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「笑いの騎士団」 スペインユーモア文学傑作選

『笑いの騎士団 スペイン・ユーモア文学傑作選』 HUMOROUS STORIES

笑いの騎士団―スペイン・ユーモア文学傑作選 (白水uブックス)

 編者:編者:東谷穎人
 出版社:白水社 白水Uブックス





<感想>
イギリス版、フランス版、アメリカ版と読んだので次はスペイン版を。
この本に収録されてるのは以下の通り。


『「結婚太郎」と「青春花子」の縁組』フランシスコ・デ・ケベド
『尻の眼の幸運と不運 』フランシスコ・デ・ケベド
『千慮の一失』マリア・デ・サヤス
『チク…タク…』ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン
『最後の浮気』ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン
『アベシーリャ』クラリン
『フアン・マンソ』ミゲール・デ・ウナムーノ
『汽車の旅』ベンセスラオ・フェルナンデス・フローレス
『つれづれ噺』ラモン・ゴメス・デ・ラ・セルナ
『スウェーデン人探検家ポルティファックス またの題、オットット族に捕らえられた十日間 』エンリケ・ハルディエル・ポセラ
『バトレス兄弟有限会社』サムエル・ロス
『過去の栄光』ラファエル・ガルシア・セラノ
『透明の世界』フランシスコ・ガルシア・パボン
『レボリャール村余聞』フェルナンド・ビスカイノ・カサス
スペイン版は前者に読んだ3国版と比べて全く違った趣がありますね。
知ってる作家は悲しいことに誰もいませんが、そんな中でもいくつか紹介。
『「結婚太郎」と「青春花子」の縁組』このストーリーの何が面白いって登場人物たちの名前が面白い。原作の名前は一体どうなってるんだろう・・・そのまま訳したんだろうか?と原作での名前が気になるストーリー。
『尻の眼の幸運と不運 』お尻を題材にした話で、お尻にまつわる17の不運話が面白い。最後の不運のオチもユーモア満点でなかなか。お気に入りの一つ。
『千慮の一失』この言葉の通り、知者も必ず千慮の一失あり愚者も必ず千慮の一得ありという意味で、いくら知者でも失敗の一つはあり、また愚者でも一つは正しいことがあるということ。用心深く行動してても正直で自分の謝った考え方から自分の身を危うくするという教訓を男女間で描いてます。
解説ではドジ男と称されてますが、女性で懲りずに何度も失敗するところは言われてみればそうかも。当時は賛否両論があったストーリーらしい。これもお気に入りの一つ。
『最後の浮気』副タイトルにもあるとおり、滑稽にして道徳なる物語。浮気をする伯爵を有徳の道に戻してくれたのは?そして自分の置かれてる立場からそのもの対してとった行動とは?
『つれづれ噺』は13のショートストーリー。その中でも『インテリ泥棒』はお気に入り。この泥棒の気持ちがなんとなく理解出来るのがお気に入りの理由かな。
『透明の世界』ある装置をつけたテレビの画面から、広範囲にわたって他人の生活を観察できるというストーリー。部屋を暗くしても会話まで聞けちゃうんだからプライバシーも何もない!そんな生活がもたらす結果は・・・。
『レボリャール村余聞』レボリャール村で起こったいくつかの出来事を集めたストーリー。平易で淡々とした文章でどの話を読んでも面白い。これまたお気に入りの一つ。

巻末の説明で、スペイン文学のユーモアはあらゆる笑いの要素を寛大に懐深くとりこみ幅広く多様性に富んでおり、ユーモアと風刺とアイロニーがお互いに融合しあっていると書かれてるのですが、確かにそう思う。さらに大爆笑もなければ重い後味もなく、淡々とした中にも軽妙な文章は私にとってはちょうどいい感じのユーモア。
今回初めてスペイン・ユーモア文学を読んだのですが、今まで手を出さなかったことに後悔。他のスペイン・ユーモア文学アンソロジーも読んでみたいという気に。
おっとその前に日本編・中国編・朝鮮編がまだあるんだった・・・。年内には制覇しよっと。

-4 Comments

kazuou says...""
これは、いいアンソロジーでしたね。スペインものって、ユーモアものに限らず、あまり見ませんし。稀少価値を別にしても、相当レベルが高いと思います。
僕がいちばん好きなのは、『レボリャール村余聞』でしょうか。どこか哀愁ただようところも好み。あとは『つれづれ噺』。『インテリ泥棒』はいいですね。
収録作家のうち、一般的なのはケベドとアラルコンぐらいでしょうか。アラルコンは、国書刊行会から出ている『死神の友達』がめちゃくちゃ面白いので、オススメです。死神を友人にした奇想天外な幻想小説です。

ちなみに「他のスペイン・ユーモア文学アンソロジー」は、たぶん翻訳がないです。ユーモアものに限らなければ、同じ白水uブックスから出ている『スペイン幻想小説傑作集』がオススメですね。『笑いの騎士団』と同じ編者なので、収録作品のトーンもわりと近いです。なかでもホセ・デ・エスプロンセダ『義足』が抱腹絶倒。魔法の義足をつけた男が世界中を走り回される…という話。
スペインは「ロマンス」の源流となった国だけあって、「物語性」が非常に強いのが特徴でしょうか。16世紀とか17世紀の物語でも楽しく読めてしまうところがすごいです(もっとも翻訳なんですけどね)。
2007.01.11 21:33 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
ホントこのアンソロジーは良いですね。スペイン文学を知らない私には未知の世界であまり期待してなかったのですが、予想以上に裏切られました。
『レボリャール村余聞』は私も好きで、哀愁ただよいながらも最後はレボリャール村の繁栄でしめるのは、この本最後の収録としてもピッタリの作品のような気がします。

スペイン・ユーモア文学アンソロジーってこの本だけなんですか!残念。幻想小説傑作集シリーズは前から気にはなってたんですよね。ユーモア文学傑作選シリーズ読破したら次はそれで決まりかな。
『死神の友達』は調べてみると「バベルの図書館」シリーズに収録されてる作品ですよね?ポケミスよりも縦長で特徴ある本ですね(笑)。図書館に置いてあるようなので今借りてる本を返却したら読んでみようかなと。だってkazuouさんが面白いの前にめちゃくちゃと付けてるんだからよほど面白いに違いない!間違いない!!
2007.01.11 22:58 | URL | #- [edit]
kazuou says...""
いや、「間違いない!」とか言われると、困っちゃうんですけど(笑)。面白いのは確かですよ。
もしかしてTKATさんの御用達の図書館って『バベルの図書館』揃ってるんですか? それは羨ましい。僕もこのシリーズは揃えてないんですよ。
ちなみにこの『バベルの図書館』、大して珍しくない作品がけっこう多いので(カフカとかポーとか)、珍しい巻だけ買いました。
少なくとも読んだ巻の中では、アラルコンの『死神の友達』がいちばん面白かったです。
2007.01.12 19:13 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
困らしちゃってすみません(笑)。
我が市の中央図書館には、2巻と3巻以外『バベルの図書館』は揃ってるようです。ここまで揃ってるのは珍しいのかな?ただ最寄の区民図書館には『死神の友達』を置いてないようなので今予約中です。近々読めるので今から楽しみにしてます♪

余談ですが、我が市の図書館が今年からやっとネットで予約ができるようになったんです(今までは貸出カードで予約)。今までネットで検索で貸出状況しかわからず、予約してから数ヵ月後に本が手元にきたり一度に5冊以上もきたり・・。これからは予約人数もわかるようになり、いつ頃手元にくるのか予想でき便利になって読書の効率が良くなる予感。かなり嬉しいTKATです♪
2007.01.12 23:03 | URL | #- [edit]

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