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「庭師 ただそこにいるだけの人」 ジャージ・コジンスキー

『庭師 ただそこにいるだけの人』 BEING THERE

庭師 ただそこにいるだけの人
 著者:ジャージ・コジンスキー (Jerzy N. Kosinski)
 訳者:高橋啓
 出版社:飛鳥新書





<簡単なあらすじ>
チャンスは孤児で幼い時からある家の庭師をしていた。家と庭から一歩も外に出たことがなく部屋ではテレビだけを見る毎日。ある日、主人が亡くなりチャンスが雇われていた記録が全くないため家を出て行かなければならなくなった。生まれて初めて外に出たチャンスは金融協会会長夫人イブが乗ってる車と接触事故に遭い、それが縁でイブの家にお世話になることに。家の主人、そして大統領に気に入られたチャンスは、自分の意思とは関係なくまたたく間に世間の注目の的になってしまう。

<感想>
読書の参考にさせていただいてるkazuouさんのブログ『奇妙な世界の片隅で』で紹介されており、興味があって図書館で借りてきました。

テレビの世界しか知らないチャンスは世間の政治や駆け引きや恋愛を全く知らない。字は読めず書くことも出来ず、学校や病院も行ったことがなく、身分を証明する書類が一切ないチャンス。庭だけが彼の人生で、庭の話となると真面目に答えてしまう。
なのでどんなシーンでもテレビで見た知識だけを頼りに行動するが、それがまた相手には適切でなおかつ斬新な言動・行動にとられてしまう。政治の世界でもただ庭の話をしているだけなのにそれが一般市民にも理解しやすい言葉に置き換える能力だと思われてしまう。
いつのまにか大統領にまで謁見するようになり、チャンスの運命はあれよあれよと・・・。

見た目は男らしく見だしなみもいい。立ち振る舞いも上流階級を思わせるもの。しかしこれらは全て本人が意識したものではないってこと。
チャンスの正直な言動・行動が1人歩きし、周りの勝手な解釈により思いがけない方向に進んでいく様が面白い!さらにそのことをチャンスも自分が置かれてる立場を全くわかっておらず、チャンスと周りの人間との対比がなんとも言えない・・。
少し知能が低いと思われていたチャンスですが、情緒が飛び抜けて安定してるという結果が。世間に流されることなく育った環境がこのような結果を生んだのだろうか?
最後には素性を暴かれてチャンスはいつの間にか潰させてしまうんじゃないかとハラハラしぱなっし。

タイトルの通り「ただそこにいるだけ―」のチャンス。不思議だけどどこか魅力がある主人公。本書では何か余韻を残してるような感じだけど(結局彼自身は最後まで庭師でしかないということと勝手に解釈)、映画ではどのような結末になってるんだろう?

-4 Comments

kazuou says...""
本当にふしぎな作品でしたね。
主人公の性格が俗悪だったり、悪党だったりしたのなら、人は外見しか見ていない、というような風刺的な作品になったのかもしれませんが、この作品の場合、そういうわけでもないんですよね。
純真無垢な主人公、というのもよくある設定ですが、チャンスは、そういうのともちょっと違う感じです。
本当は、笑える設定のコメディのはずなのに、どうも笑いきれない、というか、どこか哀愁さえただよう作品になっているところがまた、魅力的でした。
2007.06.06 06:53 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
周りの勝手な解釈により思いがけない方向に進んでいく様は確かに面白くコメディ的ストーリーなのですが、チャンス自身を考えると切なくもありますよね。

各章の始まりと終わりにアリの絵があり、毎回違うので何かストーリーとリンクしてるのかと気にして読んでたのですが、どうやら関係なさそうでした(笑)。表紙のカブトムシの絵も気に入ってるのですが、庭師なだけに虫の絵なんだろうな。

2007.06.06 19:13 | URL | #- [edit]
5011 says...""
映画「チャンス」はピーター・セラーズの名演が忘れられない。
無垢な人間が過大評価されちゃうシニカルなこのコメディは後の「フォレスト・ガンプ」にも通じるものがありますね。
作者のイエージー・コジンスキー本人はウォーレン・ビーティの「レッズ」では役者として出演してました。

2007.06.07 23:08 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
>「フォレスト・ガンプ」にも通じるものがありますね。

やっぱり!「フォレスト・ガンプ」の主人公は駿足という才能があり、チャンスには何もないという違いはありますが、シニカルなコメディという面では似てますよね。

映画を先に観るか原作を先に読むか迷ったんですが、映画を先にするとピーター・セラーズの印象ばかり残りそうなんでまずは原作からにしました。
ピーター・セラーズの名演も観たいし、映画ではどんな主人公像になってるのかも気になる・・。レンタル半額デーの日に借りてきまーす。


2007.06.08 20:15 | URL | #- [edit]

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個性のない男  ジャージ・コジンスキー『庭師 ただそこにいるだけの人』
庭師 ただそこにいるだけの人ジャージ コジンスキー Jerzy N. Kosinski 高橋 啓 飛鳥新社 2004-12by G-Tools ピーター・セラーズ主演の映画化でも有名な、ジャージ・コジンスキー『庭師 ただそこにいるだけの人』(高橋啓
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