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「おかしい話」 ちくま文学の森5

『おかしい話』 ちくま文学の森5     
おかしい話 (ちくま文学の森)
 編者:安野光雅/森毅/井上ひさし/池内紀
 訳者:岩崎純孝/江口清/西脇順三郎/米川正夫/
     吉村正一郎/池内紀/徳永康元/瀧口直太郎
     阿部知二/五十嵐仁
 出版社:筑摩書房 <ちくま文学の森5>


『おかし男の歌』 長谷川四郎
『太陽の中の女 -ブルジョワの散歩-』 ボンテンペルリ
『死んでいる時間』 エーメ
『粉屋の話』 チョーサー
『結婚申込み』 チェーホフ
『勉強記』 坂口安吾
『ニコ狆先生』 織田作之助
『いなか、の、じけん 抄』 夢野久作
『あたま山』 八代目 林家正蔵演
『大力物語』 菊池寛
『怪盗と名探偵 抄』 カミ
『ゾッとしたくて旅に出た若者の話』 グリム兄弟
『運命』 ヘルタイ・イェネー
『海草と郭公時計』 T・F・ポイス
『奇跡をおこせる男 散文詩』 H・G・ウェルズ
『幸福の塩化物』 ピチグリッリ
『美食倶楽部』 谷崎潤一郎
『ラガド大学参観記(その一挿話)』 牧野信一
『本当の話 抄』 ルキアノス
この中からいくつか紹介。
『太陽の中の女』
小さな飛行機で飛行中、もう少しで向かって来る飛行機とぶつかりそうになった。拡声器で文句を言うと、相手は女性だった。この女性に対し話しかけるが・・・。
自分の気持ちを景色や空の光で表現してるのかと思ってるのですが、違うのかな?気に入ったのは地上でのデートに誘われた時の断り方。なんか洒落てる♪

『死んでいる時間』
主人公マルタンは1日おきにしか存在しない。24時間は普通に生活し、次の24時間は無となり姿させも消えてしまう。他の人にバレないようマルタンは細心の注意を払って生活していたが、ある日恋に落ちてしまった。毎日生きてる妻は、1日おきにしか生きてないマルタンより倍の年月が経ってるので新鮮味や愛情の度合いがズレてくる。結局マルタンはまた1人になり、人前で姿を消すという冒険を試みるのですが、これが皮肉な結果に・・・。非現実的で悲しい運命を辿る主人公というのがエーメのパターン?よくこんな奇怪なストーリーを思いつくなと感心しちゃいます。

『粉屋の話』
若くて綺麗な妻アスリーンを持つ大工がいた。この大工は妻を大事にしており、浮気されるのを恐れ家から一歩も外に出させないでいた。しかしアスリーンは家に置いてる下宿人の青年ニコラスといい仲に。一方教会の役人アブソロンもアスリーンに言い寄っており、ニコラスが大工を騙そうと計画中にもやってきた。ニコラスにすっかり騙された大工、ニコラス対アブソロン、一体どうなる?
何が面白いって、ニコラスの「ノアの洪水」を持ち出した騙し方から始まるドタバタぶり。洪水がくると信じて舟にじっと隠れている大工、その間に浮気をするアスリーンとニコラス、そんなことを知らずにアスリーンを口説こうとやってきたアブソロン、これが上手い具合に絡んでいて楽しい。この話が収録されてる『カンタベリー物語』も是非読んでみよう♪いろんな出版社・翻訳者から出てるから迷うな~。

『結婚申込み』
隣人の娘にプロポーズするため、ロモーフは家を訪れた。そこで父親と話し、娘のナタリヤが登場するがひょんなことから土地をめぐり所有権についての話になる。隣人同士は互いに譲らず家同士の争いに発展するが、自分にプロポーズするためにロモーフが家に来たことを知ったナタリヤ。いったんは冷静になるが今度は互いの飼ってる猟犬の話で言い争いになる。
こんな古典的なドタバタ喜劇、好きです^^登場人物が3人なので読みやすく、単純に読めて楽しい♪これってもとは劇作なのかな?演出の仕方によっては新喜劇でも十分楽しめそう(笑)。

『勉強記』
誰でも無条件で入学できる大校のインド哲学科に入学した按吉。人気のない梵語と巴利語の講座を受けていたが全く身に付かない。先生の言うことを真に受けて原書を読んだ気分だけに浸っていた。次にチベット語を勉強するもこちらもさっぱり。そして今度はトルコ語とアラビア語を習い巡礼に出ることを考えるが・・・。
淡々と書かれているため波のないストーリーですがどこか気になる作品。結局は悟りを諦めた按吉、流されやすい性格というかお馬鹿さんというか・・・。何でも興味は持つけど全然身に付かないというところは何だか自分を見てるような感じ^^;だから気になるのか?!

『大力物語』
大井子・お兼・尾張の女・大井光遠の妹、4人の女性の怪力ぶりと、実因僧都・寛朝僧正の怪力男性の話。
これらは有名な話なんだとか。女性バージョンは皆正義感が強く、そのために力を発揮しているけどあっけらかんとしていてそこがまたいい。男性バージョンはユーモアがあってこれまた面白い。著者が最後にどの話も誇張されてるに違いないが、その誇張が空とぼけていてほほえましいと書いていますが、ホントその通り。言い伝えられてるうちに、話がどんどん大きくなっちゃったんでしょうね~^^

『ゾッとしたくて旅に出た若者の話』
ゾッとするということが全く理解出来ない男がいた。そのことを聞いた教会守りが試してみるが、反対にえらい目にあってしまう。家を出された男はゾッとするために旅に出るが、そこで呪われた城を知る。続けて3晩その城で見張りをしたら、そこの美しい姫と結婚できるという。早速男は園城の王に会い、見張りをするが・・・。
何をされても全くゾッとしない男。途中まで面白く読めたのですが、ラストでトーンダウンしちゃった。もっと単純で解りやすい方が面白かったかな。例えば姫がいきなりスッピンをみせて男がゾッとしたとか。ダメ?

『海草と郭公時計』  
ヘスタアは結婚ということをいつも考えていた。といっても普通では考えられない結婚で、家にある時計に妻を見つけようとしていた。一生懸命探して見つけた結婚相手は海草だった。夫婦は幸せに暮らしていたが・・・。
ヘスタアはいろんなモノと話せるのですが、これはこれで楽しいかも。ヘスタアが極端に感受性が強いと思えばそれまでなんですが^^;でも普通に考えて海草と時計の結婚って・・・。と思ってたら意外にナイスカップル?モノがこのような感情を持ってたら夢があるというか、いや、夢じゃないな。なんて言うんだろう、モノにも命があるって感じ?真面目に考えようとしたけど、よく考えたらこの本のタイトルは『おかしい話』。そう、この話はまさしくおかしい話。

『奇跡をおこせる男 散文詩』
奇跡を起こす力を全く信じていなかった男性に、ある日突然自分が思ったことが現実に起こるという能力を持ってしまった。だがこの能力で地球の回転を止めてしまった。事の重大さを知った男性がとった行動とは・・・。
なぜだろう、どこか懐かしいストーリーのような気がするのは。前にも読んだことがあるのかな~。それともよく似た話があるのかな?ある日自分にこんな能力があると知ったら、私はもっとミーハーなことを願うかも(笑)。 

『変身ものがたり』を読んでこのシリーズは2冊目ですが、やっぱり面白い!
個人的にはどちらかというと前半の方に興味があるみたい^^というか、感想を書いてて後半の感想は疲れてこれ以上書けない!ってのが本音かも(苦笑)。
これもあれも・・・と思って感想を書いてたら勢いあまって全部書きたくなり、時間が足りない~(泣)。でも頭にはしっかり入。けど3日も経てば忘れちゃうんだろうな・・・。は~

-2 Comments

kazuou says...""
ボンテンペルリ、エーメ、カミ、と、ふつうの文学全集にはどう考えても入りそうもない奇想作家が、たくさん入っている、というだけで感動ものです。
そもそも文学全集で『おかしい話』というテーマを設定している時点からして、ある意味すごいと思います。

『太陽の中の女』もいい作品だけれど、ボンテンペルリには、もっととんでもなくおかしな作品がいっぱいあるので、お勧めの作家ですね。
あとは『海草と郭公時計』も妙に心に残る作品です。
2008.03.08 23:34 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
こんばんは、kazuouさん。

ボンテンペルリは初めて読んだのですが、短篇集を読むならやはり『わが夢の女』でしょうか^^

このシリーズ読んでると(実はもう4冊目に入ってます)、世界には面白い話があるんだと感心してしまいます。
文学全集といったらもっとお堅いイメージがあったのですが、このシリーズはセンスがあってユーモアに富んでますね♪
このシリーズを知って嬉しいのですが、気に入った作家がいればその作家の本が読みたくなり、私の読みたい本リストが急激に増えていってます(笑)。
2008.03.09 20:50 | URL | #- [edit]

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