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「笑いの侵入者」 日本ユーモア文学傑作選Ⅰ

『笑いの侵入者 日本ユーモア文学傑作選Ⅰ』 

笑いの侵入者
編者:阿刀田高
出版社:白水社 白水Uブックス




<感想>
イギリス版、フランス版、アメリカ版、スペイン版、日本版Ⅱ、中国版を読んだので次は日本版Ⅰを。
この本に収録されてるのは以下の通り。


『序文』 清水義範
『足袋』 井上ひさし
『昔の教官殿』 遠藤周作
『FL無宿のテーマ』 有明夏夫
『雨ごもり』 高橋揆一郎
『南神威島』 西村京太郎
『唐傘一本』 小松重男
『秩父銘仙』 結城昌治
『雨の降ってた残業の夜』 田辺聖子
『奇妙な隊商』 日影丈吉
『白鳥と拳銃』 田中小実昌
『当たらぬも八卦』 阿刀田高
『すけこまえれじい』 色川武大
この中からいくつか紹介。
『序文』
「英語語源日本語説」という本の序文だけで構成された物語。英語の語源は日本語であるという独創的な内容のこの本について、著者が序文で自分の考えを熱く述べてるだけなのですが、オチもちゃんとあり冒頭にふさわしい短編でした^^

『雨ごもり』
家を飛び出して数ヵ月、つやの元に長吉がもう一度やり直そうとやってきた。その日は天候が悪く蝙蝠傘を貸し帰ってもらったが汽車が止まっており長吉がまた戻ってきた。しばらくの間天気は荒れていたが空に光が戻ってきた。

再婚同士の2人だったが、長吉の女性問題・暴力によって家を出たつや。男の甲斐性、女の甲斐性とは何ぞや?一度は別れる決心をしたので長吉に対し許す気にはなれない。でも一度は同じ屋根の下で暮らした男、複雑な気持ちもなってしまう。天候が2人の関係をうまく表しておりなかなか良い作品でした。

調べてみるとこの作品って映画化されてました。その名も『待ち濡れた女』。はい、日活のプチロマンポルノです。この原作のどこをどーやったらエロスの世界になるのだ??映画を観て確認したいところですがこの作品が収録されてるDVDはカテゴリーがアダルトになってる…。いやだ、借りるのいやだ~(><)。

『南神威島』
医者の私は南神威島という離島に2年間赴任することになった。昔ながらの独特な風習が残っているこの島で伝染病が発生した。十分な薬がないこの島で、伝染病が広がっていくのをただ見てるしかないのか?発生源は一体何なのか?

なぜこれがユーモア傑作選に入っているんだろう(面白く読めますがユーモアではないような・・・)?昔ながらの風習が色濃く残っているこの島、もし神様のお告げが間違っていたらどうなっていたんだろう。西村京太郎だからなのか、サスペンス調のにおいがちらほら(笑)。サスペンス好きの私にはぜひ単発2時間ドラマ化してほしいような感じの作品でした。

『唐傘一本』
清兵衛は紙問屋に婿養子に入った元武士。いつも妻おちえの尻に敷かれており、夫が浮気をしないように細工をする。だがあまりにも行き過ぎた妻の行為に清兵衛は憤怒し浮気をしてしまう。妻の細工を元通りにしたはずなのにバレてしまい挙句の果てに家を追い出され清兵衛はそのまま行方不明に。清兵衛は一体どこに・・・?

なんでしょう、このバカバカしい夫婦のやりとりは(笑)。至る所でユーモアが散りばめられており、思わず「ふふふ」と口元が緩んでしまいます。なんといっても妻の細工、どこまで疑り深いねん!ってツッコミたくなっちゃいます。

『秩父銘仙』
各家庭を回り貯金の勧誘をしている男性は、ある家で楽に儲かる仕事を紹介してもらう。早速新しい商売にとりかかるが全くうまくいかない。愕然としながら帰宅すると妻が珍しく笑顔で迎えてくれた。

ベタなユーモアだと思うのですが、主人公が不憫に思えてしょうがない(TT)。うまくいく人はうまくいく、うまくいかない人は何をやってもうまくいかない。この境目は何なんでしょうね~。

『雨の降ってた残業の夜』
同僚のじゅん子は営業課の年下の千葉君にご執心で、人目を気にせずいつも千葉君の世話を焼いている。そんなじゅん子を千葉君は少しうっとうしく思っており、私はそんな千葉君と陰で随分仲良くするようになっていた。自分はじゅん子のように人目につくことはしない。だけど毎日彼のことを考えている・・・。

千葉君の年上キラーにバンザイ(笑)!!これはですね~、何と申しましょうか、「恋愛の感情がなかった時のあの楽しくていい雰囲気はもう二度とないかもしれない。恋というものは生まれる前が一番すばらしいのかもしれない。」という成就しなであろう恋についてこう思う20代の主人公の気持ち、よくわかりますよ~。私もかつては同じようなことを思った記憶が・・・。ああ、懐かしい。しみじみ。

『当たらぬも八卦』
川島はある未亡人と温泉旅行に行くため列車に乗り、その中で自分の占いがいかによく当たるか女性に自慢をしていた。前の席に座っていた男が読んでいた新聞から顔をのぞかせた。その男は昔、川島が路傍で占いを立てていた時に何度か株の占いに来たことがありことごとくその占いが外れた・・・という相手だった。その男がまたしても川島に株について聞いてきたのだが・・・

女性に自慢気に占いについて語っているのを、実はその占いが全然当たらないことを知っている男に話を全部聞かれていたら?こわい・・・もちろん川島も仕返しされるんじゃないかとビクビクしてるわけですが、このタイトルにもなってる「当たらぬも八卦」、まさしくこれ!読み終えてこのタイトルの意味に納得。


このユーモア文学傑作選シリーズを読み始めて2年半。あとどこの国が残っているんだろう?朝鮮かな?そういやちくま文学の森シリーズも途中だったような…。なんて中途半端なんだ~。年内には読もう!

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