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「殺し屋 最後の仕事」 ローレンス・ブロック 

『殺し屋 最後の仕事』  Hit and Run  

殺し屋 最後の仕事 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

 著者:ローレンス・ブロック(Lawrence Block)
 訳者:田口俊樹
 出版社:二見書房 二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション




<簡単なあらすじ>
アルという人物から仕事の依頼を受けアイオワ州に来て待機していたケラー。切手ディーラーの店にいた時、テレビの臨時ニュースでアイオワ州遊説中のオハイオ州知事が暗殺されたと知る。ケラーは自分の仕事を早く片付けたかったがアルの代理人からはまだ依頼がこない。そしてケラーの悪い予感は当たった。知事暗殺犯として指名手配され、ドットとも連絡が取れなくなった。逃亡生活を余儀なくされたケラー、アルの手から完全に窮地を脱するには自分を罠にはめた男たちに復讐するしかなかった。

<感想>
『殺し屋』『殺しのリスト』『殺しのパレード』に続く殺し屋ケラーシリーズ4作目であり、『殺しのパレード』のあとがきには『殺し屋 最後の仕事』が最終作だとか。著者とのQ&Aで、ローレンス・ブロックはちょっと曖昧な返事。うーん、どうなんでしょ?本当に終わりなら好きなシリーズだっただけに悲しいなぁ。

今回は、『殺しのパレード』の「ケラーのて適応能力」と「ケラーの遺産」に登場したアルからの再度の依頼。前も罠なんじゃないかと用心に用心を重ねたくさんの予防策を講じたのに、今回はまんまと罠にはまってしまうケラー。

表向きは殺しの依頼。だが実際は濡れ衣を着せるために殺し屋を雇うという…。もし警察に捕まったとしても殺し屋は何も言えない。殺人の依頼を受けてこの街にやってきただなんて言えないし、依頼者側の言うとおりの行動をしているからアリバイさえもない。なるほど~。殺し屋のこういう雇い方もあるのか!殺し屋として誰も殺してないのに、知らない誰かの殺人の罪を着せられちゃうなんて災難もいいとこ…。

罠にはめられたことから逃亡生活が始まるのですが、さほど物語が進展するわけでもなく、エキサイティングな事が起こるわけでもなく。ただただ逃亡中のケラーの日常を描いているだけだったりするのですが、なぜか読んでいて面白い。一歩間違えたら退屈になりそうな内容なのに、ローレンス・ブロックだから面白く読めてしまうという。罠にはまって大災難なのに淡々と、殺しをする時も淡々と、まさかドットが?!という展開も淡々と、ニューオーリンズで新たな生活も淡々としてるのに。なのになぜなんだろう?ローレンス・ブロックの手腕に尽きるなこりゃ。

ケラーといい、ドットといい、ジュリアといい会話がいい!めちゃ面白いことを言ってるわけではなく、洒落がきいててどこか知的でウィットに富んでるからかな。それと前作でも書いたかもしれませんが、ケラーの自問自答の言い回しが特に好き。

ケラーは今までニューヨークでの仕事は断ることをルールにしており、ニューヨークは彼の家であり仕事を終えて帰る場所(といっても何度か仕事してますが)。ケラーにとっては天国のように神聖で安全な場所。だけど今回のことでニューヨークは危険きわまりない場所になってしまう。それでも切手コレクションのために戻ったケラー。彼にとってドットと切手コレクションは特別なもの。その両方を失ったのに現実として受け止めているケラーはやっぱ一味違う。

過去のシリーズでドットと同居していたホワイト・ブレーンズの男(親爺さん)。あまり多く語られてなかったのですが、犯罪組織にいたことや、本名やあだ名(?)が今回明らかに。

このシリーズの魅力はやっぱりケラーのキャラ、そしてそのローレンス・ブロックによるケラーの描き方のような気がします。結構、昔の仕事内容を振り返ったりしてるので、過去のシリーズを読んでいた方がより楽しめそう。私も実は本作を読んだあと、過去のシリーズが気になり読み直しました。

解説を伊坂幸太郎さんが書いてるのが嬉しい。読んでいて「そうそう!そうなのよ!」とめちゃ納得。違う本でも伊坂さんは書かれてますが、伊坂さんはローレンス・ブロックがたいそう好きで大きな影響を受けていると。伊坂さんもローレンス・ブロックも好きなので嬉しい♪

本当にこれで最後なのかな?いつかどこかの短編集にその後のケラーを書いてくれないかなぁ。といいつつも、これが理想の終わり方なのかもしれないなとも思った1冊でした。

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「GOSICKVI -仮面舞踏会の夜-」 桜庭一樹

『GOSICKVI -仮面舞踏会の夜-』

GOSICKVI ―ゴシック・仮面舞踏会の夜― (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
修道院<ベルゼブブの頭蓋>から脱出した一弥とヴィクトリカは、列車オールド・マスカレード号に乗り、聖マルグリット学園に帰ろうとしていた。コンパートメント内で出会った乗客たちは、それぞれ奇妙な名前で紹介しあう。そんな中、ブレーキ弁が破壊され列車は暴走し、殺人事件まで起こってしまう。その様子をブロワ警部の前で証言する乗客たち。それを聞き知恵の泉で真実を導き出すヴィクトリカ。殺人事件の真相とは?乗客たちの証言に隠された真実とは?GOSICKシリーズ6弾。

<感想>
『GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-』の続きというか、5巻の最後に6巻で起こる事件の背景が少し書かれてたので気になってました。乗り込んだ列車で出会った乗客たちは自己紹介し始めるが、最初の黒髪の少女が自分の誕生日を見つけにもらいに修道院にやってきた”孤児”と名乗ったため、他の乗客たちも奇妙な名を名乗っていく。お忍びで修道院のショーを見に行った”公妃”、冥界の王に捕えられた妹を捜す旅をしている”木こり”、修道院で意を遂げた伝説の”死者”。ヴィクトリカと一弥は誇り高き太古の”灰色狼”と大まぬけな”家来”。

前半は列車内で殺人事件が起こり、その様子と彼らの行動が描かれてます。後半は現場にいた彼らが事件についてブロワ警部やヴィクトリカたちの前で証言するというもの。彼らの証言はどこまで真実なのか、何が隠されているのか、証言から見えてくるのものは何か。誰もが何か隠しているような証言ばかりで、ブロワ警部はヴィクトリカ頼み。そのブロワ警部、髪の毛が二股に!ん?そういや『GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-』でも二股になってたっけ?んで『GOSICKsⅡ -夏から遠ざかる列車-』でその理由が明らかになってた?←自分の感想を読み直すとそんなことを書いてた。本編読んだり外伝読んだりしてるから時系列がよくわからなくなってきちゃった^^;

一弥からはジロジロ見られ、妹からは愉快な頭と言われ、挙句の果てに見飽きたって…。一弥が嫌がってることもあるし、遠まわしに(いや、はっきり言ってるか)普通の髪型にしてもいいってことだよね。でもブロワ警部は意地でもこの髪形を続けそう。。一方、読むにつれてヴィクトリカがどんどん愛らしく思えてきた♪個人的に好きなのは、嬉しい時に鼻歌を歌うところ。今回はエプロンバージョン。毎回歌うわけではないので時々このようなシーンがあると嬉しい♪

本書もやはりオカルト省と科学アカデミーが根底にあるわけですが、内容的にがっつりというわけではなく、嵐の前のちょっとした事件という感じ?が!がっ!今回は最後の方でヴィクトリカが真面目に一弥のことを語ってる!ヴィクトリカが一弥のことを信頼してるのはわかっちゃいたけど、こうやって改めてちゃんと聞いたのは初めて(だっけ?)。なんだかんだと言いながらも一弥のことをわかってる。ヴィクトリカが一弥のことをこういう風に思っていたことがわかって嬉しい!嬉しいぞ!”正しい弱さ”は名言かも。ヴィクトリカにとって最大の謎、母と兄に言われた言葉の意味も理解しつつある雰囲気。鈍感ながらもヴィクトリカに対し正直に自分の気持ちを言う一弥もどこか微笑ましい。

今回はまだ未来に起こるであろう嵐はまだそれほど感じなく、どちらかと言えば2人の距離が縮まったかなと思える1冊でした。次はシリーズ7?それとも外伝を読むんだっけ?次は夏休みが終わり新学期かな?やっぱりこのシリーズの時系列が頭の中ですでにおかしなことになってる~(><)。頭の中を整理しながら次の本を読まなきゃ。といっても海堂さんの著書に比べたら今シリーズの時系列は簡単☆ただ私が本編の中に外伝をまぜて読んでて、それを間を空けず続けて読んでないからそう思うだけなんだけどね~^^;

『捕手目線のリーダー論 : 六つの要』 矢野燿大

『捕手目線のリーダー論 : 六つの要』

捕手目線のリーダー論 ~六つの要~

 著者:矢野燿大
 出版社:講談社





<簡単なあらすじ>
2010年のシーズンをもって現役を引退し、現在はプロ野球を中心に、スポーツ解説者として活動している元阪神タイガースの矢野燿大氏。いつかは指導者としてプロ野球の現場に戻りたいと考えており、課題は「強いチームを作るために、選手には何が必要なのか」「チームを強くするためには、何が足りないのか」「チームを強くする指導者は、リーダーは、何を持っているべきなのか」。本作は”強いチームを作るために必要なもの”を、「闘争心」「決断力」「責任感」「求心力」「反骨心」「奉仕力」の6つのキーワードを元に、さまざまな指導者・チームメイトたちとのエピソード、引退後の体験を交えて記した一冊。

<感想>
「闘争心」では、引退して外から阪神の春季キャンプを見て声が小さいと感じたそうです。覇気がなく泥臭さがなく、何か物足りない。与えられた練習を黙々とこなしている感じ。強いチームは雰囲気もいいし印象にも残る内容とのこと。レギュラーは奪いとるもの。強いチームはそこが徹底してる。闘争心は選手だけでなく、指揮官も同じこと指揮官が勝ちたいと闘志を表に出すことで、当然選手にも伝わる。確かに元阪神監督の星野さんの姿勢はわかりやすかった。

岡田監督も選手から信頼されているようです。阪神監督時のインタビューを見てると、活躍した選手でも、あれはこーだあれはあーだと言っていたので、私はいつも「よくやった!」と一言笑顔で褒めてあげたらいいのにと思ったもんですが、今思えば、勝ち試合であっても常に上を目指そうとする気持ちがあったらからこそ、あのようなインタビューだったのかなと。

「決断力」では、ネガティブなことは言わず前向きに、一度下した決断には迷いを残さないとあります。捕手の迷いは投手にも伝染すると。一つの決断をするためには「あらゆる戦況を見ながら、刻一刻と変わる場面に合わせて戦略を立て直していく能力」がなくてはならない。捕手としての情報収集力、処理能力の大切さを教えてくだれたのは野村監督だったそうです。

「責任感」では、日の丸を背負った北京五輪の話から、負けたりミスをした試合のその後の行動について等々。負けてる試合の時、自分の役割が終わったらベンチ裏に引っ込んでしまうのではなく、後の試合を背負って戦っている仲間たちを応援しないといけない。それを下柳選手が手本となって投手の責任感を見せてくれていたと。他には捕手としての責任、チームリーダーとしての責任等々。

あとこの章の最後にはFAでの大型補強について(トレードは別)。その時のチーム状況によりいい影響が生まれることもあるが、矢野さん個人としてはもうFA補強の時代ではなく、地元の選手を中心に育てチームの主軸を作る、目先の勝利だけではなく生え抜きの選手をしっかり育てることと書かれてます。うんうん、確かに。FA補強でチーム全体がよい方向に向かえばそれはそれでいいけど、基本、地域密着でやはり生え抜き選手を育ててほしいなと私も思う。

「求心力」では、信頼について。チームメイトとの信頼関係、バッテリー間の信頼、そして指揮官からの信頼。なかでも印象に残ったのは、矢野さんが岡田監督に「監督の仕事ってなんですか」と質問した時の答え。岡田監督らしいというかなんちゅーか。密かに名言だわ(笑)。そんな岡田監督、星野監督、大学野球部の恩師伊藤監督と、人間的な魅力がある人には「この人についていきたい!この人をなんとか胴上げしてあげたい!」と思うそうです。

この章の最後には、解説者という仕事を通し、「どうしてあんな…」とか「ここは違うでしょ」とか結果論を言うのではなく、選手がどのようなことを考えていたから今の結果が生まれたのか、選手の目線を少しでもファンの人に伝えたいと捕手目線から解説しようと心掛けているそうです。確かに矢野さんの解説はわかりやすい。(←時々力説しすぎてエキサイトな解説の時もあるけど(笑)。)他の方の解説を聞いていると「ここは違うのを投げて欲しかったですね」といったような結果論を耳にすることがあるような気がする。そうだよね、選手だってプロとしていろいろ考えてプレーしてるんだから、矢野さんのように選手目線で解説してくれるとファンは嬉しい♪

「反骨心」で印象に残ったのは、若手選手がまず考えるべきことは、自分が野球界という競争社会で生き残っていくこと。しかしある程度の年齢になったら、周りの応援があったからこそのプロ野球選手ということを自覚して、何かしらの社会貢献を考えた方がいいとのこと。矢野さん、赤星さん、桧山選手も独自で活動をしており、このような恩返しを若い選手たちが受け継いでもられたら嬉しいとのこと。

「奉仕力」では、監督としての器の話や、裏方さんへの感謝の気持ち、ファンへの気持ちなどが書かれています。この章の最後には、観客席近くで解説している時にファンの野次を聞いていると、他の球団以上に自分が監督だったらという立場で選手起用や作戦について言及する人が多いとのこと。確かに!ってかこれは有名だし、私でさえも監督気分で言ってる(笑)。


本書を読んで思ったこと。元阪神選手の矢野さんが語る『捕手目線のリーダー論』ですが、内容的には一般社会と重なる部分が多いかなと思いました。当たり前のことなんだけど、気付いてないことや、出来てないことを改めて知らされた感じで勉強になりました!ありがとう矢野さん!今度は指導者になってからの『リーダー論』を読んでみたいっす。

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