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「ウは宇宙船のウ」 レイ・ブラッドベリ

『ウは宇宙船のウ』  R IS FOR ROCKET

ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)
 著者:レイ・ブラッドベリ (Ray Bradbury)
 訳者:大西尹明
 出版社:東京創元社 創元SF文庫






『「ウ」は宇宙船の略号さ』
『初期の終わり』
『霧笛』
『宇宙船』
『宇宙船乗組員』
『太陽の金色(こんじき)のりんご』
『雷のとどろくような声』
『長雨』
『亡命した人々』
『この地には虎数匹おれり』
『いちご色の窓』
『竜』
『おくりもの』
『霜と炎』
『タイム・マシン』
『駆けまわる夏の足音』
この中からいくつか紹介。
『「ウ」は宇宙船の略号さ』
友達と遊んだり住んでいる町や母親は大好き。だけど毎週土曜日にフェンス越しに見る宇宙船はもっと好きでいつか宇宙飛行士に選ばれることを夢見ていた。いざ夢が叶おうとしている時、少年は現実との別れを目の当たりにしてしまう。夢が夢でなくなった時の少年の素直な気持ちがよく表れているなと思います。

『初期の終わり』
今夜、人間の乗った宇宙船が最初の宇宙ステーションを打ちたてようとしていた。息子が乗り込んでいるその宇宙船の出発を両親が庭から眺めていた。と、これだけの内容なんですが印象に残る作品。父親が思う時代の区切り、母親が思う宇宙船に対する気持ちに同意できるのは今という現在において現実味のある内容だからでしょうか。

『霧笛』
霧笛の音を聞き、毎年1度だけある生物が灯台までやってくるという話。悲しい物語で今でも海底の奥深くには絶滅したと言われてるもの、架空のものとされているものがひっそりと息を潜めてるんじゃないかと思えてきます。霧笛の音や灯台は魚から見ればどのように映ってるんでしょうね~。

『宇宙船』
家族のなかで誰か1人、貯めた貯金を使って火星に行かせると思っていたボドニだったが結局誰が行くか決まらなかった。そこで大金をはたいて実験用の宇宙船の模型を買うことにした。
子どもたちを連れて火星を見に行くという話。物語として読むには優しい気持ちになれるんですが、もし私が主人公の妻なら旅から帰ってきても物語の妻のように優しい気持ちににはなれず、主人公に対して貯金を使い果たしたという腹立だしさしか残らないでしょう(笑)。今読んでる私自身が少年なら「なんてステキなパパなんだろう!」と思う…のかな?

『宇宙船乗組員』
宇宙船乗組員のお父さんはたまにしか家に帰ってこない。お母さんは僕に「今度こそお父さんをここに引き止めて」と言うが、お父さんはまた行ってしまった…。
宇宙に行くと地球に帰りたくなり、地球へ帰ってくると宇宙に行きたくなる。これを仕事だロマンだと言ってしまえば簡単なのですが、残されたものにとっては辛い日々なわけで。妻は力仕事は子どもにさせず夫が帰ってきた時のために残しておく、だけど夫が初めて宇宙に行った時に心に思ったこととは矛盾が(この女心が切ない)。この矛盾さが何とも言えません…。

『雷のとどろくような声』
タイム・マシンで過去に行き、恐竜狩りをするという旅行社のツアーに参加した。"通路"から絶対に離れてはいけないと言われているにもかかわらず、男は"通路"の外に出てしまった。現在へ戻ってみると…。
過去を変えてはいけないという基本のような話。ほんの些細な事が何千万年経つとこうなってしまうというのをツアーの案内人がすごく丁寧に説明してくれてるので事の重大さがよ~くわかります。それを踏まえてタイムスリップする映画などを観ると「そんなもんじゃすまないだろう」と思えてくるよ…。

『亡命した人々』
地球から火星へ向けて進んでいる1台の宇宙船の中では乗組員が謎の死因を遂げる。船長は虫の知らせから今では葬り去られた問題ありの本を持ち込んでいた。
ここではポーやシェークスピア、ピアス、ブラックウッドなどが登場。しかも小説の中に登場する人物までも!面白いのはディケンズが自分の著書が焚かれたのは間違いで、自分は皆のように怖ろしい人(超自然主義者、恐怖小説を書く人)たちとは何の関係もない!と他の作家たちと自分は違うんだと主張しているところ。そして幽霊が登場するクリスマス・キャロルの話を持ち出されると「あれはただの話だ!」と(笑)。笑えました^^最後の乗組員のセリフもなかなかGOOD。

『霜と炎』
八日間しか生きることができないという太陽から一番近い惑星。この惑星に生まれたシムはこの運命を変えることができるのか、あるならどういう手があるのかを考えるのであった。
少年期は一瞬のうちに過ぎ、すぐに老年期がやってくるという。なので毎日の生活は忙しい。そんな状態を受け入れる者もいればシムのようにもっと生きたいと強く願う者も。こんな状態になった原因となる宇宙船へ生き延びる希望を持って行くわけですが、生に対しての執念、勇気、そして正義が詰まっています。映画にできそうな内容なんですが、生まれてから急激に大人になるので配役が大変だろうな~^^;


先日読んだ『小説家ぶー子イギリスを行く』に『霧笛』の事が書かれており読みたくなってこの短編集を借りてきました。
"過去"に驚嘆し、"現在"を駆け抜け、"未来"に高遠な希望を持つあらゆる男の子たちにこの本を捧げると書かれてるとおり、宇宙旅行や家族をテーマにしたストーリーが多く収められています。
私は男の子じゃなく宇宙船に憧れたこともないので(『初期の終わり』に登場する母親と同じ意見)、読んでいて自然に家族の中や物語に登場する女性の立場になって読んでしまいました。こういう読み方もアリでしょ?ブラッドベリさん^^
印象に残ったのは『宇宙船乗組員』、『雷のとどろくような声』、『霜と炎』でしょうか。
メルヘンチックな話もあったのですが、そのテの話には素直に感動できないひねくれ者な私です^^;
『雷のとどろくような声』は映画化もされてるようなんですが、ツッコミどころ満載な出来だとか。どんな内容か気になるところですが解説によると時空の歪みが関係するみたい。徐々に時代が変わっていってるのではなく一気に変化するのでしょうか?
んー、観るか観まいか。原作の良さが薄れそうなのでやめとくか(笑)。

-2 Comments

kazuou says...""
こういう短編集を読むと、やっぱりブラッドベリはいいなあと、改めて思います。
『霧笛』とか『亡命した人々』なんかは、ブラッドベリ以外の作家では書けないでしょうね。
 そしてこの作品集のなかでは、やっぱり『霜と炎』がすごい! ものすごい設定なんだけど、主人公たちの行動に説得力があります。なんせ、寿命がみるみる縮まるわけですから。

 『雷のとどろくような声』の映画化は、あんまりオススメじゃないです。悪くないとは思うけど、ブラッドベリ作品のエッセンスは感じられないし。
 ただ、歴史が変わるたびに、時間の歪みが「波」となって世界を変えてゆく…という視覚効果はなかなか効果的でした。
2008.11.20 20:37 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
こんばんは、kazuouさん。

『亡命した人々』のような茶目っ気というかユーモアある作品はなかなか書けないですよね^^著名人たちの会話が妙にリアルで面白かったです(笑)。

『霜と炎』はまず設定に驚きましたが、もっと生きたい!という強い思いが切実に伝わってくる読み応えがある話でした。自分の両親や周囲がどんどん老いていくのを目にする(もちろん自分自身も)…考えただけでも怖ろしい…。
今の技術だと映画化も夢じゃなさそうですね^^

>『雷のとどろくような声』の映画化は、あんまりオススメじゃないです。

やっぱりですか^^;いつか地上波TVで放送があり、それを偶然に観ることができたら…ぐらいに思っておきます(笑)。
2008.11.20 21:29 | URL | #- [edit]

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