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「あなたならどうしますか?」 シャーロット・アームストロング

『あなたならどうしますか?』   THE ALBATROSS

あなたならどうしますか? (創元推理文庫)

 著者:シャーロット・アームストロング (Charlotte Armstrong)
 訳者:白石朗
 出版社:東京創元社 創元推理文庫




<簡単なあらすじと感想>
『あほうどり』
モーテルの部屋でエスターが目を覚ますと見知らぬ男が立っていた。悲鳴を聞いた夫のトムは男をなぐり何事なく終わったかと思われたたが、翌日ガードナー夫妻は新聞でその男が死亡したことを知る。責任を感じたトムは未亡人と車椅子に乗ってるその妹の2人をしばらくの間自宅に住まわせることにした。だが一つ屋根の下に男1人女3人が住むということはいろんな感情が渦巻き簡単なことではなかった。エスターはどうして自分を犠牲にしなければならないのかと感じ始め、さらに未亡人姉妹の不可解な言動も気になるようになる。

最初は夫の負い目と義務感を尊重し未亡人姉妹を家で世話することに賛成したのですが、この未亡人は上品で美しく女性から見て毛嫌いされるタイプ。エスターは同姓ということもあり彼女の言動に対し嫉妬を持つように。しかも今までの楽しかった生活が狂い始めたもんだからたまったもんじゃない。夫はつぐないの気持ちがあるもんだから妻の意見なんて聞いてやくれない。エスターの気持ちや未亡人の振る舞いを見てると読んでいて胸が苦しくなりとっても気が重くブルーな気分になります…。(←悪い意味ではなく女性の心理状況の描き方が素晴らしいということです^^) 夫(だけでなく男全般?)にはこの女心はわからないだろうな~という思いもあったり(笑)。
短編ではなく206pという中篇で話の展開がちょうどよく、ザ・サスペンスという感じて読み応えありました。巻末の解説を読むと日本で映画化されたりワイド劇場で放送されたそうな。この内容なら超納得!

『敵』
判事の家の近所で自分が飼っていた犬を殺されたと少年とその仲間が騒いでいた。犯人扱いされた男はやってないと猛反発。そこで判事の家にいたラッセルは少年達、少年の担任教師とで探偵のように真相を探り出すことに。だがそこには意外な結末が待っていた。

こちらは他にも違うアンソロジーにも収められている作品だそうな。そんなに注目されてた作品なんだ。。『あほうどり』の後だとどうも地味目に感じるのですが、少年に対し犯人を決め付けるのではなく真実を知り、飼い犬を亡くしたことに素直に悲しみ憎悪を洗い流して欲しいと思うラッセル。そこから徐々に真実が明らかになる過程は詳細で短編ながらなかなかのもんです。

『笑っている場合ではない』
ペギーはレストランに入るなり、同席の3人に「殺人現場を目撃し犯人に顔を見られてしまった。その犯人が今このレストランにいる」と言い出した。だが友人はペギーのことをオオカミ少年のようにいつも嘘ばかりついているという。初対面のジョージは半信半疑で本当かどうか確かめることに。果たしてペギーは本当のことを言っていたのか、それとも嘘を言っていたのか?

最後の最後まで私もジョージと同じく半信半疑。いつもウソをついてるかもしれないけどもしかしたら今回は本当かもしれないと。このストーリーはタイトル通り本当に『笑っている場合ではない』。というかシャレにもならない…

『あなたならどうしますか?』
ナンがバスに乗っている時、1年前に死んだはずの人物を見た。しかもその時、彼の未亡人でありナンの従姉でもあるマーシャの再婚祝いのプレゼントを買いに行く途中だった。さらにその再婚相手はナンが恋をしている人物だとしたら…あなたならどうしますか?

こちらもタイトル通り『あなたならどうしますか?』という問いかけ。正直に見たことをマーシャやその家族に言うものの、再婚相手に恋をしているということで嘘つき呼ばわり。信じてくれるのはマーシャの家族が真相を知るために雇った探偵だけ。最後までナンが本当に見たのかどうか私もやきもき。真面目で孤独なナンの女心はわかるようなわからないような…。私ならどうする?どうしよ。。

『オール・ザ・ウェイ・ホーム』
エレンが働いている美容院に1人の女性がやってきた。前の週、夫のトムが車で道路で寝ていた人を轢いてしまった。後になって轢く前から死んでいたと知るが、その時にエレンが助けを求めた近くの家の女性で亡くなった男性の妻だった。エレンとトムはその後逃げたため、その女性の担当になったエレンは一瞬でも顔を見られたため気付かれるんじゃないかと気が気でなかったが…

死体を轢いたわけだからすぐに警察に言えばよかったものの、かつて警察とトラブルがあったため逃げるという選択肢を選んだ夫。普通の生活に戻ったと思った途端に会いたくない人物に会うなんて(><)。顔を見られてるんだからヤバイよ?どうする?!と緊迫感が十分にあり、犯人解決の方法はなるほどと。

『宵の一刻』
ハンター夫人が家政婦をしている家の主人ギトンズ氏が銃殺された。彼女の子供2人が現場に駆けつけるとギトンズ夫人がハンター夫人が夫を撃つのを見たと証言したという。弁護士ラッセルは真相を探る。

またまたラッセル登場!黄色と赤の格子縞のソックスを履いてるなんて…意外と派手好き?アーチボルド・ラッセルと紹介されたラッセル、でも本人いわくマイク・ラッセルの方がいいのか?というよりこの名前の違いは一体何…、どんな意味があるんだろう?

『生垣を隔てて』
医者コールズ、弁護士ラッセル、商人セルビー、署長パーカーの4人が夜中に集まった。15歳の少女のノートを読むために。"いかにして15歳の少女が7年前の殺人事件を4日間で解決したか"を知ると同時に殺人犯の有罪を証明するために。少女は解決のために一体どんな計画を立てたのか。

少女の日記は面白い^^特に註が。洞察力も長けてるけど自分自身の評価もなかなか(笑)。少女自身が計画したあることによって殺人事件を解決するわけですが、殺人事件を題材にしながら茶目っ気たっぷりでした。少女の場合、どんなことも自分にプラスになる方向へ考えるという素晴らしい正確。次の『ポーキングホーン氏の十の手がかり』で彼女が主人公バージョンもあったら意外と面白いかも?推理作家ポーキングホーン氏VS作家になりたい少女という構図がなんとも言えないw

『ポーキングホーン氏の十の手がかり』
ある日、探偵モノの小説を書いているポーキングホーンは留守であるはずの隣家に人の気配を察した。警察を呼んだあと職業柄、そして<著名な推理作家、実生活で事件を解決>という新聞の見出しに胸が躍り隣家の部屋を調べ犯人を捕まえるための手がかりを十個見つける。そして数時間後に隣人が戻ってきた。ポーキングホーンの推理は小説どおりにいくのか?新聞の見出しに載ることができたのか。

探偵モノを書く作家の実生活にふってわいた推理。小説ばりに張り切って十個の手がかりを見つけあれこれともっともらしいことをいうのですが…。この作品は他とは違いユーモアあって面白い。事実は小説ほど奇ではない、まさにそのとおり。

『ミス・マーフィ』
高校に勤務しているミス・マーフィは病弱な姉の薬を買いに出掛けたが、故障中の電話BOXに閉じ込められてしまった。途方に暮れていると目の前を1台の車がゆっくり通り過ぎていく。乗っていたのは高校内で独特の雰囲気を持つ4人組の生徒だった。助けを求めるミス・マーフィの声は聞こえてるはずなのに行ってしまった。彼らはミス・マーフィに対し何もしなかったように思われたが…。

ミス・マーフィは4人に対し一目置いていたんだよね?それでミス・マーフィと4人組が関わるある事が起こり…。うーん、二度読み直しましたがちゃんと理解できず…。4人組の意図とは?ミス・マーフィはなぜ彼らに対して態度が変わったの?うーん、うーーん。

『死刑執行人とドライヴ』
昼休みの小学校で、少年が家からこっそり持ってきた銃により死亡するという事件が起こった。少年の父親は担任の教師イヴの責任とし彼女を捜し出し撃ち殺そうとしていた。校長の家にいたイヴはニュースでそのことを知り警察に電話をしに家を出て車に乗った時、少年の父親に捕まってしまう。イヴの運命は…。

復讐劇といっても追いかけたりバレないように計画を練るのではなく、犯人の勘違いにより復讐する側と狙われている側がずっと一緒という少し変わった内容。いつバレるんだとハラハラしぱなっし。頭に『あほうどり』で最後に『死刑執行人とドライヴ』、この構成はなかなか素晴らしい!


初めて読んだシャーロット・アームストロング、しょっぱなの『あほうどり』が良い意味でインパクト強すぎました(笑)。あと弁護士ラッセルが数編に登場してましたが彼はシャーロット・アームストロング著書では常連さんなのかな?
個人的に好きな話は『あなたならどうしますか?』、『生垣を隔てて』、『ポーキングホーン氏の十の手がかり』、『死刑執行人とドライヴ』。
サスペンス、心理的なものからばユーモアまで幅広く読め、初アームストロングとして大変面白く読めた1冊でした。長編も読んでみよう^^

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