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「story Seller ストーリー・セラー」

『Story Seller ストーリー・セラー』 

Story Seller (ストーリーセラー) 2008年 05月号 [雑誌]
 著者:伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、佐藤友哉、
     本多孝好、道尾秀介、米澤穂信
 出版社:新潮社 小説新潮5月号別冊





・『首折り男の周辺』 伊坂幸太郎
・『プロトンの中の孤独』 近藤史恵
・『ストーリー・セラー』 有川浩
・『玉野五十鈴の誉れ』 米澤穂信
・『333のテッペン』 佐藤友哉
・『光の箱』 道尾秀介
・『ここじゃない場所』 本多孝好
『首折り男の周辺』
ある夫婦がテレビで放送されてる事件を見てふと思った。「この犯人、隣に住んでるお兄さんじゃ?」と。隣に住んでる男は大柄な見た目と違い、気が弱くただただ平穏に暮らしたいと思っていた。ある少年はちょっとしたことからクラスでいじめられるように。その現場を偶然見ていた大柄な男がいた。

「疑う夫婦」「間違われた男」「いじめられている少年」の3つの話が徐々にうま~く交わっていくという伊坂ワールドならではのストーリー展開。首折り男という怖そうなタイトルが付いてますが、ラストのオチは「それを持ってきたか!」と後味が良くてGOOD!さすが伊坂サン、読む前から面白いだろうと期待してましたがやはり面白かった^^

『プロトンの中の孤独』
「チーム・オッジ」にスカウトされた赤城。赤城自身チームに馴染んでいないのに監督から同じようにチームに馴染めないでいる石尾の相談役になって欲しいと頼まれる。すでにエースの久米がいる中、将来有望の石尾を手放したくないというチーム事情からだった。

後で知ったのですが、このストーリーは『サクリファイス』という話の外伝だったんですね。ロードレース観戦、いやロードレース自体に興味が全くなくても臨場感が伝ってき、本編を読んだことがない私でも十分楽しめました^^と思っていたら、著者の近藤史恵さん、ロードレースのリアル観戦したこともなくロードバイクにも乗ったことがないんだとか。で、ここまで書けるとは素晴らしい(拍手)。

『ストーリー・セラー』
「仕事を辞めるか、このまま死に至るか。二つに一つです。思考に脳を使えば使うほど、奥さんの脳は劣化します。」と医師から妻の病状を告げられた。妻の職業は売れっ子作家。そして作家になることを勧めたのは夫である自分だった。

彼女との出会いから結婚、なぜ作家になったか、作家になったゆえの苦悩などが描かれています。自分が書いたものを読ませたい人がいる――。そう思える相手がいることは本来は幸せなはず。だけど書くことによって自分の命を縮めることになるとは…なんちゅう突拍子もない話を書いてくれるんだ、有川サンは!
いつものように甘~いラブストーリーかと思い安心して読み始めたのに^^;。ハンカチがいるならいると言ってくれないと。でもこの終わり方、良くも悪くも有川サンらしいな~と。個人的には夫婦愛よりも父親を含めた親戚、妻の本を批評したフリーライターの方が印象に残った作品でした。どうやら私は美しい夫婦愛よりも姑息な人物の方が気になるというひねくれ者^^;?

『玉野五十鈴の誉れ』
旧家の小栗家の跡継ぎである純香は、15歳の誕生日に祖母から玉野五十鈴という同い年の使用人を与えられた。「人を使うことを覚えよ」という意味からであったが、純香は次第に五十鈴を一面の師と思い、友達とすら思っていた。だがある日、この関係に終止符が訪れる。

旧家の跡取り娘の立場、使用人の立場を巧く描いており収録されてる7編の中で特に文学っぽかったかな。『首折り男の周辺』、『プロトンの中の孤独』、『ストーリー・セラー』の後に読んだのでとりわけ新鮮な感じがして面白かったです^^昭和の香りが漂う文学の中に「あなたは私のジーヴスだと思っていたのに」「私はあくまで小栗家のイズレイル・ガウです」というシャレた会話があるのも嬉しいところ。米澤サンはなかなかのセンスの持ち主だわ♪
この話は<バベルの会>シリーズの一つなんだとか。こりゃ全部読みたくなってきた(笑)。来年読もうっと。

『333のテッペン』
東京タワーの頭頂部で男が死んだ。どのように頭頂部にのぼったのか、どのように死んだのか?警察やマスコミが騒ぎ探偵までもがやってきた。そんな中、2人目の犠牲者が出た。

なんでしょう、名探偵なんとかっていうタイトルがつきそうな展開(笑)。でもですね~、なんか消化不良なんですよね~。もしかしてこれも何かの外伝か連作の一つ?と思ったんですがどうやらこの話は単発の模様…。真相は?ヤツの過去とは??

『光の箱』
童話作家の圭介は同窓会に出席するため故郷に戻った。弥生も来るだろうか…同窓会の日まで圭介はそのことばかり考えていた。クラスメイトからいじめられていた圭介と一緒に絵本を作っていた弥生を…。

いや~、収録されている中で一番好きかも^^圭介が書く童話も面白く、これだけで別の本が出せそう。学生時代辛い出来事があり、弥生と再会することは出来るんだろうか?とハラハラしながら読んでいくと…騙された!といっても気持ちよく騙された。シーンのつなぎ目が巧く、とってもキレイにまとまってます。こんなストーリー展開めっちゃ好きです^^

『ここじゃない場所』
高校生のリナは、ある日とんでもないものを見てしまった。同級生の秋山が一瞬にして消えてしまった。それ以降ずっと気になって秋山の後をつけていくと、古い洋館のような建物に入っていった。そこには秋山のほかに3人がいた。彼らは一体…。

リナは秋山がもう一度瞬間移動するのをこの目で見たい!とずっと思っており、彼に対する想像がどんどん膨らんでいく様は面白い。でもアゲハの正体って?と思っていたら筆者コメントでアゲハの話をのらりくらりと書いているんだとか。ってことはそこでもう少し詳細がわかるようになるのかな?


伊坂幸太郎と有川浩目当てで読んだのですが、1冊詠み終えてとっても満足のいくアンソロジーでした。中には外伝や連作、続編(?)があるのも入ってますが、それでも全体的に見るとかなり質が高いんじゃないかと^^1人の担当者が独断と偏愛で編集したものらしいのですが、ぜひとも第2弾、3弾と出して欲しいもんです。
表紙に「面白いお話、売ります」と書かれてるんですが、それに対し「面白い話、誠にありがとうございました」と言いたいぐらい。私の中で今年読んだアンソロジーベスト1です♪

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「首折り男の周辺」
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