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「テルマエ・ロマエ」

『テルマエ・ロマエ』  

テルマエ・ロマエ

製作年:2012年
製作国:日本
監督:武内英樹
脚本:武藤将吾
原作:『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ
出演者:阿部寛/上戸彩/市村正親/北村一輝/宍戸開/笹野高史/竹内力/キムラ緑子/勝矢/外波山文明/飯沼慧/岩手太郎/木下貴夫/いか八朗/神戸浩/長野克弘/内田春菊/菅登未男/森下能幸/蛭子能収/松尾諭/路井恵美子/桜井千寿

<簡単なあらすじ>
古代ローマ帝国、テルマエ(浴場)の設計技師のルシウスは、誰よりも風呂を愛しているが発想が古く職を失ってしまう。友人に誘われ訪れた大衆浴場で溺れてしまったルシウスは、現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。そこには銭湯に来てる客や、漫画家になる夢を持ってる真実ら、言葉が通じない「平たい顔族(=日本人)」がいた。そして古代ローマでは考えられない銭湯のアイディや工夫などの日本の文化に衝撃を受ける。古代ローマに戻ったルシウスは、日本風呂のアイディアを取り入れた風呂を設計。何度もタイムスリップを繰り返していくうちに話題となり、皇帝ハドリアヌスの目に留まり信頼を得るようになる。一方、漫画家の夢をあきらめ実家の温泉旅館に戻ってきた真実は、何度もルシウスと遭遇し、次第に気になる存在になっていく。そしてルシウス同様、ローマ帝国の未来に関わっていく。

<感想>
原作マンガが大好きで観に行ってきました。映画化が決まり、ルシウス役に顔の濃い日本人が演じるらしいと友人から聞いた時、真っ先に阿部さんだと思いました!市村正親さんも宍戸開さんも濃いですが、ローマ人にまざるとやはり日本人顔(特に目元)。阿部さんは目の彫りが深く背が高いので、大勢のローマ人の中にいても違和感なかったです^^一方、平たい顔族の面々もGOOD!真実役の上戸彩さん、真実の父親、銭湯にいたおじさまたち等々、ザ・平たい顔族という感じ^^←ほめてます。この中に竹内力さんがいたのはちと意外。パンフによると、本人も古代ローマ人役じゃないのに驚いたって(笑)。市村さんも皇帝役がお似合いで、映画というより劇を見てる感じがしました。

古代ローマ、現代日本と時空を超えたストーリーで、現代の真実は古代ローマでこれから起ころうとしていることを歴史で知ってるわけで。古代歴史も加えつつ、真実は頑張ってました。原作に登場する数人の女性を1人にまとめたって感じ?でも真実のようにルシウスに関わる女性はいまのところ原作にはいないような?しいて言うなら温泉宿の娘さつきさん?しかしいくら猛勉強したといってもあそこまで会話できるまで上達するって無理くない?いつも真実がいる場所に現れるのも謎だし…。個人的に真実の存在は別の形でもよかったんじゃないかと思ったり。←原作を読んでるのと読んでないのとでは意見がわかれそう^^;と、なんだかんだと言いながらも上戸彩は可愛かったです♪制服姿を見たら某CMを想像しちゃう。

やはり見どころはルシウスが現代日本に来たときのリアクション。内容すべてが原作どおりではなく、架空の人物がいたりするんですが、ルシウスの生真面目さはそのまんま。真剣に古代ローマを愛し、風呂に対する情熱は素晴らしい。といっても日本のアイディアをヒントにしており、自分が考え出したわけではない。そこが生真面目なルシウスの葛藤の種なんだろうな。しかし47歳の阿部さん、いい体してる☆

セリフの言語は一体どうするんだろう?と思っていたら、画面の上にBILINGUALと。なるほど!だから阿部さんたちローマ人はローマでは日本語、日本ではラテン語を話してたのね!

原作のエピソードをベースにオリジナルを加えた内容で、オチもお決まりで想像できますが、チネチッタのセット(イタリアで最大、ヨーロッパでも最大級の映画撮影所)はスゴイ!あとルシウスがタイムスリップする時に登場するオペラの男性は良かった!(パンフによると流れてるオペラは世界三大テノールの1人、ドミンゴという人の歌唱によるものらしい。) あとルシウスが「ケイオニウスさま」というシーンが私には「ケウ兄さま」と聞こえてなぜかツボにはまりました(笑)。

原作で鯉のいる温泉をルシウスの協力のもと設計した青年の吉田くんも登場させて欲しかったな~。原作はまだ続いているので、ぜひパート2を製作して登場させて欲しいっす!

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「Happy Box」

『Happy Box』  

Happy Box

 著者:伊坂幸太郎/山本幸久/中山智幸/
     真柴幸子/小路幸也
 出版社:PHP研究所





・『Weather』 伊坂幸太郎
・『天使』 山本幸久
・『ふりだしにすすむ』 中山智幸
・『ハッピーエンドの掟』 真柴幸子
・『幸せな死神』 小路幸也
以上5編からなるアンソロジー。

『Weather』 伊坂幸太郎
大友の学生時代からの友人である女性関係が派手だった清水が結婚することになった。だが、彼の最近の行動が少しおかしいので、何か隠し事があるのではないか調べて欲しいと新婦が大友に頼んできた。実はこの新婦、大友が高校時代に交際していた女性であった。そして結婚式の当日、先入観のせいで何を見ても怪しく感じ周囲を観察する大友。そしてあることに気付く。

天気のことがやたら詳しい大友。それも清水の女性関係が派手で、その彼女たちに会うたびうっかり変な事を喋らないよう無難な世間話をするため、必要に迫られ独学で身に付けたらしい。本人もいつしか会話に困ると、天気の話がしたくなるほど依存しちゃってる^^;で、内容ですが、大友が披露宴で色々と推理するなんちゃって探偵みたいな雰囲気がありつつ、清水は一体何を隠しているのかとハラハラしつつ、もしや新婦の方が何か企んでるんじゃないかと疑いつつ……なんて思っていたら、最後はちょっぴり涙(TT)。良い話でした。読み終えると伏線ありありだったです^^;しかし披露宴にいた新婦の後輩女性、あまりにも無神経な会話にびつくり!

『天使』 山本幸久
一人暮らしをしている77歳の福子は、仕事をしにショッピングモールに行った。この道66年になる掏摸師なのだ。そこで同業者の男に逆にスラれそうになったことをきっかけに、その男が連れていた9歳の少年タカシとその姉の置かれている状況を知ることになる。そして福子は少女の頃に知り合った掏摸の師匠を思い出す。

なんだかせつないラスト。これが掏摸師である福子の幸せ?昔の出来事を思い出し、少女の頃の自分と同じような境遇にいる子供たちを見て、何とか助けたかったんだろうなー。何とも言えない余韻が残ります。子供たちに福子の想いが届きますように。

『ふりだしにすすむ』 中山智幸
もうじき派遣の契約が終了する29歳の多喜りりこの前に、「ぼくね、きみの生まれ変わり」と68歳の男性が突然話しかけてきた。次の人生でまた妻と会うため、妻の前世だった女性に会って欲しいと頼まれる。美味しいご飯をご馳走してもらうことを条件に、りりこは引き受けるが…

SFっぽいけどそうではない?結局は…だよね?でもりりこのとった行動は、前世と名乗る男性と会って欲しいと頼まれた女性にとって決してマイナスではなかったはず。一体どんな結末なんだろうとわくわくしながら、反面、最後は頭の中が少しこんがりつつ読みました。前世を信じるのもいいかなとちょっぴり思ったり。でも本書のように、いきなり年上の人に「ぼくね、きみの生まれ変わり」と言われたらかんなりこわい!

『ハッピーエンドの掟』 真柴幸子
小学生のアイコは、ホステスをしている母親と暮らす母子家庭。家には最新家具が揃っており何不自由ない生活だったが、一人での留守番はちょっぴり寂しかった。だがアイコは今の暮らしを気に入っていたし、母親が化粧するのを見るのが好きだった。ある日、母親が再婚することになったが…

この本って幸せがテーマのアンソロジーだよね?この話ってハッピー??ある意味、彼女は幸せなのかもしれないけど^^;解説によると、著者の真柴さんはイヤミス(読後にイヤな気分にさせてくれるミステリ)の立役者の一人らしい。なんといっても最初の出だしで騙された!最後まで読むと、そーだったの?!とびつくり!読後だけでなく、担任の先生もりりこに掛ける言葉といい、絵本のくだりといい、模範的な態度をとってるという自己満足な言動がかなりヒドイような気がする。何と言ってもりりこの今後が心配でしょーがない。でもかなり読ませてくれる内容で、真柴さんの他の著書も読んでみたくなりました。

『幸せな死神』 小路幸也
吉祥寺のバーで、26歳の榎本帆奈は死神と知り合いになった。どうやら帆奈は死神のルールで彼を召喚し契約してしまったのだった。その後、バーや家に突然現れるようになりいろんな話をするようになる。その時、死神から「私たちは幸せを感じることができない。だがたった一つそういう気持ちを持つことが出来る場合がある」と聞かされる。それを聞いた帆奈は…。

死神と知り合い幾度か会う仲になっていたら、もしかして今回は私の最期を見届けに来たの?!と私なら思っちゃうかも。。イケメンで気配りの出来る死神なんですが、彼の幸せは人間にとって切ない。でも死神にとってはそれが最大の幸せ。その内容は人間にとっても幸せなこと。伊坂さんの『死神の精度』に登場する死神も良かったですが、こちらの死神も良かったです。


巻末の解説によると、この1冊は名前に"幸"せの一文字を持つ作家を集めた幸せのアンソロジーなんだそう。伊坂幸太郎さんしか私は知らなかったのですが、どの短編もそれぞれ違った形の幸せが詰まっていて、読み応えがありました。喜ばしい幸せ、酷な幸せ、切ない幸せと、幸せといっても色んな形があるんだなと改めて思いました。とりあえず、イヤミスの真柴幸子さんの他の著書を読んでみようかなー^^

「殺しのリスト」 ローレンス・ブロック

『殺しのリスト』  HIT LIST

殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

 著者:ローレンス・ブロック (Lawrence Block)
 訳者:田口俊樹
 出版社:二見書房 二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション




殺し屋ケラー・シリーズ第2作目で長編。感想というより、どこへ行き、ターゲットは誰か、そして後にどんな内容だったか私が思い出せるようにストーリーの特徴だけを書いた覚書です。若干ネタバレあり

<あらすじ>
仕事の依頼を受けて空港に降り立ったケラー。そこには迎えの男が待っており、ケラーにケンタッキー州ルイヴィルに住むターゲット:ハーシュホーンとその家族が写った写真、ガソリン満タンの車と銃を渡す。夜、ケラーの泊まっている部屋を誰かがノックするが部屋を間違えただけだった。さらにその部屋は真上の騒音でうるさく、ケラーは部屋を替えてもらう。仕事を終えて翌日帰ろうとしたところ、ケラーが最初に泊まっていた部屋でカップルが殺されていた。とりあえず無事に帰ってきたケラー。今度の依頼はニューヨーク、ターゲットは画家のニズワンダー。だがケラーはニズワンダーの絵が気に入ってしまい、挙げ句の果て…。
次はオハイオでターゲットはスティルマン。その後、画廊で知り合ったマギーの紹介で占星術師ルイーズの所に通うようになったケラー。そこでケラーの仕事の話になり…。今度の依頼はボストン、ターゲットはサーナー。仕事は順調に終えたが、カフェで傘と緑のコートを盗まれその後、そのコートを着た男性が死体なって発見される。イリノイ州、ターゲットはクリンガー。だがケラーが手を下す前に誰かの手によって先に始末されてしまう。アルバカーキ、ターゲットは連邦政府の保護下にいるペトロージャン。またもやケラー手を下す前に心臓発作で死亡。ドットとケラーはこれらのことから同業者ロジャーの仕業だと結論を出す。次の仕事ではケラーがまだ到着する前に自殺。セントルイス北部、ターゲットはマリー。仕事を終えたあと、依頼人がキャンセルしていたことを知る。次はボルティモア、ターゲットはマクナマラ。仕事をこなすそんな中、ケラーは陪審員に選ばれ…。その後、ドットとケラーは用心し続けていたが、2人は結束しロジャーをおびき出す作戦を考える。

<感想>
殺し屋ケラー・シリーズ第2作目。
"親爺さん"ことホワイト・プレーンズの男が亡くなってからも、ケラーとドットの仕事が大きく変わることなく、いつもと同じようにドットが電話で依頼を受け、報酬の額を決め、手筈を整え、利益を分配。ケラーは現地に出かけ、様子をさぐり仕事を果たして帰ってくる。

飛行機を降り立ち、判読不明の出迎えカードを持っている人物をケラーの迎えの人物と間違い近くまで寄ってしまったこと、本物の迎え人から渡されたターゲットの名前入り家族写真。この時点でケラーはこうした一切合切が気に入らなかった。さらにモーテルでは誰かが間違えてノック、騒音がやかましく部屋を替えてもらうと今度は最初の部屋で殺人事件。イヤな感じでいながらもケラーは次の仕事へ。

場所はニューヨーク。ケラーにとってニューヨークは住むところで帰る場所。仕事をする場所ではないと思っていたが、ドットから話を聞き依頼を受けることに。ターゲットは画家だったが、悪いことにケラーは彼が描く絵を気に入ってしまい、さらに依頼人までわかってしまう。ケラーの取った行動は殺し屋としてOKなのかどうかわからないけど、とりあえずケラーは自分のへまだと。そりゃそうだよ。ケラーの感情でこんな結果だなんて、殺し屋・依頼者の関係崩れまくり…^^;

今回、画廊でマギーという女性と知り合い時々会う関係に。ある日、彼女から「あなたは人殺しの親指をしている」と言われてから、ケラーはそのことを考え、次第にハーシュホーン始末の時にケラーが泊まった部屋、そのあとに入ったカップルが殺されたことまで思い出す始末。

なんだかんだとありながらも仕事はちゃんとしているケラー。だけどケラーと勘違いされた人物が殺されたり、依頼を受けたケラーが仕事をする前に誰かがターゲットを始末したりと奇妙なことが続く。ずっといやな気持ちが抜けきれないケラー。星術師ルイーズの所で思わず泣いてしまったケラー。思えば1作目の『ケラーの最後の逃げ場』で愛国心から素直に依頼を受けたり、今回も素直にルイーズのことを信じたりと、意外とケラーは人をすぐ信用するみたい。そしてケラーを現実に戻してくれたり助言をくれたり処理をしてくれるのがドット。

正直、同業者の話はさほど飛び抜けて面白いというわけではなかったですが、ケラーの素の部分が何度か見れたのは良かった。そしてあいかわらずのドットとの軽妙でウィットに富んだ会話が楽しめて良かった。

最後に仕事先でも切手ディーラーのところに行き熱心に切手選びをするケラー。引退後の暇つぶしの積もりが切手蒐集が本格的になってきてる模様。切手ディーラーを訪ねて話を聞き、雑誌も何冊か読み、立派な表紙のアルバムを買ったり、何人かの切手ディーラーとやりとりがあったり、展示会やオークションにまで出向くことも。こりゃ殺し屋を引退できないわけだ。

「父の初七日」

『父の初七日』   父後七日  SEVEN DAYS IN HEAVEN

父後七日

製作年:2010年
製作国:台湾
監督・製作:ワン・ユーリン(王育麟)
原作・脚本・監督:エッセイ・リウ(劉梓潔)

出演者:ワン・リーウェン(王莉雯)、ウー・ポンフォン(吳朋奉)、チェン・ジャーシャン(陳家祥)、タイ・バオ(太保)、チェン・タイファー(陳泰樺)、ジャン・シーイン(張詩盈)

<簡単なあらすじ>
台北で働くアメイのもとに父親が危篤の知らせが入る。台湾中部の彰化に帰省し、父と同じ夜店を営む兄のダージと共に病院に行くが、父はすでに息を引き取っていた。バスでやってきた大学生である従弟も集まる中、風習により納棺は3日後、野辺送りは7日後に決まる。道士である叔父のアイーを中心に、道教式の伝統的な葬儀が執り行われることになった。しかし風習に沿ったお葬式は、父を思い出しながらもアメイは悲しむ暇がないほど忙しく、よくわからないまま進んでいった。そしてなんとか無事に父を送ったあと、アメイはいつもの生活に戻るが…

<感想>
ずっと観たいと思っていた作品。日本上映が延期になっていたので台湾でオリジナルDVDを購入してたのですが、ずっと放置状態でした^^;でも今年に入って日本上映されたので早速観に行ってきました!といっても1ヵ月以上前に観に行ったので、すでに内容を忘れつつあったり…。観てすぐ感想を書けばよかったと今更後悔(´;ω;`)

父の死、悲しいはずなのに帰省した日から戸惑うことばかり。病院で息を引き取っているのに、ニセの呼吸器を送り続け家に着いてから死亡宣告。それからは7日後に父を送り出すまで、叔父であり道士の指示に従いしきたりをこなす毎日。泣けと言われたら、ご飯食べていても歯を磨いている最中であっても、いつ何時でも棺の前で泣かないといけない。仕事として泣き女が登場したり、楽隊が登場したりと不思議な光景。

お葬式をテーマにしていても暗い感じではなく、戸惑いながらも淡々と儀式をこなしていく中で、どこかほんの少しユーモア交じりに描いていたり、道士である叔父のアイーの恋愛劇場のようなものが盛り込まれていたり。なにより日本とは違う(そして台湾でも若い子や都会っ子には馴染みがない?)風習や儀式の流れに驚き。国が違えば、さらに土地が違えばさまざまな儀礼があるんだなー。日本でも同じように昔から伝わる独特のお葬式の儀式が結構残ってそうな気がする。

儀式だけでなく、ところどころ娘アメイによる父との思い出の回想シーンがあり、救急車のサイレンの音について面白おかしく話す父親、夜市でカラオケを歌う父親、誕生日にチマキをくれる父親、単車の乗り方を教えてくれる父親等々。家族みな仲が良く、気さくだった父親像が浮かび上がってきます。

無事に葬儀が終わり普通の生活に戻り、空港の喫煙所で父を思い出し泣くアメイ。1人になった時に、時々悲しみが溢れ出すという姿にじわっ…。原作を読んで最後のシーンでまた改めてじわっ…(TT)。アメイのこのような感情は万国共通。このシーンに父親が亡くなったという現実が集約されてるような気がしました。

原作は監督も努めたエッセイ・リウの散文「父後七日」だそうで、パンフの最後に掲載されてました。映画を観た後にこの原作や葬儀をめぐっての説明を読むと、ニセの呼吸器、脚尾銭、納棺や火葬を決める手段、葬儀の時に車椅子にのった老人等々、映画の中でよくわからなかったことがわかりやすく説明されており、そういうことだったのかと納得。

台湾は好きでよく旅行に行きますが、田舎の伝統的な葬儀に遭遇することは殆どなく、今作品を通じて知ることができて良かった^^映画といっても美男美女のスターが出演してるわけでなく(失礼!)、ホント田舎の素朴感が出てます。なんでも撮影の際にはエッセイ・リウの親戚の方々が協力してくれたそうな。

兄のダージに、葬儀の客に切って出せと道端でグァバをくれるおじさんなんてもう人情味あふれ出てる!台湾では当たり前の光景かもしれないけど、こういうことが当たり前のことのように出来ちゃう土地柄ってやっぱりいいなぁ。と思えば、アイーと共同で葬儀会社を経営している今作品で一番美人であろうアチンの、ちゃきちゃきした仕事振りはある意味圧巻^^;泣き女もしちゃうし村の偉いさんの葬儀出席の段取りし、歌って踊って楽隊の指揮までしちゃう多芸ぶり。やっぱりこういう人が1人はいなきゃダメだわね。

観終えたあとにじんわりとき、台湾の文化や風習を知ることができる興味深い作品でした。ところで父親の恋人(?)と思われる看護師が葬儀にきた時、何か薬を持って帰ったけどあれは何だったのかな?なにか意味があるの??それともう一つ、最後の方で、アメイが面接に行った後に入った博物館はどこだろう?香港?幻想的な博物館で行ってみたいなー。

「殺し屋」 ローレンス・ブロック

『殺し屋』  HIT MAN

殺し屋 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

 著者:ローレンス・ブロック (Lawrence Block)
 訳者:田口俊樹
 出版社:二見書房 二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション




殺し屋ケラー・シリーズ第1作目で10作品からなる連作短編集。このシリーズ最新作『殺し屋 最後の仕事』を読み、過去のくだりが結構多く、もう一度このシリーズを最初から読んでみようかなと。ただの過去の回想なので覚えてなくても問題ないのですが、読んでいるのに思い出せない自分がもどかしくて再読。ローレンス・ブロックの著書は殆ど持っていると思っていたのですが、ケラーシリーズで持っているのは『殺し屋』と『殺し屋 最後の仕事』のみ。どうやら残りは図書館で借りた模様。。なので2作目と3作目は再び図書館で借りてきました。

※感想というより、どこへ行き、ターゲットは誰か、そして後にどんな内容だったか私が思い出せるようにストーリーの特徴だけを書いた覚書です。若干ネタバレあり


『名前はソルジャー』
ローズバーグ、ターゲットは証人保護プログラムにより全く別人として住んでいるイングルマン。彼らが印刷屋をしているということもあり、ケラーは何年も忘れていた昔飼っていた犬のソルジャーの名前で迷い犬のチラシを依頼する。驚くほど安くて美味しいメキシコ料理屋が近くにあり、そこのウェイトレスの生活背景を勝手に想像するケラー。この章からすでに「もしここに住むことになったら…」という空想は既に持っている模様。

『ケラー、馬に乗る』
マーティンゲイル、ターゲットは石油で一財産築き広大な牧場を持つクラウダー。仕事をする前に行ったラウンジである女性と関係を持つが、実はターゲットの娘だった。今回起きた出来事はすべて起こるべくして起きたこと。空港ではキャッチフレーズが気に入りウェスタンもののペーパーバックを購入。その内容と自分とを照らし合わせるケラーはどこか面白い。あと、ホテルの部屋は2階より上には取らないほうがいいと教えてくれたキューバ人の話あり。このくだりは違う話にもちょくちょく出てくる。

『ケラーの治療法』
ヘルス・クラブのインストラクター:ドナの紹介で、セントラルパーク・ウエストに住んでいる精神科医ブリーンの所に週2回通うケラー。夢の話や名前の話などを話す。そんな中、仕事のためトゥーソンに向かう。ターゲットはロリー・バスケス。仕事を終え再びブリーンの所へ行き両親や昔飼っていた犬ソルジャーの話をする。そんな中、また仕事のためフィラデルフィア(?)に向かいターゲットであるポルノショップを経営している男を始末。そして再びブリーンの所へ。するとブリーンがケラーの正体を知っているといい、別れた妻と犬の写真を見せた。
ケラーはマンハッタンのミッドタウンにある19階のアパートメント、寝室が一つの部屋で窓からは国連ビル、イースト・リヴァー、クウィーンズが見渡せる場所に住んでいる。のちに飼うことになるオーストラリアン・キャトル・ドッグのネルソンは、この精神科医の元夫婦が飼っていた犬。

『犬の散歩と鉢植えの世話、引き受けます』
「犬の散歩と鉢植えの世話、引き受けます」という張り紙を見たケラーは、仕事で家にいない時、アンドリアにネルソンの世話をしてもらうことに。そして仕事。オマハに飛んだケラーの今回のターゲットはテレマーケティング会社の重役ディンズモア。ステーキに塩を大量にかけて食べる男。既に地元の殺し屋が失敗しており、ディンズモアは対応策を講じ警備面を強化していた。この章では、ケラーはネルソンを話し相手として気に入っており、昔の秘密を明かしたり自分自身をさらけ出したり、仕事の話などをしている。

『ケラーのカルマ』
セントルイス、ターゲットはシェラトンホテル314号室に泊まっている組合の役員。とホワイト・プレーンズの男は言っていたが、ドットによるとホワイト・プレーンズの男のミスにより部屋番号違いだった。本当のターゲットはタルサに住んでいるガナー・ルースヴェンだった。一方、ネルソンの行動がきっかけで世話をしてくれているアンドリアと関係を持ってしまうケラー。彼女がケラーが何をしているか知ってると言うが、2人はそのまま一緒に住むことに。

『ケラー、光り輝く鎧を着る』
ホワイト・プレーンズの男からここ何ヵ月も仕事をもらっていないケラー。ドットによるとホワイト・プレーンズの男がいつもと違い、依頼の電話を全部断っているという。そこでドットは内密に『傭兵タイムズ』という雑誌に仕事を請け負う広告を出したという。一通まともな仕事の依頼がき、ケラーは引き受けることにする。依頼主はマスカティーンに住む児童書作家のクレシダ・ウォレスでターゲットはストーカーのラウドハイム。だが仕事が終わっても残金の入金はなかった。今回、ドットとケラーはケラーの家の近くのイタリア料理店で待ち合わせ。普段のハウスドレス姿ではなく、スーツに身を包み髪もセットしており、郊外の有閑マダムといった格好をしている。

『ケラーの選択』
シンシナティ北部、ターゲットは肥えた男ストラング。だが仕事をする前にドットに呼び戻されたケラー。もう一つ同じ場所で依頼が入ったという。別の仲介者からで最初の依頼者モンクリーフを始末してほしいという最初のターゲット:ストラングからの依頼だった。どっちを殺しても入る報酬は同じ。ケラーは一体どうするのか?
ホワイト・プレーンズの男の具合はどんどん悪化している模様。さらにいつの間にかアンドリアがネルソンを連れて出て行ってしまった。ケラーがシンシナティに滞在しているもっと前のことらしいが、いつシンシナティに行ったんだろう?違う短編集にシンシナティでの仕事があるのかな?

『ケラーの責任』
ダラス、ターゲットは豪勢な暮らしをしているギャリティ。彼が開いているパーティに下見がてらのぞく事したケラーだったが、偶然にも彼の孫がプールで溺れているのを助けてしまったことからターゲットと懇意になってしまう。依頼内容、彼の人柄からケラーは依頼者が誰かわかってしまう。いつもの仕事と違い、少し切なさが残るストーリー。ケラーがせめてものととった行動とは?

『ケラーの最後の逃げ場』
依頼人の指示どおり赤いカーネオションを襟につけ、雑誌を持ってユニオン駅に立つケラー。だが少し前に仕事はキャンセルされていた。翌週、国家安全研究所の職員を名乗るバスコウムがケラーに近づき、アメリカ政府は君を必要としている愛国心をつつき、売国奴を消すよう依頼してきた。ターゲットはワシントンの特許弁護士ラムズゲート、フロリダの老人が多くいるコンドミニアムに住んでいるドラッカー、コロラド州に住む女性。一方、本業でのターゲットであるシアトルに住むその土地の大物ウィルコックスも始末。のちにバスコウムの正体を知ったケラーは…。たいして疑うこともなく個人的に依頼を受けてしまったケラー(アメリカの兵士の気分で)。やはり祖国への愛が深いのか?

『ケラーの引退』
仕事も充分にやり、暮らしていけるだけの蓄えもある。引退を考えてるケラーにドットは夢中になれる趣味を持った方がいいと助言する。ケラーは子供の頃に集めていた切手のことを思い出し、再び切手蒐集を始める。今回の仕事はニュー・オリンズ、ターゲットは妻を少なくとも1人、あるいは2人殺しているウィックワイア。その後、ドットから本名を使って休暇を取るように言われ、ケラーはカンザス・シティに行く。その間にホワイトプレーンズの男が"自然死"で亡くなってしまう。ケラーは切手蒐集にハマってしまい、引退資金にも手を付けてしまった。とても引退できる立場ではなくなってしまった。


パターンとしては、ホワイト・ブレーンズの男から依頼があると、同居人のドットからケラーに連絡が入り、トーントン・プレース通りにあるの古いヴィクトリア朝風の建物に出向くケラー。そこでホワイト・ブレーンズから依頼を頼まれたり、ドットが作るアイス・ティーを飲みながら話をする。そして依頼を受けた地にレンターカー、もしくは飛行機を使って行き、その日のうちに仕事を終えすぐ戻ってくる場合もあれば、数週間滞在することもある。殺害方法も事故死、自然死、自殺、殺人と依頼者の要望に合わせ、それによって武器も様々。

殺し屋としての仕事はもちろんほぼ毎回あるのですが、気がつけばドットと話しているシーンに変わることがあったりして残虐なシーンは殆どなし。ケラー自身、ターゲットと親しくなったりすることがあったりするのですが、始末するのに躊躇することもあっても結果的に仕事をやり遂げるプロの殺し屋。状況が悪ければターゲット以外の人物も始末したり、依頼者自身も殺してしまったりと抜かりはなし。出張殺し屋みたいな感じですが、始末するシーンがないと、出張の多い男性の日常を描いた作品みたいな雰囲気。日常生活の描写が多いので、うっかり殺し屋というのを忘れてしまいそう。

ケラーの日常は犬の散歩をしたり<ニューヨーク・タイムズ>のクロスワード・パズルをしたり、いたって普通の生活。ニューヨーカーで今の暮らしが気に入っているが、仕事で旅に出るとその場所で郊外にあるこぎれいな家、過度な労力を求められない仕事、対処しやすい人生…という夢を描くことがある。なので、ターゲットが住む町や家を見てはいろいろと想像。ちなみに決して男前というワケではないものの、なんだかんだと女性にモテる。

ホワイト・ブレーンズの男のことはこの1作目ではどんな人物なのかよくわからず。とりあえず口数の少ない男で沈黙のエキスパートだということ。結局、最後には亡くなってしまうので詳細はわからず。でも4作目にちょろっと彼の事が書かれていたような…?

と、殺し屋としてエキサイトなシーンやドキドキするようなミステリー的なシーンは全くなく、実に淡々とした文章なんですが、それでもケラーの日常に惹きつけられてしまう今シリーズ。またドットとの会話がウィットに富んでいて楽しい。原語ではどんな文章なのかわかりませんが、個人的に自問自答する言い回しが結構好き。もちろん訳者が良いことも含めて。次は2作目『殺しのリスト』。長編なので楽しみ。

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