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「笑いの新大陸」 アメリカユーモア文学傑作選

『笑いの新大陸 アメリカ・ユーモア文学傑作選』 HUMOROUS STORIES

 編者:沼澤洽冶・佐伯泰樹
 出版社:白水社 白水Uブックス

<感想>
この本に収録されてるのは以下の通り。


「ブルフロッグの奥方」ナサニエル・ホーソーン
「使いつぶした男」エドガー・アラン・ポオ
「コケコッコー!」ハーマン・メルヴィル
「生きているやら、死んだやら」マーク・トウェイン
「アリバイ・アイク」リング・ラードナー
「今日は金曜日」アーネスト・ヘミングウェイ
「人を噛んだ犬」ジェイムズ・サーバー
「騾馬が庭に」ウィリアム・フォークナー
「医術は演技術」S.J.ペレルマン
「歌う歌で声の主がわかってたまるか」フィリップ・ロス
「ビッグ・シックス」ブルース・ジェイ・フリードマン
「ユダヤ人鳥」バーナード・マラマッド
「石の庭」サム・シェパード
「ミスター・ビッグ」ウディ・アレン
イギリス版、フランス版を読んでこのアメリカ版を読んだのですが、この2作を読んだ後のアメリカ版はちょっと物足りない感じが・・・。解説にも書かれてるように読む前から<アメリカ的なユーモア>を期待して読むとおそらく「ん?何か違う」と思う人もいるはず。この傑作選で知られざるユーモアな一面を見出せればタイトルにもなってる『笑いの新大陸』を発見することになるそうな。うん、なるほど。そういう意味で読めばよかったのか。こてこてのアメリカ的なユーモアを期待して読んだ私が悪かったんだなきっと・・・。そんな中から印象に残った作品を紹介。

バーナード・マラマッドの『ユダヤ人鳥』は、ある家庭に飛び込んできた喋る鳥<ユダヤ人鳥>とその家の主人とのやりとりが、ユダヤ系アメリカ作家らしい皮肉めいたストーリー。これをユーモアと位置づけするところがアメリカらしいといっちゃアメリカらしいけど読み終えたあとは少しブルーな気分に。リング・ラードナーの『アリバイ・アイク』は失敗した時もうまくいった時も何かと言い訳をするアイク(本名はフランク・X・ファレル)が主人公。野球ネタをベースにしたストーリーですが野球が詳しくなくても大丈夫。最後の最後まで何か一言言わないと気がすまない主人公は徹底していて面白い。サム・シェパードの『石の庭』は途中までこの退屈な会話のどこにユーモアがあるんだ?と思ってたらラストで今までの雰囲気が一気に違った方向へ。解説にもありますが少年が親の話を聞き退屈のあまり椅子から転げ落ち、父は少年の話に椅子から転げ落ちる対比はギャップが大きすぎて何とも言えない!ブルース・ジェイ・フリードマンの『ビッグ・シックス』は、<ビッグ・シックス>というラベルのついたブロッコリー缶詰を食べると昔に戻ってやり直しができるというもの。やり直すといっても恋愛のことばかりですが、やり外しという視点もなかなか面白い。

全体的に楽しく笑えるストーリーは数少ないかもしれませんが、こういうアメリカ・ユーモアもあるんだと思えば新たな発見ができたのでよかったかも。

-4 Comments

kazuou says...""
たしかにイギリス・フランス編に比べると、落ちるかも。それでもまあまあ面白いんですけどね。抱腹絶倒、というのはあんまりないんですが、しみじみとしたユーモア、といったところでしょうか。
マラマッドは、『ユダヤ人鳥』はともかく、短編集『魔法の樽』などに収録されてる短編は、結構面白いですよ。
イギリス・フランス・アメリカときたので、次はスペイン編でしょうか。スペイン編はフランス編に劣らぬ面白さ(個人的な感想!)なので、オススメです。
2006.09.09 12:41 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
マラマッドの『魔法の樽』、調べてみたら手に入れにくそうな感じですね。最寄りの図書館にも置いてないので古本屋で探してみます♪
次はやっぱりスペイン編でしょうね(笑)。そして後は日本編・中国編・朝鮮編でしょうか。国ごとにまとめられていると、それぞれのお国柄や時代の潮流がよく出ており面白い!
同じ白水Uブックスの幻想小説傑作選シリーズも今後読んでみたいですね。
2006.09.09 19:28 | URL | #- [edit]
kazuou says...""
失礼、『魔法の樽』より『マラマッド短編集』(新潮文庫)の方が、収録短編の数も多いし、訳もずっといいですね。
このマラマッド、文学全集なんかにも入ってたりして、純文学に分類される作家なんでしょうけど、ユーモア作品として読んでも、けっこう面白いですよ。『マラマッド短編集』に収録されてるものでは、依頼した結婚仲介業者の娘に恋してしまう聖職者見習いの青年を描くラブ・コメディ(?)『魔法の樽』、文通相手の女性作家に憧れる作家志望の青年の話『夢に描いた女性』なんかが、面白いです。
あと、ユーモア小説とはいえないんですが、ごくつぶしの青年が100冊の本を読もうと決心する『夏の読書』が、本好きには心打たれる短編です。
2006.09.09 20:55 | URL | #- [edit]
TKAT says...""
『マラマッド短編集』だと最寄りの図書館にあるのでこちらを近々借りることにします♪
いろいろ調べてると、ロバート・レッドフォード主演『ナチュラル』の原作がマラマッドだと判明(もう一度『笑いの新大陸』の解説を見たらちゃんとこのことが記載されてる!気付かなかった・・)。この映画かなり昔に見たのですが、『ユダヤ人鳥』からはとても同一著者とは思えない!(←『ユダヤ人鳥』しか知らない私だから仕方ないか)
『夏の読書』やラブ・コメディ風の『魔法の樽』も、私が思ってるマラマッドとは違った雰囲気がありそうで興味が倍増!ますます読むのが楽しみになってきました♪
2006.09.09 22:04 | URL | #- [edit]

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