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「重力ピエロ」 伊坂幸太郎

『重力ピエロ』  

重力ピエロ (新潮文庫)

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:新潮社 新潮文庫





<簡単なあらすじ>
遺伝子情報を扱う会社に勤めている泉水のところに「兄貴の会社が放火に遭うかもしれない」と弟の春から連絡が入った。すると翌日、本当に会社が放火に遭ってしまう。壁に描かれたスプレーの落書きを消す仕事をしている春は、連続放火事件にはルールがある、連続放火の現場近くには必ずグラフィティアートがあると兄に告げる。そして泉水は真相を突き止めようと調べ始める。

<感想>
兄の泉水と弟の春は半分しか血が繋がっていない兄弟。弟の春は母親が襲われ妊娠して出来た子で、ガンジーを敬愛している。
弟から「放火事件とグラフィティアートの謎も兄貴ならきっと解ける」と言われたからでもないが、泉水は事件の真相を突き止めようとする。

兄弟の父親は癌で入院しているというのに暗い雰囲気はない。
自らの身をブラックジョークとして言ったり、連続放火事件の謎解きをしたりしてます。この父親にしろ既に亡くなってる母親にしろ、一般的な両親に見えて実は普通っぽくないような感じ。春自身も現実離れしてる。
性的なものに嫌悪を抱いているのは自分の生い立ちのことがあるからにしても、春は何かしらの順序や決まりごとを忠実に実行したり、縁起を担いだりジンクスを守ったり・・・これだけだとただ神経質なだけ?と思ってしまいますが、そんなかわいいもんじゃない(笑)。半端なくとことん実行したり信じてるんだからやはり普通じゃない。
兄の泉水はというと、一見穏やかそうに見えるけど実は最初から自分でやらないと気が済まない性格。野球中継も途中からだと見ないし、部活でも先発に入れないとやる気がなくなる、要は途中参加が大嫌い。この両親にこの兄弟ありという感じ。

壁に描かれたグラフィティアートと遺伝子、そしてネアンデルタール人とクロマニョン人。このキーワード見ただけだとどんな内容の小説家なんだとうと思っちゃいそう。こんなことを基盤としたり話題にしたりする春はやっぱりただ者じゃないな。
弟の春は母親が襲われ妊娠して出来た子なので遺伝子がテーマの一つとなってるのはわかるんだけど、よく考えたらそんなまわりくどいことしないでもっと単刀直入にいけばいいのに…なんて思っちゃダメだよね。だって小説なんですもん(笑)。

この小説で一番印象に残ったのは兄弟の父親。「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」という一言で血の繋がりという枠を一気に飛び越えちゃう。アナザーストーリーとしてこの父親と母親の出会いから母親自身が死ぬまでの話が読んでみたい。そしたら20年以上前、家族4人で行ったサーカスの話しも当然あり両親が話すピエロの重力についてもっと詳細を知ることが出来るかも。
母親が言った「わたしやあなたはそのうち宙に浮かぶ」というセリフがどうも気になっちゃうんだよなぁ。

ここで登場する探偵の黒澤、彼はウェストレイクのファンとみた!というより伊坂サン自身がウェストレイクが好きなんだろうなー。『陽気なギャングが地球を回す』の解説でもそんなこと触れてたし。
そうそう、この小説の春って『死神の精度』で千葉と遭遇してたらしい。うそ?!全然気付かなかったー(><)
最近知ったんですが、伊坂著書には様々な登場人物がいろんな作品でリンクしてるそうな。そうと知ってればもっと真剣に読んだのに。←っていつも真剣に読んでないのか(笑)?
これから伊坂著書を読むときは登場人物に注意しながら読もう!

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんにちは♪
やっと読みました!映画を先に観てしまったので、
何もかもわかった状態かと思いこんでいましたが、
映画で語られなかったことの方が多いですね。
>この父親と母親の出会いから母親自身が死ぬまでの話が読んでみたい。
確かに。4人で歩いた道のりは知りたいですね。
>この小説の春って『死神の精度』で千葉と遭遇してたらしい
ということで、もう一度『死神の精度』をめくってみたら、
ありました!
教えてくれてありがとう♪ 楽しい瞬間ですね!!
黒澤さん、今度はどんな姿で登場するかな~
2010.06.22 09:22 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
こんにちは、孔雀の森さん☆
いつも通り本の内容をほとんど覚えていない私ですw

>ということで、もう一度『死神の精度』をめくってみたら、
>ありました! 教えてくれてありがとう♪ 楽しい瞬間ですね!!

おお!ありましたか!どんな出会い方をしてるんでしょ?
春が『死神の精度』で千葉と遭遇しているらしいと
感想に書いておきながら、私は未だ確認できておりましぇん(TT)。
『死神の精度』の映画版ですらまだ観てないという…^^;

黒澤さんはいろんな所で登場しているので
今後もどこかで必ず登場してくれそうですよね~。
楽しみ楽しみ(^3^)
2010.06.23 14:43 | URL | #- [edit]

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『重力ピエロ』新潮社
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