「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎
『陽気なギャングの日常と襲撃』
著者:伊坂幸太郎
出版社:祥伝社 ノン・ノベル
<簡単なあらすじ>
人の嘘を見抜くことができる公務員の成瀬、演説の達人である喫茶店主の響野、スリの天才久遠、体内時計を持っているシングルマザーの雪子の4人は銀行強盗。前半はそれぞれ4人の日常を描いており、後半は強盗に入った銀行で客としていた女性が絡む社長令嬢誘拐事件の話。シリーズ弟2弾。
<感想>
それぞれ4人の日常を描いており、公務員の成瀬編は部下の大久保と一緒に遭遇した事件の話、響野編は店の客である藤井の「幻の女」、雪子編は派遣社員として働く会社の鮎子の「謎のチケット」、久遠編は公園で知り合った和田倉の話。
久遠編以外はそれぞれの職場がベースとなっており普段の生活が少し垣間見れると同時に、少し謎解きのような内容になってます。
4人一緒だけでなく、それぞれ個人の時でももちろん能力を発揮しており、中には会話の中で「強盗している」と他人に言っちゃったりも。もちろん聞いてる側は冗談としか受け取ってないけど^^
後半の社話は強盗に入った銀行にいた女性客に目が留まったことから、4人は社長令嬢誘拐事件に首を突っ込むことに。
前半の4つの別々の話に出てくる事柄や会話が上手に組み込まれており、4人の日常の延長線に社長令嬢誘拐事件があるって感じ。
この話の中で、とってもドジで間抜けで計画性なしのお人好し2人組が登場。人質にまで同情されるわけですが、その人質自身も世間知らずなお嬢様。この3人は結構いいキャラしてる♪
『陽気なギャングが地球を回す』ほどではないけど、こちらも面白くよめました^^
映画版『陽気なギャングが地球を回す』も観たくなっちゃった。響野=佐藤浩市はイメージに合ってるような気がする。他の3人はどうなのかな?気になるな~。観る前から言うのもなんだけど、映画版は原作よりさほど面白くないような気がする^^;やっぱりテレビで放送してくれるまで待とうっと(笑)。
最後に…「南米にいい国があるよ」って言われたら注意しよう。