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「天地明察」 冲方丁

『天地明察』   

天地明察

 著者:冲方丁
 出版社:角川書店 角川グループパブリッシング





<簡単なあらすじ>
江戸時代四代将軍・家綱の頃、安井算哲の子である渋川春海は碁打ち衆の1人として公務に就いている。ある日、江戸の神社で絵馬に書かれた算術問題に対し短時間で解答した関という男に対し春海は、感動をおぼえると同時に彼に挑戦すべく算術問題を考える。一方で老中の酒井から指導碁として指名された時、思わず今の生活は退屈だと口を滑らしてしまう。「退屈ではない勝負が望みか」と聞かれ自分がそれを望んでいたことに気付く。その後、酒井から北極出地の公務を与えられ、結果、のちに大事業を行うことになる。800年程前からの暦・宣明歴を日本独自のものに改暦するまでをベースに渋川春海の生涯を描いた作品。

<感想>
1月頃図書館に予約をしており、2010年本屋大賞に選ばれた4月に手元にくるなんてなんてリアルタイムなんだろう!かなり嬉しいぞ。

まず、この本を読むまで暦の由来なんて考えたこともなかった…。難しそうなテーマだなと思ってたのですが暦のことや時代背景、数学や天文学のことがよく分かっていない私でも面白く読めました。正直に言えば数式のくだりや天文のくだりはイマイチついていけてなかったけど(笑)。と、イマイチわかってないのに春海が感動する場面では私も感動。涙する場面では涙。。

神社に奉納される絵馬に算術の発表、宣伝、そして質問&解答し会う算額奉納は全く知りませんでしたがコレって面白いなぁ。この時代の流行や背景、朝廷と幕府の関係なども描かれているので結構勉強にもなったかも^^

最初は淡々とした文章でこのまま進むのかなと思ってたら…途中からびっくりするほど物語に引き込まれてしまった。義兄・安井算知がいるため、春海は長子であり二代目でありながら立場は次男という中間的なポジション。大事業を成し遂げた英雄のような感じではなくちょっとのほほんとして雰囲気。大事業に携わるまで、そしてその後の主人公の気持ちが丁寧に書かれており、最初はあまりパッとせず自分の意志をあまり大きな声で言わないタイプだったのに後半では見違えるように。

一つにはいろんな出会いがあってからこそ。春海にとって算術だけが喜怒哀楽の感情をもたらす存在。それに火をつけたのはまず関孝和。最初はなかなか会うことが出来ず春海の感情は高まるばかり。
あと意欲みなぎる本因坊道策、律儀で気配り抜群で優れた算術の腕前を持つ会津藩の安藤有益、幼い頃からの師である山崎闇斎、民の生活向上を貫いた会津肥後守の保科正之、豪快な水戸光圀、観測隊長の建部昌明、副長の伊東重孝などなど。
解答さんこと関は最初全く姿を出さなかったので、「一体誰だ?」と既に登場している人物の中から探そうとしていました^^;

挫折や失敗、周囲の死、さまざまな葛藤を乗り越えていろんな人から託された夢を諦めずに貫く。春海1人では決して成し遂げることは出来ず多くの人からの助言と叱咤激励、そして多くの人のさまざま分野での知識、支援があったからこそ出来たわけで。

個人的に好きなのは建部昌明と伊東重孝が登場する場面全て。笑ったり悲しくなったり…。学問を深く究めるためなら立場・年齢に関係なく学ぼうとする姿勢、若者に期待を込めて夢を託す、探求心だけでなく会話も面白くて無邪気ですらある。「頼みましたよ」「頼まれました」というセリフには痛いほど想いが込められていたんだなぁ(TT)。

まさに人生を賭けた大仕事をここまで面白く読ませるのには冲方丁氏の力なんだろうな。というか冲方丁氏をこの本で初めて知ったのですが、他にどんな本を書いているんだろう。読み終えて2010年本屋大賞に選ばれたのに納得。この作品はドラマ化したら面白そうだなぁ。渋川春海は…大沢たかお?!ああダメだ、南方仁のイメージがあるからどうしても大沢たかおしか浮かばない…

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「植物図鑑」 有川浩

『植物図鑑』   

植物図鑑

 著者:有川浩
 出版社:角川書店





<簡単なあらすじ>
さやかがイツキとであったのは冬終わりの夜だった。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」「咬みません、躾のできたよい子です」と言われ家にあげてしまい、そこから同居生活が始まった。さやかはイツキという名前以外は彼の素性を知らなかったが、植物オタクで美味しいご飯を作ってくれ家事全般をこなす同居人として完璧なイツキを意識するようになる。2人の生活はうまくいっているように見えたが、ある日イツキはさやかの前から姿を消してしまう…

<感想>
あとがきによると"男の子の前に美少女が落ちてくるなら女の子の前にもイケメンが落ちてきて何が悪い!"と天空の城ラピュタの逆バージョンのような出会い。でもね、いくら飲み会帰りでお酒が入っていたといえ、マンションの植込みに行き倒れている見知らぬ男性をそのまま拾って帰る?!いくらイケメンだとしても。
このご時世にさやかの行為は無鉄砲で無防備すぎるよ~。たまたま良い子にあたっただけで、もし何か事件に巻き込まれたら…と心配しちゃうよ。

まぁ物語だから出会いのいきさつは置いといてと、イツキは自分で「躾のできたよい子です」と言うとおりかな~り出来た子です。過去をあまり話したがらないイツキに対しさやかはそれ以上踏み込めない。
いじらしいとこもありイツキの好きなタイプの女の子に近付こうとします。一つ屋根の下に住んでいるのに以外と純情な2人。途中から読んでてこっちが恥ずかしくなってきちゃうけど。。
現実的にこんな出会いもはまずないし、こんな男性もいないだろうし(いる?)彼の過去はまるでドラマのよう。小説的にはちょうどいい感じのベタ甘で(時々超甘)、ついでにお腹が空いてくる(笑)。

イケメンで植物に詳しく、その植物を使って上手に料理する、しかも倹約家で家事全般をそつなくこなす。そりゃこんな同居人なら恋もするってもんだ。食生活が改善され健康になっていくだけなく、自分の住んでる街を散策し今まで気にも留めなかった植物を知って食す。うん、楽しそう。。

なんだか現実味がなくいかにも物語!という雰囲気の内容ですが、読んでいて何が楽しいってイツキが作る植物を使った料理に限る!主な植物は本の最初と最後に写真付きで載っているのでどんな形をしているのかわかるり、それが料理されていく様を想像することが出来ます。そしてその料理たちに対しさやかが毎回感想を述べるのですが、読んでいる私の胃まで刺激してきます。

中でも気になったのは、さやかが今まで食べたパスタの中で一番好きと絶賛した「ノビルとセイヨウカラシナとベーコンのパスタ」、リンゴやみかんのようなような爽やかな果物系の味がするという「イタドリ」、強い毛に包まれているが揚げるとふわっとさくっと仕上がる「ユキノシタの天ぷら」。特にノビルが美味しそうなんですが、イツキいわく基本的に流通に乗ってなく自生している場所も少ないとか…。どうやって材料を揃えたらいいのだ?!

一応、巻末に作中で登場するイツキが作る料理のレシピがあるので作ってみようかな~と思いつつ、この本を読んだ後では誰か作ってくれないかな~というのが正直な感想^^;誰かが愛情を込めて自分のために作ってくれた料理だからこそ美味しくいただけるっちゅーもんです。自分で自分のために作っても…ねぇ?

「シャッター アイランド」

『シャッター アイランド』   SHUTTER ISLAND

シャッター アイランド

製作年:2010年
製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ 
原作;デニス・ルヘイン『Shutter Island』
出演者:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、パトリシア・クラークソン、マックス・フォン・シドー、エミリー・モーティマー、ジャッキー・アール・ヘイリー、イライアス・コティーズ

<簡単なあらすじ>
1954年、精神を患った犯罪者を収容している孤島"シャッターアイランド"で鍵のかかった病室から女性患者レイチェルがこつ然と姿を消した。この失踪事件の担当を自ら志願した連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)と新相棒のチャック(マーク・ラファロ)は捜査しにシャッターアイランドに降り立つ。テディにはもう1つ目的があった。妻を火災で亡くしその放火魔レディスが収容されており自ら復讐するため。捜査を始めた2人だったがレイチェルは島内にもおらず島外にも出た形跡もなくただ一枚「4の法則」と書かれたメモが残されているだけだった。異様な雰囲気の島でテディは洞窟に隠れてる女性から驚くべき話を聞かされる。島で一体何が行われているのか、テディは何かに導かれてこの島にやってきたのか――。

<感想> ※ちょっぴりネタバレしてるかも※
謎解き作品ということで見てきました。本編が始まる前に視覚的な説明があったり、「目線や手の先までじっくり見てください、君はいくつ見つけることが出来るか?」(←多分こんな感じのこと)なんてことを念を押されたもんだから本編見てる時、画面の端から端まで気になって仕方がなかったよー^^;ちょっとしたことで「んっ!これは伏線か?!」なんて思ったりしたのですが、観終わったあと私がチェックしてたのは半分ぐらい全く関係なかった…(-ω-)

この映画の感想、ネタバレを言わずに書くのってムズカシイなー。正常と幻想の間って感じ?あぁ、難しい!ネタバレしてないつもりなんだけど、もしかしたら以下の感想の中でちょっぴりネタバレしてるかも。。

テディがシャッターアイランドに来た目的はレイチェルの捜査と収容されてる妻が亡くなった原因の放火魔を見つけるということですが、テディは島に来てから頭痛に悩まされます。兵士として戦争に行った時のユダヤ人収容所の出来事を思い出したり妻の幻想を見たり…。戦争の体験や妻の死がトラウマになっているようで。
この幻想は頭痛がした時にもらった薬のせいなのかはたまた最初からなのか…と観ながら謎解きに必死になる私。病院スタッフのどこかだらけた態度、レイチェル捜査班のやる気のなさとは反面テディだけは真剣そのもの。この時点で違和感がプンプン。

もしやこれって?!と途中で思うも確信なし。結末はやはりそうだったんだということでしたが、最後に言ったテディの言葉を聞いて初めてびっくり!うーん、ここでそうきたか。一体どこからどこまでが正常だったんだろうって疑問が出てきました。
実はこうでしたといった単純な謎解きではなく、さらに捻りがあるんじゃなかろうかと。コーリー博士の言ってることが100%正しいのだろうか?実は最初からテディのしてやったりとかあるんじゃ?全てシャッターアイランド側の陰謀なのかなとも… ←でもこれは多分違うような気がする^^;

ところでそんなに謎を解くヒントがたくさんちりばめられてたのかな?字幕で観たので気付かなかっただけ??次は話題になってる超日本語吹替版で観ようかな。でももう一度観たからといって明確な答えがわかるとも思えない…
はー、謎解き(しかも精神的もの)作品は頭がガチガチに固い私にとってやはり単純明快な内容の方が合ってる^^;

「フリーター、家を買う。」 有川浩

『フリーター、家を買う。』  

フリーター、家を買う。

 著者:有川浩
 出版社:幻冬舎





<簡単なあらすじ>
新卒で就職したのもの3ヵ月で辞めてしまった武誠治。就職活動をしながらダラダラとフリーター生活を送っていた。そんなある日、母親が鬱病になってしまう。結婚し家を出ている姉から鬱病になった原因を聞かされた誠治は心を入れ替え生活を改め直す。鬱病に対し理解がない父親と看病しながらいざという時のお金のために夜間バイトをしながら真剣に就職活動を始めるが…。

<感想>
タイトルを見て主人公が家を買うためにいろんなバイトをし、そこで数々のドラマがあり最後には家が建っちゃった!といった内容だと思ってましたが全然違ってました^^;

最初からいきなりブルーな気分…。読み始めて主人公・誠治に嫌悪感を抱き、母親のくだりで重い空気に。鬱病の原因となった父親の言動、その父親に対しこれでもか!と極上の文句(でも正論)を面と向かって言う姉。そんな状況の武一家が母親のうつ病でどう変わっていくか、今まで家族のことを殆ど考えてなく世間さえも甘くみていた誠治がどう成長していくのか、といった内容です。こんな状況からスタートするので中盤からは前向きな内容に。

誠治の成長ぶりはすごいです。イヤな奴から良い人になっちゃってます。家族や仕事に対し真剣に向き合うことでここまで変われるのか?!というぐらいすごい変わりようです。
これはやはりぐーたら生活から結果的にピリオドを打つことになった母親の鬱病、バイト先の道路工事現場での父親世代の先輩からのアドバイス、しっかり者の姉、父親との付き合いで変わっていったのでしょう。

この父親、中堅商社で経理の鬼と言われておりプライドが高い。学があるため自分が理解できないことは容易に受け入ることができない。最初はむむ…なんて父親だ!と思ったのですが、母親の鬱病に対し心が弱い人間の言い訳だと言ったのは、後になって仕事場でがむしゃらに働いてきた世代で弱音を吐くことすら出来なかった状況で何十年と過ごしたからじゃないかとも思ったり。←決して父親の言動を擁護する訳じゃないですけど^^;少しばかり不器用なだけなのかなと。

中盤過ぎて今回はさすがに恋愛要素はないだろうと思ってたら、最後の方でちょっぴりありました。
だけどなんだかとってつけたような感じで無理に入れなくてもよかったんじゃ?なんて。というよりいつの間に2人はそんな感情になってたの?!とビックリ。といいつつその後の2人もちょっと気になったり(笑)。

不況の中での就職、親子の付き合い方、鬱病の看病と現実的な内容のこの1冊(『図書館戦争』とはえらい違うな~)、あとがきに原稿の依頼は「新しい一日」と「オフィスと仕事」だったそうな。これだけみると内容が伴っているようないないような…?確かに今までの生活とは一変、新しい一日を迎えオフィスでの仕事も書かれてますが、なんか依頼とはちと違うような気が~^^;

なにはともあれ希望が持てそうな気がしてくる1冊でした。

「廃墟に乞う」 佐々木譲

『廃墟に乞う』

廃墟に乞う

 著者:佐々木譲
 出版社:文藝春秋





<簡単なあらすじ>
・『オージー好みの村』
ニセコの貸し別荘で若い女性が殺されていた。遺体の第一発見者であるオーストラリア人住民が犯人として疑われ、彼の仕事仲間が仙道に助けを求める。ニセコのオーストラリア人たちは警察との間に摩擦があるだけでなく、地元の不動産関係者とも揉めていた。
・『廃墟に乞う』
13年前に起こった札幌での娼婦殺人事件と同じ手口の事件が起こった。十勝地方の山奥にいた仙道は札幌に戻る途中、当時の犯人の故郷―夕張市の西隣にある町へ向かった。すさんだ炭住街、ダム、発電所があり貧しい環境。犯人が育ってきた背景を目の当たりした仙道は…。
・『兄の想い』
オホーツク海に面した猟師町で、町一番の人望ある若者が町一番の有力な漁師を刺し殺すという事件が起こる。漁師たちの組合グループの構成が背景にあるかと思われたが…猟師町という独特の雰囲気の中で仙道には別の視点から気になることがあった。
・『消えた娘』
仙道の前に男が現れ「娘を捜して欲しい。殺されたかもしれない」と依頼を持ちかける。札幌で警察が連続暴行犯を取り逃がし犯人はトラックに轢かれ死亡したという事件があり、その犯人の家から娘のハンドバックが見つかったという。仙道は犯人の周辺を調べ始める。
・『博労沢の殺人』
日高地方中央部にある町で競走馬生産牧場のオーナーが殺された。この被害者は仙道が捜査に加わった17年前の殺人事件の参考人だった。仙道は現場に行きトラブルが耐えなかった被害者の身辺を調べ始める。
・『復帰する朝』
3年前、ある事件で有力な証言をしてくれた女性から妹が殺人容疑にかけられているので助けて欲しいと連絡が入る。早速現場である帯広に行き被害者と妹の周辺を調べ始める復帰間近の仙道だったが…

<感想>
第142回直木賞受賞作品。
北海道警察捜査一課捜査員・仙道孝司はある事件で心に傷を負い医者から療養が必要と言われ現在休職中の身。自由な身ということもあり仙道のもとへ次々と事件解決の依頼が持ち込まれる。そして広大な北海道のさまざまな町に出向き解決していく。北海道という土地柄、社会的問題絡みの事件6篇で構成されている連作短編集。

休職中という立場で捜査するというのは珍しいパターンかも。
なぜ休職中にしたかというと、北海道全域を舞台にするには現役バリバリでは管轄の問題もあり行動範囲が狭くなってしまう。そこで組織に縛られず広範囲動けるように休職中にしたそうな。ただ休職中ということで拳銃も警察手帳も持つことが許されず捜査権も逮捕権もない。あるのは人脈だけ。
この人脈と今までの経験を生かし彼なりに解決の方向へ導いていきます。基本、休職中なので足を突っ込むことは出来ず、担当の捜査官にそれとなく犯人逮捕に向けた新たな情報やヒントを伝え、その捜査官の手柄になるように促していくという自分の立場を理解した上での行動。

どちらかといえば目立たない地味な雰囲気の主人公、私立探偵のようなことをする訳ですが休職中といえども現役の道警刑事なので言動にかなり制約があるのですが、うまく解決へと導いていくわけで。

主人公の仙道孝司はある事件で心に痛手を負っているという設定ですが、読み始めは一体どんな事件が起こりその事件によって主人公がどんな痛手を負ったのか、かなり曖昧に描いているのですが話が進むにつれ徐々に詳細がわかるようになっています。ある事件のことも最後にはわかるように。

文も淡々とあっさりしており重い内容でも後に残るような感じではないかな。軽いハードボイルドが入っており個人的には好きな文体、内容でした。事件に関わった人たちの人間模様はなかなか読ませてくれます。拳銃も登場しなければ派手なシーンもなく、歩いて関係者に話を聞いて推理する私立探偵といったところでしょうか。

全体的に暗く決してハッピーエンドではなくどこかラストが悲しい。最後の『復帰する朝』だけはちと怖い…。事件の真相を追求することで知らなくてもいいことまで知ってしまい、それが果たして皆が望んでいる結果なのかどうか…。結局、主人公の年齢や家族など詳細は書かれてなかったのですが、一体いくつぐらいの設定なんだろう。。

他の方の感想を見てると同氏のほかの著書の方が人気が高いような感じを受けますが、初めて佐々木譲氏ものを読んだ私にはこの1冊が十分に面白く読めました。ってことは他の人気ある著書を読んだらもっと面白く思えるかもしれない。。是非読まなければ。

ちなみに佐々木譲氏は好きな私立探偵にマット・スカダーを挙げてます。私もこのリーズは好きなのよね~。なんか嬉しいなぁ^^「完全に事件を解決するわけではない。一歩引いたところで、どのような解決がなされるかを示唆したところで物語が終わる。」という意味では大きな影響を受けてるそうな。そういえば仙道もそうだ。

「ジーヴスの帰還」 ウッドハウス

『ジーヴスの帰還』  JEEVES IN THE OFFING

ジーヴスの帰還 (ウッドハウス・コレクション)

 著者:P・G・ウッドハウス (Pelham Grenville Wodehouse)
 訳者:森村たまき
 出版社:出版社:国書刊行会 ウッドハウス・コレクション




<簡単なあらすじ>
ダリア叔母さんから電話がかかってきブリンクレイ・コートに行くことになったバーティー。滞在客はトム叔父さんの仕事関係のクリームの妻と息子、マルヴァーン・ハウス元学校長のアップジョンとその義理娘フィリス、そしてバーティーの元婚約者ボビー。さらに執事を装った神経科医のグロソップまで。不安はその前にやってきた。タイムズに全く身に覚えがないバーティーとボビーの婚約発表の記事が載っていたのだ。ブリンクレイ・コートでボビーに真相を確かめたところ、彼女なりのあるアイディアがあるとのこと。それだけでなくさらに困難な事が待ち受けていた。シリーズ第10弾で短編『ジーヴスとギトギト男』『ポッター氏の安静療法』も同時収録。

<感想>
ボビーはバーティーの友人であるキッパーと相思相愛で、彼とうまくいくためにバーティーを利用。グロソップはある目的のために執事を装う。バーティーはクリームの息子ウィルバートがフィリスにプロポーズするのを防ぐという任務を与えられるが、なぜかキッパーとフィリスが婚約。推理小説家のクリーム婦人は執事を装ったグロソップを本当の執事ではないと疑っている。トム叔父さんが溺愛しているウシ型クリーマーが紛失しなんでもくすね盗るという噂のウィルバートが犯人とバーティーとグロソップは考える。

これだけでも波乱ずくしなんだけど、しわ寄せはもちろんバーティー。しかしシリーズ第10弾となるとどう感想を書いたらいいのやら…^^;といっても飽きたとかそういうのではなく相変わらず愉快で面白い!というのは変わらず。二転三転し、ひっくり返ってまた二転三転という感じ ←説明しづらい~。

険悪な仲だったグロソップが小学校時代にバーティーと同じいたずらをしたことがあるという事でそれから徐々に仲良しさんに。あとがきにも書かれてますが実は険悪状態から仲良しになるのは今回が初めてではなく『サンキュー、ジーヴス』でもそういう状況だったみたい。そういえばそうだったかも…となんとなく思い出しました^^;自分のブログ内を探してみると3年前にこの本の感想をUPしておりそんな内容を書いてた(笑)。こんな私なので時代設定があやふやでもウッドハウスがキャラクターに対しての無雑作でもさほど気にならず^^

ジーヴスよりインパクトあったのはバーティーの元婚約者ボビー。彼女は自分でちゃんと解決出来る子(やり方は豪快だけど^^;)なのに、なぜか周囲を巻き込んで引っかき回す。さらにここぞという場面で余計なことをしたりその場をさらに悪い方向へ持っていく。それでいて悪いのは全てバーティーのせいに。。いつもと同じくバーティーは損な役回り。そして周囲の者は問題解決し万事OKっと(笑)。
登場する女性陣は、強かったりインパクトある風貌だったりぽわ~んとしてたり。皆特徴あるなぁ。

そのボビーの自分で解決する様は同時収録されてる『ポッター氏の安静療法』で発揮。出版社社主のポッターがレディ・ウィッカムに招待され、そこで令嬢のボビーのある計画に巻き込まれるという話なのですが、ジーヴスとバーティーは登場しないものの、自分で問題解決するボビーの聡明さというかずる賢さというか小悪魔ぶりはなかなか!
『ジーヴスとギトギト男』の方はどこかで読んだことがある…って思っていたらハヤカワミステリマガジンで読んだんだった。←これもあとがきを読んで気付いたんだけど^^;「執事とメイドは見た!」という特集があり購入した記憶がよみがえってきました。

訳出もまだまだ続くらしいので次作は楽しみ♪早く出してくれないとまた登場人物たちや過去の出来事が頭から抜けていっちゃうよ~(><)。

「フィリップ、きみを愛してる!」

『フィリップ、きみを愛してる!』  I LOVE YOU PHILLIP MORRIS

フィリップ、きみを愛してる!

製作年:2009年
製作国:フランス映画
監督・脚本:ジョン・レクア/グレン・フィカーラ 
原作:『I LOVE YOU PHILLIP MORRIS』
出演者:ジム・キャリー、ユアン・マクレガー、レスリー・マン、ロドリゴ・サントロ

<簡単なあらすじ>
スティーヴン(ジム・キャリー)は家庭を大事にし平穏な暮らしを送っている警察官。だが大事故に遭った際に「自分の人生に嘘はつかない!好きなことだけやってやる!本当の自分として生きるんだ!」と決意しゲイであることを妻に告白し家を出てフロリダに引越し。そこでボーイフレンドと贅沢三昧の生活を送るがお金が続かない。スティーヴンは詐欺師となりますます生活に磨きをかけるが警察に捕まり刑務所へ。そこで同じ囚人のフィリップ(ユアン・マクレガー)に一目惚れ。スティーヴンはフィリップを幸せにするため、そして一緒にいたいために嘘をつき裏の手を使い彼を喜ばせる。だが幸せな日々は続かなかった。嘘や詐欺行為がばれてしまいフィリップは姿を消してしまった。刑務所の中でスティーヴンはある事を計画し命懸けの大勝負に出るが…

<感想>
観る前はジム・キャリーとユアン・マクレガーが恋人同士ってどうかな?!と思ったのですが、観終わった後はとってもお似合いのカップルだったのに驚き!この2人にはやらしさが感じられずむしろ純愛にさえ感じてしまう。←これは言い過ぎかも(笑)。

何日も会えない日があっても他の男性に浮気することなく、フィリップのことだけを考え犯罪行為を繰り返すスティーヴンの行動は直球ストレート。結局一途な想いが「そんなこと現実にしでかす?」というビックリ仰天の行動にでるのですが、この行動がまたすごい。。

さまざまな詐欺行為や新しい職場への就職・横領、脱獄等、中にはそんなこと現実に可能?って観てて思ってしまいます。コメディ映画のために作られた脚本のような内容だけど実話っていうんだからこれまた凄い。スティーヴンはIQ164だから次々と色んなことを考えつくのね…でも結局捕まっているから現実はそれほど甘くないってことか?いや、愛の力の方が大きすぎて詐欺やその他もろもろに対しちょっと油断しちゃったか?

そしてユアン・マクレガー。39歳なんだよね?可愛いしぐさ、キュートでういじらしくてピュアで…ってキリがない(笑)。この役がピッタシじゃないか!守ってあげたいキャラ炸裂。

現在スティーヴンは終身刑で現在も服役中。フィリップは2006年に釈放。それを考えるとやはりリアル犯罪物語。でもなぜか映画にすると面白いロマンチックコメディになってしまう。愛のためにここまで行動するスティーヴンとフィリップをついつい応援したくなってしまう…けど立派な犯罪なんだよなぁ。
スティーブンに数々の嘘をつかれ再び刑務所に入ることになったフィリップは今でも彼のことを良い思い出と思っているのかな?スティーブン自身も大事故に遭わなければこんな大決心はせず幸せな家庭の中で生きていたんだろうか?

主人公2人は実在しさらに本当にあった出来事でスティーブンは現在服役中ということが頭の片隅で回ってる…。映画の中ではスティーブンの生い立ちもあり、それがところどころ挿入されてて今のスティーブンに影響されてるのかなと。
最初のシーンで彼はもしかして…?と思わせるような作り方も結構好き(私はどんな作品でも監督の意図にまんまと引っ掛かる性質らしい。。)

スティーヴンの命懸けの大勝負はちょっと笑えませんでしが、どこか憎めないこの作品。結局なんだかんだと言いながらも面白く観れました^^あと音楽も良かった。

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