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「遺失了一隻貓」 幾米

『遺失了一隻貓』   MISSING MY CAT

遺失了一只猫

著者:幾米
出版社:大塊文化 

<簡単なあらすじ>
彼と別れた日の夕暮れ時、彼女の猫がいなくなった。いたる所探し尋ね回り、猫のポスターを作りいろんな場所へ貼ったりしたが見つからない。彼女は同時に2つも大事なものを失い、何もする気が起こらずまるで抜け殻状態。ふさぎ込み落ち込む毎日を送っていたが…

<感想>
彼と別れ大事な猫がいなくなり、彼女の落ち込みようといったら…。ひどく動揺し生活するにあたっての意欲が全くなく、いろんな事を忘れ、自分自身さえも失った状態で彼女の精神状態はボロボロ。楽しい事を想像してはみるけど結局はネガティブな方向へ考えはいってしまう。落ち込んでいる時、ここまでいろいろ想像を膨らませる彼女はある意味想像力豊か(いや、正確には作者の幾米の想像力なんだけどね~)

わけもなく夢の中の出来事を恐れるのはなんだろう、愛に対し不安を持っているような。大切なものを失った今、彼女を愛するものはなく彼女も自分を愛していない。

彼女は一体どうして彼と別れたんだろう?彼が一番疲れている時に「私のこと好き?」って何度も繰り返し聞いたり、早朝に謝るもまた同じ事を夕暮れ時に繰り返したから?その他にもきっとどこかで空気を読まない何か間違いをしてしまったっぽい。。

猫はどうして出ていったんだろう。夜中に声を殺して号泣している彼女に猫がびっくりして家出。それだけで出ていっちゃったのかな?彼女の悲痛さに慣れているから、猫は彼と別れた時の彼女の心情を察知していないくなったのかな?

なんだかんだと悩み落ち込み悲観したあと、現在の彼女は、以前、勇気がなく出来なかった事を 試してみようとポジティブに考えるように。この心境の変化もイマイチわからない…。だけどこの変化から状況が良くなっていくってことは自分自身を愛せるようになったのかしら。

最後から2ページ目の絵を見ると、別れた彼が猫を連れて帰って来てくれた?となると門の外から聞こえるよく知ってる足音は猫ではなくその彼?(よく考えたら門の外の猫の足音なんて確かに聞こえないよね~)
私、訳すにあたり完全に何か勘違いしてるような気がする。これは猫と彼女との話だと思っていたけどどうやら別れた彼もこのストーリーにかなり関係しているような…。

いつもなら意味がわからない文はそのページに描かれている絵を見て勝手に想像していたのですが、今回は物語に沿って描かれてなく、色んなシチュエーションにいる様々な猫の絵だけで展開されているので文を勝手に想像できませんでした(TT)。なので今回は正確に訳せていない自信大アリ(笑)!

最も理解出来ない箇所は、
「她常常陷在鬆軟的沙發裡羨慕她的貓咪,她的貓咪正在實踐她的幻想」
彼女の猫はちょうど彼女の幻想(夢)を実行(実践)している?これはどういうことなんだろう。も、もしや猫が彼女を操っているのか?!んな訳ないか(笑)
うーん、今回は本当に訳が難しい。難しすぎて訳せなかった箇所は飛ばしちゃったし(笑)。今回は感想というより、疑問に思ったことを並べただけになっちゃった。猫を探し回る彼女の姿、落ち込んでいる時の様々な感情だけしかわからなかったかも…


幾米は過去、現在合わせて8匹の猫を飼っているそうです(現在は3匹)。その名前が可愛いんです♪「童童」「皮皮」「小光」「小月亮」「小太陽」「地球」「花花」「巧克力」。中国名のことはよくわからないけど、キュートな名前だってことは雰囲気でわかります♪今作品に描かれている猫たちはいろんな模様をしており、色んな場所におり、みな我が道を行くといった個性ある猫ばかり。今までの著書を見ると猫が登場するシーン(主役じゃなくても)はかなり多い。もしかして飼ってる猫ちゃんたちをモデルに描いていたのかなー?

遺失了一只猫1遺失了一只猫3
遺失了一只猫5遺失了一只猫2
遺失了一只猫10

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「ふたたび swing me again」

『ふたたび swing me again』  

ふたたび swing me again

製作年:2010年
製作国:日本
監督:塩屋俊  
出演者:財津一郎、鈴木亮平、陣内孝則、古手川祐子、MINJI、藤村俊二、犬塚弘、佐川満男、渡辺貞夫

<簡単なあらすじ>
50年ぶりにハンセン病療養所から息子夫婦とその子供たちが住む神戸に戻ってきた78歳の貴島健三郎。亡くなったと聞かされていた孫の大翔はどう接していいのかわからずにいたが、健三郎が自分が憧れている幻のジャズバンド"COOL JAZZ QUINTETTE"のメンバーでトランペッターだったということを知る。ある日、健三郎は「人生でやり残したことがある。50年前のバンド仲間を探しに行く」と家出。ひょんなことから同行することになった大翔は、京都・和歌山・名古屋と健三郎と一緒にメンバーを探す旅に行くことになった。そして2人の旅が終わりを迎える時、健三郎に家族・バンド仲間から素晴らしいプレゼントがもたらされる。

<感想>
初めて会った祖父と孫が50年前のバンド仲間を探しに行くというロードムービーなんですが、健三郎はこの50年間、ハンセン病療養所にいたという設定で当時のハンセン病に対する認識、周囲の偏見や差別、そして現在のハンセン病に対するなおも誤った認識なども描かれてます。ハンセン病という難しいテーマを扱っているものの、ハンセン病の健三郎やその施設仲間はこの事に対し不満を言うわけではなく、これが時代だと現実を受け止め、残りの時間をやり残したことへの信念をもとにやり遂げようと。

健三郎を受け入れることに反対しつつ、経営している店の資金不足を健三郎の補償金当てにし家に迎い入れることにした嫁。息子は父親に対し愛情を持っているものの、大翔に死んだと隠していたハンセン病の父をわが家に受け入れることに不安や複雑な心情。だけど健三郎の姿を見て心を動かされていくわけで。
大翔は血のつながったじいちゃんなんだから一緒に住んで当然じゃん?と両親の心情とは違いこちらはハンセン病に対する偏見は見られず(というか知識がないだけなんだけど)割とあっけらかん。

そんな大翔は成りゆきで旅に付き合うハメになり、頑固で偏屈じいちゃんにキレながらも、祖父と昔の友人たちとの深い絆を目の当たりにし、また祖父のジャズへの想いを知り最後まで健三郎の旅にとことん付き合おう、健三郎がやりたかったことを一緒に最後まで成し遂げようと思うように。
頑固で余計な事は喋らない寡黙なおじいちゃんとなんだかんだと言いながらも付き合う大翔、この2人のやりとりはどこかコミカルな部分もあり、愛する妻との間の孫という絆だけではなく、トランペッターという共通点で共鳴し合ってた2人。
50年という長い間、いろんな辛い事があったはず。健三郎がスリから身を守るシーンがあるのですが、これは色んな事から自分を守る術が自然に身に付いているってことなのかなぁ。

昔のバンド仲間と出会っていくシーンは涙涙。50年経った現在、それぞれの生活をしていても、健三郎の帰りを待っていてくれた仲間たち。ソネで演奏したいという夢は永遠の夢だったんだなぁと。ソネのシーンは唐突すぎる感がちょっとあるものの、前半に健三郎が家にきて大翔との旅がじっくり描かれており、そこまでの経緯がしっかりしているからまぁいいかなと。いきなりソネでのシーンがきたので頭を旅路からそこにシフトするにちと時間が掛ったけど^^;

このソネでのシーンがまた良いんです!やっぱり渡辺貞夫さんは存在感あるなー。私は観ててよくわからなかったのですが、何人が実際に演奏していたんだろう?吹き替えであろうとなかろうと、この仲間たちがまた揃うってことに涙。。

ふたたび swing me again2

ハンセン病をベースに家族の絆、仲間との絆、恋人との絆を描いており最後まで涙涙で観ました。私が観に行ったのは祝日だったんですが観客はご年配の方ばかり。神戸が舞台なだけにソネ(ジャズ)のファンの方や出演者さん目当ての方が多かったのかな?社会風刺に偏らず、エンターテイメント作品としてジャズファン、各出演者のファン、ロケ地神戸ファンと、いろんな年齢層のファンでも楽しめるんじゃないかなと^^ホント素晴らしい作品。何度も何度も涙が出てくる映画を観るのは久しぶりです。

観終えて気になったことが一つ。神戸が舞台なのに、誰1人として関西弁を話す人がいなかった…。なぜゆえに?普段見ている神戸の風景が盛り込まれているのに関西弁じゃないのは違和感があるよー(><)
それと大翔と彼女との問題は、現在のハンセン病に対する認識度や偏見を描こうとしたのかもしれませんが、描き方が簡単すぎてちょっと余計なサイドストーリーに思えたかも。。

そうそう、エンドロールを見てびつくりした!なんと我が母校がロケ地の一つとして使われていた!!なのにどのシーンがそうだったのか全く気付かなかった~。卒業して十数年経ってるので仕方ないよね。。ちなみにタケモトピアノさんも協賛してた。やっぱり財津さん繋がりなのかしら~

「バイバイ、ブラックバード」 伊坂幸太郎

『バイバイ、ブラックバード Bye Bye Blackbird』

バイバイ、ブラックバード

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:双葉社





<簡単なあらすじ>
<あのバス>に乗せられ連れて行かれるまで2週間。星野一彦は監視役の繭美に、付き合っていた5人の女性に別れの挨拶をしたいと頼む。別れ方は繭美の指示により「繭美と結婚するから別れたい」という嘘の内容。出会い方も別れを告げた時の反応もさまざまな5人。彼女たちの問題を知った星野はそれが解決するまで、あるいは糸口が見つかるまで見届ける。嫌々ながらもそれに付き合う繭美だったが対応は容赦なかった。5人に別れを告げたのち、星野の前に<あのバス>が現れる。

<感想>
1つの話につき1人の女性との出会いから別れを告げるまで描かれており、最後の1話は書き下ろしで全部で6話から構成されている連作短編。この小説は双葉社の企画「ゆうびん小説」で、短編1つ書き終えるたびに抽選で選ばれた50名に届けられ読んでもらったそうな。確かにある日小説がポストに届いていたら嬉しいけど、これって1~5話まで同じ50名に届けてくれたのかな?それとも1話ごとその都度選ばれた50名という意味なら前後の話が気になって仕方がないよね?

<あのバス>が何の目的でどこに向かうのか、どんな経緯でこのバスに乗ることになったのか、そこでどんなことが待ち受けているのか詳細は謎。繭美いわくとっても恐ろしい所らしい…。最初は気になりながら読んでましたが、読み終えると詳細がはっきり書かれてない方がこの作品には合ってるなーと納得。

なんといっても繭美のキャラと存在が強烈炸裂爆発的!身長180cm、体重180kgの巨漢体で何から何まで規格外、その上、態度も大きく横暴で傍若無人。さらにケンカも強く肝も据わっている。「わたしの辞書にはのってない」と年季の入った小さな辞書を持ち歩き調べたり(でも常識的な単語は全部塗り潰されている)、箱に入った金色耳かきを持ってたりと意外にこわだり屋さん。とにかく体もすることも言うことも強烈でインパクト大な繭美、基本やること全てにおいて横暴極まりないんですがたまに的を得た事を言ったりするもんだから「あれ?繭美さん、今いいこと言ったよ?」というシーンもちらほら。結構物事冷静に見てるのね。
マツコ・デラックスのような繭美に対し(これって読んだ人は必ず思うよね?)、不思議なことに最後にはちょっと好感が持てたりなんかする。

5人の女性と付き合ってるなんてどんな色男?なんて思いますが、顔は整ってるとは言い難いけど個性ある顔立ち。不器用と言っちゃ不器用なんだけど世の中の計算が出来ない男性。よく言えば正直に生きていて、基本、優しい。それも計算ではなく持って生まれたもの。彼と付き合った女性たちからすれば惹かれる何か、あるいは興味が持てる好感オーラが出てるんだろうなぁ。なんとなくわかるような気がする。だって繭美自身にも興味を持たせたんだから。。といっても結局その優しさと正直さから5股してるわけだから決していい奴ではないんだよな~。

最後、一瞬だけ「そっちが目的だったの?!」と勘違いしてしまいそうな繭美が絡むシーンがあるのですが、このシーンはラストに繋がるためのシーンだったのね。。私はてっきり実は繭美の方が…なんて思っちゃったよ。

交際関係を全て精算し、毎日監視され、挙げ句には恐ろしい未知ともいえる場所へ連れて行かれるといった決して愉快な話ではないけれど、会話が軽妙で終わり方もどこか爽やかな風が吹いてる。なのでサラリと読めちゃう1冊。(まぁ結果はどちらに転ぶかわからず読者の想像に任すといった感じで、もしかしたら全然爽やかな結果じゃないかもしれないけど)

そう言えば今作品は他作品とのリンクがなかったような?あったかもしれないけど気付かなかった。確かに『伊坂幸太郎WORLD&LOVE!』に、「リンクさせることを常に考えて書くのは違うかなと思うように。今はあえてできるだけ入れないようにしている」という本人談があった!そっか、だから今作品には他作品とのリンクがなかったのね。納得。リンクもなければ伏線もほとんどない。それでも伊坂さんらしい今作品。面白く読めました☆

『「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために』という本も出ており、早速図書館に予約をしました。何が書かれているんだろう?裏話とか聞けちゃうのかしらん?早く手元に来てくれないと「バイバイ、ブラックバード」自体の内容を忘れそう~。

「リトル・ランボーズ」

『リトル・ランボーズ』  SON OF RAMBOW

SON OF RAMBOW

製作年:2007年
製作国:イギリス/フランス
監督:ガース・ジェニングス 
出演者:ビル・ミルナー、ウィル・ポールター、エド・ウェストウィック、ジュール・シトリュク、ニール・ダッジオン、ジェシカ・スティーヴソン、エリック・サイクス、アンナ・ウィング

<簡単なあらすじ>
1982年イギリス郊外、11歳のウィルは母親と祖母と妹の3人で暮らしていた。教会の厳しい戒律でテレビ、音楽、映画などの娯楽を禁止されていたため、想像力を膨らませ空想の世界を絵にし、聖書に書き込んで楽しむ毎日を送っていた。ある日、悪さばかりする問題児リー・カーターと知り合い、老人ホームを営む彼の家で偶然『ランボー』を見たことでウィルは人生最高の衝撃を受ける。ランボーの息子になりきり、カーターがテレビの映画コンクールに応募するため製作していた自主映画に喜んで参加するようになり、2人は次第に友情を深めていった。だがカーターが1週間の停学になっている間にフランス人交換留学生が彼らの自主製作映画に興味を持ち次第に参加者が増えていった。リー・カーター自身が始めたことなのに疎外感を覚えるようになり、ウィルも戒律を重んじる教会と家族の間に亀裂が生じ始めていた。

<感想>
11歳にして生まれて初めて見た映画が『ランボー』とは!ランボーに魅了されたウィルは寝ても覚めても何をしていても頭の中はランボーのことばかり。さすがにランボー本人ではなく、ランボーの息子になりきり空想するのはやっぱり男の子だね~。日本の男の子が頭にネクタイを結んだら酔っぱらった父親の真似にしか見えないよw
ありえないほど危険なアクションを文句一つ言わず楽しそうにこなしていくんだからなりきり度はハンパない!(といっても半分以上はギャグアクションだけどそれがまた楽し♪)

時代背景もリアルタイムで『ランボー』が上映されていた頃のようで、当時の流行っていた服や曲がどこか懐かしい。。80年代って映画館の中で自由にタバコが吸えたのね。盗撮も堂々とできたみたいだし。

母親は恋人と海外にいるため兄と自由奔放に暮らしているリー・カーターは、万引きするわいたずらやするわ、嘘をつくのは日常茶飯事。一方、厳格な教会の戒律のため自由が制限されているウィルは人を疑うことを知らない純粋な男の子。まるっきり正反対の性格の2人。カーターにとって最初ウィルのことを映画の手伝いにしか思ってなかったのが毎日2人で映画を作ることで距離が縮まっていきます。お互い今まで友人と言える友人はおらず、初めて一緒に何かを共有し、共鳴できる相手と出会い友達が出来たという楽しみを知ったという感じ?

フランスからの交換留学生のディディエ、彼だけは一体何のために登場したのかよくわからずじまい…。学校中からイケてる(イケてるのか?!)扱いされてるけど当時はあのファッションが斬新だったんだろうなぁ。彼はウィルとカーターの間に亀裂を生じさせた原因を作っただけの役割?最後のバスの中での友人との様子を見ると、母国ではイギリスの学校とは違う扱いを受けてるような?彼も彼なりに思うことがありそうなんですが、彼に関しての背景が描かれてないので、ただのナルシストくんになってる…。

2人だけの映画製作だったのにいつの間にか映画制作を仕切り(本人の意志じゃないけど)どんどん世俗慣れしていくウィル、それを目の当たりにしたリー・カーターは友達に新たな仲間ができ自分だけがまた1人ぼっちになるんじゃないかという不安、寂しい気持ちになりウィルに辛く当たりますが、家まで行きちゃんと謝る素直さも。

そしてリーの兄はリーを都合のいいように使ったりしてますが、リーにとっては唯一の理解者で信じる事が出来る相手(と、リー・カーターは思ってる)。その兄役をエド・ウェストウィックが演じているので、弟に冷たく当たるただの嫌なお兄さんで終わるはずはない…かも?!
ウィルの母親は戒律を守っている厳格な信者で、ウィルがよくない友達と遊んだり映画を作ったりすることに眉をしかめていたのですがやはり母親。きっちり我が子を守り抜く姿はステキです。

全体的に少年の友情、親子関係、兄弟愛、宗教などが盛り込まれており、脆い反面、たくましく再生していこうとするハートウォーミングな感じに仕上がっているので後味はよいです^^エンドロールの最後まで楽しめた良い作品でした☆

なんといっても少年役の2人がすんばらしい!演技未経験なんだそうですが全然そんな風には見えないほど自然!しかもこの2人、役柄がピッタリ~。特にリー・カーター役のウィル・ポールターくんはホントその辺にいる悪ガキそのもので演技しているとは思えないほど自然。ところで現在、彼らは15歳と17歳になってるんですがどんな青年になっているんだろう。気になるなー。

P.S もしウィルが初めて見た映画が『コマンドー』だったらシュワちゃんを崇拝してたんだろうか?

SON OF RAMBOW 1SON OF RAMBOW 2
SON OF RAMBOW 3SON OF RAMBOW 4
SON OF RAMBOW 5SON OF RAMBOW 6

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 本谷有希子

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

 著者:本谷有希子
 出版社:講談社





<簡単なあらすじ>
赤戸前という田舎町で和合夫妻がトラックと衝突し亡くなった。お葬式の日、長男の宍道、兄嫁の待子、事故を目撃していた次女の清深の前に女優になる夢を持って数年前に東京へ行った長女の澄伽が戻ってきた。女優になることを諦めず田舎でもきっかけを作ろうとする一方、4年前に自分を屈辱のどん底に落とした妹に対し復讐し始める。プライドが高く自意識過剰で傲慢な澄伽が帰郷したことで、清深は姉の顔色を伺う毎日、家族を幸せにしたい一心から澄伽を肯定し誓いを守ろうとする兄、この兄弟の複雑な関係のとばっちりを受ける兄嫁たちの平穏な生活が一変した様子を描いた物語。

<感想>
映画『乱暴と待機』を観て、原作者の本谷有希子さんに興味が沸いたのでこちらの本を借りてきました。『乱暴と待機で本谷さんはなかなか面白いキャラを描く人だなとは思ってましたが、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は想像以上のものでした。

登場する人物はみなインパクトあるキャラ、いや、インパクトあるなんてそんな可愛らしいもんじゃない。姉もスゴイ性格してるが妹も強烈すぎ…。最後に姉に対する本音には驚き。全く予想していなかった言葉で本当はそんなことを心の中で思っていたんだ…。ぶっ飛んでるというか壊れれてるというか個性強すぎ~。心身ともにいろんな意味でイタい家族。。この家族の思考回路はいったいどうなってんだ?

でも姉の自意識過剰で自己中な性格はわからないでもなかったり。姉は感情豊かすぎで姉妹共々向上心あるあるってこと。←かなり優しい言葉で言ってみましたw 他人を利用したり自己中なのは誰にでもありそう。それを実行に移すかどうかは別にして。ただ家族内で起こっているのと、過剰すぎる言動で強烈に思えてしまう。

そういや待子さんのキャラも際立ってた。1人で新婚旅行ってどーなの(笑)。行かせる夫も夫だけど、本当に行っちゃう兄嫁もいかがなもんだろう。

読んでいて飽きないし、表現力がすごいある。目の前で起こってる感じでまるで舞台を見てるよう。それもそのはずで本書は劇団の第一回公演の演目を大幅に改稿した小説なんだとか。といいつつ途中までは「結局のところ、何が言いたいんだろう?」と思ってました^^;
妹が姉に正直に気持ちを言うところからラストまでの展開は面白かったです。最初は恐ろしい家族物語と思ってたんですが、最後をみるともしかしてこの作品って…喜劇だった?!

全体的にこの物語を漢字で表わすなら"恐"、"狂"といった感じ。お昼の愛憎ドラマにしたら、毎回、澄伽の復讐劇が楽しめそう~。舞台とか映画の方が面白そうな感じ。(見てないのでわかりませんが)
こういう系統の本は自分から好んで読んだりしませんが、たまにならいいかなと思いました。まだ本書しか読んでないので本谷ワールドにはまだ浸れないや。
最後になんですが、このタイトルってどういう意味なんだろう…。

「伊坂幸太郎WORLD&LOVE!」

『伊坂幸太郎WORLD&LOVE! 稀代のストーリーテラーが構築する精緻な小説世界の全貌』

伊坂幸太郎WORLD&LOVE! (洋泉社MOOK)

 出版社:洋泉社 洋泉社MOOK






<感想>
副タイトルにある通り、伊坂幸太郎氏の小説世界の全貌が載っている雑誌です。


・伊坂幸太郎の世界
・映画公開目前!『ゴールデンスランバー』はこう読む
・最新刊登場!『SOSの猿』
・伊坂幸太郎作品刊行年表
・ずばり伊坂作品はこう読む!
・人気キャラクターランキング
・伊坂検定100問
・コラム
・伊坂ワールド作品間リンク!
・伊坂ワールドにふれる仙台散歩
・主要17作品徹底ガイド
・伊坂作品を30倍楽しむための小説・音楽・映画30作品
・単行本未収録作品ガイド どれ読んだ?まだまだあります伊坂作品
・ネタバレ注意!『ラッシュライフ』を徹底“解体”する  
等々
主要17作品徹底ガイドでは、ストーリー、キーワード、登場人物、心に残る名セリフ、一言説明などが書かれているので、伊坂さんのファンで全ての本を読んだ人はおさらい感覚、今から読もうとしている人には予習という感じでいいかも。
私は紹介されている17冊全部読んだと思うのですが、結構内容を忘れている本があるのでストーリーを思い出すことができまた読みたいなーなんて思えるのもあったり。あとその本に関連した映画やコミック本、登場する音楽、アイテムなども紹介されているので、本を読んだだけで満足していた私には新たな発見がいっぱい。

伊坂作品の魅力の一つとして作品間リンクがありますが、「リンクさせることを常に考えて書くのは違うかなと思うように。今はあえてできるだけ入れないようにしている」と09年にご本人が語ってるそうな。そうですよねー、読んでいる方は楽しいけどリンクを考えながら執筆していると本来書きたかった内容にも影響ありますもんね。ごもっとも!

あと伏線がちりばまれておりそれを回収していく様も魅力の一つですが、こちらも「自分が好きだからということよりも、読者に喜んでもらいたいから」なんだとか。いやー、ファンからの要望が高いと作家さんも大変だ…

「直木賞にまつわるエトセトラ」もなかなか興味深いです。2008年に伊坂さんが選考を辞退したのは記憶に新しいですが、その直木賞、選考委員に伊坂作品の魅力は通じないと洋泉社MOOKの編集部さんは書かれています。現在の選考委員はご年配(70~80代)の方が多数だそうで、年配の方は伊坂作品の感性に合わないんじゃないかと。そして唯一褒めてる北方謙三氏に対しては編集部さんは北方先生はえらい!と褒めてる(笑)。

でも確かに伊坂さんは「本屋大賞」では常連さん。これは一般の書店員の投票によるもので20~30代と比較的若い世代。要は伊坂作品は若い子の感性にマッチしてるってことなのかしらん。。
ファンもがっつりついてる大人気の伊坂さんが直木賞をもらうメリットは、伊坂さんの本を手にしたことがない40~50代男性も手に取るぐらいと。たしかにそうかもしれないですが、かなり伊坂さんに肩入れした内容になってます^^;この本の殆どが伊坂さんを肯定した内容になっているので、バイブル本というより崇拝本に近いかも。

でも全体的にわかりやすく説明してくれてるし単行本未収録作品ガイド、仙台散歩などもあるので読んでいて楽しい1冊。仙台に行ってロケ地巡りしたくなりました^^
この『伊坂幸太郎WORLD&LOVE!』を出版するにあたり、写真付き単独インタビューなどがあったらもっとよかったなぁ。過去の発言の抜粋もよいですが、今の声もちょっと聞いてみたかった。。ただ伊坂祭りのような褒めまくりのこの本に伊坂さんが単独インタビューに応じるとは…思えない(笑)。

感動したのが『モダンタイムス』に出てくるキーワード「播磨崎中学校」 「安藤商会」 「個別カウンセリング」を実際に同時検索すると、とあるページにたどり着くこと。怪しげなサイトと思いきや講談社さんの手の込んだサイトで遊び心満載♪

この1冊は知らないことが沢山載っておりなかなか勉強になりました!コミック化された本が読みたくなったり、DVD化されてるのを見たくなったり…。ますます伊坂ワールドにはまりそう~。

「ソウ ザ・ファイナル 3D」

『ソウ ザ・ファイナル 3D』  SAW 3D

SAW 3D

製作年:2010年
製作国:アメリカ
監督:ケビン・グルタート
出演者:トビン・ベル、ケイリー・エルウィズ、コスタス・マンディラー、ベッツィ・ラッセル、ショーン・パトリック・フラナリー、ジナ・ホールデン、レベッカ・マーシャル、チャド・ドネラ、ローレンス・アンソニー、ディーン・アームストロング

<簡単なあらすじ>
シリーズ6でジルの罠から生還したホフマン。ジルはホフマンの復讐から逃れるため内務調査課のギブソン刑事に身辺保護と刑事免責を条件に全てを話す。一方、ジグソウが仕掛けたゲームの生還者でその経緯を本やテレビで熱く語り"ジグソウ生還者の会"の主宰であるデイゲンが拉致され、ジグソウ最後のゲームが開始される。ホフマンを追うギブソン刑事、ジルを追うホフマン、ゲームの参加を余儀なくされたデイゲン、彼らの運命は…。シリーズ7作目で完結編。そしてシリーズ初の3D作品。

<感想>
ソウシリーズ公開の季節がやってきました!
ソウ6と同じように冒頭でいままでの総集編<ソウ集編 ザ・ファイナル2D>が流れ、今までの経緯と生存確認不明者がわかるようになってます。映像が早く流れるのでじっくりおさらいは出来ないですが、今までの流れをざっと簡単に思い出す程度には参考になったかな。

今回のゲームは今までのパターンとは違い"命のありがたみを忘れた者"ではなく、かつてのゲームで奇跡的に生還したデイゲンがジグソウが仕掛けた最後のターゲット。このターゲットはその生還したことを本にして出版したりテレビ出演したりし脚光を浴びているのですが、これには大きな裏が。ジグソウの逆鱗にふれたことをしたのでゲーム参加となったわけで。そして前作の続きである後継者ホフマンとジグソウの元妻ジルとの対決。どこまでもジルを追い詰める不死身のようなホフマン、今回は頑張ってます!

と、この2つのストーリーを軸に構成されてます。
1~6までの内容をがっつり覚えており、その中の登場人物や謎をきっちり覚えていてあーだこーだと熱く語るほど記憶力はよくないんですが、単純にグロいと思ったし、怖いと思ったし、私が疑問に思っていたことはわかったので思っていた以上に面白かったです!予告編を観ずにいったのがよかったのか、私が鈍感なのがよかったのかオチが全く読めなかったのでその分楽しめたかも♪懐かしい出演者もいるのですが、あまりにも久しぶりすぎて一瞬この人だれだっけ?と考えるほど^^;

冒頭ではソウシリーズには珍しく室内ではなく通勤する人が多い道にあるデパートのショーウィンドウ内。しかもギャラリーがめちゃくちゃ多い中でのゲームスタート。今回は全体的にスピード感があってまったく飽きない展開。早い展開とえげつないシーンの多さは見もの!私が求めていたのはコレですコレ!
何作目かは忘れましたが説明部分が多くてグロいシーンが比較的少なかった時、平気でポップコーン食べながら観れたんですが、今回はポップコーンは手にしてなかったけど持っていたら完食できなかったかも。デイゲンのゲームシーンが映し出されるとこれからどんなグロいシーンが展開されるのかと緊張し、事件を追う内務調査課のギブソン刑事が映し出されると落ち着いて観れるのでホッとし…と、バランスよく交互に進んでいくのも良かった。ただホフマンさん、あれだけの怪我をしたのに後遺症もまったくなく綺麗に早く治りすぎなんじゃ?

続編・外伝さらにビギニングも製作もないとのことですが、本当にないのかな?まだ疑問あるよ?今回でさらに増えた疑問もあるよ?続編が出来そうな終わり方だよ?何年先でも(1~完結編の内容はすっかり忘れてるだろうけど)、続編なり外伝が出来たら絶対観るだろうな~。

観終えて3Dにする必要はなかったような気が…。3Dならではのシーンもなかったと思う。普通の画面で観た方が色が鮮明でそっちの方が怖さ倍増だったかなと。3Dって画面が暗くなるし掛けてると違和感あるので慣れないのよね~。
そしてパンフ。相変わらず読みにくい配置だわ(笑)。でももう来年からこのパンフも読むことがないんだと思うと寂しいな…。といいつつ真後継者の新たなシリーズが始まったりしてw

最後に…デイゲンってどこかで見たことがあると思ってプロフィール見たら
『処刑人』に出てたマクナマス兄弟の兄だ!!『処刑人』の公開当初、なんてステキな兄弟でかっこいい映画なんだろうと感激し、10年後の『処刑人Ⅱ』ではそれなり歳相応になってはいたもののやはりかっこよかった。でも今作品では全く気付かなかったよ…。ピーコート姿にタバコを吸ってくれなきゃ(笑)。

酷評も多いですが、個人的にはなんとか上手にまとめたなという印象の完結編。最初と最後にあのバスルームを持ってくるのもこだわりが感じられるし^^長い間楽しませてもらいました!ありがとう、ソウシリーズ!!

「さらば愛しの大統領」

『さらば愛しの大統領』

さらば愛しの大統領

製作年:2010年
製作国:日本
監督:柴田大輔/世界のナベアツ
出演者:宮川大輔、ケンドーコバヤシ、世界のナベアツ、吹石一恵、釈由美子、大杉漣、志賀廣太郎、前田吟、宮迫博之、仲村トオル、水野透、中川剛、中川礼二、高橋茂雄、河本準一、小杉竜一、岩尾望ほか多数

<簡単なあらすじ>
世界のナベアツがなんと府知事選でまさかの当選!喜びにわくナベアツは、日本政府と手を切り大阪の独立を公約。そして知事就任後、独立国家宣言をすると発表。一方、大阪市内の銀行で強盗事件が発生。現場に駆けつけた大阪府警の早川(宮川大輔)と番場(ケンドーコバヤシ)のアホ刑事2人はヘマをやらかしてしまう。そんな時、大阪府警にナベアツ暗殺予告が届き2人は犯人の捜査をすることになった。果たしてナベアツを暗殺から救えることができるのか?!

<感想>
テーマはずばり「アホ」。なのでアホになりたくて観てきましたー!といってもそれほど期待していたわけではなく、なんとな~くぼんや~り楽しめたらいいなぐらいの感覚で。。冒頭に注意点が流れ、100%アホになってご覧くださいってテロップが流れるとおり、アホな気分で観ると結構笑えました。映画作品として真剣に観ちゃうとがっくしきちゃうかも。。

劇中の街頭インタビュー聞いていると「おもろそー」「まさか当選せーへんやろ」という軽いノリで府民はナベアツに投票した模様。自分はシャレでナベアツに投票したけど他の人は常識的な投票をしてるはずと。が、皆が皆、同じことを思い投票したもんだから当選しちゃったという。

なんといっても最初からずっとノリノリで脳天気ぶりを発揮しているナベアツは、普段テレビで見る以上にオモロー!宮川大輔とケンコバのコンビも息ピッタリでめっちゃ自然。この2人を刑事にキャスティングした監督らはセンスあるわ~。

巨大テーマパーク「オモローランド」の構想や「笑力」による独自のエネルギー政策、軍隊のかわりに大阪のおばちゃんを軍事利用、通天閣打ち上げ計画等々、超アホらしいマニフェストばかりなんですが、これがねー、なんやかんやと大阪府民に指示され人気はうなぎ昇り。笑顔を取り戻す政策が大阪に合ってるんだな♪ただ「道頓堀の水」ってどーなのよwめっちゃ濁っててマズそう~。

最後の演説でナベアツがちょっとだけマジっぽいことを言っており、懸命に走る早川刑事のシーンではホロリとしてしまった…。が!パンフには「ホロリとするシーンや真面目っぽいシーンもよく考えるとバカバカしいのがこの映画の真骨頂」と書かれており、言われてみればそーだ。もう少しで騙されるとこだった。

<ただひたすら「アホやな~」と声を出して笑ってほしい!>という想いがこの映画に込められてるそうなんですが、まさしくその思惑どおり観てて「アホやな~」と笑える作品です。多少、大阪を大げさに描いてる部分があったり、しょーもなさすぎのシーンはあるものの、全部ひっくるめて「アホやな~」と思えばまぁいいんではないかなと☆

仲村トオルさん、大杉蓮さんも出演しているのですが、なんて贅沢な使い方をしているんでしょ。前田吟さんは結構アホな世界にハマってました。思わず「どんだけ抜くねん!」ってつっこみたくなっちゃう。リットン水野さんはめっちゃオイシイ役ですやん。ってか久々に水野さんを見たような気がする。
個人的に好きなシーンは岩尾さん、サバンナ高橋、河本さんかなぁ。渋い声で丁寧な言葉づかいの串かっちゃんは何気にいい奴(涙)。そうそう、ナベアツと早川刑事の子役の子が可愛いっす♪特にナベアツの子役の子って可愛い上にナベアツにも似てるし^^
そして何が面白いってラストのケンコバの挨拶がめっちゃ面白ーい!!こういう話をさせたらケンコバはやっぱ面白いと再認識しました♪

ただこのアホアホ作品、関西以外でウケるのかなぁ?出演者の芸人さんたち一部を除き、全国区の人が多いからきっと大丈夫…のはず?この作品、合わない人は全く合わず観てて疲れるかもしれませんが、ツボに入ったら面白く観れる作品だと思いました☆

さらば愛しの大統領ナベアツ

「モンガに散る」 <2010東京国際映画祭>

『モンガに散る』  艋舺  Monga

モンガ1

製作年:2010年
製作国:台湾
監督:ニウ・チェンザー(鈕承澤) 
出演者:イーサン・ルアン(阮經天)、マーク・チャオ(趙又廷)、マー・ルーロン(馬如龍)、リディアン・ボーン(鳳小岳)、クー・ジャーヤン(柯佳嬿)

<簡単なあらすじ>
1986年、台北一の繁華街・モンガに越してきた高校生の“モスキート”(趙又廷)は、校内の争いをきっかけにモンガ一帯の権力を握る、廟口(ヨウカウ)組の親分(馬如龍)の一人息子“ドラゴン”(鳳小岳)と、ドラゴンの幼馴染で頭の切れる“モンク”(阮經天)に気に入られ、彼らが率いるグループの5人目として迎えられる。最初は極道の世界に戸惑いつつも、生まれて初めてできた友達とケンカに明け暮れながら、モンガの街で青春を謳歌していくモスキート。次第に彼らは固い絆で結ばれ、義兄弟の契りを交わし、仲間のために戦うことを誓う。そんな中、街の利権を狙う新たな勢力がモンガに乗り込みはじめる。激しい抗争と陰謀に巻き込まれた5人は、それぞれの想いを抱えながらも、この街を守ろうと戦っていた。その争いはやがて彼らに悲しい運命をたどらせていく…。
(本作品チラシ裏の説明から引用)

<感想>
台湾で2010年春節映画として上映されてから爆発的に人気が出た作品。舞台となった万華が一躍人気観光スポットとなり『海角七号』を超える社会現象を起こしたそうな。この2作品、タイプは全く違うので比較するのは難しいですが、両作品とも台湾人心を揺さぶる魅力があるんだろうな。で、本作品、台湾で話題になっていたのでずっと観たいなと思ってました。実は夏に台湾に行った時にDVDを購入したんですが、オリジナルを観ると訳すのに疲れるのでまだ観てなかったんです^^;逆に観ていたら中国語字幕が理解できず、中途半端な観賞になっていたはず。今回の映画祭で内容が把握できたので、これで安心してオリジナルDVDを観ることができます☆

前半はモスキートがドラゴンらのグループに入るまでの経緯、入ってから仲間と絆を深めていく経緯などが描かれており、笑えるシーンもあったりします。後半はヤクザの抗争があり仲間との絆にも影響が及び、葛藤・不信感・裏切りなど様々な感情がうごめき出します。

コテコテのヤクザ物語ではなく、チンピラ風情の高校生たちが仲間たちと青春を謳歌していたけど(青春といっても健全な高校生とは違った青春)、いつしかヤクザの道に足を踏み入れ、ヤクザの抗争に巻き込まれてしまうという話。こういう青春群像劇って昔の香港映画に多かったような気がする。だけど香港よりエンターテイメント性が非常に高い。(もちろん昔と違い今の香港映画も素晴らしいエンターテイメント性ありますよー)
ニウ監督、『ビバ!監督人生!!』では自虐的な内容でだらしないイメージがあったのですが(失礼!)、髪もさっぱりして男前になってますやん^^こんな素晴らしい作品も手掛けることが出来るんだと見直しちゃった。今後も期待大です。

拳銃を使わず古き伝統を守ろうとする本省人ヤクザ、そこに入ってこようとする外省人ヤクザ。ブンケアンが刑務所から出てきて外省人ヤクザと組んだことで事態は急速に進んでいくのですが、今作品の義兄弟の友情は切ないです。仲間のためを思ってしたことが裏切り行為として誤解を受けてしまう。時代遅れの古き伝統をとるか、今の時代にあった方をとるかの葛藤…その狭間にいるのは辛かっただろうに。。

1986年ということで当時の服や音楽、ローカルな町並みも楽しめる一つ。小天、趙又廷、リディアン君と若い俳優陣がかっこいいため、多少ダサめの服でもよくお似合いで^^ドラゴンの彼女が聖子ちゃんカットに見えたんだけど、当時の台湾で聖子ちゃんカット流行っていたのかしら?

監督やリディアン君、柯佳嬿、馬如龍らは他作品で知ってましたが、肝心の小天と趙又廷はなんとなくは知っていたものの彼らが出演してる作品を観るのは今回が初めて。お2人ともかなり熱演でした^^劇中は役柄がとってもかっこよく坊主頭が似合っていた小天、舞台挨拶で今度は趙又廷が坊主頭になってる!2人とも長髪より坊主頭の方がかっこいいと思うんだけどなぁ。どうでしょ?
キャストが全体的にバランスよくてGOOD!若い人気俳優からベテラン俳優まで揃え、舞台は万華ときてる。それでいてこの内容でしょ?台湾で爆発的ヒットしたのもわかるような気がする。でも子供にはちょっと見せたくないかも^^;

観終わって思ったのは『九月に降る風』と雰囲気がなんとなく似てるかなと。両作品にリディアン君が出てるからかもしれないけど、両方とも仲間たちと青春を謳歌し、友情と裏切りの狭間で揺れる若者たちを描いてて決してハッピーエンドではなくやるせなさが残る作品。こういう雰囲気の作品かなり好き♪

モンガ3

上演前の舞台挨拶で監督が第一声に「今夜空いてる?」って言ったのには笑えた(笑)。面白すぎだ~。上演後にはQ&Aがあったのですが、違う劇場での『ボディガード&アサシンズ』と上映前のオープニングセレモニーの時間が迫っていたため泣く泣く退席。なのにオープニングセレモニーは15分遅れで始まり内容もも一つ興味が持てる内容ではなかった…(でも映画は面白かったっす!)。今思えばQ&Aを聞いてから行けばよかったと大後悔~(泣)。しょうがないっか。こういうこともあるある。

これで中国映画週間、東京国際映画祭の感想は終わりです。計6本観たのですが、『モンガに散る』は面白かった作品の上位2位には入る作品。『恋の紫煙』も2位に入ると書いたのですが、本当はどちらも1位!タイプが全然違う作品なので順位をつけることが出来ないです~。なにはともあれ今回は歴史大作からラブコメまで幅広く素晴らしい作品が観れて良かったです♪来年もアジアの風部門が充実してたらまた東京に行っちゃうかも☆

「恋の紫煙」 <2010東京国際映画祭>

『恋の紫煙』    志明與春嬌  LOVE IN A PUFF

志明與春嬌

製作年:2010年
製作国:香港
監督:パン・ホーチョン(彭浩翔) 
出演者:ミリアム・ヨン(楊千嬅)、ショーン・ユー(余文樂)、チョン・ダッミン(張達明)、チョイ・ティンヤウ(徐天佑)、ケニー・ウォン(黄徳斌)、カーメイン・フォン(方皓玟)、グレゴリー・ウォン(王宗堯)、繆非臨、司徒慧焯、谷昭

<簡単なあらすじ>
20代の志明は広告会社の重役だ。大声で話す同僚たちで賑わう路地で煙草を吸い、あけすけなゴシップや恐い話に興じている時、化粧品店の売り子をしている春嬌と友達になる。彼女もまた煙草好きだ。ニコチン依存症に不安を感じながら、ぎこちないふたりのロマンスは花開いていく。互いに惹かれるにつれて、彼らをとりまく奇妙な人々との衝突やちょっとした楽しい事件についてのふたりの会話は、より深い感情を帯びていく。
(TIFF公式HPより引用)

<感想>
2007年1月の禁煙法で香港では公共の場所や建物内での喫煙が禁止となり、建物外にある指定の場所での喫煙を余儀なくされた。必然的にその指定の喫煙場所にはさまざまな職業の人たちが集まってき、わいわいがやがやと職場の話、怖い話、はたまた下ネタで盛り上がってます。

ホラー映画のような冒頭、これで観客のつかみはOK!喫煙場所の楽しさが伝わってくる^^他愛もない会話が楽しくて見ている私もその仲間の1人として参加している気分♪

普段出会うことのない人たちの中で、化粧品店に勤める春嬌と広告代理店に勤める志明は知り合います。志明は元カノと別れたばかり、春嬌は長年付き合ってるカレがいるものの倦怠期。こういう場でそんな男女が出会い、メールをして会っていくうちにロマンスが…。うん、ありそうな展開。

ミリアムとショーンってお似合いだわ~。この2人は意外と盲点だった!本編でも実年齢でもミリアムの方が年上で、見た目も明らかにそうなんですがこの2人は全然あり!昔はなんとも思わなかったんですが、ミリアムって年を重ねるごとに綺麗になっていってるような気がする。ショーンもますます良い感じに大人の男性になってる。大人な2人なのにキスシーンすらなく、ミリアムの駆け引き(?)はなんか可愛いぞ!

振られたばかりのショーン、恋愛に率直すぎて周囲からアレコレ言われるミリアム、なんてぎごちない恋愛模様なんだろう。そんな中、ミリアムの彼氏がミリアムとショーンが仲良くしているのを知ったことで2人の関係に変化が…。おそらくミリアムの彼氏が知ることなかったら2人の関係はこのままずるずると行き、良い友達で終わっていたかも?いや、いつかはラブラブになるかもしれないけどじれったく進みそう。。

志明與春嬌2

あと2人がやりとりするメールが結構面白い。画面が変わるのが早かったのでじっくりは見れなかったんですが、英語と漢字がまざってて、しかも英語は省略してる風で文章がとっても簡潔。香港の人たちはこの2人のようなメールのやりとりをしているんだろうか?DVDで一時停止しながらじっくりと携帯画面を見たいな。

たばこ税が値上がりすることになり、たばこの買い置きを求めコンビニを回るのはどこの国も一緒だなぁ。ってか値上がり決定の翌日から実施ってわけじゃないよね?それなら前日にあせって買い求めなくてももっと前から少しずつ買ってればよかったのに。。なんて疑問は邪道?
映画の中でショーンがタバコに描かれている絵についていろいろと言ってるんですが(タバコを吸うとこんな害がありますよっていう絵)、ショーンが持ち出した絵はまだかわいい方(男性にとっては大問題の絵かもしんないけど^^;)。いろんなバージョンがあるみたいでもっとえげつない絵が描かれてたりするんですよね~。こわいこわい。そういや劇中で、コンビニの中でショーンの同僚がすごいタバコの吸い方をしておりびっくり!案外いいアイディアかも?と思ったけどやっぱダメじゃん(笑)。

広東語は勢いあってこの映画にぴったし!同じ内容で日本語だと勢いなさそう。日本語といえばショーンが劇中でちょびっとだけ日本語を話してました^^ショーンが話すからこのシーン面白く許せちゃうけど、現実にこんなことをマジで言うアジア人を見たら黙っちゃいられないってもんですぜ!でもこの映画に限ってはユーモアがあり観客からも笑いがあったので(私も笑ってしまったw)OK!

香港らしいテンポでユーモアがあり、とっても面白かったです!私が観た東京国際映画祭の6本のうち上位2位には入る作品。こりゃ一般公開して欲しいなー。それがダメならせめてDVD発売して欲しいなー。
ここまで書いて気付いたんですが、いつの間にか主役2人を役名じゃなくてミリアム、ショーンって書いてた^^;

上演後にQ&Aがあったのですが、このあと新幹線で神戸まで帰らなければならず泣く泣く退席(TT)。Q&Aまでご覧になった方の感想を拝見すると監督が面白い話をしてくれたらしいです。あー聞きたかった!残念!

「4枚目の似顔絵」 <2010東京国際映画祭>

『4枚目の似顔絵』   第四張畫  THE FOURTH PORTRAIT

第四張畫1

製作年:2010年
製作国:台湾
監督:チョン・モンホン(鍾孟宏) 
出演者:ビー・シャオハイ(畢曉海)、ダイ・リーレン(戴立忍)、テリー・クァン(關穎)、ジン・シージエ(金士傑)、ビンセント・リャン(梁赫群)

<簡単なあらすじ>
父の死後、10歳のウェンシャンには孤独な未来が待ち受けていた。彼が児童養護施設に移されることになった時、疎遠になっていた母が現れ、彼の人生は大きく変わってしまう。愛情のない母、憎むべき継父、寒々とした家。ウェンシャンはどこに向かうのだろうか?彼は絵を描くことに慰みを見出していく。そして、安易に優しくしたりしない年老いた学校の用務員と、常識はずれな考えを持つでっぷりとした男に出会い、ウェンシャンの人生は再び希望に満ち溢れたものとなっていく。だが、兄弟の悪夢に取り憑かれ、恐ろしい真実が明らかになろうとしていた。ウェンシャンは4番目の肖像画に、自分自身の姿を描くことができるのだろうか?
(TIFF公式HPより引用)

<感想>
あらすじを読む限り決して明るい内容の作品ではないですが、『停車』と同じ鍾孟宏監督なので楽しみにしてた作品の一つ☆

一緒に住んでいた父親の死後、離れて住んでいた母親に引き取られるのですが、母親の再婚相手は屋台の金魚すくいの主人(←多分)をしており、少年に対し愛情のかけらもなく暴力も振るう。母親は夜の商売をしていて決して裕福な家庭というわけではない。大陸から出稼ぎにきているという設定で、希望を持ってきたのに思い通りの生活はできず現実の厳しさに悲観しているというか、どうしようもない空虚さが漂っています。夫婦間も会話がなくどんより…。

親からの愛情を受けず友達もいない孤独な少年。実は少年には兄がおり行方不明状態。のちに兄についてわかるんですが…。そんな少年に唯一できた友達はトイレで知り合った男。これがどうしようもない男なんだけど(でも面白い)、少年にとっては毎日の生活に少しの光を差してくれる存在。学校の用務員の男性も大陸の人で、孤独な少年を甘やかさずこれから生きていくヒントのようなものを与えてくれる存在。

少年、両親、友達になった男、それぞれに問題を抱えたエピソードがあり、重々しい雰囲気になりそうなストーリーなんですが、そこは鍾孟宏監督らしく静かな映像の中にユーモアが時折入っておりどんよりした作品になってなかったのが良かった^^

上映後のQ&Aで、ロケ地は特定の場所ではなくあちこちで撮影したんだとか。あと質問で少年は自分の顔をどのように描いたのかという質問が観客席からあったのですが、私も想像力が乏しいのでこの質問はありがたい!と思ったんですが監督が言おうとしていることの意味がよくわからず…(TT)。私の勝手な想像では、用務員の男性と話し、友達の男性の家族を見て「人それぞれいろんな人生があるんだ。僕も頑張って行こう」ってなことを思い、人生前向きに考えたんじゃなかろーかと。そういう顔を書こうとしているんじゃないかと。
今書いててふと思った。なんか私、また違勘違い解釈してるような気がする…。まぁいいっか☆

ところでハオ・レイちゃん、なんか大人になっちゃったね…。
旦那さん役の戴立忍さん、初めて知りましたが(正確には彼が出演してる作品は見たことあるけど戴立忍さんの登場に記憶がない…(-ω-))結構男前じゃないっすか~♪今後の要チェック人物に追加されましたw

第四張畫3

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