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「螺鈿迷宮」 海堂尊

『螺鈿迷宮』 

螺鈿迷宮

 著者名:海堂尊
 出版社:宝島社





<簡単なあらすじ>
落ちこぼれ医学生の天馬大吉は、新聞社に勤める幼馴染みの別宮葉子から碧翠院桜宮病院に潜入取材して内情を捜査して欲しいと頼まれる。別件で病院買収関連の企業舎弟の社員1人が同病院に調査に入ったまま行方不明になっており、病院の闇の実態と人捜しのために天馬大吉は病院ボランティアとしてしぶしぶ病院に潜入した。だがそこでは前日まで元気に見えた患者が次々と亡くなっていった。終末期医療の実態とは?シリーズ番外編。

<感想>
宗教法人と老人介護センター、ホスピス施設を一体化した複合型病院で終末期医療を受け持つ施設。介護医療とお寺が併設されてることから死ぬまで面倒を見てくれるという、高齢化社会の日本にとってはなんと現実的な!
といっても問題はここから。もともと悪い噂があった碧翠院桜宮病院、そこにボランティアとして入った天馬大吉なんですが、そこは閉院寸前の小規模な個人病院で延命治療もせず、死を受容するための病院。
画期的な試みとしては患者に病院業務の一部を担当してもらい、労働対価は院内経費と相殺しているという。そのことで看護婦の数も少なく徹底的に無駄を排除しているというのはいいけどそれにはリスクも伴うわけで。
終末期医療として気になるのは病院とお寺と火葬場が一緒にあるってこと。ここの病院に入ったら骨壷に入るまで全て世話をしてくれるって何だか後は死を迎えるだけって感じでちょっと…。もちろん悪いことばかりじゃないけど、この本を読むとかんなりイヤかも^^;

東城大学医学部と碧翠院桜宮病院の関係も深く、東城大で最先端治療を施し、再発したり手の施しようがなくなった厄介な患者は桜宮病院へお払い箱。今までのそんな過去があったこそ大病院と個人病院の差が浮き彫りになり碧翠院桜宮病院は大打撃を受け今の体制に。
そういや院長の言葉で「薬というものは使わないで済むなら使うな。薬とは役に立つ毒だ」というのがあるのですが、なるほど~。どうしても必要な場合以外は使わずにおこう。

そして白鳥の部下である姫宮が登場!ここでは天馬大吉という男性の目から見た姫宮のイメージはやはりデカイということ。だけど実はスタイルがいいのね~(どちらかと言えばダイナマイトボディ?)。顔も可愛らしいし恋愛対象にもちゃんとなってる。『ジェネラルルージュの凱旋』では同性の如月翔子や花房師長が魚に例えてたから一体どんな風貌?!なんて疑問に思ってたので一安心。
といっても見てる側に不安にさせるほどトロいのは天然だけど(笑)。彼女のお陰でとんでもない目にあう天馬大吉はお気の毒としか言いようがない・・・。
しかし彼女の知識は凄い!よく○○本に書かれてることによりますと~と話してるけど、一体どれだけの量を読んでるんだ?!占星術の本まで網羅してるとは…キャリア官僚だけでなくいとも簡単に超難関試験まで突破しているまさにスーパーウーマン。

白鳥も登場し、楽しみにしていた2人のやりとりが見れました。前までは姫宮だから白鳥の部下が務まると思ってたのですが、実は白鳥だからこそ姫宮の上司が務まるんじゃないかと思ったり。まぁ結局はこの2人だからこそいい味出してるわけで(笑)。
いい味と言えば院患者のお婆さん―西遊記トリオを忘れちゃいけない。料理が上手なトクさん、生きることに執着を持ってる美智は特に印象深い。身寄りがない末期患者だけど病院ではワイワイ楽しく、だけど確実に死は近づいているという現実。
終末期医療だけでなくこのシリーズで幾度もなく登場するAI、そして自殺サイトなど『ジェネラル・ルージュの凱旋』と同様に現実的な問題を取り入れてるので面白く読めました。

余談:タイトルにもなってる「螺鈿」って何?調べてみると夜光貝や鮑貝などの貝殻を磨いて木地・漆地の面にはめ込んだり貼りつけたりする工芸技法なんだそうな。なるほどね~、言われてみればそんな工芸品を見たことがあるような気がする。これでまた1つ単語の意味を知りました。って私が単語の意味を知らなさすぎ?ああ、読書って素晴らしい(笑)。

-2 Comments

孔雀の森 says...""
こんにちは~
またいつものように復習させてもらいました♪
碧翠院桜宮病院というのはもちろん架空なのだけど、読んでいくうちに実際ありそうな気がしてきて身震いしてしまいました。
誰かが考えそうなシステムだなあ、と思えて…。

白鳥、姫宮の、上司部下コンビも面白かったですね~
姫宮の実像も少しずつ見えてきて、あの豊富な知識量にはびっくりでした!
これからの姫宮も楽しみです。

>夜光貝や鮑貝などの貝殻を磨いて木地・漆地の面にはめ込んだり貼りつけたりする工芸技法

教えていただき、ありがとうございます!
そう言えば本の装丁が螺鈿っぽいキラキラした感じでしたよね。
あのお母さんの姿を思い出すと胸が痛みます。

この後の展開にも興味津々です。
2008.07.06 08:32 | URL | #W/rA3xXw [edit]
TKAT says...""
おはようございます♪

架空とわかっていても、高齢化社会では現実にありそうな話ですよね。
というか探せば似たような病院や施設はあるかも^^;
生死をコントロールすること以外、システム自体がちゃんとしてれば
身寄りのない老人にとってはありがたい病院なのかもしれません。

>これからの姫宮も楽しみです。
そうなんですよ、姫宮ファンの私としては彼女の目線で書かれた
アナザーストーリーが是非読みたいもんです♪
もし実写版があったら…
ダメだ、南海キャンディーズのしずちゃんしか思い浮かばない(笑)。

このシリーズはまだまだ続きそうですね。
忘れた頃に刊行されてて、きっと孔雀の森さんのブログでその事を知るんだろうな~。
ホント孔雀の森さんのブログは私の情報源です^^いつも助かってまーす♪
2008.07.06 11:14 | URL | #- [edit]

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海堂尊『螺鈿迷宮』
出版社:角川書店 刊行年:2008年2月(初版は2006年) <あらすじ> 天馬大吉は東城大学医学部の学生で留年を繰り返している。ある日、...
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