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「冷たい熱帯魚」

『冷たい熱帯魚』  COLDFISH

冷たい熱帯魚

製作年:2010年
製作国:日本
監督:園子温
出演者:吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲、諏訪太朗


<簡単なあらすじ>
2009年1月19日、社本熱帯魚店を営む社本信行(吹越満)のもとへ娘の美津子(梶原ひかり)がスーパーマーケットで万引きした店から電話が入る。雨の中そこに駆けつける社本と後妻の妙子(神楽坂恵)。そこで救ってくれたのは、店長の知り会いである巨大熱帯魚屋アマゾンゴールドのオーナー村田幸雄(でんでん)だった。その帰り、村田の店に連れて行かれる社本家族。そこで村田は美津子にここで働いてはどうだと提案し、住み込みで働くことに。その後、アマゾンゴールドに出向いた社本は顧問弁護士の筒井(渡辺哲)と、ビジネスパートナーの吉田(諏訪太朗)を紹介される。そこで高級魚のビジネス話に巻き込まれ、村田が豹変し、犯罪に加担せざる状況になっていく。引き返せない道に入ってしまった社本は…

<感想>
初園子温作品鑑賞。顔アップの映画紹介を見て上映時から興味があった作品。でも園子温監督も知らないし、どんな内容なのかもいまいち理解せずにDVDを借りて観たら…どえらい内容でびつくり!埼玉愛犬家殺人事を参考にした内容なのは知ってましたが、この事件をよく知らず…。観終えたあとは呆然とし、どっと疲れちゃいました。そうなのか、これが園子温ワールドなのか!

継母を嫌う娘の美津子と、明らかに現状に満足してない妻の妙子。両方に気を遣いながら小さな熱帯魚店を営む社本。そんな家族に変化が訪れたのは巨大熱帯魚屋のオーナー村田幸雄と出会ってから。娘の万引きを目撃し、その場を救ってくれた村田はどこにでもいそうなよく喋るおっちゃん。最初からやけにボディタッチが多いのが気になるところですが、現状に満足していない者にとってはさほど気にならず、言葉巧みに人の懐に入り込むにはそう時間は掛からず。社本の心が弱すぎて付け入られてしまったのか、社本を見ていると昔の自分のようで気にかけてしまったのか。

この村田を演じるでんでんさん、人が良さそうで陽気で、少しおしゃべり過ぎるかなと思いつつも人の心理をちゃんと把握してたりする。弱みにつけこみ自分のペースに持っていく。第三者から見ると騙されるな!と思うんだけど、社本家族のような当事者だったら劇中のようにあれよあれよと従ってしまうのかも…と思うと怖い。

このでんでんさんの演技が怪演すぎてまた怖い!大声でまくし立てる姿は少々ウザいものの、時には脅迫じみたこと、時には人生の説教、時には理解ある存在感大ありのおっちゃん。

でんでんさんの妻役の黒沢あすかさんも怪演!最初はどこにでもいそうなエロいお姉さんという感じだったのが、村田との共同作業中は楽しいぶっ飛んだエロいお姉さん、最後の作業で社本を見る眼差しは最高にキュートなエロいお姉さんに。特に村田との共同作業中に、2人でリズミカルな言葉の掛け合いをする姿はグロいシーンなのに可笑しすぎて笑ってしまった。この作業に慣れ、全く悪意なくこの作業をしてると思うとそれはそれで怖いけど。

ラストにまたびっくり。そうきたかと。知ってはいけない破滅の世界に足を踏み入れてしまった感が・・・。ブラックな笑いもありつつ、全体的に絶望的でどうしようもない感じ。予備知識のなかった私には強烈な内容でした。観終えたあと、少しの間なにも手につかなかったですもん。

何を伝えたかったのか正直理解できませんでしたが、その辺りのことは深く考えず、エンターティメントとして観た方がいいかも。吹越満さん、でんでんさん、黒沢あすかさんの演技が素もこんなんじゃないの?と思えるほどの演技ですんごく良かった!(素だったら余計怖い) はー、パンチ効いてました。ところで日時や時間が字幕で出る意味は何かあったのかな?なんか意味あるのかとついつい目がいっちゃったけど。それと愛子はどうしてあの段階で死ぬことなく普通に行動出来るの?もしかして軽傷だったの?

wikiによると、ヴェネツィア国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭で上映されたそうな。世界からみてこの内容はどう映ってるんだろう?そして同監督による実際の事件をベースとしたシリーズ「家賃3部作」の第1作目とのこと。2作目3作目はどの事件をベースにしているんだろう。現在公開されてる『恋の罪』が2作目なのかな?

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「1911」

『1911』  辛亥革命  XINHAI REVOLUTION

辛亥革命

製作年:2011年
製作国:中国/香港
総監督:ジャッキー・チェン(成龍)
監督:チャン・リー(張黎)
出演者:ジャッキー・チェン(成龍)、ウィンストン・チャオ(趙文宣)、リー・ビンビン(李冰冰)、フー・ゴー(胡歌)、ジェイシー・チェン(房祖名)、ジョアン・チェン(陳冲)、スン・チュン(孫淳)、ジャン・ウー(姜武)、ニン・チン(寧静)、ユィ・シャオチュン(余少群)、デニス・トー(杜宇航)

<簡単なあらすじ>
20世紀初頭の中国、列強諸国による勢力が強まり、清王朝は衰退の一途をたどっていた。そんな中、国を憂う若者たちが立ち上がり、孫文が指揮をとる中国同盟会をはじめとする革命組織が各地で結成される。孫文が最も信頼している右腕の黄興が現場指揮をとり、中国同盟会の仲間と共に広州蜂起を行うが、失敗に終わっただけでなく多くの同志を失ってしまい黄興も負傷。悲しみに暮れる黄興を支えたのは、中国同盟会の調整役や現場で看護役をしている徐宗漢だった。彼女の仲間たちの支えがあり、再び同士たちと立ち上がる黄興。度々蜂起を起こし、1911年、ついに武昌蜂起が成功する。一方、この状況に対し王朝は袁世凱に革命勢力を鎮圧するよう命じるが、袁世凱には思惑があった。果たして孫文、黄興らは新たな中国を作ることができるのか。
1911年の辛亥革命から100周年を迎える2011年、ジャッキー・チェンによる構想10年、総製作費30億円の歴史エンターテイメント超大作。

<感想>
今まで中国歴史系の作品を観た時、時代背景がよくわからず、今後中国歴史の作品を観る時は時代背景の歴史を勉強してから…と思っていたのですが、またもや何もせず鑑賞。でも冒頭に『レッドクリフ』のように時代背景の説明があったり、王朝vs革命家とはっきりしてるのでなんとな~く理解できたような気がします(もちろん気だけですw)。といっても、この作品に限っては辛亥革命をしっかりと理解してなくても、中国の変革に奮闘した大勢の革命家たちの思想、生き様、立ち向かう姿勢、想いが伝わってきたので個人的には満足^^

中国歴史に相変わらず疎い私、辛亥革命という名をかろうじて知っているだけで、黄興をはじめたくさんの革命家たちを初めて知りました。昨年から孫文絡みの作品を観る機会があったのですが、今まではほんのちょっとの登場。今回はほぼ主役級なので孫文の海外での活動、黄興に対する信頼、黄興や革命家たちからの信頼なども知ることができました。といっても映画なのでどこまで事実に忠実なのかわかりませんが~^^;

祖国を何とかしたいという思いだけで自分の命を賭けて立ち向かう。大きな犠牲を払うことになってもまた立ち上がる。全ては国のため、自分たちの未来のため。指揮をとる孫文、参謀の黄興を軸に、大勢の名もなき若者たちが中国の未来を切り開こうとするスケールの大きい歴史大作。今作品は戦ってるシーンが多いような気がしました。最初の方は「俺が行くぜ!」と、総指揮官なのに死を覚悟に前へ出ようとする黄興。それを必死に止め、代わりに自分が行く勇気ある若者たち。そうやって同士たちの国に対する想い、また命の尊さから、後半では戦いに出てる若者たちに敵が攻撃してくる時には命を無駄にするなと言わんばかりに「隠れろ!」と。現場にいることもあり、同士たちが未来の国のために自分の命さえも自ら犠牲にするほどの重さを十分すぎるほど理解している黄興がよくわかります。

パンフに書かれてましたが、辛亥革命は資産家の子弟らが起こした革命。孫文、黄興をはじめとする革命家が多くが日本に留学したり高い教育を受けるという恵まれた環境にいたそうな。なるほど。あと、当時の中国の軍服にはドイツ式、日本式があったそうで、北方の袁世凱はドイツ式、南方の革命軍は軍服も武器も日本式なんですって。映画を観る前にパンフちゃんと読んでおけば良かった(TT)。そしたらこの辺りをチェック出来たのになぁ。あと、革命の志士たちの多くがかつて西太后が日本へ留学させた学生たちや、袁世凱に設立された(新軍)の兵士たちだったということ。これは確かに皮肉だわ。

辛亥革命をしっかりと理解してなくても観れると最初に書きましたが、やはり辛亥革命辺りの歴史を知ってる方が断然楽しめると思います。多分ですが、前半の蜂起で何名か亡くなるのですが、もしかしたら歴史に残っている有名な革命家なのかもしれないので。。それがわからない私はもどかしい~
ところで劇中に登場するホーマー。彼は有名な人なの?私にはどういう役割の人だか全くわからず、さらにそれほど上手い演技とは思えず(すみません!)。でも皆で撮った集合写真にはちゃっかり写ってるんだよねー。もしかして実在した人物だったんだろうか。

孫文絡みの作品、あるいは同時期は多くありますが(孫文が主役だったり名前だけの登場だったり)、さまざまな方面から描かれているので面白いです。なんだか中国歴史に興味が湧いてきたぞ!『ボディガード&アサシンズ』 では香港が舞台で『赤い星の生まれ』では臨時大総統に就任した後の中国の話(だったと思う)。今度は孫文と黄興が中国同盟会の結成を行ったとされる日本が舞台の作品が観てみたいなぁ。すでにあるのかしらん?

P.S 今回、私が知っている出演者は限られており、『赤い星の生まれ』のように豪華スター総出演しゃなくてよかった。私が知らないだけで、『1911』の出演者も豪華なのかもしれないですケド^^;おかげで知っている俳優探しをすることなく、ストーリーに集中できました~

「プリンセス・トヨトミ」 万城目学

『プリンセス・トヨトミ』  

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

 著者:万城目学
 出版社:文藝春秋  文春文庫





<簡単なあらすじ>
5月31日(木)午後4時、大阪が全停止した。この鍵となったのは東からやってきた3人の調査官と、生まれた時から西にいた2人の少年少女。物語はこの10日前から始動する。会計検査院第6局に所属する、しばしば「鬼の松平」と呼ばれる副長の松平、自然と良い方向にミラクルを起こす鳥居、長身でフランス生まれの旭の3人は実地検査のため大阪へ向かった。検査されるうちの一つ、空堀中学校では1人の少年:大輔が男の子のフリをするのが辛いためセーラー服で登校していた。そんな彼を心配しつつ豪快な行動を取る女友達の茶子。ある日、大輔は父の幸一からあるビルに連れていかれ、そこで父親の口からとんでもない言葉を聞く。大阪の真実を知った大輔は…。そして調査官の3人はある社団法人を不審に思い調べていくと…。

<感想>
いまさらですが『プリンセス・トヨトミ』を読了。映画化されたのは知ってましたが、先に原作を読んでみようと思っていたのであらすじや詳しい内容は全く調べず読み始めました。

会計検査院――内閣に対し独立の地位を有しており、国会、裁判所いずれからも独立した機関で第日本定刻憲法時代から天皇に直属する機関として存在し、現在もあらゆる国家権力の影響から超然としてたたずむ機関…とのこと。こうやって書くとなんのこっちゃ?って感じですが、要は国家予算の使い道をチェックする機関らしいです。私、この物語上だけで現実にはない機関だと思ってましたが調べてみると実際ありました。そんなことも知らなかっただなんて恥ずかしくて穴があったらダイブしたい…

最初は調査官3人の仕事内容、そして大輔や茶子の置かれている状況や性格などの説明みたいな感じで、この2組が一体どのように彼らが深く関わっていくんだろうと思ってました。そしたら大輔の父親からとてつもない発言が!!あまりにも突拍子もない設定にびつくり!!そういうことになった歴史も書かれているのですが(1615年からというこれまたとてつもない歴史!)、なんかそれもアリかなと思えてしまうのが不思議。同時にここまで内密にやってこれたのが不思議。お酒が入ったらポロっとどこかで洩らしてしまいそうなのにねー。しかも大阪の異様な状況をあそこまで外部に洩らさずにいれるって…現実的には結構キビシそう~。

と、大阪城や歴史上の人物たちをうまく物語りに取り入れた話なのかなと思ってましたが、最後まで読むと、大切なもの、守っていかなければならないこと、父と子の重みがドンっときました。なるほど!ちょっといい話かも。

映画化されたのも納得。読んでて「合図」が発動してから読んでてドキドキしてきましたもん。このシーンがもし映画内であったら、こっからが面白くなりそうなシーンになりそう。現実で今後、大阪城を見たらあれこれ考えてしまいそう~。深紅に染まる大阪城を見たら…そして偶然にも電車が止まったりなんかしちゃったら…ひゃー、原作や映画を見た人はみなぎょっ!ってするに違いない(笑)。そしてやはり女性は一枚上手。大阪のお隣である兵庫県民の私は永遠に母親から何も聞かされないのかと思うと残念(TT)。いや、案外兵庫県にも姫路城あたりで何かあるかも…と期待☆←…ないよね…

本作を読んだあと、他の方の感想を読んだのですが、どうやら登場人物の名前にも歴史的に意味合い(お遊び?)があるみたいです。大阪城近辺に住んでいて歴史が好きで、さらに建築物も好きな人には「おっ♪」って思える箇所は多いと思います。すべて当てはまらない私ですが、この物語の発想はすごい!と思えエンタメとしてもよく練れらた作品でした^^んなアホなと思いつつ、現実にこんなことがあったら楽しいだろうなという夢も込めて。大阪に住んでる男性なら面白く思えるかも?
ところで鳥居が見た十字架は一体なに?作中に答え出てた??

「いっぱい、ごめんネ。」 小向美奈子

『いっぱい、ごめんネ。』  

いっぱい、ごめんネ。

 著者:小向美奈子
 出版社:徳間書店





<簡単なあらすじ>
初体験、高校退学、DV、同棲、所属事務所解雇、浅草ロック座への出演…。これまで明かすことのなかった、壮絶な過去、そして現在。トップアイドルは、なぜ覚醒剤に溺れていったのか…。「もう二度とクスリには手を出さない!」と堅く誓った小向美奈子の初めての自叙伝。オリジナルCD(「Iam Scandal」「Material World」の2曲を収録)付き。
(内容紹介から引用)

<感想>
この間、何気に夜中のテレビを見てたらマツコ・デラックスさんがこの本を話題にしており、「ある意味スゴいわよね~、この本」みたいなことをおっしゃってて、気になったので借りてきました。といっても小向美奈子さんをちゃんと知ったのは逮捕された時だけど…^^;

2009年1月22日、覚醒剤取締法違反で逮捕され留置所に入り、そこで人生のいろんな事を振り返り、そうやって思い出したことをベースに書いたそう。小学生で初めてタバコを吸い髪にメッシュを入れ、登校拒否、性関係、グラビアアイドル、クスリ、DV、解雇、逮捕、浅草ロック座出演と、今までの自分を振り返っています。最初の方から少しずつ触れて書かれてますが、一番驚いたのが15歳で妊娠。そしてその子供の父親のくだり。そう、マツコ・デラックスさんはこの辺りの内容をテレビで「本当なの~?」と話してたんです。

冒頭の方で、こんなことになり両親・妹・兄はどれだけツラい思いをしているのだろうと心配してるものの、その他の内容はイマドキ(?)女性のノリの文体・内容で、まるでケータイ小説を読んでいるみたいな感覚。

ちょっと驚いたのがタバコを吸った理由。「タバコは20歳になってからという社会のルールを知らなかった。ダメなら先に言ってくれないと」。いい訳ではなく、本当に社会の常識を知らないのなら、両親、周りの大人たちとコミュニケーションがうまく取れてなかったのかなと。

このままだと堕ちていくばかりで心も身体もボロボロになる。と自覚はあるものの、他人に左右されやすいというか遺子が弱いというか。とにかく男性に依存しすぎ感がものすごいある。寂しさに耐えられない、1人じゃいられないという性格のようで、心も身体もスキだらけ。本人も重々承知しているんだけど、どうしようもない状態だったみたい。

自ら堕ちていった出来事を最初から見つめ直そうと、消しきれない事実を明らかにし、みんなに伝える義務が私にはある。そして自分自身ももう一度前に歩き出すために…。ということで本書を書いたそうですが、赤裸々な性行為、男性遍歴は真実だとしてもここまでさらけ出さなくてもよかったのでは…。ご両親はどう思っているんだろう。だってまだ結婚前の若い女性なんだよ?逆に今時の女性だからここまで書けたということ?

仕事は楽しかったようで、仕事後には毎日クラブで仲間達とエネルギッシュに遊び、いかにも毎日が楽しい!という感じ。それにしてもクスリ、数々の男性遍歴。デビューしてからよくプライベートを暴露されなかったなと。私が知らないだけでもしかして過去に暴露された経験あり?

本書を小学生、中学生が読んで、「かっこいい生き様!」とか「私も毎日楽しく好きなことして過ごしたい」「私なら警察に捕まるようなヘマはしない。もっとうまくやるもんね」なんて思わないかが心配。←思わないか^^;

「唇を閉ざせ」 <三大映画祭週間2011>

『唇を閉ざせ』  TELL NO ONE / NO LE DIS A PERSONNE

唇を閉ざせ

製作年:2006年
製作国:フランス
監督:ギヨーム・カネ
原作:『唇を閉ざせ』ハーラン・コーベン
出演者:フランソワ・クリュゼ、マリー=ジョセ・クローズ、クリスティン・スコット・トーマス、アンドレ・デュソリエ、 フランソワ・ベルレアン、ナタリー・バイ、ジャン・ロシュフォール、マリナ・ハンズ、ジル・ルルーシュ

<簡単なあらすじ>
幼い頃から知っている医者のアレックスと妻のマルゴは、2人の思い出の湖へ向かった。だが向こう岸に先に行ったマルゴの様子がおかしい。アレックスの名を叫ぶマルゴ。アレックスはすぐさまそこに行くが何者かに殴られ湖に落ちてしまう。その後、マルゴは惨殺死体となって発見される。8年後、同じ湖で2人の男性の遺体が発見される。マルゴの事件で生き残ったアレックスには不可解な事が多いと思っている警察は、今回の事件も関わってるんじゃないかと調べ始め、8年前の事件も再捜査となる。ちょうど同じ頃、アレックスにメールが届き、そこに貼られていたサイトにはマルゴらしき人物の動画が映っていた。そして「誰にも言わないで」との言葉も記されていた。次のメールでは時間と待ち合わせ場所が書かれており、本当にマルゴなのか?と期待を膨らませるアレックスは、生前のマルゴの行動を調べ始める。一方で警察がアレックスを追っていたため、ある人物の手を借り、なんとしてでもマルゴとの待ち合わせ場所に行こうとするが、同時にマルゴの行方を捜している別のグループもアレックスの行動を探っていた。果たしてマルゴは生きているのか?そして別のグループの目的は何なのか。

<感想>
2人の思い出の場所でマルゴを殺され、事件から8年経っていても、一緒にいながらマルゴを助ける出来なかったという自責の念がずっとあるアレックス。今でもマルゴが亡くなった日にマルゴの家族の家に行き、一緒に弔う。そんな時に湖で新たな死体。警察がアレックスの所にやってくるが、どうも疑っている模様。8年前、不可解な事が多すぎたのだった。当時、湖に落ちたあと、大怪我を負っているのにどうやって湖からあがったのか?救急車を呼んだのは誰か?

同じ頃、自分と妻しか知らない件名で一通のメールが。マルゴは生きてるんじゃないかと希望が湧き、なんとしてでも確かめたいアレックスは警察の目をかいくぐって逃げまくります。職場から逃げだし、車の行き来が激しい高速道路を横切り(このシーンは臨場感あってドキドキした!)、街中も走り回り、にっちもさっちもいかなくなりアレックスは自分を助けてくれそうな人物に連絡。うまい具合にヤバい状況でも臆せず助けてくれそうな心当たりがあるんだなこれが。

マルゴの生前の行動の秘密を知っていた友人が殺され、この事件でもアレックスが疑われてしまう。ってかこの友人、一体何を専門に仕事としてるの?なんか被写体が面白い格好をしてますよーw

自分の知らないところで何かが起きており、身に覚えのない罪を着せられ警察に疑われ、さらには亡くなっているはずのマルゴを行方を追っている謎の容赦ないグループ。このグループの一員である女性が強い!でも不気味でコワイ!一体どんな訓練を受けてきたんだろう。

ストーリーも演出も素晴らしいと思うのですが、単純明快なストーリーが好きな私には、ほんの少し複雑に感じました。そういう見せ方なのかもしれませんが、最初、ヌヴェルが一体誰なのかよくわからずアレックスの父親?と勘違いしてました~。最後になってやっと理解。ヌヴェルの息子も同じく。あとアレックスがよく相談していた女性、最初お姉さんかと思っちゃった。湖でマルゴに姉とうまくいってないような事を言ってたけど、年月が経って問題は解決したんだと勝手に納得。でも全然違った~。お姉さんのパートナーでした。。気持ちとして義弟と思ってるからあれだけ親身になってくれてるのかな?で、このお姉さん、実年齢はわかりませんがアレックスの方がかな~り年上に見えるんですけど?字幕間違えてるんじゃ?妹なんじゃ?と思ってしまうほど。どうやら私は登場人物を途中まであまり把握してなかったかも^^;でも最後には全員理解しました(多分)。
私はフランス映画に詳しくないのでよくわからないのですが、豪華な出演陣なんだとか。フランス映画が好きな人にはたまらないのかな?

8年も経ってなぜ今頃になってマルゴらしき人物からメールがいきなり届くの?という疑問もちゃんと解決。ただリンク先の動画の映像、自分で撮ったんじゃないよね?どうやってその動画を手に入れたんだろう。それが今でも謎。もしかして映画の中でその答えあったのかな?

曲が良かった~。特にU2。アレックスが「そうか!そうだったのか!」と思うシーンで「With Or Without You」。この曲が流行った当時、U2が大好きだったので嬉しくなっちゃった。なんだかんだと子供への愛、妻への愛が揺るないほど深い作品、形がどうであれ。トータルで言えば、うん、良かったです。良作だと思います。

実は原作ハーラン・コーベンの『唇を閉ざせ』は持っており、随分前に読んだのですが、映画の作品紹介に載っていたあらすじを読んでも全くピンとこない。観ている最中もピンとこず。観終わってさえも初めて触れた感じ。ここまで覚えていない自分にびっくり!!記憶力の悪さのおかげで新鮮に映画を観れて良かったかも。詳細が知りたいシーンがあったので、近々もう一度原作を読んでみようと思います。映画の内容を忘れないうちに(笑)。

「終わりなき叫び」 <三大映画祭週間2011>

『終わりなき叫び』   A SCREAMING MAN / UN HOMME QUI CRIE

終わりなき叫び

製作年:2010年
製作国:フランス/ベルギー/チャド
監督:マハマト=サレ・ハルーン
出演者:ユースフ・ジャオロ、ディオク・コマ、ハジェ・ファティム・ングア、エミール=アボソロ・ムボ、ジェネバ・コネ

<簡単なあらすじ>
アフリカにある内戦下のチャド。高級ホテルのプール監視員の仕事をしている55歳のアダンと20歳の息子アブデル。アダンは元水泳チャンピオンで周囲からチャンプと呼ばれており、本人もそれを誇りにプール監視員をしていた。ある日、ホテルの支配人がワンに代わりリストラが始まる。仕事仲間のコックをしてるダビッドや門番がクビになる中、アダンはクビは免れたものの門番へ配置換えになる。プール監視員は息子アブデル1人がすることに。更衣室で自分の体を見て老いを感じ始めるアダンだった。ある日、地区長に呼び出され市民の義務である戦争寄金を払っていないと問い詰められるが、アダンはお金がないと答える。数日後、召集命令によりアブデルは徴兵されてしまう。息子がいなくなり、アダンはもとの監視員の仕事に戻るが…。そんな時、家にアブデルの恋人と名乗るジェネバが家にやってくる。町にも反乱軍が占領してき町中の人が逃げる中、アダンは駐屯地にアブデルを救出しに行く。

<感想>
元水泳チャンピオンでプールは自分の人生だと思っているアダン。息子と2人でプール監視員をしていたのにリストラが始まり、結果的に監視員を任されたのは息子で、アダンはクビは免れたものの門番へ異動。普通なら、自分がどうなっても息子がクビにならず現職に留まれたことに喜ぶのが親なんじゃ?と思うところですが、アダンは元水泳チャンピオンということで、誇りやプライドがありショックは隠せない模様。家でも食事中は無言でアダンの妻は「もう、なんのなのこの雰囲気?」って感じでいろいろと借りにくる近所の人にも嫌味を言うぐらい。自分はまだまだいけるんだぞ!若いんだ!と言わんばかりに夜に腹筋の練習をするアダン、でも現実は残酷です。門番の仕事に移り、生きる気力がなくなってしまったよう。表情を変えずじっとする姿が印象的。何を思い何を考えていたんだろう。

内戦も進んでおり、戦争寄金を払っていないアダンは地区長から咎められ、もし3日以内に払わなければ…と。その結果、息子が徴兵されてしまうことに。連れていかれる息子を引きとめようとする妻は必死にアダンを呼ぶのに、アダンは家の中でじっとしているだけ。こうなることをわかっていただけにどうすることもできない。プール監視員の仕事に返り咲いたアダンですが、前のように生きがいとして働くのではなく、心ここにあらずで黙々と仕事をしてるだけ。そして国軍、反乱軍による内戦状況をラジオで聞く毎日。

ある日、アブデルの恋人と名乗るジェネバがやってくるのですが、彼女は17歳でマリが故郷の歌手。アブデルからのカセットを聞き歌うシーンがあり、思わず目頭が熱くなってしまいました。そんな中、町の人々もどんどん逃げていってしまうぐらい反乱軍が迫ってき、あの地区長でさえも家族を連れてそそくさと町を離れようとしている。アダンも妻から逃げようと言われるも「仕事が…」と。映画を通し、冒頭で流れるテレビ映像以外は内戦の映像はなく、アダンが聞くラジオから流れる内容しか内戦状況はわかりません。

いくらアダンが断食しようが、息子の代わりに入隊したいと思っても、神は助けてくれないし内戦もひどくなっていくばかり。自分のせいで軍隊に徴兵された息子のところにバイクで行くのですが、息子は大怪我を負っており家に帰りたいと。その夜こっそり息子を連れ出して家路に向かう2人。川で泳ぎたいと言う息子のためにアダンは川(湖?)に行くのですが…。

自分の生きがいであった仕事を、年老いてきた自分にかわり息子に譲ることになったという葛藤、それを内戦状況と絡めて苦悩を描いているのですが、これが絶妙!観終わってから、冒頭のシーン、どちらが長く水中に潜っていられるかと競争をする仲睦まじい姿を思い出してしまいました。内戦中という現実、老いという事実、どうすることも出来なくなってからわかること。なんとも言えない余韻がずっと残ります。

エンディング、アブデルの恋人と名乗るジェネバが歌ってると思うのですが、アカペラで流れるこの曲は静かで、綺麗で、歌詞はわかりませんがこの作品にとても合ってて、ラストの余韻をそのまま残してくれてるような雰囲気。とても良い作品でした。

「我らが愛にゆれる時」 <三大映画祭週間2011>

『我らが愛にゆれる時』  左右  IN LOVE WE TRUST

我らが愛にゆれる時


製作年:2008年
製作国:中国
監督:ワン・シャオシュアイ(王小帥)
出演者:リウ・ウェイウェイ(劉威葳)、チャン・ジャーイー(張嘉譯)、チェン・タイシェン(成泰燊)、ユー・ナン(余男)、チャン・チューチアン、チン・ハオ(秦昊)、カオ・ユアンユアン(高圓圓)

<簡単なあらすじ>
メイ・チュー(劉威葳)と夫シエ(成泰燊)は、幼い娘ハーハー(チャン・チューチアン)の熱が下がらないため病院へ行くと、白血病で発見が遅く、余命数年で救うためには骨髄移植が必要だと医者に告げられる。メイ・チューは前夫でハーハーの父親であるシアオ・ルー(張嘉譯)に連絡を取り移植の適合検査を受けるが、2人とも不適合だった。医者から両親が同じ姉妹や兄弟からの移植だと助かる可能性があると言われたメイ・チューは、ドナーを待つ時間がないため前夫シアオ・ルーとの人工授精で子供を生み、ハーハーを救おうと考える。だがメイ・チューには現夫シエ、シアオ・ルーには現妻ドン・ファン(余男)がいた。なんとか同意を得て人工授精に挑むがうまくいかない。なんとしてでもハーハーを救いたいメイ・チューは、シアオ・ルーに連絡を取りあることを提案するが…。2008年ベルリン国際映画祭銀熊賞(脚本賞)受賞作。

<感想>
印象深かった『北京の自転車』と同監督ということで観てきました!主人公メイ・チューと前夫との子が白血病にかかり、骨髄移植をしないと余命数年というのをベースに、2組の夫婦の心理、葛藤が描かれてます。ここで問題なのは白血病の子の親は数年前に離婚し、現在はそれぞれが再婚し、新たなパートナーがいるということ。

それぞれの夫2人は誠実。互いが気を遣い合っているのも印象的。シアオ・ルーは子供を欲しがっている現在の妻を想いながらも1人娘ハーハーのことを大切に想い、命を救うことを第一に金銭面で協力しメイ・チューの提案も聞き入れる。現夫のシエは、妻を愛し実子ではないのにハーハーを我が子のように可愛がる。家事も率先して手伝ってくれ、ハーハーに付き添うため自宅で仕事ができるように内勤、と絵に描いたような善人。人工授精で妊娠しない妻の苛立ちや行動を受け止める姿を見ると、正直どうしてここまで?と思えてくるほど。彼の葛藤は尋常じゃないと思うのですが、結果的にこんなにできた人間っているのかな。

一方、当事者でもなくいきなり夫の体を提供することになったシアオ・ルーの現若妻ドン・ファン。客室乗務員という忙しい仕事をしつつも、シアオ・ルーとの間に子供を欲しいと思っている。自分との間には子供を作りだがらない夫、なのに元妻とハーハーのために医学上とはいえ子供を作ろうとする姿勢が理解できない。そりゃそーだ。最もな反応。

復縁ではなく、ただただハーハーのためだけに前夫との間に子供を作ろうとするメイ・チュー。生まれてくるかもしれない子の将来はどうなるの?その将来もひっくるめて全てを受け入れようとするシエ。中国の一人っ子政策が背景にあるため、状況は深く複雑。メイ・チューとシアオ・ルーにとっては自分たちの1人娘だが、メイ・チューの現夫シエとシアオ・ルーの現妻ドン・ファンは再婚した相手の子供のため、生まれてくるかもしれない未来の子供のために、自分の子を作ることができない。ハーハーを救いたいという思いで納得するしかない現実。複雑すぎます。

その4人の描写が悲しい。メイ・チュー1人だけ、決めたことを最初から最後までやり通そうとする一本気。やはり母親だからか?あとの3人はこの状況に揺れに揺れ動く。シアオ・ルーの現妻ドン・ファンだけは想像通りの態度をとるものの、結局は"1人の少女の命を救う"という現実に同情し受け止めてしまう。

結局、左にいっても右にいっても何も変わらない。一番いい解決法も見つからない。4人が出した結論が正しかったのか誰にもわからない。社会的背景、道徳的モラル云々を問題にしているのではなく、これらの背景の上にいる4人の心情を淡々と描いているという感じの作品でした。深いです。ホント深いです。
今作品で初めて劉威葳さん、張嘉譯さん、成泰燊さんを知りましたが、皆さん素晴らしい演技で、実際も作品中と同じような性格なんじゃないかと思えるほど。特に成泰燊さんの笑顔にはやられた!

高層マンションの下請けの仕事をしているシアオ・ルー。そして高層マンションの不動産仲介をしているメイ・チュー。高層マンションラッシュの中、下請けでのお金の問題や、高級マンションを買いに見学にくる若い夫婦を見てると、高度成長の中国、また中流階級以上の家庭が増えている現状も背景にあるのかなとふと思いました。

「ハッピー・ゴー・ラッキー」 <三大映画祭週間2011>

『ハッピー・ゴー・ラッキー』  HAPPY-GO-LUCKY

ハッピー・ゴー・ラッキー

製作年:2008年
製作国:イギリス
監督:マイク・リー
出演者:サリー・ホーキンス、エディ・マーサン、アレクシス・ゼガーマン、ケイト・オフリン、シルヴェストラ・ル・トゥーゼル、サミュエル・ルーキン、スタンリー・タウンゼントエリオット・コーワン、スタンリー・タウンゼント、キャロライン・マーティン、オリヴァー・モルトマン、ノンソ・アノジー、カリーナ・フェルナンデス

<簡単なあらすじ>
30歳のポピー・クロスは、昔からの親友ゾエと一緒に住み、トランポリンやフラメンコを習い自由奔放で楽天的な毎日を過ごしている。自転車を盗まれ車の運転をスコットから習ってもいた。同時に小学校の教師でもあり、生徒の問題には真面目に向かい合う一面も持ち合わせている。いつも笑顔で能天気な振る舞いをするポピー、時には彼女の行動に対し警戒するものや誤解するものもいるが、そのキャラが必要とされる場合もある。何事にもポジティブな姿勢のポピーを描いた作品。2008年度ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞。

<感想>
観始めてまず思ったこと、本屋で無視されても店員に話しかけたり、妹、同居人、友人達5人とクラブ帰りに家で話すシーン…これは一体何が面白いんだろうと。さらにポピーのハイテンションぶり、他人にどう思われてようが関係なく我が道を進むマイペースさが鼻について、前半は観てるのが正直辛かったです。主人公が嫌いなタイプで、しかも笑えない場合、いくら内容がよくても苦手意識の方が勝ってしまって。

運転の教習でも、かかとの高いブーツを履きふざけたことばかり言うポピー。危険が伴う路上でそんな態度で運転されたら、そりゃ教官のスコットも怒って当然。それなのに毎回同じことを繰り返すポピー。そして苛々が募るばかりのスコット。でも次第にスコットに変化が。この辺りまではスコットに同情し、ポピーに対し私も苛々してたのですが…。

冷静さを失い感情を爆発させポピーに対しまくし立てるスコット。こ、怖いです。ポピーの態度は周囲を明るい雰囲気にさせる一方、逆にスコットのように思われてしまうこともある。ポピーのこの性格に対応できる要素を持ち合わせてないと、勘違いもするしフラストレーションもたまってしまう。一方、そんな彼女に好意的な人物もいるわけで。まぁ出会い方も全く違いますが…。

ホームレスとのやり取りでは何がいいたいのよくわかりませんでした。というより人気のない夜道、しかもあんな場所に女性1人で入っていくなんて警戒心がなさ過ぎるんじゃ?というのが気になって。まぁ映画の中だからいいっか。

と、主人公ポピーが理解できずにいましたが、徐々に印象が変わってきました。妊娠している姉妹の新居に行った時、雰囲気を和ませようとするポピー、小学校で楽しい授業をしたり、喧嘩をする生徒に対しちゃんとケアをする姿もあり、ただウザいだけじゃなく(失礼)こういう一面もあるんだと。冒頭の自転車がなくなってたのに対し、「まださよならも言ってないのに…」というシーンでは、盗まれてがっかりすることなく瞬時にそんなこと思えるのもポピーならでは。ピンクのブラにオレンジのショーツ、そして黒い網タイツとなんともカラフルな下着を着けているのもポピーならではw

ツボにはまったのはフラメンコの先生。なんとも情熱的で私情バリバリで面白すぎ(笑)。今作品で一番笑えたシーンでした。そういやここでもポピーはブーツを履いてた。ってどんだけブーツが好きやねんw

いろんな日常を描いた上で、最後に同居人に話すポピーの本音。なるほど。ちょっとポピーに対する見方が変わったものの、スコットのような結果になってしまうということも事実。なのでポピーの本音は空回りしてる部分もあるような気が…。面白いシーンもありましたが、最後の最後まで彼女の笑い方が鼻についてしょうがなかった作品でした。こればっかりはしょーがない

「密告・者」

『密告・者』  綫人  THE STOOL PIGEON    

密告・者

製作年:2010年
製作国:香港
監督・原案:ダンテ・ラム(林超賢)
出演者:ニコラス・ツェー(謝霆鋒)、ニック・チョン(張家輝)、グイ・ルンメイ(桂綸鎂)、ミャオ・プー(苗圃)、リウ・カイチー(廖啟智)、ルー・イー(陸毅)、パトリック・キョン(姜皓文)

<簡単なあらすじ>
香港警察の刑事情報課ドン(張家輝)は、ある犯罪組織に密告者ジャバー(廖啟智)を送り込むが逮捕寸前で正体がばれ、大怪我を負い現実世界に戻れないほどトラウマが残ってしまう。1年後、ドンは昇進するが妻(苗圃)のこと、そしてジャバーのことで罪の意識を背負っていた。そんな中、台湾帰りの凶悪犯罪者バーバイ(陸毅)を逮捕するため、ドンは出所したばかりでお金を必要としているサイグァイ(謝霆鋒)を新たな密告者として使う。サイグァイはバーバイの仲間のタイピン(姜皓文)主催の違法レースに出場し、タイピン、バーバイ、バーバイの彼女ディー(桂綸鎂)らのグループの運転手として雇われることに成功。そこで得た情報をドンに伝え、警察は彼らの行動を知ることになる。ドンは二度と密告者を危険な目に合わしたくなかったが…

<感想>
密告者とは、警察に潜入して捜査のようなことするいわゆるスパイ、使い捨てのような"警察のイヌ"のようなこと。密告者になってしまうと後戻りはできない。待ち受けているのは壮絶な結末。サイグァイはただ親の借金のカタにヤクザに娼婦として働かされている妹を助けたいだけ。そのためお金が必要なだけ。なので犯罪グループにはそれほど深入りせず、ドンに言われた通り情報を流すだけ。だが危険な道へ一歩一歩と近づいていっており…。

一方、ドンは警察内で新人に密告者を「友人のように接するように。だが友人ではない」と教えている。ドンは1人の密告者を瀕死の状態を負わせ精神を病ませてしまったことで、密告者に対し慎重になっている。密告者にも命がある。だがサイグァイを危険な目に遭わせたくないと願いつつも、上司からは密告者にとって酷な指示を受ける。さらにドンは私生活でも思い悩むことが。こちらも自分が原因で悲しい背景に。

ドン夫妻の話は切ない。2つのことで心に傷を持ち葛藤し続ける毎日。その苦悩さを張家輝が好演。謝霆鋒も良かったですが、私は張家輝の演技が一番印象的で残りました。彼の姿を見てると心情的なものが痛いほど伝わってくるほど。

いつもは落ち着いて静かな役が多いルンメイちゃん。今作品では少し化粧濃い目のメイクで、タバコを吸うわお酒は浴びるほど飲むわいつのもナチュラルな感じではないですが、下品に見えないのがルンメイちゃんのいいところ?大声で叫ぶバイオレンスなルンメイちゃんを初めて見たので、これはこれで大収穫。

密告・者2

ドンの妻役の苗圃さんは吹き替えでしたが(多分)、ルンメイちゃんは台湾からある事情で香港に来たという設定だったので広東語の吹き替えになってなくてよかった。よく考えたらサイグァイの運命を位置づけてしまった1人でもあるんだよなー。ルンメイちゃんにも悲しい背景があり、いろんな事情ってもんがあるんです。もしあの時、ルンメイちゃんがあんな行動に出なかったらどうなってただろう。サイグァイの運命はきっと変わらないんだろうな…。香港ノワールの世界で密告者の運命はこういう結末になることが多いですもん…。

カーチェイスや逃亡シーンなどはスピーディーで画面釘付けになり、ドンの私生活ではしんみり。そしてラストは緊張感たっぷり。気になったこと一つ。大きな蜂の巣の意味はなんだったんだろう。何かしら意味があるんだよね?気になる~。香港クライム・ヴァイオレンスということで結末は想像できてしまっても、最後の最後まで固唾を呑んで観ました。個人的に好きなタイプの作品でした♪

パンフによると、次回作は世界各国でロケしたアクション大作『逆戰』を控えている監督。なんと周杰倫と謝霆鋒が初共演らしい!来年の旧正月映画として上映予定だとか。日本公開になったら絶対観に行きます!いや、オリジナルDVD買います!楽しみだなー☆

「ステキな金縛り」

『ステキな金縛り』

ステキな金縛り

製作年:2011年
製作国:日本
監督・脚本:三谷幸喜
出演者:深津絵里、西田敏行、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、中井貴一、小日向文世、草剛、市村正親、小林隆、KAN、木下隆行、山本亘、山本耕史、戸田恵子、浅野和之、生瀬勝久、梶原善、阿南健治、近藤芳正、佐藤浩市、深田恭子、篠原涼子、唐沢寿明

<簡単なあらすじ>
宝生エミは失敗ばかり繰り返している弁護士。上司から最後のチャンスと、資産家の妻殺し容疑で捕まった矢部の弁護を任されることになった。矢部の話によると事件があった夜、とある旅館で金縛りに遭い、ずっと体の上に落ち武者が乗っていて動けなかったという。エミは早速その旅館に行き同じ部屋に泊まると、同じように金縛りに遭い落ち武者の幽霊、更科六兵衛と出会う。矢部のアリバイを証明してもらおうと裁判の証言台に立ってもらおうとするが、六兵衛の姿を見ることができるのはわずかな人たちのみだった。さらに死後の世界や超常現象を全く信じない敏腕検事の小佐野が弁護側に立ちはだかる。幽霊の証言は聞き入れてもらえるのか?エミは汚名返上となるのか?

<感想>
パンフによると、この法廷幽霊コメディは構想10年以上。タイミングや事情で今回やっと映画化が実現したそうな。予告編から面白さが滲みでており(特に落ち武者の西田さん)、気になってたので観に行ってきました!幽霊を証人として法廷に出すだなんて、おそらく三谷さん以外考えもつかない発想。三谷作品は今まで2作しか観たことがないですが、改めて思うとやっぱりスゴイ人なんだなー。ストーリーも面白いしキャスティングも凄い。

やはり何といっても出演者の豪華さ。主役級から脇役まで有名人がたくさん(≧▽≦)
特に好きな脇役シーンは生瀬勝久さん。面白すぎです~。そして冷静沈着な検事役の中井貴一さんのラブちゃん絡みのシーン。パンフに、中井さんのそのシーンの撮影時、三谷監督は異常なくらい楽しそうだったとw人が恥ずかしいことをしているのが大好きな人だとwwこれはホント見所だと思いました^^

落ち武者六兵衛役の西田さんはめちゃ面白くてチャーミング!コテコテの武士ではなく(多少はあり)、西田さんのキャラが存分に出てて存在そのものが今作品を魅力的にしている大要素かも。深津絵里さんもチャーミング。検事から「落ち武者を証人として呼んできたらどうだ」と言われ、本当に証人として連れてきちゃう。個人的には前髪を下ろしてない深津さんの方が好きデス♪

六兵衛は幽霊。なので彼の姿が見える人と見えない人がいてこれがポイントかもです。でも見える人と見えない人との違いは意外とあっさりというか、どうしてそれ?!って感じ?私には見えないってことね…(TT)。ありきたりだけど幽霊が見えない人には六兵衛と話している人は独り言を言ってるように見えるわけですが、その描き方がイイです。

ラブちゃんが登場したことで最後の件も想像できたりするのですが、トータル的に面白く観れました。でも最後に登場するあの方はちょっと長く引っ張りすぎのような…。ってかなぜこの方をキャスティング?今作品の中では浮いてたような…私がこの方のファンではないのでそう思うだけかも^^;

エンドロールではエミのその後が流れ、これがまた面白い!本編には登場しない人もいたりなんかしちゃったり。エンディングを深津絵里さんがメインで歌っており、コーラスで法廷ボーイズが歌っているそうで(パンフに書いてました)これがまたイイ曲なんです~。終了の仕方も面白いので最後の最後まで楽しめました。資産家妻殺しはおまけみたいな感じで(容疑者の矢部(KAN)がそれを代弁してくれてる?w)、これは三谷さんのベテラン出演者さんたちの生かし方を堪能する作品なのかなーと勝手に思ってマス。もちろん法廷ものストーリーもコメディならではの内容で可笑しく、また出演者さんの演技がピッタリハマってて面白かったです。

「赤い星の生まれ」 <2011東京国際映画祭>

『赤い星の生まれ』  建党偉業  BEGINNING OF THE GREAT REVIVAL

建党偉業

製作年:2011年
製作国:中国
監督:ハン・サンピン(韓三平)/ホアン・ジェンシン(黄建新) 
出演者:リウ・イエ(劉)、チェン・クン(陳坤)、チャン・チェン(張震)等々

多すぎて書けませーん。。こちら(ここ)のサイトでは役名、顔写真もあるのでわかりやすいです^^

<簡単なあらすじ>
1911年冬、孫文はアメリカから帰国、翌年1月1日には南京において中華民国の臨時大総統に就任する。毛沢東はこの時、光復新軍に参加。清朝の全権を握った北洋軍の袁世凱は強大な軍事力と権力で孫文から大元帥の身分を奪い、南京から北京に拠点を移し北洋軍閥政府を成立させる。同年10月国民党成立。     
1914年夏、第一次世界大戦が勃発し、1915年、袁世凱は日本が袁世凱の帝政を支持することを条件に日本の対華二十一カ条要求を受理した。しかし、この後、1917年7月1日から12日間、張勲が清朝の廃帝・愛新覚羅溥儀の復位を図るが失敗。各地で武装蜂起が起こり、混乱した時に突入する。袁世凱が権威を失墜させている中、毛沢東、李大、周恩来などは、それぞれ国を救う方法について思索し、時節の到来を待っていた。
(2011東京・中国映画週間HPから引用)

<感想>
内容云々より出演者があまりにも豪華だったので観に行ってきました。この時代の歴史を全く知らず、下調べをしてから観に行こうと思ってたのですが、すっかり忘れてて時代背景がよくわからないまま鑑賞。冒頭から時代の流れが早い早い。一応、字幕で○○年にこういう事があったという簡単な歴史事実の説明字幕が出るのですが、その字幕が上部の真ん中に小さな字で出るのでちょっと見づらかったです^^;(会話とかの字幕は普通の大きさで右や下に出るので問題なし)昨年の字幕がおそろしいほどへぼへぼだったので、今年ももしかして?!と心配してたんですが明らかにおかしい!というのはなく、普通に観ることができました。よかったよかった。

出演者が豪華だとは聞いてましたが、ここまで豪華だったとは!周潤發をはじめ、任達華、劉佩、劉徳華、梁家輝、王力宏、呉彦祖、王学圻、范冰冰、Angela Baby等々…あの人やあんな人まで出演し、「あれ?今の〇〇??」と思ってもほんのチョイ役だったりするもんだから確認できなかったりも。。
あとで出演者一覧を見て、この人も出てたんだーと思いつつ、一体どこで出てた?と分からない人もちらほら…。『九月に降る風』の王柏傑くんがいたような気がして調べてみると…やっぱりいた!でもこちらのサイトの主要演員の写真(一番左の上から4番目)を見てもこんな顔だったっけ?とあやふやな記憶、「そうそう、これこれ!このシーン」と確信も持てず…。
だってここに写真が載っていても、本編で使われている画像かどうかわからないし、実際に出演してるかどうかも謎だし…。だって左から3番目、上から4番目の「韩庚饰邓小平」、花を持ってるシーンなんてなかったよね?私が見過ごしただけなんだろうか…。もう一つ、張家輝の名前があるんだけど一体どこで出てたんだろう?

ってかね、"2011東京・中国映画週間公式HP"に記載されてる出演者が劉、陳坤、張震の3人になってる。劉はわかる。でもあとの2人は…ちと微妙。有名出演者が多すぎるのはわかりますが、陳坤(この映画で初めて知りました)、張震(出番少ないうえナース役のシスター姿)が主要人物に名前を連ねているのはなぜ…。役名が有名だから??←いや、わかんないけど^^;

と、出演者のことばかり書いてますが、時代背景を全く知らないので内容にピンとこないんですの~(><)。中国歴史にかなり疎い私でも名前だけは知ってる人が何人かいたのですが、やはり時代背景をちゃんとわかってないと内容やストーリー展開を理解するにはキビしかったというのが正直な感想です(悲)。

出来事をその都度字幕で説明してくれてるのですが、その説明が簡単すぎて私にはただ単に時代の流れを見てるだけだったかもです。中国歴史に興味がある人や、知ってる人には面白く観れるのではないでしょうか?なのでストーリー云々より、途中からは知ってる俳優さん探しに重点を置いて観てました。といいつつ、俳優さんもさほど詳しくないので(特に中国の俳優さん)こちらもあやふや~。ははは

残念だったのは、出演者が超多いのに舞台挨拶がなかったこと(TT)。これだけスターが出てるんだから1人ぐらい来てくれても良かったのになぁ。ホント残念!

ぜひ日本語版DVDを出して欲しい!一時停止してじっくり出演者さんたちのお顔を見たい!もし日本語版DVDが出るなら、今度こそ、今度こそ!それまでにこの時代の歴史の勉強をしようと思います!今月、一般公開される『1911』を観に行こうかと思ってるのですが、なんかこちらも勉強不足で理解不能な感想になってしまいそうな予感が~( ̄0 ̄;)

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