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「Re-bornはじまりの一歩」

『Re-bornはじまりの一歩』  

Re-born はじまりの一歩
 著者:伊坂幸太郎/瀬尾まいこ/豊島ミホ/
     中島京子/平山瑞穂/福田栄一/宮下奈都
 出版社:実業之日本社





・『よろこびの歌』 宮下奈都
・『あの日の二十メートル』 福田栄一
・『ゴーストライター』 瀬尾まいこ
・『コワリョーフの鼻』 中島京子
・『会ったことがない女』 平山瑞穂
・『瞬間、金色』 豊島ミホ
・『残り全部バケーション』 伊坂幸太郎
『あの日の二十メートル』
御木元玲は音大の付属高校に入り、そのまま大学、大学院と進み音楽と共に生きていくと思っていた。だが受かると思っていた音大の付属高校に落ち、普通科しかない高校に入学。毎日淡々と生活を送っている中、合唱コンクールの指揮をすることになった。

親が有名なヴァイオリニストなのに自分は音大の付属高校に落ちてしまったことで、自分自身まで否定されたような気がしている御木元玲。気持ちを切り換えるというにはちょっとキレイすぎるかなと。同級生達にそっけない態度を取っていたのに、その同級生達がいきなりそんなことをするだろうか?しかも今時の高校生が。幻聴だった方がまだ主人公自ら気持ちに踏ん切りをつけたようでよかったかも。キレイにまとまりすぎた感がある作品でした。

『あの日の二十メートル』
志望していた大学に落ち、滑り止めで受けた大学に通うことになった克彦。次第に大学から足が遠のき、毎日陰鬱な気分になっていた。その思いを振り払うために市民プールに行って無心に泳ぐ毎日。ある日、80歳を超える老人から水泳を教えて欲しいと頼まれるが…。

なぜ80歳を過ぎて老人が泳げるようになりたいのか、その理由を聞いて克彦は何の目的も見出せない今の自分の生き方を考えるように。老人と出会ったことで今までの自分に見切りをつけ、新たな目的に向かって歩みだした克彦なわけです。希望と導く光をしっかり捉えた彼はもう大丈夫!

『ゴーストライター』
コウスケは同級生の岡野からラブレターを代筆して欲しいと頼まれる。渡す相手はコウスケの兄。春から東京へ行くことが決まっており、ずる賢さでは誰にも負けず東京行きを勝手に決めた兄をコウスケはよく思っていなかった。だが自分と兄の置かれた環境を考えた時…

長男と次男――今の時代、長男が必ずしも家を継ぐというのは古いかもしれませんが、はたから見ればやはり長男が家を継ぐのが当たり前と思ってるわけで。わかっていながら東京行きを決めたのもいろいろとあるんです。言葉では言い表せないことがあるんです。はい。兄は自分が置かれた環境から抜け出すために自ら町を出ることを決めたのは、やはりこれが最善策だったのかも…。
コウスケが岡野のラブレターを代筆するという話は一体どこに?と思ってたら、これにもちゃんと意味があったんですね。そのことに気付いた兄は、やはり弟のことはちゃんとわかってます。さすが兄弟だなぁ。

『コワリョーフの鼻』
夫から"鼻がとれる"という話を聞かされた。そこからゴーゴリの『鼻』の話になり、私は自分の秘密を『鼻』の仮説にのせて話す事にした。

ふふふ、これは面白い♪これを読むならゴーゴリの『鼻』を読んでからにした方がいいかも。
冒頭の主婦3人の話も面白いですが、何より鼻が取れるというのを真剣に論議する夫婦が面白い。ふつう夫婦でこんな難しい話しないよね(笑)?しかも妻が話す『鼻』の仮説がまた巧くできてる。ものすごい回りくどい秘密の告白ですが、そこがバカバカしくて面白く読めました。こんな突拍子もないストーリーを考える中島京子さん、気になります^^

『会ったことがない女』
唐津喜一は人生も終盤にさしかかってから気なることがあった。それは五十何年も前、自分のことを兄のように慕う江添辰巳の妻のことだった。当時相談に乗れなかったのが気になりその妻を探し出すことに。やっと家を見つけ行ってみるとそこには孫がおり…

この妻は絶頂に達すると別の人間「ハル」さんが乗り移るらしいんです。死ぬまでに「ハル」さんに謝りたいという一心で探し出すんですが…。うーん、そういう行動に出るのは仕方がないことなのか?唐津喜一が区切りをつけたのはわかるのですが、孫はそれで心機一転になったのかしら。私にはイマイチ理解しにくい話でした。

『瞬間、金色』
シンジュは転校先でナナミと仲良くなった。しかしナナミは茶髪でクラスから浮いた存在。彼女と仲良くすることでシンジュも浮いた存在となっていった。…それから数年後、ナナミから子どもが生まれたと電話があり、シンジュはスクーターで病院に向かった。

シンジュとナナミの青春ストーリーって感じなんですが、これを読んで感動するにはわたくし、ちょっと歳をとり過ぎてるようで^^;おそらく若い人が読んだら共鳴できるんだと思います。多分。

『残り全部バケーション』
両親の離婚で家族がバラバラになろうとしてるその時、父親のPHSに「友達になろうよ、ドライブとか食事とか」という怪しいメールが届いた。あろうことかそれに返事をしてしまった父。そしてメールをした人物と家族3人はドライブに行くことになった。

なんと!なんとあり得ないストーリー展開(笑)。そもそも家族3人の会話も常識離れしてるし、メールを送る方の経緯も都合よすぎる^^;そんな「ないない、あり得ない」という設定を面白くしてしまうのが伊坂サン。ただバラバラのピースが最後に一つになるという伊坂サン独特のパターンではないので、個人的にはいつもの伊坂節の方が好きかな。

この本は「はじまり」がテーマということで、何かに区切りをつけ新たに出発という内容になってます。
スタートするというテーマからか全体的に落ち着いた感じ。『コワリョーフの鼻』には度肝抜かれましたが(笑)。『ゴーストライター』も好みです。なんでもこの続き『戸村飯店青春100連発』という本があるそうで早速図書館に予約しました^^

今回のアンソロジーはそこそこ楽しめましたが、『Story Seller ストーリー・セラー』 ほどのパンチ力がなかったかな。

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「残り全部バケーション」
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