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小説「フィッシュストーリー」 伊坂幸太郎

『フィッシュストーリー』  

フィッシュストーリー

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:新潮社





・『動物園のエンジン』
・『サクリファイス』
・『フィッシュストーリー』
・『ポテチ』
以上4編からなる短編集。

<感想>
『動物園のエンジン』
十数年前、私は大学の先輩の川原崎さんと夜の動物園にいた。シンリンオオカミの檻の前で横たわって寝ている元動物園職員の永沢を見て、川原崎は前の市長が殺された事件と結びつけようとする。後をつけ永沢がマンション建設反対運動に参加していることを知り川原崎は新たな推理を考えるが…

永沢が近くにいると動物たちは癒される?やはりそういうこともあるのかなぁ。
男が檻の前で横たわっている姿からこじつけのような推理をする川原崎、無理やり(といってもけっこうやる気満々)推理ゲームに参加させられる私である語り手、その推理の裏をとるため調べ始める2人。いやはや、ものすごい行動力!
意外と真剣に推理し調べているのは面白いんだけど、全体像は語り手の回想なのでラストはどんでん返しも突拍子性もなくやんわり終わるという感じでしょうか。

『サクリファイス』
人捜しの依頼を受けた黒澤は小暮村にやってきた。この集落は昔からの風習で困ったことがあれば生贄を捧げる儀式をしており、ちょうどこの時は周造という男性が生贄として洞窟に入っていた。かなりの確立で周造が選ばれるということから黒澤は疑問に思い調べ始める。

本業は空き巣で副業は探偵という『重力ピエロ』や『ラッシュライフ』でお馴染みの名脇役である黒澤。今回は彼が主人公となっており、本業と副業の仕事をやってのけています。ん?やってのけたっけ?
生贄になることを「こもり様」と言い風習を続けていく集落、昔は本当に生贄儀式をしていたけど今は死ぬことがないただの形式だけ…のはずだったんですが死者が出ることもあるわけで。なんでしょう、少しお喋りがすぎてしまう集落の人間、殺人、怪しい人物…このストーリー展開はまさしくサスペンス劇場?!
人捜しで来ただけなのに風習にまで興味を持ってしまう黒澤、話口調は淡々としていてハードボイルドという言葉がよく似合う。オチも忘れかけてた内容だっただけに「それを持ってくる?!」って感じでよかったかも。
そして脇役の92歳の唄子さん、年齢を感じさせないほどの推理はなかなかのもんでしゃんとしていてとても92歳とは思えない女性。彼女にはワトスン役的なことをして欲しかったな~。

『フィッシュストーリー』
・二十数年前、雅史は大学で同級生だった友人から昔読んだある小説を引用したロックバンドの話を聞かされる。演奏途中で音が消える曲があるらしく雅史はレコード店でそのアルバムを購入。その帰り偶然車のカーステレオからその曲がかかり無音の場所になった時、女性の叫び声が聞こえた。
・現在、麻美はエンジニアの勉強会から帰る機内の中で隣に座った男性から話しかけられる。その男性は実は正義の味方になりたかったらしくそれは親からそういう風に育てられたからという。その時、ハイジャック犯が現れ…
・三十数年前、あるアマチュアバンドは解散の危機にあった。キャバレーで演奏している彼らをスカウトした岡崎はイケると思っていたが、彼らの音楽は世間に理解されるには早すぎた。最後のレコーディングの日、一回こっきりの本番で五郎が間奏中にマイクに向かって正直な気持ちを語り始めた。
・十年後、ある記者は世界を救ったともいえる女性の取材をすることになった。彼女が言うことには自分は10年前に死んでたかもしれない。それを救ってくれた人がいると。記者は意味がわからないままとりあえず手元の紙に書き留める。

1冊の小説から作られた曲、その曲を聞いて勇気を出した者、そしてその縁から普段の毎日が変わった者、それによってこれまた貴重な体験をした者…といったように全ての話が繋がっておりこりゃよく出来てるわ~。
でもね、私がお馬鹿なせいか少し繋がりがわかりにくかった^^;で、この本を読んだ後に映画『フィッシュストーリー』を見たのですが、そこで繋がりがはっきりしたというか理解したというか。←映画の感想はまた後日。
こんな繋がりって運命だな~と。そう、まさしく運命。あり得ない要素パンパンなんだけれども、自分の知らないどこかでこんな風に繋がっていたらいいだろうな~と思ってしまうような感じ。本ではスケールの大きさをさほど感じませんが映画ではかなりスケールの大きい話になってます。ああ、ダメだ!映画を観てしまったから小説の感想をうまく書けない~(><)。
要は繋がりを理解できたらこのストーリーは最高に面白いっす!

『ポテチ』
空き巣の今村は彼女と一緒に現役ながら補欠プロ野球選手の家に入った。なのに今村は超有名な双子兄弟と幼馴染みの恋愛を描いた高校野球の漫画に夢中になりくつろいでいた。そこに電話が鳴り留守番電話が録音された助けを求める内容を聞いた2人は現場に行くことにした。

途中、おっとり系の今村が相談するのは…そう、『サクリファイス』の黒澤。ここでも登場してるのね~(嬉)。
今村が異常なまでに補欠のプロ野球選手に執着しているのかがミソなんですが、全体的にこのストーリーは家族愛。この母親にこの息子あり!で、この息子にこの彼女あり!ってとこがまたミソ。個人的にはプロ野球をネタにしているのがいい(笑)。
仙台を本拠地とするセ・リーグって…、パならともかくセってどこだよっ!監督は達磨のような体系で女好きって…、誰だよっ!ってツッコミながら読めました(笑)。
最後の最後まで野球ネタに凝っててホームランに対する今村の彼女の台詞の変化に注目して欲しい!


私、読み終えるまで大きな勘違いをしておりました。短編集とは思ってなく全ての話が『フィッシュストーリー』の基盤になっているもんだと(汗)。第1話・2話を読み、この話はどういう風に『フィッシュストーリー』に繋がっていくんだろうと思ってましたが繋がってなかった…。こんな勘違いもあったりしましたが面白く読めました。
ただ言えること、『フィッシュストーリー』は映画の方が面白かった!映画を観てまた原作を読んだのですがやはり映画の方がストーリーが広がっておりわかりやすいというか構造がいいというか…。←という映画もラストシーンがなければ理解できなかったかも。

他の本とリンクしてることが多いのが有名な著者ですが、何が嬉しいってこの本には結構他の著書で登場する人物が出てくるんです(台詞の中でが多ですが)。これがまた嬉し♪
この1冊はいつもの伊坂ワールドとは少し違いますが、人情味というのがあって良かったかなと思いました。

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんばんは♪
黒澤さんは他作品にも登場するのですね。ならば必ず
読まなければ!!
私は黒澤ファンになりつつあります。(笑)
おっしゃるように『フィッシュストーリー』は
映画の方がスケールの大きな話になっていましたね。
繋がりについても、よく読まないとわかりません。
映画の方が驚きと喜びが大きかったです。
『ポテチ』の母と息子にはほろりときました。
大西の台詞も、奇跡を起こした要因だったのでは?と
思えます。
いい作品にめぐりあいました♪
2010.01.10 17:51 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
こんばんは、孔雀の森さま。
おっ、黒澤さんファン仲間が増えて嬉しい限り♪
彼は他作品にも結構登場しており、主役級で登場しているのは
『サクリファイス』が初めてじゃないでしょうか。
(私が知らないだけで他にも主役級で登場してるのがあるかも^^;)

実は自分の日記を読み返しても『フィッシュストーリー』以外、
内容は思い出せてもオチが思い出せません(汗)。
備忘録日記なのにまったく備忘録になってないブログだと
最近気付いたわけで…^^;
図書館で借りてきた本は、こういう時にすぐ読み返せないのが辛いとこですね~。
2010.01.11 19:22 | URL | #- [edit]

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