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「ジーン・ワルツ」 海堂尊

『ジーン・ワルツ』

ジーン・ワルツ

 著者:海堂尊
 出版社:新潮社





<簡単なあらすじ>
東城大学医学部を卒業し、帝華大学医学部産婦人科学教室で助教をしている曾根崎理恵は、発生学の講義をしながら週一回非常勤の医者として「マリアクリニック」で最後の患者である自然妊娠の3人、人工授精の2人を診ていた。だが院長が病気、極北にいる院長の息子の逮捕で病院存続が不可能となり5人の出産後には閉院が決まっていた。そんな中、理恵の先輩医師である清川のもとに「曾根崎理恵が代理母出産に手を貸している」という噂が耳に入る。

<感想>
この本のテーマの感想は難しい。というより小説なのに危険な雰囲気が・・・厚労省に対してメッセージを全面的に出しすぎ感が・・・

代理母出産、不妊治療、人工授精、医師不足、医療行政などなど、帚木蓬生さんが同じテーマで書くと小説として読めそうな気がする。でも海堂さんが書くと、これでもか!というほどメッセージ性が強く小説という形で問題提起をしてるような気がしてならない。

登場する患者は父親が特定出来ない19歳女性、すでに男の子の母親である34歳女性、仕事が忙しく産むことに迷いがある28歳女性、以上3名が自然妊娠。不妊治療に5年通いやっと妊娠した39歳女性、双子を妊娠した55歳女性、以上2名は人工授精。それぞれが出産の経緯、事情が全く違う面々。そして生まれてくる子たちも・・・。彼女たちの出産には選択肢が多いです。曾根崎先生から妊娠中に5人と同じ言葉を言われたら自分ならどういう選択をするだろう。

曾根崎先生は医療行政に対し不満があり、立ち向かっていこうとする姿勢はいいと思う(海堂さんの著書では厚労省に対しての不満や要望が多いのでもう慣れっこさん)。 清川先生が言う"冷徹な魔女(クール・ウイッチ)"という言葉はのちのちの理恵の言動を見てるとまさしくその通り。強い女性だわ^^;

いろんな意見がありそうだけど、個人的に曾根崎先生の言動は好きになれないな。彼女のしたことに対しても共感できない。というかありえない!なんだかんだと言い結局は自分のためにしたこと。もやは医療という域ではない。
自分の目的のためには手段選ばず誰にも文句言わせず。しかも自分が不利にならないように清川先生まで巻き込んだ計画。"冷徹な魔女(クール・ウイッチ)"という言葉さえもかわいく思えてきちゃうほど。出産という領域にどこまで手を加えていいんだろうか・・・。

産みたくても産めない女性もいれば産めるのに最初から産まない女性が増えてる現実。妊娠を望まない女性に子どもができ、心の底から子どもが欲しいと切に願ってる人にはできない。法律に背いてでも欲しいと願うのは仕方がないことなのかもしれない。曾根崎先生の考え方は「産みたい」と願う女性には頼もしく映るんだろうか。こればっかりは自分が同じ立場になってみないとわからない。

なんだかんだと言いながらも曾根崎先生の講義は受けてみたいな~。というかめちゃ聞きたい^^妊娠するということがいかに奇跡なんだということは彼女の授業でよくわかった。厚労省に対しての不満も言ったりするけど^^;、大半の男女は自分の人生に関わるかもしれない内容なので医学生だけでなく、普通の大学でもこのような授業をして欲しいなと。
今後、いつかは子供を生むであろう、でも今は妊娠について殆ど知識がない私にとっては勉強になってよかった。世の中の産婦人科システムはそんなことになってたのね。


読み終えた後は少し重い気分になりました。本当は子どもが生まれるシーンとかもあり喜ばしいはずなのにね^^;

P.S 双子の1人、しのぶは女の子だったんだ~。どんな子に成長してるんだろう。いつか薫くんと共に登場して欲しいです。「子どもと医療を軽視する社会に未来はない。」という持論を持つ副島真弓(『ナイチンゲールの沈黙』に登場)は曾根崎先生と同窓生だったのね。。これはちとピンとこなかったわ^^;

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんにちは♪
私にとっては、感想の書きにくい作品でした。
やはりTKATさんも、曾根崎先生には複雑な思いを抱いているのですね。
私も同様で、どうしてああいう考えにたどり着くのだろうと、読み終わってだいぶたっても疑問はそのままです。

>帚木蓬生さんが同じテーマで書くと小説として読めそうな気がする。でも海堂さんが書くと、これでもか!というほどメッセージ性が強く小説という形で問題提起をしてるような気がしてならない。
そうですね、確かに!!同じ医療従事者でも、立場も考え方も違うのですね。海堂さんの作品には刃が潜んでいて、痛いと感じる人は多いのではないかと思います。

この続きを知りたいですね。でもちょっと怖い気持ちもあります。
2009.11.16 17:21 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
こんばんは、孔雀の森さん♪
確かにとっても感想が書きにくい作品でした。
医療従事者としてNG、危険な行いをする曾根崎先生を登場させたのは
何かしらの意味があるんでしょうね、きっと。
というか医療従事者が書いた小説だからリアルに思えるし怖い。
私たち、もしかして海堂氏の策略にはまっちゃってる(笑)?

>この続きを知りたいですね。でもちょっと怖い気持ちもあります。
私もクリニック再建後が知りたいです!その過程で白鳥氏VS曾根崎先生ってのが
あったら面白そう♪この2人の対決は見ものですよ(笑)。
ん?『ジーン・ワルツ』って未来の話でしたっけ?『医学のたまご』と
ごっちゃになっちゃって時代設定がよくわからなくなってきた^^;
2009.11.16 19:02 | URL | #- [edit]

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