寝てしまい目を覚ますと水島が殺されていた。密室で起こった事件のため博士は疑われてしまう。10年前の事件と同じく今回の事件も犯人を見つけるのは難しいのか。

トリックが複雑というか無理っぽくないですか?というのが正直な感想。そんなややこしい方法でよく殺害できたなと感心。謎解き展開は王道のような感じですがちょっと凝りすぎ感が…。犯人側の計画もすごいけど、それを推理する側もある意味すごいです。

『大黒天』 福田栄一
1年前に亡くなった祖父が始めた店を、祖母は独り身になっても切り盛りしていたがある日倒れてしまう。開店当時から店頭に飾られていた木彫りの大黒人形が違う人間に渡ってしまったことが原因らしい。その経緯を不審に思った孫の靖美と輝之は大黒人形を取り戻すため調べ始めるが、思わぬ過去を知ることとなる。

知らない人物に、"大黒人形は実は祖父が盗んだもので、元の持ち主に依頼されて返却を求めにきた"といきなり言われたことで動き出す孫たち。姉の靖美は行動力あるなと思っていたら…なるほど、そういうことだったのか。意外な人物が靖美の上司でびっくりしたよ。ストーリーの中で一番インパクトあったかも^^;

『Gカップ・フェイント』 伯方雪日
蝦蟇倉北高3年の鳴海凪は、現市長の独断で開催されることとなったGカップ in 蝦蟇倉市に地元代表として出場することとなった。だが試合前に市町のオブジェ(仏像)をつくった彫刻家の死体が見つかる。事件担当で不可能犯罪係に属している父のめちゃくちゃな推理をよそに、不審に思っていたことをヒントに鳴海凪の脳が回転し始める。

Gカップとはグラップリング・ワールドカップの略らしい。初めて聞く名前だったので、この競技も知名同様に架空の格闘技名だと思っていたら実際ちゃんとあるみたい^^;格闘技がベースになってるので格闘技ファンが読むとより一層面白いのかな?高校生の凪が謎解きをするのですが、不可能犯罪係に属している彼の父親は、息子に事件のことをベラベラとしゃべるしゃべる(笑)。これまでに何度か凪の一言がヒントになり事件が解決したことがあるらしいんだけど、それにしてもこの親子、面白過ぎです。。全編でこれだけがギャグちっくというか別世界の話みたいというか、いかにも架空の街の話という雰囲気でシメを飾るのにちょうどいいかも。


以上、架空の街「蝦蟇倉市」を舞台に1970年代生まれの人の作家5人によって書かれています。冒頭にある蝦蟇倉市の地図で場所を確認しながら読んだのですが、「蝦蟇倉(がまくら)市」とか「スーパーホイホイ」とか「棺越(ひつこし)デパート」とか名前からもうこの現実味がないよ(笑)。

登場人物がリンクしている作品もあったりして、違う作家さんが書いていても全編が繋がってる感じ。そして読み終えると全部違った事件なのに各作品の時系列がわかるようになっているので、アンソロジーといえども繋がりが楽しい。パート2も出ており現在図書館に予約中。次はどんな事件が起こるんだろう。

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