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「プリズン・ストーリーズ」 ジェフリー・アーチャー

『プリズン・ストーリーズ』  CAT O'NINE TALES

プリズン・ストーリーズ (新潮文庫 ア 5-27)
 著者:ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Archer)
 訳者:永井淳
 出版社:新潮社 新潮文庫





12編からなる短編集。


『自分の郵便局から盗んだ男』
『マエストロ』
『この水は飲めません』
『もう十月?』
『ザ・レッド・キング』
『ソロモンの知恵』
『この意味、わかるだろ』
『慈善は家庭に始まる』
『アリバイ』
『あるギリシア悲劇』
『警察長官』
『あばたもエクボ』
著者が刑務所に収監されていた時に囚人たちから聞いた話を少し肉付けした事実の話が9つ、残りの3つも事実に基づいているけどこちらは出獄後に着想を得たそうな。
かつては刑務所生活を綴った獄中三部作『地獄篇』『楝獄篇』『天国篇』も出版してるし転んでもタダでは起きない姿勢は素晴らしい(笑)。根っからの作家なのかもしくは…。ムムム、深く突っ込むのは止めておこう。

好きな作家なだけに感想が難しい・・・。
70代後半から90年ぐらいまでの作品は壮大でとっても面白かったのになぁ。特にサクセス・ストーリーものはすんばらしい!もちろん今作品は実話をもとにしているのでベースが違うことは解ってるつもりなんだけど、以前の素晴らしいストーリーと同じように期待をしてしまったのがいけなかったのか・・・(TT)
やはり実話がもとになってるせいか劇的な結末はそれほど期待できなかったのは残念。面白おかしく肉付けされているらしいが全体的にどの話も淡々とした感じ。それでも簡潔にまとめられていて読んでいてどういう結末を迎えるんだろうと思わせるのは相変わらず上手だなぁと。

そうそう、解説には本書の原題『CAT O'NINE TALES(9尾の猫)』について書かれてるんですが、このタイトルにはそれなりの意味があるんですって。
昔罪人を打つのに用いられた9本縄の鞭のことで、猫の爪で引っかいたようなみみずばれが出来るからそう呼ばれたそう。さらにTALES(尻尾)とTALES(物語)をかけた語呂合わせにもなってるのがミソなんだそうな。刑務所で聞いた話の9編に登場する主人公はみな犯罪者だから「9尾の猫鞭」をもじったタイトルが生きてくると書かれています。
さらに!このアイディアから原書には洒落た挿絵が使われており、数点は登場人物が擬人化された猫の絵だとか。訳者の永井淳さんは翻訳本でもその挿絵をぜひ使ってほしいとお願いしたらしいんですが制作費の制約上叶わなかったわけで…。そんな事を聞くと原作の方はきっと面白いに違いない!なんて思っちゃうよ~。

英語の語呂合わせだって翻訳ではどうしても難しい。もしや原作の作中には日本人では理解できないような翻訳すら難しい面白い肉付けがあったんじゃない?イギリス人が読んだら「ふふふ」なんてニヤけてしまうような。
好きな作家の著書があまり楽しめなかったのが悔しくてついつい原作は面白いはずだと思ってしまう往生際が悪い私(笑)。

あとがきには嬉しいことも書かれてました。このあと新作長編もあるらしく、訳者いわく『ケインとアベル』の完成度と読後の充実感を約束できそうな予感がすると…。その予感、信じちゃっていいんだな??よし、期待して待ってよう!

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