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好きな映画や小説etc「がんばれ、ジーヴス」 ウッドハウス
『がんばれ、ジーヴス』 STIFF UPPER LIP, JEEVES
著者:P・G・ウッドハウス (Pelham Grenville Wodehouse)
訳者:森村たまき
出版社:国書刊行会 ウッドハウス・コレクション
<簡単なあらすじ>
『ウースター家の掟』の数ヵ月後、バーティーのもとに旧友スティンカーがやってき婚約者スティッフィーが重大な頼み事があるのでトトレイ・タワーズに来て欲しいと告げるが、ここに嫌な思い出しかないバーティーは断る(※『ウースター家の掟』参照 )。一方、ガッシーからマデラインとの婚約が危機に直面していることを聞いたバーティーは、もし2人が別れてしまうとマデラインの結婚相手が自分に回ってくるという現実を阻止するため彼らがいるトトレイ・タワーズにジーヴスを連れて結局出向くことになった。そこではガッシーがコックとして働いているエメラルドを気に入り恋愛事情がややこしくなっており、パパバセットのコレクションをめぐり一悶着あったりとドタバタ劇を繰り広げることとなる。シリーズ11弾の他に短編『灼熱の炉の中を通り過ぎてきた男たち』『驚くべき帽子の謎』『アルジーにおまかせ』の3編を収録。
<感想>
はやいもんでもう11弾?!同じようなパターンなのに毎回毎回よくここまで面白いドタバタを思いつくなぁと感心。
『ウースター家の掟』でヒドい目にあい、数ヵ月経った今もトトレイ・タワーズに恐怖を抱いてるバーティー。ここには絶対行くもんか!と思っていたはずなのに行くハメになってしまったのは…、そう、ガッシーとマデラインの仲に亀裂が入ろうとしているから。この2人が別れるとマデラインの結婚相手がバーティーに変更されてしまうからなのだ!彼女と結婚するのがどうしても嫌なバーティー、なんとかしないとという必死の思いでトトレイ・タワーズに乗り込むのですが…。
スティッフィーからのお願いは聞いちゃいけないよ~と思いつつ、女の子からのお願いは断れないバーティー。基本、女性には優しいのよね~。留置場に入ってもスティッフィーの立場を考えるよい人なのに彼自身は全く報われないないなんてお気の毒~(><)
スティッフィーにまたしてもいいように振り回され、案の定バーティーは汚名を着せられるだけでなく変人レッテルを貼られお気に入りのハットまで没収されるわけで。そしていつものごとく周囲はめでたしめでたしと(笑)。バーティーの周囲ではいつも恋愛事情がバタバタしているなぁ。。ある意味平穏な世の中だわ^^;まぁいつもとほぼ同じパターンなので安心して読めるシリーズでした。
『灼熱の炉の中を通り過ぎてきた男たち』
漫才をしている2人バーミーとボンゴは漫才のリハーサルの練り上げをするために行った場所で1人の女性を2人が同時に好きになってしまうという話をエッグ氏にクランペット氏が語る。聖職者の娘には近づくなという教訓?!
『驚くべき帽子の謎』
超名門店でシルクハットを購入した男性2人だが両人揃ってサイズが合わない。それぞれ恋心を抱いている女性の反応は…?という話を入院中のビーン氏のお見舞いにきたクランペット氏が語り出す。なぜ気付かないの?という素朴な疑問はありつつも面白い!終わりよければ全てよし?!
『アルジーにおまかせ』
バーティーの友人ビンゴ夫妻の話。質入れしたカフリンクを取り戻すのに5ポンドをなんとか手に入れようとするビンゴ。ちょうどその時"赤ちゃんコンテスト"が開催されており我が子を友人に託すが・・・。これを読んで思うこと、誰もがビンゴの赤ちゃんの顔を見たいと思ったに違いないw
やっと読み終えたシリーズ11弾。もう12弾の発売は決まってるのかな?油断してると次々に出るのでマメにチェックしないと!