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「マリアビートル」 伊坂幸太郎

『マリアビートル』

マリアビートル

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:角川グループパブリッシング





<簡単なあらすじ>
"木村"は6歳の息子をデパートの屋上から突き落とし重傷を負わせた中学生"王子"に復讐するため、彼が乗っている東京発盛岡行きの東北新幹線はやとに乗り込む。"蜜柑"と"檸檬"はある人物からの依頼で、人質に取られた息子と身代金を取り返し、盛岡まで護送中するためはやとに乗車。"七尾"はある乗客のトランクを盗み、次の駅で降りるだけという仕事のためにはやとに乗り込む。彼らを乗せた列車は東京を出発。それぞれが自分のやるべきことを遂行しようとするが、事態はとんでもない方向へ動き出す。

<感想>
同じ列車に乗り合わせた同じ裏家業の者たちが、各々依頼された仕事をするために集まり繰り広げる騒動、それをはたから見て楽しんでいる中学生の王子によるドタバタ劇。続編というわけではなさそうですが、『グラスホッパー』と同じ殺し屋さんたちの話。
『グラスホッパー』に登場していたと思われる人物の名が出てきたり、実際登場したりするのですが、この本の内容をあまり覚えてないかも…。名前は覚えてるんだけどその人にまつわるエピソードは殆ど覚えていない…。過去に書いた自分の『グラスホッパー』の感想を読んで、鈴木だけはどんな役どころだったのか思い出せたのでよかった^^

元殺し屋で少し前まで酒浸りだった"木村"、機関車トーマスをこよなく愛する"檸檬"、小説が好きな"蜜柑"の2人は腕の立つ殺し屋、関わると物事が必ず裏目に出てしまうという不運にとりつかれた殺し屋"七尾"、そして大人を見下した悪魔のような中学生"王子"。この独特の個性ある登場人物だけでなく、他にも乗り合わせている一般客、怪しげな客なども巻き込んでストーリーが進んでいくのですが、ほぼ車内の中での話で、果物コンビが持っているトランクがあっちに行ったりこっちに行ったり。軽妙な会話とともにドタバタと次の駅へ。次第に殺し合いに発展。

今回、殺されてしまう人が何人かおり、なかには濃く、なかにはあっさりやられてしまうので「あの人が…うっ(悲)」と感傷に浸るヒマもなく次の展開へ進んで行きます。

殺し屋さんって寡黙なイメージあるけど、今作品に登場する殺し屋さんや彼らに関係してる人たち、みなおしゃべり好きだねー。読んでいて楽しい会話が多いのですが、殺し屋さんたちなので当然物騒な話もするわけで。もちろん大声で話してるわけはないですが、コソコソ話って感じでもなく普通に話しをしている感じ。ここまでいろいろとおしゃべりしてたら周囲にいるお客さん一人ぐらいに話が漏れててもおかしくないと思うんだけど^^;

今作品を読んで、以前の伊坂節が戻ってきたと思われてる方が多いみたいですが、私もそう思いました。最近、何冊かはちょっと違った感じでしたもんね~。関係ないと思われていた人物や多少関係ある人物が最後に繋がっていく様、多数の伏線が回収されていく様、テンポよいストーリー、意外な展開。伊坂さんの本を読むといつも同じような感想になってしまうのですが、読み終えたらホントそう思うんだからしょーがない。

七尾の不運さは脱帽もの。ここまでくると何かに取り憑かれているしか思えない。といいつつ特技は首折って…。実はやり手なんじゃないの~?桃の口から語られる七尾の性格を知り納得。
機関車トーマスは奥深かったのね。。キャラクターの特徴文みたいなのがうまく活かされててちょっと感動しちゃった。檸檬が好きなのもわかるような気がする。

木村夫妻は孫が可愛すぎて息子の子とは思えない、隔世遺伝だとかなんとか言ってましたがよく考えたら一緒じゃんwでもまぁ似るんだったら祖父母に似た方がよさげかな。自分を最強に幸運だと思っている王子、自分を最強に不運だと思っている七尾。この2人が重なった時、一体どちらに軍配があがるのか。ってか最後の七尾の見せ場のシーン、こんなありえない偶然って…びっくりしちゃった。

終盤で意外な人物がシメてくれたのには爽快!これがあったから読後にイライラ感が残らずにすんだかも(笑)。今作品で生き残った人たちにまた何かの小説で会えるといいなー。

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「『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために」 

「『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために」 

「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために

 著者:ポスタル・ノベル編
 出版社:双葉社 Postal Novel





タイトルどおり、伊坂幸太郎さんの著書『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむことができる本です。内容は以下のようになってます。


・「伊坂幸太郎 ロングインタビュー」
・「解説<あのバス>の行き先」 門賀美央子
・「グッド・バイ」 太宰治
2010年4月に仙台で門賀美央子さんからインタビューを受けた伊坂氏。まずは『バイバイ、ブラックバード』を書くに至ってのいきさつや、太宰治著書『グッド・バイ』へのオマージュ作品と言われることについて語ってくれてます。そして伊坂氏本人が語る「自分らしい小説」、ゆうびん小説で連作短編を仕上げるに至ってや、『バイバイ、ブラックバード』の各話解説までしてくれちゃってます。内容についてここまで詳しく解説してくれるなんて、なんか副音声(監督の解説付き)を聞きながら映画を見るような感じ☆
このインタビューでは伊坂さんによる<あのバス>の話も。なるほど。ある事柄についてどこまで説明しどこから読者の想像に任せるのか判断するのは難しそうですが、伊坂さんによるとどこを残しどこを削るかは作家の技術や感性、そして個性が出るところだと。

気になった箇所が一つ、『死神の精度』が映画化された時の話。小説を書いた時に、これだけは守ろうと思って書いた部分が映画の台本ではそれが崩されたそうな。詳しくは書かれてませんが、完成した映画の中では結局崩されたままのなってるのかしら。まだこの映画版は観てないので、もし観る時はこの辺りを意識してみよう。

びっくりしたのは実は伊坂氏本人、連作短編という形式があまり好きではないということ。言われてみれば確かに『死神の精度』『終末のフール』以降ないかも…。そうだったんだ。でも理由を聞くと納得。私は伊坂さんの著書の中で『死神の精度』と『終末のフール』はベスト5に入れたいぐらい好きな本。またいつか満足のいく連作短編を書いてほしいですものです。

「解説<あのバス>の行き先」では、一見共通点がなさそうにみえる太宰治氏と伊坂幸太郎氏に、唯一共通する一つのキーワードについて門賀美央子さんが語ってます。今まで伊坂さんの著書を結構読んできたのにそんな重いテーマが根底にあっただなんて…。言われて「ホントだ!」と納得。ユーモアや軽妙さばかりに気を取られて現実的なその重いテーマを私はあまり深く考えてなかったかも。

そして、この100ページに満たない1冊の中に太宰治氏の『グッド・バイ』が収録されてます。この作品にインスパイアされてるとわかっていても、実際『グッド・バイ』を読んだことがなかったのでものすごく嬉しい。太宰さんの作品って学生の時に何冊か読みましたが、当時の私は"太宰治=暗い”というイメージしかなかったので、まさかこんなにユーモアがあって洒落っ気のある内容だなんておどろき~。個人的には超美人のキヌ子が言い放つ「おそれいりまめ。」というダジャレが好き。繭美もキョーレツなキャラだったけど、キヌ子も負けてないぐらいのキャラ。が、未完で絶筆となったため途中まで。これからが見せ場!というところで終わっており残念極まりない。

伊坂さんの普段聞けない内容満載のインタビューだけでなく、太宰治氏の『グッド・バイ』まで読めるなんてこの1冊はなかなかよいです☆しかも630円だなんてなんか得した気分。って私、図書館で借りてきたんだった。

「台北の朝、僕は恋をする」

『台北の朝、僕は恋をする』  一頁台北  AU REVOUR TAIPEI   

一頁台北

製作年:2009年
製作国:台湾/アメリカ
監督・脚本:アーヴィン・チェン(陳駿霖)
製作総指揮:ヴィム・ヴェンダース
出演者:ジャック・ヤオ(姚淳耀)、アンバー・クォ(郭采潔)、ジョセフ・チャン(張孝全)、クー・ユールン(柯宇綸)、カオ・リンフェン(高凌風)、ポール・チャン(姜康哲)、トニー・ヤン(楊祐寧)

<簡単なあらすじ>
彼女がパリに行っってしまい、カイは台北で両親の店を手伝いう日々を過ごしていた。彼女のいない台北は寂しく、本屋に行っては座り込んでフランス語の勉強をしていた。店員のスージーはそんなカイに興味を持ち、2人は顔馴染みになり会話をするようになる。ある日、久しぶりに彼女から電話がかかってきたあとカイはパリへ行く決心をする。だがお金がないため両親の店の常連客である不動産屋のパオに相談。航空チケットを用意してくれることになったが、それと引きかえに怪しげな小包を運んで欲しいと頼まれる。だがそれを持っていることで追いかけられるハメに…。翌朝フランスへ発つカイは小包をちゃんと運ぶことが出来るのか?

<感想>
台北の夜の街中を描きつつ、初々しい恋も描きつつ、刑事に追いかけられるという話。どうしても彼女のいるパリに行きたいけどお金がない。そこで相談した裏のカオを持つパオに相談し、運び屋まがいのことをしたことで事態は予想もしない方向へ。

不動産屋で働くホンは、カイと伯父であるパオの話を盗み聞き小包を横取りしようと計画。そんなことを露知らずのカイはある男から小包を受け取り、翌日の朝便でフランスに発つため友人のカオと最後の食事をするため夜市へ。そこでスージーと偶然出会い3人で行動することに。が、ホンの部下がカオを連れ去り、小包をカイに渡した男を追っていた刑事はブツの手渡しがあったと思いカイを追いかける。一緒にいたスージーをも巻き込んで…。なんかちょっと変わった追跡劇の始まりです。

この追いかけっこは、追いかけられる方は真剣なんだけど、追いかける方はどこかギャグっぽく見え緊迫感はないです。つかまった友人のカオはいつもボ~としていて感情の起伏がなく、連れ去ったホンの部下たちに恋愛相談。なんだかんだとアドバイスをもらったりなんかしてw カオ自身の恋愛もちょっと盛り込まれてるんですがこちらの結末は…。うん、カオらしい。どこかほのぼのとしているカオくん、密かにいい味出してます☆

本屋の店員役の郭采潔ちゃん、最初は何とも思わなかったのですが時間が経つにつれ、チャーミングさがわかってきました。目を見張るような可愛さではなく、身近にいそうな感じなんだけどキュートさが際立っているというかなんというか…まぁそんな感じかな。このスージー、カイ、カオの3人は初々しくって良かったです♪刑事役の張孝全、これってカツラだよね??一瞬、川崎麻世に見えちゃった。楊祐寧もちょこっとだけ出演してました。

何かの監督インタビューで読んだのですが、台北の街=スージーという感じで描かれてるそうな。大切なものは身近にあるという。カイは彼女のいるパリに行くことばかり考えてますが、一日の出来事で自分の求めているものはすぐそこ、自分の住んでいる街、台北にあるんだよと。

ということで誠品(本屋)、夜市、MRT、コンビニ、屋台、公園など台北らしい夜の街中が描かれていて魅力もたくさん。本屋での空間はオシャレな雰囲気、不動産屋の中は昔風、夜市や公園はイメージ通りの台湾という感じ。ホンが小包を横取りしたはっきりとした理由は最後までイマイチよくわかりませんでしが、全体的にユルい雰囲気でところどころ変なおかしさがある可愛らしい作品でした☆

「『一万年愛してる』と台湾映画の現在を語る」 <大阪アジアン映画祭2011>

特別交流イベント 『一万年愛してる』と台湾映画の現在を語る     

監督の北村豊晴さんと同プロデューサー・映画評論家ペギー・チャオさんが『一万年愛してる』のメイキング・秘蔵映像を上映しながら、映画の裏話、台湾映画について話してくれるという交流イベントが大阪歴史博物館4F講堂であったので行ってきました!実際の流れとしてはメイキングを見ながら監督とペギー・チャオさんが映し出されたシーンのエピソードを語ってくれました。
※会場では動画はNGだけど写真はOKでした☆

『章魚篇』では蜜柑ちゃんが酔っ払ったらタコみたいになっちゃうというシーン、『橘子篇』では「我很大!」というセリフについて、『脚踏車篇』では自転車シーンでの苦労話、『JUDY姐篇』では大家さんを演じた納豆さんという人物について、『嘿咻舞篇』ではよいしょ踊りについて、『奇峰篇』では仔仔が「愛你一萬年」を歌う後ろで踊っているダンスとその時の様子について、『監督インタビュー』では撮影期間やインタビュー内容を振り返って…などなど。何か抜かしているかもしれませんが、大体こんな感じだったかなと。その中で特に印象に残っている2つの感想を。

『JUDY姐篇』
JUDYと書いてるうちから笑けてきちゃう(笑)。大家さん=JUDY姐役を納豆さんという方が演じてるのですが、監督いわく次長課長の河本さんのような位置づけの方なんですって。彼が出たら笑いが起こるぐらい面白く、そしてめちゃ女好きだってw今作品では友情出演みたいな感じで、納豆さんが出演してくれるのならどんな役でもよかったそうです。

『嘿咻舞篇』
ちょっとぽっちゃりした4人がはっぴみたいなのを羽織り躍ってるシーン。本編では主演2人が太鼓を叩いてるシーンもあり。日本語に訳すと「よいしょ踊り」で撮影は一般住宅で撮影したとか。振りは有名なクラシックバレエの先生にお願いしたそうで、監督が言うにはちゃんとダンスをしてる人に映画の中のくだらない踊りをやってもらうことに意義がある!って。


今作品はキス以外のラブシーンはなく、主役2人はそれ以上の進展はないという設定。で、ピンクフィルムを撮りたかった監督は(本人いわく過去形ではなく今現在もらしい。ってかピンクファイルを撮りたいというのがネタなのか本気なのかよくわかりましぇん…)、何かそれにかわるものをしたかったらしく、踊りの中にエビやホタテ、駅弁などを挿入しちょっとずつエロちっくな演出をしてたそうです。そんな意味があったとは!ただ単に踊ってるだけかと思いきやちゃんと意味あるシーンだったのね~。やっぱこの交流イベントに来て監督自ら説明が聞けてよかった。

Q&Aで、「泣く泣くカットしたシーンはどこですか?」というのがあったんですが、実は奇峰の両親に会いに行くシーンがあったんですって。その流れでピンクのスーツが奇峰の手元にきたそうで。あ~、言われなければ気にならないけど言われたら気になる~!是非そのカットしたシーンをメイキングやカット集などに入れてDVDを発売してほしいですね~。このDVD発売にあたっての話もあったかな。

特別交流イベント

最後に、このイベントに来られたお客さんの中には今作品の台湾ロケのエキストラに参加した方が数名いらっしゃり、監督はその方たちに持ってきていたお土産(ポスターなどの作品関係もの)を配ってました。遠方から来てくれたエキストラの方々にお土産を渡したい気持ちはわかりますが、正直言ってそれならロケ地で渡せばよかったんじゃないかと。会場に来られているお客さんは同じ料金を払い会場まで足を運んだ映画ファンや監督ファンの人たちで、大半はエキストラに参加していません。なのでこの場で台湾ロケ地に参加した限定の人たちだけへのプレゼントは場違いのような気がしました。その後、Q&Aで質問した方、やジャンケンに勝った人たちにプレゼントがあったのはイベントならではなので大いに良いと思います。
監督は面白い方だし映画もとっても面白かっただけにこれだけが残念!

「恋人のディスクール」 <大阪アジアン映画祭2011>

『恋人のディスクール』   戀人絮語  LOVER'S DISCOURSE  

戀人絮語

製作年:2010年
製作国:香港
監督:デレク・ツァン(曾國祥)/ジミー・ワン(尹志文)  
出演者:カリーナ・ラム(林嘉欣)、イーソン・チャン(陳奕迅)、ケイ・ツェー(謝安)、エディ・ポン(彭于晏)、エリック・ツァン(曾志偉)、キット・チャン(陳潔儀)、メイビス・ファン(范曉萱)、ジャッキー・ヒョン(向佐)、ウィリアム・チャン(陳偉霆)、カルロス・チャン(陳家樂)

<簡単なあらすじ>
・互いにパートナーがいる友人同志の男女が飲みに行ったあと自分の気持ちを互いに伝える。その後、2人はそれぞれパートナーの元へ戻るが…。
・クリーニング屋の阿芝は常連客の黎のことが気に入っており、いつも自分と彼が登場する物語を空想していた。
・12年前、黎の家庭によく遊びに来ていた友人の梁寶晴は、黎の母親に恋焦がれているが…。
・パートナーが浮気してると確信した女性は、その浮気相手のパートナーである男性に連絡を取り、それぞれ浮気相手のあとをつけることに。結果的に出した答えとは…。

<感想>
4つのストーリーが繋がっているオムニバス作品。最初は林嘉欣と陳奕迅が演じる男女の話。2人の会話からそれぞれパートナーがいる友人同士といった感じで、互いに気になる存在らしく今後どうなっていくの?と思っていたら次の話へ。4つの話から成り立ってるのですが、その都度タイトルが出るわけではないので林嘉欣と陳奕迅の話が中途半端で「あれ?これで終わり?」と思っちゃいました。でも心配無用。

で、次の話。范曉萱演じるクリーニング屋が彭于晏演じる歯医者の男性を想い、自分と彼主演の恋愛ドラマのようなものを空想、ある映画をパロディしたものもありコレらが結構面白い!会話だけがなぜか現実的だし。でも自分自身は化粧もバッチシで出演しているのに、相手はどうしてあんな姿なの~(笑)。いい意味でバカバカしくて笑えました。

次は12年前のこと。1人の青年が友人である黎の母親に恋焦がれるとう話。陳潔儀が母親、曾志偉が父親を演じてます。これまた違う話なのかと思いきや違った^^;友人の母親が気になるわけですが、これだけ綺麗な母親だったらそりゃ気になるのもわかるような気がする。高校生ぐらいの年齢なら母親がまだ30代でもおかしくないですもんねー。うん。

そしてラストの話。パートナーに浮気されてる者同志が結束(←結束というほど固いものではないけど)。ここまで来て全体的に話が繋がってることがわかりました。なるほどね、ここで浮気されてる側が描かれてるんだ。

前半2つは甘い(?)恋の話で、後半はサスペンス調みたいな感じになってて雰囲気がかなり違いました。今までと変わらぬ生活の人、元の生活には戻れない人、結末はそれぞれ。2つ目の作品だけ趣向が違いちょっと浮いてる感はありましたが、この話がなかったら笑いのないどちらかと言えば暗い作品になっていたかも。


上映語に2人の監督:曾國祥と尹志文のQ&Aがありました。(ちなみに曾國祥は曾志偉の息子さん)今作品は4つのストーリーから成り立ってますが、本来は9つ考えてたそうで関連性がなかったため4つにしたそうな。そしたらいい感じに関連性が持てたとか。
観客席から「范曉萱は北京語話しているのに、彭于晏はなぜ広東語(吹き替え)なのか」という質問。2人とも台湾出身だもんね、私も思ってました。彭于晏の広東語になんか違和感が…。監督いわく、台湾女性が香港男性と付き合うときは北京語を話す。彭于晏は次のストーリーのこともあり影響があるので広東語になったとのこと。

次の質問「最後のシーンにはどのような想いが込められているのか(どのような意味が)?」といった内容だったと思うのですが、この質問者さんの意味がわかりづらく進行役の方も通訳の方も手こずってらっしゃいました。特に通訳さん、「難しい…」と前置きした上で通訳、そして最の語尾に「…かな?」って疑問詞付けてたし…。

最後の質問は「2つ目の話で范曉萱は空想の世界ではメガネをかけてないのに、現実ではメガネをずっとかけてて一度も外さなかったのはなぜ?」。これは空想の世界では自分をキレイに仕立てているのでメガネをはずしているとのこと。

あまり覚えてないのでところどころ間違ってるかもしれないですが、大体こんな感じだったかなー。全部が全部じゃないですが、質問がわかりづらかったり、通訳さんが質問者さんの言おうとしていることを理解してなかったりとなんかちょっぴりグダグダなQ&Aでした^^;
最後に監督お2人のサイン会があり公式パンフに書いていただきました。次作も楽しみにしてまーす☆

「単身男女」 <大阪アジアン映画祭2011>

『単身男女』   單身男女   DON'T GO BREAKING MY HEART

單身男女

製作年:2011年
製作国:香港
監督:ジョニー・トー(杜峰)
脚本:ワン・カーファイ(韋家輝)
製作:ジョニー・トー(杜峰)/ワイ・カーファイ(韋家輝) 
出演者:ルイス・クー(古天樂)、ダニエル・ウー(呉彦祖)、カオ・ユァンユァン(高圓圓)、ラム・シュー(林雪)、テレンス・イン(尹子維)

<簡単なあらすじ>
蘇州から香港に仕事できた程子欣は、バスの中で偶然に元彼と出会いちょっとしたいざこざに。バスを降りてから車に轢かれそうになったところ、みずぼらしい格好をした男性:方啓宏に助けてもらう。この男性は建築家で今は自信を失い酒の入った瓶を持ちフラフラと街を歩いていた。その後、偶然スーパーで出会う2人。この出会いから仕事のインスピレーションが湧き彼女が気になり始める。一方、程子欣は向かいのビルから何かしらメッセージを送ってくる男性が気になり始めるが、この男性:張申然はとんでもなく女好きで程子欣は我慢できないでいた。3年後、程子欣の新ボスとして張申然が現れる。そして張申然が居たビルには新たな会社が入りそこには…。香港の金融街を舞台にしたラブコメディ。

<感想>
大阪アジアン映画祭で楽しみにしていた作品の一つ。簡単に言えば三角関係で、程子欣は方啓宏と張申然、どっちの男性を取る?というストーリー。といったわかりやすいストーリーなんですが、私には展開が唐突すぎてちょっと置いてきぼり感が…。よくわからない三角関係で程子欣の気を引こうと2人とも必死。

ビル越しにやりとりはあったものの直接面識がなかった2人。そのやり取り上の勘違いからいきなり相手の会社の中まで乗り込む?せめて会社の前で待つとか…。そしてそこまで好きになっちゃうものなの??なんて言ったらいいんだろう、好きになる展開・結婚まで考えるタイミングが早すぎるような気が。そこまで好きだったの?!とびっくり。

張申然のバカ正直さ、やきもちからくるわかりやすい言動には笑けてくるのですが、程子欣の部屋でした数々の行動は実にくだらない~(笑)。そんなダサダサなことをされて好きになる女性なんて…いるんだなこれが。ダサダサさ、結婚するまでの道のりの不自然さはわざとこういう演出にしているのかな?

今作品を絶賛されてる方の感想を拝見してると「そこがよいのか~。あっ、そういうシーンがトー監督らしいんだ」と新たな発見はありました。ユーモアがあり面白いシーンも多々あったけれども、トー監督だと個人的にはラブコメ含む恋愛ものよりノワールものの方が好きかも…。決して嫌いなわけでなく香港のラブコメは好きなんですが、今回は私好みのラブコメではなかったかも。。観終わった後には拍手が結構あったし絶賛されてる方も多い今作品、それにあまり同調できなかった私の感性はズレてるのかしら…。なんか不安になってきた…。ロマンチックなラブコメとして受け取れなかった私は心がすさんでいるのか?!ガーン!!

そういや『ターンレフト・ターンライト』みないなシーンがあったような…?こちらもトー監督と韋家輝がタッグを組んだ作品だけにだけにちょっとは意識したのかな?

程子欣演じる高圓圓が時々松嶋奈々子に見えたり長澤まさみに見えたり。泣いたり笑ったりころころ表情が変わり魅力的な女優さん。一方、呉彦祖は最初誰だかわからなんだ~。髪型だけであーも雰囲気変わるもんなのね。林雪は程子欣の上司(同僚?)役で登場。スーツ姿のこの役どころも私には違和感が…。というよりね、全体的にキャスティングも個人的にあまり好みじゃなかったです。それぞれ俳優さんは素晴らしい方々で好きなのですが、今作品ではもっと役に適した俳優さんがいたんじゃないかとちょっと思ったり…。

好き勝手なことばかり書いてしまい、トー監督通の方から「ジョニー・トーの良さを君は全く理解していない!」ってお叱りを受けそうです(ホントすみません)。トー監督のラブコメを理解するにはまだまだひよっこな私、もう一回観たら今作品の良さがわかるかな?

「ドリーム・ホーム」 <大阪アジアン映画祭2011>

『ドリーム・ホーム』   維多利亞壹號  DREAM HOME

ドリーム・ホーム

製作年:2010年
製作国:香港
監督:パン・ホーチョン(彭浩翔)
出演者:ジョシー・ホー(何超儀)、イーソン・チャン(陳亦迅)、ミシェル・イェ(葉育萍)、ローレンス・チョウ(周俊偉)、ノーマン・チョイ(徐少強)、デレク・ツァン(曾國祥)、鮑起静

<簡単なあらすじ>
父親と弟と暮らすチャンは、ビクトリア湾が見える高級マンション「ビクトリア№1」を購入するため、昼は銀行のコールセンターに勤め、夜はショップ店員として一生懸命働き貯金していた。子供の頃の記憶から海が見える家に住みたいというこだわりがあり、また母親に家を買ってあげると約束してたのに守れなかったこともあり、どうしても買い時の今、手に入れたいと思っていた。だが現実はアスペスト公害に苦しむ父親の手術費用が払えず途方に暮れる。やっとのことでマンションの頭金がそろい契約しようとした時、株式市場の高騰により売り主が契約をキャンセルし値を上げてきた。突然夢を絶たれたチェンだったが、どうしても「ビクトリア№1」を手に入れたいがために想像もつかない行動に出る。

<感想>
部類としてはホラー映画。ですが背景には高騰する地価が関係しており、社会風刺作品にもなってます(←一応)。上映前に監督が登場し、「本当にあった話なので真剣に観てください」とおっしゃってたので真剣に観ました!目を逸らさず観ましたよ!

今作品は結構スプラッターしており観てて痛々しかったので、ホラー映画としては個人的にGOOD!上映後にパン監督、脚本・ラインプロデューサーのデレク・ツァン(映画の中にも登場)とジミー・ワンが登場しQ&Aがあったのですが、そこで観客からの質問の問いかけに、「リーマンショック後、香港人はみな家を買えなくなってしまったという社会風刺を描きたかった。あんなに苦労して手に入れたのに、もうちょっと待てば安く購入できたかもしれないのに、あんな無駄な努力をする必要はなかったかもしれないのに、というのを描きたかった」とのこと。いわく付きでもいいから家が欲しいという香港人が増えてるということも現実にあるんですって。なるほど、そういうベースがこの作品にはあるんだ。

ならばなぜあんなグロいスプラッターにする必要があったのか?という問いに対し監督が言った言葉。「確かにあそこまでする必要はなかったと思う。自分がスプラッター好きなので趣味でつくってみた」とのこと。…パン監督、あなた面白い!社会風刺をあそこまでグロくしちゃったあなたはすごい!

スプラッター好きとあってかなりエグいシーンもあり監督のこだわりが感じられます。Q&Aで監督がとあるシーンについて語ってられました。それはそれはかなり熱く語られてました。。でもね、ソレ、女性がブログに書ける内容では…ちとないかも。監督はいたって真剣で、そのシーンは一生懸命苦労して作ったのでじっくり見て欲しいとのこと。わかりました。また観る機会があればそのシーンをじっくり観察したいと思います。

グロさは良かったとは思うのですが、途中、時代が戻ったりさかのぼったりしてて、その年代がバラバラだったので時系列を整理するのにちょっと迷ったかも。弟をずっと息子だと勘違いしており(だって弟がかなり若く見えたんですもん^^;)、チェン自身が結婚してるのか独身なのかよくわからず、父親登場でやっと家族構成がわかった始末。

と、なんだかんだと言いながらもホラー・スプラッター好きな人にはそこそこいい感じの作品じゃないかなと。嫌いな人は観ない方がいいかも…。ストーリー的には把握しにくい部分があるかもしれないですが、ラストまで観終えるとどうしてこんなことをしたのかという全貌がはっきりと見えてくるはず。結局は冒頭にもあった"イカれた街で生き残るのは自分がイカれるしかない"ってことなのね。今作品ではイカれるどころかかなりぶっ飛んだ主人公ですが…。

「一万年愛してる」 <大阪アジアン映画祭2011>

『一万年愛してる』   愛你一萬年  LOVE YOU TEN THOUSAND YEARS

一万年愛してる 

製作年:2010年
製作国:台湾
監督:北村豊晴 
出演者:ヴィック・チョウ(周渝民)、加藤侑紀、ワン・ユエ(王月)、納豆/林郁智、三村恭代、ハオ・レイ(郝蕾)


<簡単なあらすじ>
台中、バンドをしている奇峰(チーファン)がある店で歌っていたところ、酔っ払った橘子(みかん)に絡まれ演奏を中断させられてしまう。後日、偶然に同じバス乗り合わせた2人はいつしか付き合うことに。だが奇峰は今まで彼女と3ヵ月以上続いたことがなく、橘子は語学を勉強するため3ヵ月しか滞在しないということもあり3ヵ月限定で付き合うことに。互いの恋愛癖からいざこざを避けるために延長なし、守れなかったら違約金発生ありの契約まで結ぶ。エアコン欲しさにあるテレビ番組に出演した2人、だがそこで互いのことをまったく知らないことに気付く。そして一緒にいるうちに互いの欠点が見えてき出し…。期限が近づいてきた頃、橘子は奇峰が元カノといるところを目撃してしまう。2人はこのまま別れてしまうのか?

<感想>
チケット発売日に即完売になった今作品、追加発売で無事チケットゲットし観てきました♪殆どが女性客で男性は数えるほどしかいなかったかも…。おそるべし仔仔人気。

最初、奇峰と橘子の出会う直前までのそれぞれの恋愛劇が交互に描かれ、画面がめまぐるしく変わりあれよという間に舞台は台中へ。最悪な出会いをした2人なんですが、偶然同じバスに乗り合わせたことで付き合うことに。この2人とってもお似合い!橘子役の加藤侑紀さんは初めて見たのですが、画像やポスター画より動いている映像の方が断然可愛い♪とっても魅力的でチャーミングで若かりし頃の浅野温子さんにそっくり。←ホント似てるです!

全体を通してとっても可愛い作品!そして面白い!!自転車2人乗りしてる時にうわずった2人の声や心の声なんて可愛いすぎ~。女装した大家さん(JUDY姐)も面白すぎ。←『第四張畫』に出てた少年の友達役の方ですよね??違うかな。忘れちゃいけないハオ・レイちゃん、今までの作品と違い大人な役だったから最初どの役かわかんなかったよ^^;
別れセミナーがあったり太鼓を叩いたりするシーンも面白い!特に浴衣を着て太鼓を叩くシーンには笑ったw仔仔の動きというか踊りがなんとも言えない~。そういや全体的に踊ってるシーン多かったかも。

台湾に来た頃は中国語もたどたどしかったんですが、奇峰と付き合うようになり語学力がめちゃ上達しておりびつくり。3ヵ月だけでこんなに上達するなんて羨ましすぎ(もともと演じている加藤侑紀さん自身が語学堪能らしいです)。やっぱりネイティブな言葉を話す彼氏を現地で見つけたら上達も早いってことかしら。。でもちゃんと紙に契約書を書いて別れを前提に付き合うってどーよ?!

全てがハッピーに行くのではなく、奇峰の夢(というか理想的幻想)も交えて描かれておりどこか現実的なシーンも。といっても出会い、付き合う過程、ラスト近くはとんとんとーんって感じて進んでいくわけですが。。

タイトルにもなってる『愛你一萬年』は奇峰のバンドが歌う歌のタイトル。これは沢田研二さんの『時の過ぎゆくままに』のカバーなんですがロック調もなかなかいいもんです♪でも字幕の日本語訳を見てるとオリジナルとは違うのね。カバーの歌詞は今作品の内容にピッタリだなと。

そうそう、気になったことが2つ、奇峰は昔の何かを引きずってるようなことを言ってたような気がするんですが、結局なんだったんだろう??説明あったっけ?もしや私見逃した?それと白い手袋=台湾ダンス ←これって何だろう?

観終わったあと、めっちゃ台湾に行きたくなっちゃった。できることなら留学して現地で彼氏を見つけて語学力上達…なんて今作品観てこう思った女性は多いはずwこの映画のロケ地巡りも楽しそうだわ☆台湾に来たら台湾ビール飲まないと!というシーンがあったのですがまさしく同意!あ~台湾行きたい!

日曜日に行く特別交流イベント「『一万年愛してる』と台湾映画の現在を語る」で、監督と同プロデューサー・映画評論家さんが『一万年愛してる』のメイキング・秘蔵映像を上映しながら、映画の裏話、台湾映画について話してくれるそうなのでこちらも楽しみ!

「ジョニー・トーは戦場へ行った」 <大阪アジアン映画祭2011>

『ジョニー・トーは戦場へ行った』   JOHNNIE GOT HIS GUN!

ジョニー・トーは戦場へ行った

製作年:2010年
製作国:フランス/香港/中国
監督:イブ・モンマユー 
出演者:ジョニー・トー(杜峰):リッチー・レン(任賢齊)、サイモン・ヤム(任達華)、アンソニー・ウォン(黄秋生)、レオン・カーフェイ(梁家輝)、ルイス・クー(古天樂)

<簡単なあらすじ>
ジョニー・トー監督の撮影現場に約4年間密着し、トー監督のインタビューをはじめ、作品関係者、出演者たちへのインタビュー、撮影風景等々を描いた1時間ほどのドキュメンタリー。

<感想> ネタバレあり
このドキュメンタリーの監督はフランスのイブ・モンマユーで、大阪アジアン映画祭のHPによると三池崇史監督や韓国映画のドキュメンタリーなどを作り続けているアジア映画通なんですって。へ~、知らなかった~。作品が始まる前にその監督からのメッセージ映像が1分ほど流れるのですが、雪をバックに夕張からの模様。ってことは「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」には行ってたってこと??

様々な映画の映像や撮影現場を入れながらトー監督のインタビューが始まります。挿入されていたのはおそらく以下の作品。(もしかしたら間違ってるかも…)

・『ブレイキング・ニュース(原題:大事件)』
・『PTU』
・『スリ (原題:文雀)』
・『エグザエル(原題:放・逐)』
・『ザ・ミッション(原題:鎗火)』   
・『奪命金』


インタビューを受けていたのは ↓(もしかしたら間違ってるかも…)

・ジョニー・トー(杜峰):広東語
・リッチー・レン(任賢齊):英語
・サイモン・ヤム(任達華):英語
・アンソニー・ウォン(黄秋生):英語
・レオン・カーフェイ(梁家輝):広東語?
・ルイス・クー(古天樂):広東語
・音響監督
・撮影監督


葉巻をくゆらすトー監督、「香港で撮影することは簡単ではない。見せたくないのを隠さないといけない」と。だろうね~。狭い街だし車も人も多い。遮断するのは大変だと思うよ。その代わりロケ地巡りは他の国と違って比較的すぐ見つけられそう♪(←香港でロケ地巡りは一回しかしたことないので実際はわかりませんが^^;)

撮影にはアングルやコントラストのこだわりがあるようで、その辺のことも語ってました。80~90年代の香港映画のことをみな同じように感じ、自身のオリジナル映画が撮りたいと思いミルキー・ウェイを設立したとか。香港で育った監督の香港映画に対する想いも語られてました。父親の仕事の関係で小さい頃から映画を観る機会が多かったらしく、アメリカ映画から影響を受けたが、あちらも香港映画に影響を受けてるだろうとも。『荒野の用心棒』を観て、映画の魔法(だっけ?)を知り映像制作に感動したそうです。ツイ・ハーク監督やジョン・ウー監督と製作現場は似ているかもと言ってたような…。そういやスコセッシやコッポラの映画の影響も受けたとか。

サイモン・ヤムのインタビューは長く、『エグザイル(原題:放・逐)』での解体2ヵ月前のマカオでのホテル設定撮影場所を案内。撃ちまくってもなかなか死なないクライマックスシーンがあの音楽とともに流れると映画を思いだしちゃうよ。「実際にあるホテルは我々を受け入れてくれなかったのでセットなんだ」って言ってました。身内や友人に警官が多いらしいのですが、情報は彼らには聞かず自分で調べるようなことも言ってたような?あと監督はこちらの予定おかまいなしに「明日来い!」って言うそうな。頭痛くなりそうだけどそういう監督が好きなんですってw

アンソニー・ウォンはトー監督のことを充分に理解しており、彼が何を要求しているのかわかると。もしその要求と違うことをしたらきっと彼は叫ぶよってなことを言ってました^^
リッチー・レンは撮影現場でのエピソード、ルイス・クーは…何を言っていたのか覚えてません…インパクトあるサングラスをかけてたことだけは覚えてるんだけどw

最後は「もし映画監督になってなかったら?」というのに答えているトー監督で終了。ドキュメンタリーといえども1時間はあっという間でした。個人的にフランシス・ンやラム・シューのインタビューも聞けるかと楽しみにしてたんですがありませんでした(TT)。
インタビューに答えてなくてもトー監督の作品が挿入されてるので、画面だけには映ってた俳優さんは多々。おそらく挿入された画で1番よく映ってたのはラム・シューかも☆

私はトー監督についてまだまだ初心者域なのでよくわかりませんが、今回のドキュメンタリーで話している映画へのこだわり、制作過程、香港映画への想い、影響を受けた作品はどこかのインタビューで答えてたりして有名な話なのかもしれませんねー。トー監督通にはちと物足りなったかも?でも私にとっては知らないことばかりが多かったので面白く観れました!

「写楽 閉じた国の幻」 島田荘司

『写楽 閉じた国の幻』

写楽 閉じた国の幻

 著者:島田荘司
 出版社:新潮社





<簡単なあらすじ>
写楽―――寛政6年(1794年)に江戸に突如現れ、10ヵ月の間に140数枚にも及ぶ作品を発表、その後、姿を消した浮世絵師。大きな謎に包まれており、本名、出身地、生没年だけでなくどんな人物だったかさえ一切記録が残っていない。


・10ヵ月という短期間のみ現れなぜ忽然と姿を消したのか
・当時江戸一と言われた版元の蔦屋重三郎は、どんな理由で無名の写楽作品を高待遇で大量に出版したのか
・前期と後期で大きく作品の質が異なるのはどうしてか
・歌舞伎のスターだけではなく、当時誰も描かなかった脇役の作品が多数あるのはなぜか
・写楽の一部始終を知っているはずの蔦屋重三郎、蔦屋工房の絵師たちは、なぜ誰一人写楽に関し口を開かなかったのか
700ページ弱という長編ですが、簡単に言うと人生のどん底を経験した一人の浮世絵研究家が、偶然手に入れた肉筆画をきっかけに、ある事故で知り合った女性教授の助言に助けられながら写楽の疑問を検証し謎を解いていくという現代編と江戸編から成る大作ミステリー。

<感想>
このミス2位という理由だけで借りしまったのですが、写楽が誰なのかわかっていないということしか知らず、様々な仮説があるということも知りませんでした。こんなに謎だらけだったなんて初めて知りびっくり。
写楽に関する通説や時代背景、当時の絵師たち、彼らの特徴など知らない私ですが、これでもか!というぐらい(多少しつこつぎるぐらい)様々な仮説、写楽の特徴、時代背景を延々と書いてくれてるので前半部分で基礎中の基礎だけは何とか知ることが出来ました(と思ってます)。だけどド素人なのでこれらの説明や作中に出てくる資料など、どこまでが真実でどこからがフィクションなのか全くわからない~^^;

仮説を立てる→調べる→実証できず→仮説を立てる→調べる→おや、もしかして?
とこんな風に一つ一つ可能性があるものに関して立証していくのですが、ここに重要な助言をしてくれるのが日本語・英語・オランダ語OKの片桐教授。時おり意味深な言動をするので、重要な何かに絡んでいるんでは?なんて思ったりも。が、現代編がなんとも中途半端に終わってしまったので真相はわからず…。

そのあたりの事情は後書きに書かれていました。予想以上に写楽に関するストーリーが長くなりすぎたようで、残念なことに現代編のストーリーが書ききれなかったらしいです。なるほどねー、どうりで現代編は中途半端感がありました。20年以上も研究してきた写楽に関する事柄を早く書きたかったのか、さっきまで家族についての内容だったのに写楽に関しての記述になるとまるで論文を読んでるみたいにトーンが変わります。丁寧なんだけど長い!写楽、時代背景の説明記述だけでは小説じゃなくなるので、主人公のストーリーが添えられたという感じを受けました。事故は必要だったのかな?と思ったのですが、一応結果としては暗示的なものがあるので必要だったと。でもちょっと弱いような気が…。やはりまだまだ書き足りなかったんでしょうね~。

江戸編は最初、江戸っ子調の会話が読みづらかったのですが、江戸編Ⅲになって蔦屋重三郎の会話や街中に引き込まれ、時代背景は別として活気があって洒落っ気があって楽しそう。生きてます!って感じがして読んでいて楽しかったし感動すら覚えました。現代編での主人公の仮説を再現してるかのようで、版元の蔦屋重三郎を中心にどのように写楽が生まれ、どのような形で世に出すようになっていったのかが鮮明に。
時代を変えなければ!という気持ち、蔦屋重三郎がなぜそこまでして写楽の作品を世に出したかったのかという理由には蔦屋重三郎の前向きな思想が感じられます。ってかね、人物像とか時代背景については調べて書かれてると思いますが、会話の殆どは著者の想像域ですよね?このまま蔦屋重三郎のその後がわかる江戸編Ⅳが読みたいなー。

写楽はもちろんのこと、版元と絵師との関係や当時の歴史、歌舞伎、オランダ事情などこの本を読んで勉強になりました!あっさり写楽の正体が…と思っていたら意外なところに辿り着いたのでびっくり!著者が提唱する写楽の正体は今まで言われている通説をひっくり返すような結果なのかな?それとも今までもこの説はあったのかな?学術的にいい線いってるのかどうかはわかりませんが、写楽が誰であったかという謎解きは面白かったです。著者が疑問に思った5つの謎も確かに解ける。
200年経った今、残された資料から推測するしかない写楽の謎、もっと突飛な仮説でも小説なら面白く読めると思うのですが、20年以上も研究してきた著者だから、ある程度確証に自信を持って出した結論がコレだったんでしょうね。確実に実証された資料もあるみたいですが、島田さんの提唱する写楽の正体も仮説の一つなんだなと思うとやっぱり写楽の奥は深い…深すぎます。

ところでドイツの美術研究かユリウス・クルトが写楽をレンブラント、ベラスケスに並ぶ世界三大肖像画家だと激賞したそうですが、島田さんの出した結論だとするとユリウス・クルトが言ったことはどうなるんだろう?写楽とされた人物のことになるのかしらん。そうなるとなんかおかしなことにならない?まぁいいっか。

最後に写楽や他の絵師の描き方の特徴を述べる際に、図版も一緒に掲載してくれてたら嬉しかったかも。ついでに年表なんぞもあったらもっともっと嬉しかったかな。って欲張りすぎだねこれは(笑)。

「英国王のスピーチ」

『英国王のスピーチ』   THE KING'S SPEECH

英国王のスピーチ

製作年:2010年
製作国:イギリス/オーストラリア
監督・脚本:トム・フーパー 
出演者:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビ、ジェニファー・イーリー、マイケル・ガンボン

<簡単なあらすじ>
英国王ジョージ5世の次男であるヨーク公(ジョージ6世)は幼い頃から吃音というコンプレックスを持って生きてきた。数々の言語聴覚士に診てもらうも全く改善せず、妻のエリザベスはスピーチ矯正専門家であるオーストラリア人のライオネルの所へ夫を連れて行く。が、立場が全く違うのに名前で呼び合ったり変わった診察法であったためヨーク公は自分には合わないと出て行くが、その後、その診察法に改善の余地があるとわかったためライオネルの独自の治療を受けるようになる。のちにジョージ5世が亡くなり長男であるエドワード8世が即位するが、離婚歴のあるシンプソン夫人と結婚するため王位を退き、ヨーク公が王の座に就くことになる。なりたくなかった王になってしまったジョージ6世には載冠式、そしてなによりもヒトラーのナチスドイツとの開戦に向けて国民へのスピーチをするという大仕事が待ち受けていた。
妻エリザベスは記憶に新しく101歳まで生き2002年に逝去した皇太后で、現エリザベス2世のご両親。実話を描いた話でアカデミー賞12部門ノミネートされ、作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞の4冠を獲得した作品。

<感想>
祝アカデミー賞!
吃音が克服したわけではなく、ジョージ6世が国王になるまで、そしてそこに至るまでの間、コンプレックスを乗り越えていくという歴史人間ドラマを描いています。実話といっても難しい内容ではなく、ライオネルとの友情愛、夫のことを十分に理解している妻と可愛らしい子供たちの家族愛、ジョージ6世の努力と国王になるための自信・自覚、主にこれらが主に描かれてるかな。

最初は治療中にプライベートな事は一切聞かないということだったのに、ジョージ5世が亡くなり動揺したジョージ6世はライオネルの所に突然現れ、自分の辛い過去をライオネルに話し出します。立場上、何でも話せる"友人"がおらず、"友人"という概念さえもなかたジョージ6世…。

ライオネルの治療法は一風変わっており、そして時には必要以上に口を出したりしながらも信頼を得ていく過程は見所の1つ。ライオネルは対等に話しながら治療していくも、ジョージ6世にとってライオネルはただの一般市民。その違いから摩擦がおこったりしますが、いつしかジョージ6世にとってライオネルは必要な存在に。

王室を扱っており治療も真剣であっただろうけど、治療の一環でジョージ6世に汚い言葉を言わせたり、また歌わせたりするというユーモアがあったり、ウィットに富んだ会話があったりと日本の皇室じゃ無理だろうなというシーンが多々あるのは、やっぱイギリスというお国柄なんだろうなー。パンフによるとスピーチ後に交わされたWに関する会話は実話なんだそうな。洒落たセリフ☆

そしてなんといっても最後のスピーチが一番の見所!これから戦争が始まろうとし不安になってる国民に対しスピーチをしなければならない。だけど国民はジョージ5世在命中のジョージ6世のダメダメスクリスマス代理スピーチぶりを知ってるし、ジョージ6世にはエドワード8世のような華やかさもない。王の言葉で国民の信頼や団結がかかっているという大一番。全国民がラジオの前で国王の言葉を待っており、ジョージ6世は国民の信頼を得られるか今後の影響もとてつもなく大きい。

派手さはない作品ではありましたが、この最後のスピーチを引き立たせるための前半と中盤だったような気も。ホントこの最後のスピーチは良かった!泣けた!あまり知られていないジョージ6世を描いてることで、華やかな英国王室のアナザーストーリーを観たような感じで良かったです。個人的にはもうちょっと尺が長くなってもいいので、最後のスピーチまでの過程、ライオネルの背景をもうちょっと丁寧に描いてくれてても良かったかなと。

ジョージ6世を演じたコリン・ファースも素晴らしかったですが、個人的にはライオネルを演じたジェフリー・ラッシュに拍手を送りたい!シェイクスピアの劇を演じるのが好きで、ユーモアを持ったジェントルマンという雰囲気がぴったり。助演男優賞獲るかなーと思ったんだけどな。
ちなみにエドワード8世とウォリス・シンプソンの話は現在マドンナが監督として撮っているそうな(原題『W.E.』)。いつ公開されるんだろう?

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