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「笑いの双面神」 日本ユーモア文学傑作選Ⅱ

『笑いの双面神 日本ユーモア文学傑作選Ⅱ』 HUMOROUS STORIES

 編者:阿刀田高
 出版社:白水社 白水Uブックス

<感想>
イギリス版、フランス版、アメリカ版、スペイン版と読んだので日本版を。
ⅠとⅡがあるのですが、先にⅡから読んじゃいました。
この本に収録されてるのは以下の通り。


『真夜中の訪問者』 横田順彌
『冬眠』 神吉拓郎
『玉、砕ける』 開高健
『ぼた餅のあと』 佐藤愛子
『夜のグリコ』 村松友視
『猫ぐるま』 五味康祐
『頂』 もりたなるお
『車掌の本分』 かんべむさし
『有名人』 塩田丸男
『松尾芭蕉の大予言』 和田誠
『少年棋士』 森田誠吾
『弁天さま』 筒井康隆
『アメリカひじき』 野坂昭如
著者名を見て、佐藤愛子・塩田丸男・和田誠・筒井康隆・野坂昭如しかわからなかった私・・・。
しかも名前だけ知ってるとか、著書の映画を観たとかいう程度。そんな中から印象に残った作品を紹介。

『真夜中の訪問者』突然の深夜の訪問者は若い女性の声。ドア開けるとそこには・・・。
絶対にあり得ない設定がバカバカし過ぎて逆にちょっと新鮮。将来の子どもの就職まで考えてしまう主人公、訪問者の真の目的、妹が妹なら兄も兄、そして訪問者の名前や言葉のギャグが私の笑いのツボに。

『ぼた餅のあと』島で妻と店をやってる公平。ある日、初恋の人である新子に急に会いたいと言われてT島へ行くことに。有名俳優を夫に持つ新子は何のために公平に会いたいと言ってきたのか。
真面目で島一番の堅物で通ってる公平だが、実は一人前に浮気願望はあったりする。が、夢を見るとその後はえらいことに巻き込まれてしまう。浮気をする公平を滑稽に描いており面白く読めました。結局何も知らない妻が一番幸せ?

『猫ぐるま』武士の久右衛門は、妻との間に7人の子がいるが全員女の子であった。夫婦仲は円満で穏やかな2人であったが、ある事件から「知行お取り上げのうえ追放」になり江戸で暮らすことに。8人目を身ごもった妻に対して久右衛門がとった行動とは?
久右衛門は無知なのか几帳面なのか大きな謎。この時代のHOW TO本(?)が「好色一代女」「世事百談」など、当時の参考にしたと思われる書名に時代を感じるな~。結末は・・良かったねとしか言いようがない(笑)。

『頂』心機一転に四股名を改名してまで十両に上りたい幕下力士の頂。そこで金で星を買うという八百長をすることにしたが・・。
八百長だけでなく若くて下っ端の力士を遊びの対象にするマダムだとか、関取が後援者と関係を持ってしまうだとかユーモラスに描いているとはいえ、相撲協会は何も言わなかったのかな?頂の行動がいかにもおバカさん過ぎて抗議する対象にならなかったとか(笑)。相撲取りになりたいと思ったきっかけも浅はかだし、楽して上の番付を手に入れようとする姿も哀れ。全く同情できない頂の力士人生、どうぞお達者で~。

『車掌の本分』車掌という仕事に誇りを持ってる。休憩時間が少なくなっても食事の量が減っても車掌としての仕事を完全に果たしたい。悲しいかな、誰もこの想いに気付いてくれない・・・。
ここまで忠実に職務を果たそうとしてる姿と、その姿を周囲の人物が客観的に見た時のギャップが何とも言えない。面白いんだけど悲しい。これぞプロフェッショナル!!仕事に対する情熱が伝わってくるストーリーでした。

『松尾芭蕉の大予言』同級生の浅井は、松尾芭蕉の俳句には未来社会の意味を含んだ大予言が隠されてると言う。一つずつ説明し始めるが・・・。
めちゃくちゃこじつけだ~!でもこんなこじつけは読んでて楽しい。ただ私自身が松尾芭蕉の元となる俳句の意味がよくわからないので楽しさ半減(悲)。

『少年棋士』ちょっとした偶然で将棋教室に入門し、ジロウ君という少年棋士に出会う。夢も才能もあるジロウ君の昇段を見守っていたが、数年後に出会ったジロウ君の人生はどうなっていたのか? 
ジロウ君の「○○でシュ」という言葉遣いが、作中にも書かれてる通り詰襟の学生服に分厚い眼鏡という格好が容易に想像できます(笑)。大道将棋というのが出てくるのですが、私が幼少の頃、週末に父親に連れられ競馬の馬券売り場に行く途中の狭い路地でこんな光景をよく見たような・・・。あれが大道将棋だったのかな~?あれ、囲碁だったかな?

『弁天さま』平凡な一家に弁天さまがやってきた!福を授かりたい夫婦は弁天さまの言う通りにするが・・・。この弁天さまはどうやら好色らしい。息子のセリフも無邪気で可愛いけど、ラストの結びも好きな終わり方。

『アメリカひじき』ハワイでお世話になったアメリカ人ヒギンズ夫妻が家にやってきた。アメリカ人が来るということで一生懸命迎える準備をする妻。反して戦時中、戦後のアメリカ人に対していろんな思いがある夫。無事もてなすことができるのか。
解説に『火垂るの墓』が悲しみの名作なら、本作品はユーモアの名作であろうと書かれてます。確かにそうかも。アメリカ人を家に招くのに有頂天になってた妻。ヒギンズ夫人に振り回される結果になり文句たらたらというどこにでもある光景や、夫がヒギンズを一生懸命接待しようとする姿がとっても日本人臭い(笑)。
アメリカのひじきって何だろうと思ってましたが、アレがひじきとは!なるほど、アレをひじきとして料理しちゃったか・・・。捕虜の分をくすねてきた大事な食料、それを暗い雰囲気ではなくあっさりと描くシーンは『火垂るの墓』の雰囲気とは対照的でした。

あまり期待してなかっただけに面白かったかも。これってユーモア?と思うのもありましたが・・・。あとはえーと、日本編Ⅰ・中国編・朝鮮編かな。調べてみると全部最寄の図書館にあるみたいなので一安心。

-4 Comments

jia says...""
「車掌の本分」っておサルの電車のお話ではありませんでした?
もしそうなら、小学生か中学生のとき国語の教科書に載っていましたよ(^^♪

子供ながらに大人って大変なんだろうなぁーと思いながら教科書を
読んでいた記憶が^_^;
2007.07.19 09:48 | URL | #1olHiW.o [edit]
TKAT says...""
こんばんは、jiaさん♪

調べてみると国語の教科書にも載ってたみたいですね♪私が小・中学生の時は載ってなかったけど・・・もしかしてjiaさんとは時代が全然違うのか?!

おサルさんが主人公ですが、これってなかなか深~い作品らしいですよ。巻末の解説に書いてありましたが、おサルの思いを語りながら、おサルの話ではない。作者は作品を読者にポンと投げかけ、あとは読者がどう感じてくれるか・・といった作品なんですって。

この解説を読んで「ああ、そうなんだ」と今ならわかりますが、果たして小・中学生には理解出来るんだろうかと・・。

>子供ながらに大人って大変なんだろうなぁーと思いながら教科書を読んでいた記憶が^_^;

いましたここに(笑)。ちゃんと人間に置き換えてるし大人の職業に対する思いもちゃんと理解してらっしゃる!どのように感じてくれるかという著者の想いがちゃんと通じており、さすが教科書に載るだけのストーリーなんだと改めて感心しました。

私の子ども時代もこんなユーモアを含んだストーリーを載せてくれてたらもっと国語の授業が楽しめたのに~。ウキー!
2007.07.19 21:02 | URL | #- [edit]
jia says...""
いやー、あまり学校の勉強とか読書とかって好きな子供ではなかったんです^_^;
そのなかでも、いくつか心に残っているのがあって、偶然それが「車掌の本分」
だったんです(^^♪
今の子供って子供らしくない!って思うこと多々ありますが、自分もそうだったのか!?
2007.07.21 09:33 | URL | #1olHiW.o [edit]
TKAT says...""
こんばんは、jiaさん♪

私は子どもの頃から読書は好きだったのですが、国語の授業の内容は全く覚えてないんですよね・・・。なにかの拍子にふと思い出すかも?もしかしたら卒業してからかなりの年月が経ってるせいで覚えてないのか?!

最近の学校ではSMAPの曲が音楽教科書に載ってたり、各界の著名人が何かしらの形で教科書に載ってたりとなんだか楽しそうな授業♪

>今の子供って子供らしくない!って思うこと多々ありますが、

思います思います。きっと自分自身が子どもの時も大人から「最近の子どもは子どもらしくない!」って思われてたんでしょうね~^^;
2007.07.21 19:27 | URL | #- [edit]

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