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「死の蔵書」 ジョン・ダニング

『死の蔵書』 BOOKED TO DIE

 著者:ジョン・ダニング(John Dunning)
 訳者:宮脇孝雄
 出版社:早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫

<感想>
無類の古書好き刑事が、古書に関する殺人事件の犯人を追うといった<稀覯本>をベースにしたストーリー。
ある事柄をきっかけに人生の岐路に経ったクリフは趣味が転じて刑事を辞め古書店主となるのですが、彼の収集は本格的です。
アパートメントのどの部屋の壁も本だらけで図書館の別館なみ。
どの部屋になんの本を配架するのかにもこだわりがあり、なんといっても初版本に対する想いは相当なもの。
著者であるジョン・ダニング自身が古書稀覯本専門書店をしてただけのことはあり、昔の有名作家から現代の作家の著書がこれでもか!というぐらい出てくるので、ミステリ本ということを思わず忘れ、各本の値や各作家の批評めいたものを読むのに夢中になってしまいます。←現代の作家に対しての辛口コメントもなかなかのもの。
もちろん主人公クリフが絶賛してる本もあり(著者の代弁?世間の評価?)、ついついその翻訳本が読みたくなってしまうこともしばしば。
ちなみにクリフが経営する古本屋の名前は、「緋文字」のナサニエル・ホーソーンの短篇集をもじったもの。

ハードボイルド調で殺人あり、宿敵の人物あり、ロマンスありといったありがちなストーリーではありますが、古書をふんだんに絡ませてることから思わずこの本を手に取った本好きの人は多いはず?
初版の価値や古本掘り出し屋という役割を知ることができるだけでなく、稀覯本取引の過程も興味をそそるものがあります。
私自身あまり稀覯本や初版に興味やこだわりはないのですが、コレクションとしてる人にとっては多大なる価値があり、また高額で取り扱われるためお金に目が眩んだり殺人事件まで引き起こすのはわからないでもないような・・・。

文中でクリフの店に突然やってきて助手として働くミス・プライドという女性がいるのですが、彼女が重要な人物になるのかと思いきや・・・
うーん、彼女の今後の飛躍にとても興味があったんだけどな~。
それでもオチは想像しなかっただけに結構好きな終わり方かな。
ラストの一言でクリフのロマンスの相手への疑いが誤解であったと納得するたけでなく、本を愛する者の想いが伝わってきます。
ハラハラドキドキ、あるいはユーモア感はあまりない内容ですが、私が知らない稀覯本の世界を垣間見れただけでも面白く読めたので良かったかなと。

この本の中で賢い古本屋を営むにあたっての格言
「この世に一つしかないものを買うときは、実際の値打ちの2倍のお金を払ってでも買うこと。結局それが安い買い物になる」

クリフを主人公とした続編で「幻の特装本」がありますが、「死の蔵書」の内容をほとんど引きずってないので単独で読むことが可能。3作目「失われし書庫」もあり。
それでもやはり「死の蔵書」から読むのがいいかも。

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