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「社交ダンスが終った夜に」 レイ・ブラッドベリ

『社交ダンスが終った夜に』  ONE MORE FOR THE ROAD

社交ダンスが終った夜に (新潮文庫)
 著者:著者:レイ・ブラッドベリ (Ray Bradbury)
 訳者:伊藤典夫
 出版社:新潮社 新潮文庫





・『はじまりの日』
・『心移し』
・『埋め合わせ』
・『社交ダンスが終わった夜に』
・『墓碑銘』
・『頭をよせて』
・『ドラゴン真夜中に踊る』
・『19番』
・『けだもの』
・『秋日の午後』  ほか15編
計25編からなる短編集。この中からいくつか紹介。
『はじまりの日』
ある朝チャーリーは思い出した。卒業してから50年後、学校がはじまる日に学校の正面にある旗ざおの下で友人ら5人で会おうという約束を。妻が「そんな約束誰も覚えてない。あなたが傷つくのを見たくない」というのを尻目にチャーリーは車で学校に向かった。

向かう途中、車の中で楽しかった昔のことを思い出してるチャーリー。会ったらまず何を言おう、いや、誰もいなかったらどうしようなど考えながら旗ざおに着くとそこには…。学校に行ってよかったのかどうか私にはどう解釈したらいいのかわかりませんが、終わった後の余韻は結構好きな方かな。

『心移し』
互いのパートナーがそれぞれ旅行中、男と女はホテルの一室にいた。女は男に眠る前にお互いに願い事を唱えようという。「あなたは奥さんと、私は夫とあらためて恋に落ちることができますように」と。そして次の朝…

不倫同士の男女の話なんですが、今の関係に終止符を打ってそれぞれの家庭に戻ろうとするだけなのに切なくてロマンチックなストーリー。男性のどうすることもできない姿が何とも言えません。

『頭をよせて』
毎年毎晩欠かさずベンチに座り口論をしている老夫婦。ある日その夫が亡くなりベンチには誰も座ることがなくなった。その風景を見ていた男は残された妻にあるプレゼントをする。そして…ここ1週間近く無人だったベンチに妻の姿があった。

知り合いではないけれど、妻が夫の墓地にいるのを見るに耐えかねて何かしたいと思った男。ちょっとした優しいプレゼントは妻にとって生きる糧とななったことでしょう。

『残りかす』
ラルフ・フェントリスのもとには親しい人から遠い知り合いまで、さまざまな人から電話がかかってきたり会いに来られたりする。返事をするから誰もが彼に相談するのだが…。

ついつい愚痴を聞いてほしくなっちゃう人、いますいます。話すほうがすっきりして楽だろうけど、聞いてる方は面倒だろうなぁ。ラルフ・フェントリスの妻は「またか」という感じで淡々としており、ラルフ・フェントリス自身も「やれやれ」という感じ。私も彼のような知り合いが欲しい(笑)。

『ほほえみは夏のように大きく』
毎年夏、ウィルは友人の姿をさがし求めるが誰もいない。だがある夏、同い年ぐらいの9人の夏の少年が遊んでいるのを見つける。さっそく仲間になり一緒に遊ぶウィル。すばらしい無為の時間を過ごすのであった。

"夏の少年"は男の子…なるほど(既に少年と呼んでますが^^;)。とすると女の子の場合は"冬の少女"?…あたたかい暖炉の前でお人形さんごっこでもいいってこと?まあその場合は冬の少女たちはみな丸くなって寝てるだけですが(笑)。少年のある夏の青春って感じのストーリーでした。

『それで、あなたの言い分は?』
朝早く、妻から「それで、あなたの言い分はどうなの?」と聞かれる夫――。夫はゆっくりと話し出した。

夫は一体何をしたのでしょう?何かあったから言い分を話しているのですが原因は夫婦にしかわかりません。夫は作家のようでまるでブラッドベリ自身の言い分を聞いてるよう^^;ちなみにもし私が妻の立場なら「ごちゃごちゃ言わないで要点を早く!」と男性の話を打ち切るかも(笑)。


この短編集に収められているうちの幾つかは主人公(または語り手)が作家となっているのはブラッドベリが体験したこと、見たことなど実話がベースになっているからなんですね。なるほど。
『ウは宇宙船のウ』でもそうでしたが、ブラッドベリの短編集には偉大な作家たちの名が登場することあります。(←他の短編集でもよくあることなのかな?)
これは多くの作家が不幸な人生を送っており、彼らを守ることができない時に「あなたを愛してる」と伝えたくてタイムマシンを登場さすんだとか。

そうそう、解説に"隠喩"について書かれているのですが、私にはどうも意味がわからない~。明確なものからイメージで説明していくものとか色々とパターンがあるようで…。
ブラッドベリと隠喩は切り離せないものみたいですが、今までそんなこと考えたこともありませんでした(汗)。隠喩、隠喩…隠喩とはなんぞや…

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「十の罪業 RED」

『十の罪業 RED』 TRANSGRESSIONS : 10 NEW MYSTERRY NOVELLAS

十の罪業 RED

 編者:エド・マクベイン (Ed McBain)
 訳者:木村次郎/田口俊樹/中川聖
 出版社:東京創元社 創元推理文庫




・『憎悪』 エド・マクベイン
・『金は金なり』 ドナルド・E・ウェストレイク
・『ランサムの女たち』 ジョン・ファリス
・『復活』 シャーリン・マクラム
・『ケラーの適応能力』 ローレンス・ブロック
以上5編からなる中編小説アンソロジー。
『十の罪業 BLACK』ではジェフリー・ディーヴァー、スティーヴン・キング、ジョイス・キャロル・オーツ、ウォルター・モズリイ、アン・ペリーの5編が収録。

<感想>
『憎悪』
イスラム系のタクシー運転手連続殺人事件が起こった。どのタクシーにもフロントガラスに青いダビデの星が描かれており犯人はユダヤ人かと思われていた。捜査するのは87分署のイタリア系キャレラとユダヤ系のマイヤー・マイヤー。被害者の家族、関係者に聞き込みをし犯人を追うが…。87分署シリーズ。

自由の国アメリカで人種が対立するような事件が起こるストーリー。そういや87分署の刑事たちもイタリア系 ユダヤ系、アフリカ系、日系等々、さまざまな人種がいたような?自由な国だけに言いたいことを口にしてしまう。よってそれを聞いた人が感情を害することもあるわけで。アメリカらしいことをすればそれが犯罪になるとは!宗教が対立すると報復のあとにまた報復と続き、最悪な状況へとエスカレートしかねない。なんだかマクベインらしいストーリーだわ。マクベインらしいといえば犯人側からの目線も描かれているのも87分署らしい。

巻末の著者紹介に"今作品はマクベインが発表した最後の87分署シリーズ"と書かれてますが、『最後の旋律 -87分署シリーズ -』のあとがきでは

自分の死後に出版する最後の作品として87分署シリーズ最終章『EXIT(退場)』を・・・と生前に構想してており、他の作家がこのシリーズの後を引き継げないような結末にしようと思ってた。しかし結局幻になった。

とあったんですがそれとは違うよね?だって今回は中編だし"退場"とは全然関係なさそうですもん。生前に構想してただけで実際はまだ執筆してなかったのかな。どうなんでしょ。

『金は金なり』
ドートマンダーとケルプのもとへ刑務所から出てきたクワークからある儲け話を持ちかけられる。男が働く印刷工場で本物の紙幣を印刷するというものだった。何か裏がありそうだがとりあえず2人はその話に乗ることに。クワークは他の人間が計画したヤマでは有能だが自分自身のヤマとなるとどうも信用できない。ドートマンダーとケルプは無事仕事を終え報酬を手にすることが出来るのか。

こちらはドートマンダーシリーズ。このシリーズが中編で読めるのは珍しいので嬉しい^^短編ならあるんだけどね。今回のドートマンダーとケルプはなんだか賢く見えるぞ?ユーモアちっくなところはいつも通り面白いんだけど、2人のおバカさんぶりがあまり出ておらずちょっと寂しい…。でもやっぱりこのシリーズは面白い。

『ランサムの女たち』
偉大な画家ランサムは人前に出ることはなく謎に満ちていた。そのランサムから展覧会の招待状が彼を尊敬してやまない美術の鑑定士エコーのもとへ届く。展覧会でランサムから絵のモデルになるため1年間孤島に来て欲しいと頼まれエコーは行くことにするが…。一方、エコーの婚約者で警官のピーターはかつてのランサムのモデル女性たちを調べ始める。その結果、驚くべき事実が判明し…。

このアンソロジーの中で一番ページ数が多い今作品、最後の最後までストーリー展開が気になってしょーがなかった。ジョン・ファリス作品を初めて読みましたがサスペンスホラーって雰囲気かな。
謎の<黒衣の女>、ランサムの過去のモデルたちの消息、孤島での生活などがクライマックスに向かって徐々に明らかになっていき、アクションもあり、危機もありと映画にできそう。というか映画の題材にもってこい!って感じか。最後まで読んでる側を引きこませる内容で一気に読んじゃいました。

『復活』
ある大学で伝説となっている用務員の老人グラディソンがいた。解剖室から出てきた青年から初めて死体に触れた時のことを聞かれ老人は過去を振り返る。奴隷として大学用務員として働くことになった若かりし頃のグラディソンは真面目に仕事をこなしていた。ある日、博士からある仕事を任されることとなり…。

これはよく出来てる!他の4編とは全く違う雰囲気を出しておりミステリーでもサスペンスでもない。このアンソロジーの条件の一つとなっている広義の犯罪の部類に入れるのが一番よさそう。当時の奴隷という背景と仕事内容を淡々と、でもリアルに描いており時代ものを読んでるような雰囲気。この著者は他にどんな物語を書いているんだろう。興味が出てきました。

『ケラーの適応能力』
二機の旅客機が世界貿易センターのツインタワーに突っ込んだ朝を境にすべて変わってしまった。その頃ケラーはマイアミで仕事の準備をしていたが、それから飛行機に乗るのに新たなセキュリティが導入されケラーは飛行機に乗らなくなった。911きっかけにケラーに変化が…。

こちらは殺し屋ケラーシリーズ。いつもの殺し屋ケラーとは違う…。グラウンド・ゼロで救助活動している人たちに食事を配るボランティアをしたり、話を聞いてくれる相手が欲しくなったり、ぬいぐるみに話しかけたりと明らかに殺し屋らしくない行動。ドットがケラーの心の変化を代弁してくれてますが、アメリカに住むケラーにとってもタワー崩壊は衝撃的な出来事。
初めて殺しをした時にも触れられており、どうやって仕事に慣れていったかも描かれており思わず「これでケラーシリーズは終わり?」なんて思っちゃった。ケラーのメンタル面が出てる一編でした。

私の好きなウェストレイク、マクベイン、ローレンス・ブロックが収録されているので早速図書館で予約した1冊。中編というのもなかなかいいもんです。シリーズものからそうでないものまで、ほどよくのめり込んで読めました。

「秘岸」 <大阪アジアン映画祭2009>

『秘岸』  LOST, INDULGENCE

秘岸


 製作年:2008年
 製作国:香港/中国
 監督・脚本:チャン・イーバイ(張一白)
 出演者:カレン・モク(莫文蔚)
       エリック・ツァン(曾志偉)
       ジャン・ウェンリー(蒋雯麗)
       イーソン・チャン(陳奕迅)







<簡単なあらすじ>
朝方、長江に女性客を乗せたタクシーが突っ込んだ。運転手は行方不明、女性客は商売道具の自慢の脚に重症を負いギプスで固定されてしまう。運転手の妻は責任を取るため女を世話をするが、入院代が払えないため息子と共に自宅で面倒を見ることに。そして働く病院に来た男性と同窓会にまで同伴するぐらいに次第に仲良くなり女に払うお金まで出してもらう。運転手と関係がありそうな女、父の死が受け入れられない思春期の息子、子供を身ごもりながら昼も夜も働く運転手の妻、その妻にお金を渡す男…。真相は…。

<感想>
こちらも「大阪アジアン映画祭」で観た映画。
が、こちらの感想はムズかしい…。決して面白くなかった訳ではないんだけど最後の最後まで真相がわからない(解釈は観客に任せてる?それとも真相がどこかに伏線としてあった?)のはちょっと消化不良。

飾られてる運転手(エリック・ツァン)の写真の顔が周囲の状況によって時々変わったりするのは面白いんだけども生きてるのか死んでいるのかすら謎だし、事故までの経緯はわかったもののどうしてそのような結果になったのかも謎。肝心なところが謎のまんまだからどうしようもない。

運転手の妻が知り合う男性の存在も少し謎。うーん、恋愛感情があるのかないのか…。でも同窓会にまで同伴してたしお金まで調達してあげてるしなぁ。(しかもヤバそうな方法で)

運転手の息子はちょうど思春期でお年頃。気になる同級生もいるし同居することになった女も気になる。そして父親が死んだと思いたくなく夜中1人で事件の真相を調べる。ミニチュアの町を作ったり人形も作ったりとしてる時が一番落ち着けるんだろうか。

しかしカレン・モクって幾つになってもホント脚が長くて綺麗~。ってカレン・モクって幾つになったんだろうと調べてみると私より年上だった!確かに泣いてるシーンの顔のどアップは私と同年代のニオいがプンプンしてた(笑)。
超おブスの役からエキセントリックな役、美女役、ミステリアスな役となんでもこなしてしまう彼女はある意味スゴイ。スゴイっす。
そうそう、ジャン・ウェンリーってどこかで見た事があると思っていたらドラマ『大地の子』に出てたのね。といっても全く思い出せないけど^^;それより実年齢がカレン・モクより一つだけ年上だっていうのがびっくり。この作品では40代前半の役かと思っていたよ。うーん、女性の年齢ってわからないもんだ。

まとめ→考えれば考えるほど謎が多かったですが全体の雰囲気はそれほど嫌いではない作品でした。

「難民少年」 ベンジャミン・ゼファニア

『難民少年』  REFUGEE BOY

難民少年

 著者:ベンジャミン・ゼファニア (Benjamin Zephaniah)
 訳者:金原瑞人/小川美紀
 出版社:講談社




<簡単なあらすじ>
アレムはエチオピア人の父、エリトリア人の母を持つ少年。両国が戦争を始めたため、どちらの国にいても迫害を受ける状況に。 息子の身を心配した父親はアレムをイギリスに連れ出しホテルに置き去りにして自分は故郷で平和に向け活動するため戻っていく。1人残されたアレムはアイルランド人一家に世話になることになり、難民評議会メンバーと一緒に難民申請をすることになった。

<感想>
少年アレムを中心に戦争、イギリスに留まるための難民要請、デモ行進、あるいは政治絡みで殺されてしまうといった難民の流れが描かれているんですが、かといってただ泣けるだけの内容・・・というわけではなかったりします。
戦争にしろ、いじめにしろ事実を事実として真っ向から受け入れ向かい合う。何よりもアレム自身の勉強に対する意欲、本をたくさん読みクラスメイトの誰よりも勉強を学びどんなことでも新たな知識を吸収しようとする姿勢がひしひしと伝わってきます。

「学校は精神的にも肉体的にも社会的にも自分を磨く機会の場で可能性がたくさんある」だなんて14歳の子が普通思わないよ?教育を受けるという特権が与えられるということがアレムにとっては天国。勉強できる環境への感謝をずっと持ち続けているのは父親の教え、そして今までの環境がそうさせたんだろうか。

里親の家で暮らし、学校も通い勉強することができる。イギリスに来た難民の中ではかなり恵まれている環境だと思う。よくしてもらってるということはアレムもよく理解しており、自分の置かれている立場も十分に理解している。歳の割にはちと出来すぎのような気もしないでもないけど。

アレムのような数々の境遇の子を受入れてきており、里親の娘ルースは最初、突き放した態度だったのに次第にアレムを弟のように思えるように。
受入側の問題もちゃんと描かれてます。皆が皆、アレムのような子じゃないし境遇だって違う。さらに両親は受け入れた難民の子に対し優しく接すると実の子どもが嫉妬することだってある。んー、こりゃ難しい問題だわ。
でも結局、里親・ソーシャルワーカー・友人等々が皆アレムの助けになりたいと思ってる。恵まれてるようなんだけどそうでもなかったり。

全体的にアレムの何事も学びたいという向上心に感動しちゃいます。
ヨーロッパでは当たり前の出来事でも難民という立場は多くの日本人にとって馴染みが薄く、受入側、デモ行進にしても日常的ではない。難民に馴染みのない国には「こういう現実もあるんだよ」と、イギリスやその他の難民が多くいる国には「君の周りは難民は何人いるかい?君たちには出来ることは何だろう?」と伝えようとしているのかな。

この本とは中学・高校時分に出会いたかった~。学校は遊びに行くところだと勘違いしてた私にぜひとも読ましたかった!

「停車」 <大阪アジアン映画祭2009>

『停車』  PARKING

停車


 製作年:2008年
 製作国:台湾
 監督・脚本・撮影:チョン・モンホン(鍾孟宏)
 出演者:チャン・チェン(張震)
       グイ・ルンメイ(桂綸鎂)
       チャップマン・トー(杜[シ文]澤)
       ジャック・カオ(高捷)
       レオン・ダイ(戴立忍)






<簡単なあらすじ>
母の日、妻と夕食の約束をしている男はケーキを買うため車を停車させた。買い物を済ませ車に戻るとベンツが二重駐車しており男は車を出すことが出来ない。なのですぐ側のアパートの住民の中から車の持ち主を探すことに。息子を失い小さな孫と暮らす老夫婦、堅気になった理髪店主人、借金のために嫌々売春婦になってる女性と店の男、香港人の仕立て屋たちと出会い、なぜかそれぞれの問題に巻き込まれていく。男自身も夫婦間の問題があり大事な夜だというのにいつまで経っても停車させたまま車を出せないでいた。

<感想>
大阪アジアン映画祭にて鑑賞。今、超売れっ子のチャン・チェン、グイ・ルンメイが出演しているということもあってかほぼ満席!
2月に台湾行きのエバー航空の中で上映しており、途中まで観たのですが日本語字幕がなく途中で断念した映画だったので今回はとっても楽しみにしてました。
やっぱり日本語字幕で観れるってのはいいわ~♪だってこの映画の印象が全く変わりましたもん。機内では「なんか暗そうな映画だなー」なんて思ってたんですが全然違いました。
ところどころ面白く途中何度も「ふふ」と笑ってしまった^^こんなユーモアある映画だったとは!客席からも笑い声が結構あったかな。

男(チャン・チェン)が妻へケーキを買おうと車を停車させるが、戻ってみると車の横に二重駐車されて自分の車を出すことが出来ない。で、近くの理髪店店主に聞くと上のビルの住人だろうということで男はそのアパートに行くと…

・息子を亡くした老夫婦が住んでおり、いきなり来た男を息子として扱う。
 ↑これはシリアス系。子役の女の子の演技がいい。
・理髪店でトイレを借りるがそこの洗面上にはなぜかそこにあるはずのないものが置かれており…。
 ↑このシーンはかなり笑える。
・香港から来た仕立て屋は借金を抱えており二重駐車の車がベンツと聞くと怯え出す。
 ↑この仕立て屋、結構いい味出してます。
・大陸から借金のため連れてこられた女性がいる売春宿がある。
 ↑この連れてきた男と店の男との車の中での会話が面白い。

といったそれぞれの問題に男が関わってしまうという物語。
本当はそんなことに関わってる場合じゃなく、妻が待つ家に帰りたいのですが帰れない。それをうまい具合にシリアスとユーモアを融合させてるって感じで、この作品かなり気に入りました^^
ラストのその後は一体どうなるんだろう?妻(グイ・ルンメイ)はさぞかし腰抜かすことになるはず…。

母の日、男と妻との関係、息子を亡くした老夫婦という設定から家族愛を重視しているのかなと思ってましたが、映画終了後に来日して登場したチョン・モンホン監督に対し質疑応答があり、そこでは家族愛を特別重視しているって訳ではなさそう。
チョン・モンホン監督にとってこれが初めての長編映画だそうですが、楽しみにしてた以上に楽しめた今作品だったので今後の活躍に期待大!

「実験4号」 伊坂幸太郎

『実験4号』 

実験4号

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:晶文社





<簡単なあらすじ>
未来――温暖化が進み、このままでは地球に住めなくなると政府やマスコミが騒いだ結果、人々は火星に移住するようになった。あるパンクロックのギター後藤も3年前に行ってしまった。残されたメンバーの柴田と門倉は今はもう流行遅れのパンクロックを趣味程度にやっているだけで火星から後藤が帰ってくるのをなんとなく待っている2人。そんな2人が練習場所の小学校で偶然に見つけたのは昔のバンドのことが載ったある雑誌記事。読むと自分たちと似てる境遇のバンドだった。

<感想>
本を図書館から借りてから気付いたのですが、どうやらDVD(40分ほどの映像)も付いてる模様。が、貸出は出来ず中央図書館に行ってそこで観ないといけないということで、本を読み終えたあと返却日ギリギリに図書館で鑑賞。

まずは伊坂幸太郎著「後藤を待ちながら」。
この時代、ロックンロールはすでに過去のもので"ジャカジャカ"という名前にかわり進化しているらしいのですが、ジャカジャカって一体どんな音楽?雰囲気からしてジャカジャカ~って感じがするんだけど。←そのまんまやん
急に火星に行ってしまった後藤。登場する場が少ない後藤ですがキャラ的には1番際立ってる!いいとこ持っていきすぎ(笑)。このオチは面白い^^

全体の2/3は火星に行ったという設定なので、街全体(地球全体?)がどこか寂しげで閑散とした雰囲気。でも本の方は結末まで読むと悲観的ではなく未来がある。紙一重でパラダイスになるかもしれない未来が…。

次はDVDに収録されてる山下敦弘監督「It's a small world」。
本に登場している柴田たちが練習している小学校が舞台。全校生徒がたった3名で先生は校長兼教諭のシマ子先生。
柴田たちと同じ時代、同じ時間を共有しているのでこちらも寂しさ漂う地球に住む人たちということには変わりなし。柴田たちは登場せず彼らが演奏する音楽のみ。
生徒の1人アビちゃんが卒業後に火星に行ってしまうという話なんですが、寂しさ故に子供ながらの提案をシマ子先生にしたりしちゃいます。
全体的に淡々と話が進んでいくのですが卒業式でのアビちゃんの一言には少しグッとくるものが・・・

過去のバンドとして登場するTheピーズって実在するんだ。この本を読むまで全く知らなかった!実験4号というのも彼らの曲。その曲をベースに小説とDVDがコラボ。なるほど。こういうコラボもいいかも^^

「ロックンローラ」

『ロックンローラ』  ROCKNROLLA

ROCKNROLLA

製作年:2008年
製作国:アメリカ
監督:ガイ・リッチー
出演者:ジェラルド・バトラー、トム・ウィルキンソン、タンディ・ニュートン、マーク・ストロング、イドリス・エルバ、トム・ハーディ、トビー・ケベル、ジェレミー・ピべン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス

<簡単なあらすじ>
小悪党ワンツーとマンブルズは不動産ビジネスに参入しようとするが失敗。挙句の果てに不動産市場を牛耳るマフィアのボス:レニーに多額の借金をしてしまう。一方、レニーのもとにロシア人投資家ユーリも頼ってくるが、彼の会計士ステラが絡み問題が起こる。そんな中、レニーとユーリの取引にもう一つ問題が持ち上がり思いがけない人物が絡んでいることが判明する。

<感想>
レニー・コールという昔気質のマフィアのボスであるレニーを中心に、野心家ロシア人、ワイルド・パンチの小悪党たち、セクシーな会計士、汚職議員、ドラック中毒のロックスターなどが絡みに絡み合ってます。途中までロシア人ユーリがレニーに貸した絵画がてっきり中心に話が進んでいるのかと思いきや、いつの間にか誰が裏切り者かという話になってた・・・。絵画も最後の最後には大事な役割してしてるんだけれども。

一見違う場所でそれぞれがそれぞれの目的のために企んでいるものの、実は1つのことに繋がっているという話的には好きなパターン。『リボルバー』で作風がちょっと変わってしまったと思われていたガイ・リッチー。
正直『リボルバー』はどうよ?と思ってましたが『ロックンローラ』で何とか『ロック・ストック~』の頃に戻りつつあるのかな。やっぱりガイ・リッチーには小粋なロンドンギャング群集劇が似合ってる^^
最初はガイ・リッチー監督映画にジェラルド・バトラーが出てるのにどこか違和感があったんですが、見慣れると結構似合った役なのかも。

軽妙なテンポは好きだしワイルド・パンチの1人、ボブ(トム・ハーディ)のゲイキャラもなかなか面白い(顔もステキ)。『リボルバー』の後なので期待していなかったのがよかったのか、思ってたよりは面白く観れたんですが『ロック・ストック~』の時のような「おおっ!」って感心するほどまではいかなかったかなぁ。
気になるのは問題の絵画、一体どんな絵が描かれていたんだろう・・・。

「ブラッド・ブラザーズ -天堂口-」

『ブラッド・ブラザーズ -天堂口-』  天堂口  BLOOD BROTHERS

天堂口

製作年:2007年
製作国:台湾/香港
監督:アレクシ・タン(陳奕利)
製作総指揮:ジョン・ウー(呉宇森)、テレンス・チャン(張家振)
出演者:ダニエル・ウー(呉彦祖)、スー・チー(舒淇)、チャン・チェン(張震)、リウ・イエ(劉助ア)、トニー・ヤン(楊祐寧)、リー・シャオルー(李小[王路])、スン・ホンレイ(孫紅雷)

<簡単なあらすじ>
上海郊外で病気の母を抱えるフォンは、友人シャオフーの兄ターカンから「一緒に上海に行こう、上海で金を儲けよう」と誘われ3人は上海に行くことに。フォンとシャオフーは人力車の車夫の仕事をするがここでも極貧生活。ある日高級キャバレー"天国"でウエイターとして働くターカンの店へ行き、そこから彼ら3人は闇社会へ足を踏み入れてしまう。ある夜、"天国"のオーナであり闇社会のボスであるホンの暗殺に失敗したマークをフォンは助ける。実はマークはボスの愛人ルルと裏で愛し合っていた。一方、ターカンは闇社会に染まっていくが弟シャオフーは闇社会に馴染めないでいた。マークとルルの不貞を知ったホンは3人に彼らを抹殺するよう命じるが…。フォン、シャオフー、ターカン、マーク、ルルの運命の行方はどうなるのか。

<感想>
1930年代の上海を舞台にしたノワール作品。貧しい者が上海で成功するには闇社会で危険な仕事をするしか道はない――。権力に生きるターカン、友情に生きるフォン、愛に生きるマーク、快楽に生きるシャオフー。
ん?シャオフーのキャッチフレーズだけがなんかピンとこない…。快楽に生きてないような気がするけど^^;彼にふさわしいキャッチフレーズは確かに難しい。

なかなかの顔ぶれの今作品、ものすんごく期待してました。だってチャン・チェンが出てるし私にとって久々のトニー・ヤンだって出てる。しかも製作総指揮はジョン・ウーときてるから期待しないわけにはいかない。

で、思ったことは全体的にお上品なノワール作品かなと。男臭さがちょっと薄く私の中ではチャン・チェンとリウ・イエのカッコよさしか頭に残らなかった。なんて言ったらいいんだろう、フォン、シャオフー、ターカン、マークの4人はそれぞれ友情、快楽(やっぱり快楽だけはどうしても馴染めない)、権力、友情、愛と目的ははっきりしているんだけど、何かが足らない…。

フォンはルルに恋心を抱いてるような感じでしたが、諦めも意外と早い?上海に来たことで運命の歯車が狂ってしまった3人、フォンだけは「このままではいけない!」と思いつつも結局やるときはやる。
なんだかキャラ設定がちょいユルに感じるのは私だけ??銃撃戦も少なめだし。でも面白かった?と聞かれたら面白かったよと答えるけど^^;
監督も違うし背景も全く違うんだけども、どうしても『エグザイル/絆』と比べてしまうよ~。『エグザイル/絆』を観てなかったら『ブラッド・ブラザーズ -天堂口-』がもっと面白く感じたかも?


私が劇場に行った日の上映回には『A Forbidden Love Story』(アレクシ・タン監督、リウ・イエ(劉助ア)、カオ・ユェンユェン(高圓圓)主演)という16分のショート・ムービーも付いており、中国語&英語字幕のみなので日本語対訳が記された紙が配布されてました。
短い会話なのでその内容さえ覚えていたら大丈夫なはずだったんですが…どうも最近思考力が衰えてきてるようでどう解釈したらいいのか…。
美容室に入った男性が女性店員に誘われ中へ入っていくとコインを入れると見れる覗き部屋があり、もっと見たいと思った瞬間、中に入れるようになり…といった内容なんですがとっても不思議な世界。リウ・イエの魅力だけは十分に堪能できたのでそれはそれで良かったかな。

「ホルテンさんのはじめての冒険」

『ホルテンさんのはじめての冒険』  O'HORTEN

ホルテンさんのはじめての冒険

製作年:2007年
製作国:ノルウェー
監督:ベント・ハーメル
出演者:ポード・オーヴェ、ギタ・ナービュ、ビョルン・フローバルグ、エスペン・ションバルグ

<簡単なあらすじ>
オスロ線路沿いに住むノルウェー鉄道の運転手オッド・ホルテンは定年を間近に控えた67歳。勤続約40年、アパートで独り暮らしをし規則正しい生活を送り無事平穏退職するはずだった。退職前日に同僚が送別会を開いてくれたのはいいがひょんなことから退職する日に初めて遅刻をしてしまう。その後ハプニングが続き今まで出会うことがなかった人々と出会い自分を見つめ直す機会となった。そしてホルテンさんはあらたな一歩を踏み出し…

<感想>
こーいう作品、結構好きです^^
でも観る年齢層を選びそうな作品のような気も。おそらく青春真っ只中の年代には退屈、定年退職あたりの年代には共感、私の年代なら好みの問題…ってな感じかな?
毎日規則正しい変わりない毎日を送っていたのに、退職日という最後の最後でレールを外れてから今まで体験したことのない日々。
かといって全てが幸せな出会いであったり楽しいことばかりではなく、冒険というより戸惑うばかりの日。今までホルテンさんが経験したことがない出来事を退職してから徐々にじわーとやっちゃってます。
ヨットを売却するためにオファーしてきた人物と出会うはずの空港内、行きつけの店の主人の死、プールでの開放感、初めて履いたであろう女性靴、目隠ししてのドライブ体験、そして最後は…。
そういう状況に巻き込まれることもあれば、ホルテンさん自身も何か新しいことをチャレンジしたいという気持ちもあったりすんですがなんせこれまで知らなかった世界な訳で、逃げ出したくもなるってもんです。

今まで仕事中心で生活してきたホルテンさん、定年してからも何日か制服を着てます。
40年も勤務しておりその上独り暮らし。趣味と言えばパイプと水泳ぐらい?あたふたと定年を迎えたせいかその後の人生をまだ謳歌していないってことなのでしょうか。まぁ穏便に退職してても制服は退職後もずっと着てそうな感じだけれども^^;

寂しい雰囲気もありつつ素朴で静かなユーモアがなかなかいい感じ^^何度か口もとが緩んじゃいました。特に空港内と赤い靴。何かにこれが北欧ユーモアと書いてあったけど、そーなの?なら私は北欧で生活しても娯楽生活では全然OKなわけだ。って生活する予定は全くないけど(笑)。

人生を楽しむのは年齢は関係ない!何事も遅すぎることはないじゃないか!という人生論として楽しむことが出来る映画です。
また新たな人生は予測もしないハプニングだらけだけど、一歩前に踏み出せば人生を変えるような新しい何かが待ってるぞ!というメッセージにもとれる映画でした。
勇気を出して一歩踏み出す?人生を変えるような新たな人生が待ってる??なら私も勇気を出して一歩前に踏み出してみようっと。どういう結果になっても人生の転機にはなりそうな予感…。

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