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「天地明察」 冲方丁

『天地明察』   

天地明察

 著者:冲方丁
 出版社:角川書店 角川グループパブリッシング





<簡単なあらすじ>
江戸時代四代将軍・家綱の頃、安井算哲の子である渋川春海は碁打ち衆の1人として公務に就いている。ある日、江戸の神社で絵馬に書かれた算術問題に対し短時間で解答した関という男に対し春海は、感動をおぼえると同時に彼に挑戦すべく算術問題を考える。一方で老中の酒井から指導碁として指名された時、思わず今の生活は退屈だと口を滑らしてしまう。「退屈ではない勝負が望みか」と聞かれ自分がそれを望んでいたことに気付く。その後、酒井から北極出地の公務を与えられ、結果、のちに大事業を行うことになる。800年程前からの暦・宣明歴を日本独自のものに改暦するまでをベースに渋川春海の生涯を描いた作品。

<感想>
1月頃図書館に予約をしており、2010年本屋大賞に選ばれた4月に手元にくるなんてなんてリアルタイムなんだろう!かなり嬉しいぞ。

まず、この本を読むまで暦の由来なんて考えたこともなかった…。難しそうなテーマだなと思ってたのですが暦のことや時代背景、数学や天文学のことがよく分かっていない私でも面白く読めました。正直に言えば数式のくだりや天文のくだりはイマイチついていけてなかったけど(笑)。と、イマイチわかってないのに春海が感動する場面では私も感動。涙する場面では涙。。

神社に奉納される絵馬に算術の発表、宣伝、そして質問&解答し会う算額奉納は全く知りませんでしたがコレって面白いなぁ。この時代の流行や背景、朝廷と幕府の関係なども描かれているので結構勉強にもなったかも^^

最初は淡々とした文章でこのまま進むのかなと思ってたら…途中からびっくりするほど物語に引き込まれてしまった。義兄・安井算知がいるため、春海は長子であり二代目でありながら立場は次男という中間的なポジション。大事業を成し遂げた英雄のような感じではなくちょっとのほほんとして雰囲気。大事業に携わるまで、そしてその後の主人公の気持ちが丁寧に書かれており、最初はあまりパッとせず自分の意志をあまり大きな声で言わないタイプだったのに後半では見違えるように。

一つにはいろんな出会いがあってからこそ。春海にとって算術だけが喜怒哀楽の感情をもたらす存在。それに火をつけたのはまず関孝和。最初はなかなか会うことが出来ず春海の感情は高まるばかり。
あと意欲みなぎる本因坊道策、律儀で気配り抜群で優れた算術の腕前を持つ会津藩の安藤有益、幼い頃からの師である山崎闇斎、民の生活向上を貫いた会津肥後守の保科正之、豪快な水戸光圀、観測隊長の建部昌明、副長の伊東重孝などなど。
解答さんこと関は最初全く姿を出さなかったので、「一体誰だ?」と既に登場している人物の中から探そうとしていました^^;

挫折や失敗、周囲の死、さまざまな葛藤を乗り越えていろんな人から託された夢を諦めずに貫く。春海1人では決して成し遂げることは出来ず多くの人からの助言と叱咤激励、そして多くの人のさまざま分野での知識、支援があったからこそ出来たわけで。

個人的に好きなのは建部昌明と伊東重孝が登場する場面全て。笑ったり悲しくなったり…。学問を深く究めるためなら立場・年齢に関係なく学ぼうとする姿勢、若者に期待を込めて夢を託す、探求心だけでなく会話も面白くて無邪気ですらある。「頼みましたよ」「頼まれました」というセリフには痛いほど想いが込められていたんだなぁ(TT)。

まさに人生を賭けた大仕事をここまで面白く読ませるのには冲方丁氏の力なんだろうな。というか冲方丁氏をこの本で初めて知ったのですが、他にどんな本を書いているんだろう。読み終えて2010年本屋大賞に選ばれたのに納得。この作品はドラマ化したら面白そうだなぁ。渋川春海は…大沢たかお?!ああダメだ、南方仁のイメージがあるからどうしても大沢たかおしか浮かばない…

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