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「バンク・ジョブ」

『バンク・ジョブ』  THE BANK JOB

バンク・ジョブ
 製作年:2008年
 製作国:イギリス
 監督:ロジャー・ドナルドソン
 出演者:ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、リチャード・リンターン、ジェームズ・フォークナー、デビッド・スーシェ、ピーター・ボウルズ、ダニエル・メイズ

<簡単なあらすじ>
1971年ロンドン、借金取りに頭を悩ませている中古車ディーラーのテリーは古い友人マーティンから銀行強盗の話を持ちかけられる。テリーは仲間を集めいざ銀行の貸金庫を強奪するとその中には世間に公表することが出来ない英国王女のスキャンダル写真だけでなく、政府高官の裏の顔、また汚職警官のリストなどが含まれていた。実はこの銀行強盗には裏があり、テリーらはそのお宝を奪ったことでさまざまな方面から命を狙われることになる。

<感想>
この作品は実話らしく、当時の関係者の証言を基に実際のメンバーに少し肉付けをし9割が真実となっているそうな。
貸金庫という特性は人に知られたくないもの、いわゆる自分だけの秘密を隠す場所。それを他人に盗まれたんだからたまったもんじゃない。

公にできないものが多いので警察に被害届けを出すわけにも行かないので関係者が強盗犯を狙う。
王室スキャンダルの写真をネタに逮捕を逃れてきたマイケルX、その写真を手に入れようとする特務機関、その他にも政府高官や警察などが絡み複雑そうに見えるんですがそれを巧みに一つに結び付けてます。

この銀行強盗には裏があるのですが、それはすでに冒頭で紹介されていたりテリー自身も気付いてたりするんであとはどのように追跡から逃れるか、写真を巡ってどのような駆け引きをするか?って感じでしょうか。

銀行の貸金庫を狙うにあたり、その2件隣の部屋から地下にトンネルを掘って…とかなり古典的な方法で大胆かつ怖いもの知らずというか^^;
実行前に下調べをし念には念を入れ見張りまでたてるがどこかでそれが凶と出たり吉と出たり。警察のワナにひかかるんじゃないかとハラハラしながら観てました。

痛快ドタバタという感じでしたが、もう二転三転したらもっと面白くなったんじゃないかと思ったり。これ以上肉付けすると実話じゃなくなっちゃうか(笑)。

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「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」

『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』 

K-20/怪人二十面相・伝
 製作年:2008年
 製作国:日本
 監督・脚本:佐藤嗣麻子
 出演者:金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼、高島礼子、本郷奏多、今井悠貴、益岡徹、鹿賀丈史

<簡単なあらすじ>
1949年、第二次世界大戦を回避した架空都市<帝都>――
富裕層のみをターゲットに次々と美術品や骨董品を盗み出す怪人二十面相が世間を騒がせており、明智小五郎が事件を追っていた。ある日、サーカスショーを終えた曲芸手品師の遠藤平吉のもとに謎の紳士から明智小五郎と羽柴財閥の跡取りである葉子の結納の儀を写真に撮ってほしいと頼まれる。平吉は天井から結納の様子を盗み撮りしようとするが、実はこの会場には怪人二十面相が犯行予告をしており平吉は二十面相に仕立て上げられてしまう。まんまと罠にはまり指名手配されてしまった平吉は無実を証明するために立ち向かうが…

<感想>
怪人二十面相の名前は知っていますが実はあまり知らなかったりします^^;だけど本来の話をかんなり覆した結末になってるということだけはわかります。多分。

松たか子は平吉が連れ去ろうとする時から天然ぶりを発揮し出しますが、それまでは普通のお嬢様キャラだったよね?急に松たか子が愉快な良家の子女ぶりを発揮しだしたのでちょっとびっくり。
一度は言ってみたい「良家の子女のたしなみです」。凄いね、良家のたしなみはあそこまでするのか。きっと大滝おじい様が教えたのに違いない!

一直線に走る修行シーンは観ていて楽しい。スタントマンを使っていてもまるで金城武がやっているみたい。「かっこいい~・・・オレ」という金城武、はい、あなたはかっこいいです。
久々に金城武がコメディっぽく演じているのを観たかも。平吉が入った仲村トオルのコミカルなシーンも久々。
ジャイロからの縄梯子で高笑いしながら手を振ったり高い塔の上に立ったりまさしくヒーロー。そして内容も笑いあり涙ありで年末年始にピッタリの娯楽作品かな~と。

平吉&平吉の味方である源治、平吉&葉子、平吉&少年シンスケ、平吉&明智小五郎、源治&妻の菊子、明智小五郎&小林少年、どのペアもしっくりきててとっても観やすかったです。
これがもしシリーズ化になったら1人だけもう出演できない?!なんて思ってたら、パンフレットに監督が「半分ロボット役かな」だって(笑)。
是非シリーズ化してロボット役でも何でもいいのでまた登場して欲しいところ。そして今度は少年探偵団を使いまくる小林少年の活躍も見てみたい^^果たしてシリーズ化なるか?!

「魔王」 伊坂幸太郎

『魔王』 

魔王 (講談社文庫)

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:講談社 講談社文庫





<簡単なあらすじ>
「魔王」
安藤はある時気付いた。自分が念じたことを標的にした人物が口に出して話すということを。ちょうどその頃、報道番組で討論している未来党の犬養を見て安藤は、知らないうちに犬養の思惑通りに国民が流されていることに危惧し、腹話術を使い立ち向かおうとする。
「呼吸」
「魔王」から5年後、安藤の弟潤也と結婚した詩織が語り手。未来党が政権を握っている中、潤也は自分の能力に気付く。"じゃんけんに負けない能力"を。条件付きだが賭け事に勝つ能力で潤也は何かに立ち向かおうとする。

<感想>
日本の政治家は皆同じことばかり言い誰が頂点に立ってもそう世の中は変わらない。誰もがそう思っている今日、今までとは違ったタイプの政治家が出てきたら?政治に興味がなかった者まで投票しようという気にさせ、「今までの政治家とは違う」と思わせる犬養。

その様子を見て安藤は国民が犬養のペースに誘導されていると気付き、自分の意図通りに他人が言葉を発する能力で自ら1人で立ち向かおうとするんですが…。
安藤1人で一体何が出来るのか?世の中の流れを変えることが出来るのか?何事にも真剣になり、「考えろ、考えろ」と自分に言い聞かせる安藤。それに対し弟は自分の能力に気が付いた時、お金がたくさんあれば自分のやりたいことが出来ると思っている。こちらは今はアクションはせず長期計画という感じ?兄が負けずに逃げ出そうとしなかったことに対し、自分も兄のように負けるのは嫌だと。

違った能力を持っている兄弟ですが、両方ともなんだか制限があるんですよね~。兄の方は30歩程度の距離内しかダメだとか、弟は10分の1以内の確立だとか…この中途半端な能力は何か意味あるのかしら。

今回はあの千葉が登場するんですが、彼は一体誰の調査をしていたんだろう。も、もしや安藤?!んなわけないか。でも弟が見た兄の最期の夢とか、一仕事終えたような顔をしている千葉が登場すると「ん?」と思っちゃいます。

今作品はいつもの伊坂節を期待してるとかなり予想を裏切られると思います。一体何が言いたいストーリーだったんだろう。誰にも頼まれてないのに自ら世の中に立ち向かおうとする使命感は一体どこから?世の中の流れに身を任せるのではなく、自分で考えて考えて行動しろというメッセージにもとれますが、ただ単にシューベルトの『魔王』の小説版を書きたかっただけだったりして(笑)。

時々兄が憑いたようになる弟、本当に憑いているのか?
「ドゥーチェ」のマスターは一体どんな役割なのか?
弟は貯めたお金をどのように何のために使うのか?
さまざまな疑問の残したストーリーでした。続編はないのかなぁ~

「ブロークン」

『ブロークン』  THE BROKEN

ブロークン
 製作年:2008年
 製作国:イギリス/フランス
 監督・脚本・プロデューサー:ショーン・エリス
 出演者:レナ・ヘディ、リチャード・ジェンキンス、ケイト・コールマン、アシエル・ニューマン、メルヴィル・プポー

<簡単なあらすじ>
ロンドン――X線技師のジーナーは恋人のステファン、弟のダニエル、ダニエルの恋人ケイトと父親の誕生日を祝っていた。すると突然、大きい鏡が激しい音とともに割れ落ちた。「鏡が割れると7年間不幸が続く」という迷信を冗談ぽく話すジーナとケイト。次の日、ジーナは自分と同じ車に乗った自分とそっくりな人物を見かけ後をつけるとそのアパートには撮った覚えのない父親とのツーショット写真が飾られてあった。もう1人の自分を見て動揺したジーナはその帰り交通事故に遭ってしまい、事故前後の記憶を失う。それ以来、ジーナの周囲で不可解な出来事が起こり始め…

<感想>
全体的に映像が重苦しい感じで不安さを強調するかのよう。太陽の下で陽気に笑顔、なんてシーンはもちろんない(笑)。
そして何より音響。最初から始終、何か起こりそうで不安を募る音響がずっと続き、音が高鳴ると
次のシーンにかわり、「なんだ不安を煽ってるだけか」と思って油断してたら急に鏡が割れたり電話が鳴ったりでびっくり。
最初は緊張感が張りつめた状態だったんですが、次第に音だけが少し過剰すぎなことに気付きました・・・

テムズ川の周辺を写すシーンは暗い雰囲気のロンドン。
これはジーナの周囲だけでなく、恐怖は都市全体を覆っているということを暗示してるんだとか。
だから弟のダニエルが同じアパートで会ったおじさんの様子がおかしかったのか!←今この感想を書きながらふと思い出した。なるほど~、この夫婦の怪しげな行動がやっとわかりました。そして最初の方であったX線写真の意味も。
観終わってからあのシーンにはちゃんと意味があったんだなという箇所がチラホラ。

ジーナがある状況を見て記憶がよみがえった時、「なるほどね」と。事故の影響で事故前後の記憶がないってそういうことね。
結局これって「ジーナは一体いつ襲われるんだ?」だなんて思っていた観客は皆騙されたってことだよね?やられた~。そう思うとなかなか凝ってるかも。だけどやっぱり音響が過剰すぎ(笑)。

一番気になったのはジーンと正面衝突した対向車に乗っていた人物。相手の方の方が絶対ヒドい状態だと思うんだけど・・・なに?こちらは放置??それと弟、あなたは1人だけ・・・なぜ・・・?彼は鏡に映ってなかったっけ?

観終わった後で「あのシーンをもう1回観させてくれ~、確認させてくれ~」と切実に思う。何個かキーワードがあるらしいのですが、それを知らずに観ると私みたいに思うはず(苦笑)。おそらくもう1回観たらモヤモヤ感が薄れ、好きになれそうな予感がする作品でした。

「ラッシュライフ」 伊坂幸太郎

『ラッシュライフ』  

ラッシュライフ (新潮文庫)
 著者:伊坂幸太郎
 出版社:新潮社 新潮文庫






<簡単なあらすじ>
才覚に富んでいるが傲慢でお金が全てと思っている画商の戸田、泥棒を生業としている黒澤、その隣に住んでいるのは父が自殺してからある新興宗教団体に入り神を信じている画家志望の河原崎、不倫相手と共謀し男性の妻を殺害する計画を立てるカウンセラーの京子、会社をクビなり離婚した妻への養育費さえも払えない豊田――。これらの人物が繰り広げるストーリー。

<感想>
伊坂ワールドらしくそれぞれがどこかで繋がっているわけですが、誰かが何かをすれば他の誰かの人生が変わっていく…という感じです。ある人物が他の登場人物のことをふと考えるのも一応接点といえば接点になるのかな。
「あそこで出たきたのは彼女(彼)だったのか」と後になってわかるように微妙に時間軸が重なってて、唯一全ての人が同じものを目にしているのは仙台で行われている騙し絵で有名な「エッシャー展」と、「あなたの好きな日本語を教えてください」とプラカードを持って立っている白人女性。
登場人物たちが自分たちの時間でこの2つと交じり、「エッシャー展」では自分に置き換えその絵を自分なりに解釈しており、好きな日本語ではその時の心境を描いており、この2つを上手に使いこなしています。

神を解体するとか死体がバラバラになってまたくっつくとか、普通ではない内容もありつつも意外と「それか~」と普通だったり^^;
都合よすぎる偶然もちょっと気になりますが、それでも面白く読めるんだから伊坂ワールドはすごい。
↑伊坂サンの本を多く読んでいくうちに、バラバラの話が最後に一つになるというパターンに対し過剰に期待しすぎてるのかしら?

この本でも他の作品に関連する話題が出てきました!
伊坂サンの著書を読めば読むほどリンクされている人物を発見する確立が高くなるのでこりゃ嬉しい♪そして仙台が舞台になってるのが多いというのはもうわかりましたが、伊坂サンはボブ・ディランが好きなんですね。私の記憶では今まで読んだ中で2~3回は出てきたような。

伊坂サンの本を読むのは楽しみでしょーがない私。
図書館で数冊予約しており、次はどの作品が手元に来るのか今から楽しみです^^

「Re-bornはじまりの一歩」

『Re-bornはじまりの一歩』  

Re-born はじまりの一歩
 著者:伊坂幸太郎/瀬尾まいこ/豊島ミホ/
     中島京子/平山瑞穂/福田栄一/宮下奈都
 出版社:実業之日本社





・『よろこびの歌』 宮下奈都
・『あの日の二十メートル』 福田栄一
・『ゴーストライター』 瀬尾まいこ
・『コワリョーフの鼻』 中島京子
・『会ったことがない女』 平山瑞穂
・『瞬間、金色』 豊島ミホ
・『残り全部バケーション』 伊坂幸太郎
『あの日の二十メートル』
御木元玲は音大の付属高校に入り、そのまま大学、大学院と進み音楽と共に生きていくと思っていた。だが受かると思っていた音大の付属高校に落ち、普通科しかない高校に入学。毎日淡々と生活を送っている中、合唱コンクールの指揮をすることになった。

親が有名なヴァイオリニストなのに自分は音大の付属高校に落ちてしまったことで、自分自身まで否定されたような気がしている御木元玲。気持ちを切り換えるというにはちょっとキレイすぎるかなと。同級生達にそっけない態度を取っていたのに、その同級生達がいきなりそんなことをするだろうか?しかも今時の高校生が。幻聴だった方がまだ主人公自ら気持ちに踏ん切りをつけたようでよかったかも。キレイにまとまりすぎた感がある作品でした。

『あの日の二十メートル』
志望していた大学に落ち、滑り止めで受けた大学に通うことになった克彦。次第に大学から足が遠のき、毎日陰鬱な気分になっていた。その思いを振り払うために市民プールに行って無心に泳ぐ毎日。ある日、80歳を超える老人から水泳を教えて欲しいと頼まれるが…。

なぜ80歳を過ぎて老人が泳げるようになりたいのか、その理由を聞いて克彦は何の目的も見出せない今の自分の生き方を考えるように。老人と出会ったことで今までの自分に見切りをつけ、新たな目的に向かって歩みだした克彦なわけです。希望と導く光をしっかり捉えた彼はもう大丈夫!

『ゴーストライター』
コウスケは同級生の岡野からラブレターを代筆して欲しいと頼まれる。渡す相手はコウスケの兄。春から東京へ行くことが決まっており、ずる賢さでは誰にも負けず東京行きを勝手に決めた兄をコウスケはよく思っていなかった。だが自分と兄の置かれた環境を考えた時…

長男と次男――今の時代、長男が必ずしも家を継ぐというのは古いかもしれませんが、はたから見ればやはり長男が家を継ぐのが当たり前と思ってるわけで。わかっていながら東京行きを決めたのもいろいろとあるんです。言葉では言い表せないことがあるんです。はい。兄は自分が置かれた環境から抜け出すために自ら町を出ることを決めたのは、やはりこれが最善策だったのかも…。
コウスケが岡野のラブレターを代筆するという話は一体どこに?と思ってたら、これにもちゃんと意味があったんですね。そのことに気付いた兄は、やはり弟のことはちゃんとわかってます。さすが兄弟だなぁ。

『コワリョーフの鼻』
夫から"鼻がとれる"という話を聞かされた。そこからゴーゴリの『鼻』の話になり、私は自分の秘密を『鼻』の仮説にのせて話す事にした。

ふふふ、これは面白い♪これを読むならゴーゴリの『鼻』を読んでからにした方がいいかも。
冒頭の主婦3人の話も面白いですが、何より鼻が取れるというのを真剣に論議する夫婦が面白い。ふつう夫婦でこんな難しい話しないよね(笑)?しかも妻が話す『鼻』の仮説がまた巧くできてる。ものすごい回りくどい秘密の告白ですが、そこがバカバカしくて面白く読めました。こんな突拍子もないストーリーを考える中島京子さん、気になります^^

『会ったことがない女』
唐津喜一は人生も終盤にさしかかってから気なることがあった。それは五十何年も前、自分のことを兄のように慕う江添辰巳の妻のことだった。当時相談に乗れなかったのが気になりその妻を探し出すことに。やっと家を見つけ行ってみるとそこには孫がおり…

この妻は絶頂に達すると別の人間「ハル」さんが乗り移るらしいんです。死ぬまでに「ハル」さんに謝りたいという一心で探し出すんですが…。うーん、そういう行動に出るのは仕方がないことなのか?唐津喜一が区切りをつけたのはわかるのですが、孫はそれで心機一転になったのかしら。私にはイマイチ理解しにくい話でした。

『瞬間、金色』
シンジュは転校先でナナミと仲良くなった。しかしナナミは茶髪でクラスから浮いた存在。彼女と仲良くすることでシンジュも浮いた存在となっていった。…それから数年後、ナナミから子どもが生まれたと電話があり、シンジュはスクーターで病院に向かった。

シンジュとナナミの青春ストーリーって感じなんですが、これを読んで感動するにはわたくし、ちょっと歳をとり過ぎてるようで^^;おそらく若い人が読んだら共鳴できるんだと思います。多分。

『残り全部バケーション』
両親の離婚で家族がバラバラになろうとしてるその時、父親のPHSに「友達になろうよ、ドライブとか食事とか」という怪しいメールが届いた。あろうことかそれに返事をしてしまった父。そしてメールをした人物と家族3人はドライブに行くことになった。

なんと!なんとあり得ないストーリー展開(笑)。そもそも家族3人の会話も常識離れしてるし、メールを送る方の経緯も都合よすぎる^^;そんな「ないない、あり得ない」という設定を面白くしてしまうのが伊坂サン。ただバラバラのピースが最後に一つになるという伊坂サン独特のパターンではないので、個人的にはいつもの伊坂節の方が好きかな。

この本は「はじまり」がテーマということで、何かに区切りをつけ新たに出発という内容になってます。
スタートするというテーマからか全体的に落ち着いた感じ。『コワリョーフの鼻』には度肝抜かれましたが(笑)。『ゴーストライター』も好みです。なんでもこの続き『戸村飯店青春100連発』という本があるそうで早速図書館に予約しました^^

今回のアンソロジーはそこそこ楽しめましたが、『Story Seller ストーリー・セラー』 ほどのパンチ力がなかったかな。

「story Seller ストーリー・セラー」

『Story Seller ストーリー・セラー』 

Story Seller (ストーリーセラー) 2008年 05月号 [雑誌]
 著者:伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、佐藤友哉、
     本多孝好、道尾秀介、米澤穂信
 出版社:新潮社 小説新潮5月号別冊





・『首折り男の周辺』 伊坂幸太郎
・『プロトンの中の孤独』 近藤史恵
・『ストーリー・セラー』 有川浩
・『玉野五十鈴の誉れ』 米澤穂信
・『333のテッペン』 佐藤友哉
・『光の箱』 道尾秀介
・『ここじゃない場所』 本多孝好
『首折り男の周辺』
ある夫婦がテレビで放送されてる事件を見てふと思った。「この犯人、隣に住んでるお兄さんじゃ?」と。隣に住んでる男は大柄な見た目と違い、気が弱くただただ平穏に暮らしたいと思っていた。ある少年はちょっとしたことからクラスでいじめられるように。その現場を偶然見ていた大柄な男がいた。

「疑う夫婦」「間違われた男」「いじめられている少年」の3つの話が徐々にうま~く交わっていくという伊坂ワールドならではのストーリー展開。首折り男という怖そうなタイトルが付いてますが、ラストのオチは「それを持ってきたか!」と後味が良くてGOOD!さすが伊坂サン、読む前から面白いだろうと期待してましたがやはり面白かった^^

『プロトンの中の孤独』
「チーム・オッジ」にスカウトされた赤城。赤城自身チームに馴染んでいないのに監督から同じようにチームに馴染めないでいる石尾の相談役になって欲しいと頼まれる。すでにエースの久米がいる中、将来有望の石尾を手放したくないというチーム事情からだった。

後で知ったのですが、このストーリーは『サクリファイス』という話の外伝だったんですね。ロードレース観戦、いやロードレース自体に興味が全くなくても臨場感が伝ってき、本編を読んだことがない私でも十分楽しめました^^と思っていたら、著者の近藤史恵さん、ロードレースのリアル観戦したこともなくロードバイクにも乗ったことがないんだとか。で、ここまで書けるとは素晴らしい(拍手)。

『ストーリー・セラー』
「仕事を辞めるか、このまま死に至るか。二つに一つです。思考に脳を使えば使うほど、奥さんの脳は劣化します。」と医師から妻の病状を告げられた。妻の職業は売れっ子作家。そして作家になることを勧めたのは夫である自分だった。

彼女との出会いから結婚、なぜ作家になったか、作家になったゆえの苦悩などが描かれています。自分が書いたものを読ませたい人がいる――。そう思える相手がいることは本来は幸せなはず。だけど書くことによって自分の命を縮めることになるとは…なんちゅう突拍子もない話を書いてくれるんだ、有川サンは!
いつものように甘~いラブストーリーかと思い安心して読み始めたのに^^;。ハンカチがいるならいると言ってくれないと。でもこの終わり方、良くも悪くも有川サンらしいな~と。個人的には夫婦愛よりも父親を含めた親戚、妻の本を批評したフリーライターの方が印象に残った作品でした。どうやら私は美しい夫婦愛よりも姑息な人物の方が気になるというひねくれ者^^;?

『玉野五十鈴の誉れ』
旧家の小栗家の跡継ぎである純香は、15歳の誕生日に祖母から玉野五十鈴という同い年の使用人を与えられた。「人を使うことを覚えよ」という意味からであったが、純香は次第に五十鈴を一面の師と思い、友達とすら思っていた。だがある日、この関係に終止符が訪れる。

旧家の跡取り娘の立場、使用人の立場を巧く描いており収録されてる7編の中で特に文学っぽかったかな。『首折り男の周辺』、『プロトンの中の孤独』、『ストーリー・セラー』の後に読んだのでとりわけ新鮮な感じがして面白かったです^^昭和の香りが漂う文学の中に「あなたは私のジーヴスだと思っていたのに」「私はあくまで小栗家のイズレイル・ガウです」というシャレた会話があるのも嬉しいところ。米澤サンはなかなかのセンスの持ち主だわ♪
この話は<バベルの会>シリーズの一つなんだとか。こりゃ全部読みたくなってきた(笑)。来年読もうっと。

『333のテッペン』
東京タワーの頭頂部で男が死んだ。どのように頭頂部にのぼったのか、どのように死んだのか?警察やマスコミが騒ぎ探偵までもがやってきた。そんな中、2人目の犠牲者が出た。

なんでしょう、名探偵なんとかっていうタイトルがつきそうな展開(笑)。でもですね~、なんか消化不良なんですよね~。もしかしてこれも何かの外伝か連作の一つ?と思ったんですがどうやらこの話は単発の模様…。真相は?ヤツの過去とは??

『光の箱』
童話作家の圭介は同窓会に出席するため故郷に戻った。弥生も来るだろうか…同窓会の日まで圭介はそのことばかり考えていた。クラスメイトからいじめられていた圭介と一緒に絵本を作っていた弥生を…。

いや~、収録されている中で一番好きかも^^圭介が書く童話も面白く、これだけで別の本が出せそう。学生時代辛い出来事があり、弥生と再会することは出来るんだろうか?とハラハラしながら読んでいくと…騙された!といっても気持ちよく騙された。シーンのつなぎ目が巧く、とってもキレイにまとまってます。こんなストーリー展開めっちゃ好きです^^

『ここじゃない場所』
高校生のリナは、ある日とんでもないものを見てしまった。同級生の秋山が一瞬にして消えてしまった。それ以降ずっと気になって秋山の後をつけていくと、古い洋館のような建物に入っていった。そこには秋山のほかに3人がいた。彼らは一体…。

リナは秋山がもう一度瞬間移動するのをこの目で見たい!とずっと思っており、彼に対する想像がどんどん膨らんでいく様は面白い。でもアゲハの正体って?と思っていたら筆者コメントでアゲハの話をのらりくらりと書いているんだとか。ってことはそこでもう少し詳細がわかるようになるのかな?


伊坂幸太郎と有川浩目当てで読んだのですが、1冊詠み終えてとっても満足のいくアンソロジーでした。中には外伝や連作、続編(?)があるのも入ってますが、それでも全体的に見るとかなり質が高いんじゃないかと^^1人の担当者が独断と偏愛で編集したものらしいのですが、ぜひとも第2弾、3弾と出して欲しいもんです。
表紙に「面白いお話、売ります」と書かれてるんですが、それに対し「面白い話、誠にありがとうございました」と言いたいぐらい。私の中で今年読んだアンソロジーベスト1です♪

「遠い道のり」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『遠い道のり』  最遥遠的距離  MOST DISTANT COURSE

遠い道のり
 製作年:2007年
 製作国:台湾
 監督:リン・チンチェ(林靖傑)
 出演者:グイ・ルンメイ(桂??)、モー・ズーイー(莫子儀)、ジア・シャオグオ(賈孝國)

<簡単なあらすじ>
引越しをしたユンの住まいに、以前住んでいた住人宛に次々とカセットテープが届く。同じ職場の男性との不倫に行き詰まりを感じているユンはカセットテープに入っている男性の声とさまざまな音を探しに台東に向かう。元彼女に音を録音し送り続けているタンは台東でひょんなことから精神科医ツァイを助け、また元彼女に対する今の気持ちをツァイに聞いてもらう。ユン、タン、ツァイの3人が自分の気持ちに整理をするため旅をする物語。

<感想>
とっても静かでゆる~りと物語は進行していきます。その中でタンが録音している音に妙に癒され、途中うつらうつらとしてしまいました…。

ユンは旅に出るまで「ちゃんと人生楽しんでる?」って聞きたくなるぐらい悲しい顔をしてます。大家さんと話す時もか細く今にも泣きそうな表情。
送られてきたカセットテープの音に聞き入るのはいいですが、仕事中にウォークマンでずっと聞いてたり途中で帰っても誰にも咎められないって…なんて自由な会社なんでしょう。

タンが録音した音によってユンは前に一歩ずつ進もうとしている。
ツァイが聞いてもらうことでタンは元彼女への気持ちを清算しようとする。

と2人は旅によって得るものがあったと思うのですが、ん?ツァイは?私がうつらうつらしてた間に何か大事なシーンがあったのか?!うーん、わからない…。ペッタンペッタン歩くのには一体どんな意味があったんだろう…。


遠い道のり』で8本全て鑑賞したわけですが、全体を通して心の傷、あるいは何かしらの悩みを持ってる主人公が多かったような気がします。
そして皆さん泣きっぷりがいい!メソメソ泣きじゃなく豪快に泣いてくれてました。莫子儀、楊丞琳、張鈞などなど。特に莫子儀、鼻水をもおしまず見事な号泣っぷりです。彼には私から「号泣賞」をあげたいと思います*^^*

そ・し・て!8本観たら「非売品プレスシート+お楽しみグッズ」がもらえるんですが、お楽しみグッズは何種類かの中から選ぶことができ、私は『練習曲』主演の東明相くんのサイン色紙をもらいました^^大事にしよっと♪

「ビバ!監督人生!! 」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『ビバ!監督人生!! 』  情非得巳之生存之道  WHAT ON EARTH HAVE I DONE WRONG?!  

ビバ!監督人生!!
 製作年:2007年
 製作国:台湾
 監督:ニウ・チェンザー(鈕承澤)
 出演者:ニウ・チェンザー(鈕承澤)、チャン・チュンニン(張鈞)

<簡単なあらすじ>
アイドルが出演するドラマなどの演出家兼俳優として有名なニウ・チェンザー、40歳をきっかけに政治や社会を告発するモキュメンタリー映画を撮ろうと意気込むが、この手の作品は商業的に誰も資金を出してくれず話が前に進まない。短気で浮気性のため彼女にも逃げられ人生どん底。ニウ・チェンザー監督自身が自ら主演し自身の奮闘と挫折を描いた半自伝的作品。

<感想>
誰もがこの作品を観て思うこと、それはどこまでが真実なんだろうと。
ニウ・チェンザー監督自身は「感情は100%自分のもの、ストーリー展開は自分の経験や見聞きしたものとフィクションが混ざり合ってる」とコメントしてますが、お金、女、酒、そして成功、名声を手に入れたときの様は本当にこんな生活してたんだろうなと想像できちゃいます。
どこまでが真実でどこからがフィクションかの境界線は本人ももう区別がつかないんだとか。黒社会との関係やドラッグは、本当にあったとしてもこちらはフィクションとしか言えないだろうけど(笑)。

成功の裏に挫折があり、その挫折を周囲のせいにしてきたニウ・チェンザー監督。女好きなのも天性のようでまるでバカ野郎男を絵に書いたよう。
何かあるとすぐ酒と女に逃げ、困った時は母親頼み、躊躇はあっても資金のためなら少々のことは目をつぶり…。
だけどそれが裏目に出たり成功しなかったりとどんどん下に落ちていくばかり。心を入れ替えようとするもそれはカウンセラーの助言があったから。でもラストでは…。
自分自身が変わろうとしても困難は何度でもやってくる。その度に何度でも戦い挑戦していかなければならない。ということをこの作品で一番言いたかったそうです。

彼女役にチャン・チュンニンが演じてるのですが、半自伝的作品なだけに彼女も本当に付き合ってたんじゃ?と錯覚しそうになります。
ニウ・チェンザー監督の母親役には実の母親が演じていることから、他にも本人出演してる人がいるのかな~というのも気になるところ。
実名や実際あるドラマの名前がちょこちょこ出てくるので、そのあたりを知ってればもっと楽しく観れるかもしれないです。

あとで気付いたんですが、パンフレットによると<台湾シネマ・コレクション2008>の中で受賞してる数が一番多い!暴露映画というか捨て身映画というか、ここまで自らを描いたのが評価されたんでしょうか。

それとストーリーとは関係ないですが、冒頭でニウ・チェンザー監督が101を見下ろせる高台から両手を挙げてるシーンがあり、ここからだと101のカウントダウン花火が綺麗に見れるだろうな~とふと思いました^^パンフレットにもそのシーンの写真が記載されてます。残念なことに101は映ってませんが(TT)

「午後3時の初恋」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『午後3時の初恋』  沈睡的青春  KEEPING WATCH

午後3時の初恋
 製作年:2007年
 製作国:台湾
 監督:チェン・フェンフェン(鄭芬芬)
 出演者:ジョセフ・チャン(張孝全)、グォ・ビーティン(郭碧婷)、リュウ・リャンズオ(劉亮佐) 

<簡単なあらすじ>
線路沿いの時計店を酒浸りの父親の代わりに淡々と切り盛りするチンチン。ある日、水に濡れた時計を修理して欲しいと青年ズーハンがやってくる。その日から毎日午後3時に現れるようになり、自分はチンチンと同じ高校の同級生だったと告げる。彼女の行動を詳しく覚えており、チンチンも次第に彼に惹かれていくように。しかしある日、ズーハンが現れず心配になったチンチンは彼の家に電話をかけると母親から思いがけない言葉が…。

<感想>
この作品、雰囲気がとってもいいです。風景から時計屋、小物にいたるまでノスタルジックで洒落てる。さすが女性監督!私の心をギュッとつかんじゃいました^^
ズーハンの問いにハーモニカの音で答えるチンチン、なぜかその返事を理解してまた話しかけるズーハン、なんてキュートな会話なんだろう♪
そして店の前を映す時はいつも電車が横切るのですが、今現在は電車のように通り過ぎているけどチンチンとズーハンの時間はまるで止まってるよう。
チンチン演じるグォ・ビーティンはこの映画がデビュー作らしいのですが、なんて可愛らしいお嬢さんなんだこと。演技も自然で今後に期待大です。

折り畳んだお金を出す(←これがまたカワイイ)無口なズーハンと出会うことで自然と自分の殻から抜け出ようとしたチンチン、そこでズーハンの本当の姿は二つの人格を持ってるボーユィだと知ってしまうわけですが、こんなことってあるのね~。
本当のところは本当にズーハンなのかボーユィなのかわかりませんが、そんなことは気にしないことにしました。
結局どうなったのか観てる観客に判断を委ねる結末だって、この作品の場合はこれでいいような気がします。考え始めたらワケわかんなくなっちゃう^^;
自然とストーリーに引き込まれ、切ないけれど雰囲気がいいのでもう何でもOKです。←投げやりじゃないよ~。
でも3人目の人格者をチラつかせたのは一体なんだったのかは気になる…。

そうそう、チンチンの時計店って平渓線沿いですよね?3ヵ月前に行って劇中で何度も登場する電車に乗り、子どものように一番前から線路をずっと見てましたもん。あのトンネルも間違いない!もしやズーハンが修理代として渡したお金、あれってランタンの形?
↑間違いない!と言っときながら全然違う場所だったりして(苦笑)。
そしてボーユィが入院している病院、ここって『非情城市』に登場した病院と似てるような気がする。特に入口はいってすぐの風景。でもこれは私の勘違いのような気がする^^;病院の受付がある入口付近ってどこも似てるし…。

どこか不思議な感じのこの作品、謎はたくさんありましたが雰囲気にのまれてしまいました。

「Tattoo -刺青」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『Tattoo -刺青』  刺青  SPIDER LILIES

Tattoo -刺青
 製作年:2007年
 製作国:台湾
 監督:ゼロ・チョウ(周美玲)
 出演者:レイニー・ヤン(楊丞琳)、イザベラ・リョン(梁洛施)、クリス・シェン(沈建宏)、
      アイビー・チェン(陳意涵)、謝秉翰、是元介

<簡単なあらすじ>
小緑はアダルトサイトでウェブガールをしている女の子。タトゥーサロンの壁にかけられた彼岸花に惹かれ、刺青師の竹子に自分にそれを彫ってほしいと頼む。竹子は気付いていないが実は小緑とは幼少の頃に会っていた。一方、竹子には弟がおり、地震で父親を亡くしてから心を閉ざした状態になっていた。それを竹子は自分のせいだと感じ心を痛めていた。

<感想>
思っていたより重い映画だったのでちょっとびっくりしております…。
小緑の生い立ち、弟に対し竹子が持ち続けている責任は奥深いです。それによって大人になった2人の今の性格に反映されてる部分もあるのでしょうか。
竹子の店に通う青年は見た目でしか力をアピールすることしかできないタイプ。小緑のサイトをずっと監視している警官にも葛藤があるようで。どの人物をとってもドラマがあり、皆明るく楽しい人生を歩んでいるわけではなさそうです。

アダルトサイトを取り入れ今時の設定になってますが、アイドルのレイニー・ヤンが演じているので露出は少なめ(笑)。そりゃそーだ。
胸と腕に刺青を入れてる青年のその後は?とか、警官が最終的に決断したことの処罰は?などなど物語とは関係ないところが気になってしょーがない(笑)。
そして小緑と竹子の今後は…あの終わりかただと小緑の中途半端な刺青は結局は完成するだろうと考えてよいのかな?
私には小緑と竹子の心情がわかったようなわからなかったような感じなんですが、この作品、台湾では人気あるんですね。2007年台湾映画興収2位ですって。

『ウエスト・ゲート№6』で自分の気持ちを素直に吐き出せる場所もネットであるように、若者に浸透しているネット社会がベースになってるのが人気の一つなんでしょうかね。それとやはり出演者の面々かしら。
<台湾シネマ・コレクション2008>はまだ5本しか観てませんが、個人的には『練習曲』が今のところ一番♪と思っていたらこちらは2007年台湾映画興収1位。やっぱりそうでしたか!納得。

でも『Tattoo -刺青』を観て収穫もありました。刑事役の謝秉翰が密かに男前だってこと(笑)。<台湾シネマ・コレクション2008>で既に3人の男前を発見。
残り3本、あと何人の男前と出会えるかな~。←ヤバイです…。映画を観る趣旨が変わってきてます(-ω-;) 

「DNAがアイ・ラブ・ユー」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『DNAがアイ・ラブ・ユー』  基因決定我愛  MY DNA SAYS I LOVE YOU

DNAがアイ・ラブ・ユー
 製作年:2007年
 製作国:台湾
 監督:ロビン・リー(李芸嬋)
 出演者::ピーター・ホー(何潤東)、テリー・クワン(關穎)、ユー・ナン(余男)、エディ・ポン(彭于晏)

<簡単なあらすじ>
新薬研究者のマリーンは肥満DNAを持っており、悪夢を見るほど太ることに恐怖を抱いている。彼氏は多忙でなかなか会えないが運命のソウルメイトだと思っている。そんなマリーンに一目惚れしたのは大家の息子テディ。彼女の事が気になって気になって仕方がない。
同じ職場の研究所員のスージーは潔癖症のDNAを人一倍持っており、そのせいで恋愛はいつも上手くいかない。そんな時、大学時代の初恋の相手アリクイと出会い潔癖症を何とかしようと研究所から開発中の潔癖症抑制薬をこっそり盗み出す。

<感想>
彼氏となかなか会えないけど久しぶりに会えるのをずっと待ってるマリーン、こちらが静かで落ち着いてる雰囲気ならスージーは賑やかタイプ。
かなりの潔癖症で男性には積極的。初恋の相手アリクイと一緒にいたいために極度の潔癖症を何とかしようと薬を飲むわけですが開発中だから副作用も出てき、さらにそれを何とかしようとまた別の薬を飲む。そしてまた副作用が出てきて別の薬を…とどっぷり薬にハマっちゃうわけで。

潔癖症の時のスージーは明るく、しぐさもとっても可愛い。潔癖症じゃなくなったダラダラ感のスージーもなかなか可愛い。要はテリー・クワンが可愛い(笑)。全然嫌味じゃないしこの役にハマってます。
見た目ではピーター・ホー&ユー・ナン、テリー・クワン&エディ・ポンの方が合ってるような気がしてたんですが、ピーター・ホー&テリー・クワンもいいですね^^お互い相手に合わそうと努力する姿が涙ぐましい。
っていうかピーター・ホー、テリー・クワン、ユー・ナン、エディ・ポンの4人とも演じてる役はピッタリ。エディ・ポンは『ウエストゲートNo.6』よりもこちらの作品の方が私的には好み。こんな可愛い子に好かれたらと思うとマリーンが羨ましい(笑)。
そのマリーン役にはユー・ナン。私は初めてこの女優さんを知ったのですが、特別美人ってわけじゃないけどふとした表情がとっても可愛かったりする。雰囲気美人ってとこでしょうか。ともさかりえと松たか子を足して2で割った感じ?

スージーの潔癖症すぎて恋愛が上手くいかないっていうのはわかるんですが、マリーンと彼氏の状況は映画の中であるようなことはとりわけ深刻な問題じゃないような気が…。優しいし何よりもマリーンのことを想ってくれてる。ただ仕事が忙しいだけでしょ?
このあたりがあまり説得力がなかったかも。マリーンがタンゴのショーの帰りテディの前で爆発するシーンでも、ただテディに八つ当たりしてるだけにしか見えなかった…。

それともう一つ、粘菌とやらの存在がイマイチ理解が…。可愛らしくて面白い映画なんだけど何かも一つ足りないって感じかなぁ。全体的には「フフフ」とニヤけてしまうシーンが多々あり、観てて退屈はしませんでした^^

「ウエスト・ゲートNo.6」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『ウエスト・ゲートNo.6』  6號出口  EXIT No.6

6號出口
 製作年:2007年
 製作国:台湾
 監督:リン・ユゥシェン(林育賢)
 出演者:エディ・ポン(彭于晏)、イーサン・ルァン(阮經天)、ユ・ハナ(劉荷娜)、オリヴィア・チェン(鄭文雅)

<簡単なあらすじ>
西門町――。DJに憧れがあるが実際は本の屋台をしているダーイン、天才的ハッカーの顔を持つヴェンスはいつもバカなことをし毎日気ままに暮らしていた。そんな時、ダーインは女子高生のフィオナに一目惚れする。彼女は偶然にも遊び仲間であるビビアンと幼なじみだった。だがビビアンが忽然と姿を消してしまい、そのあと別の女子高生4人が相次いで失踪するという事件が起こる。ビビアンを必死で探すダーインとヴェンスらは事件の手掛かりとなるあるサイトを見つけるが…。

<感想>
4人は一見、今の時代を楽しんでいるように見えますが実はそうではなかったり…。
いつもおバカなことばかりしてるダーインとヴェンス、そして子供の頃から競争を強いられてきたフィオナとビビアン。育ってきた環境が違えどもダーインとヴェンスといる時はとっても楽しそう。

恋、友情、家族、自由、援助交際、ブログ、死…今の若者を語るには外せないキーワードがぎゅっと詰まっています。←詰め込みすぎ? 観始めは今ドキの子の青春ムービーか思ってました。で次は犯人探し、そして最後は…。
半分は何も考えずハチャメチャに今を楽しむ様、そして半分は今の若者が抱える問題を描いているような感じに見えるのですが結局はそこへいきましたか…。

彼女たちが選ぶ道はあれしかなかったのか?
この映画は男性2人の心の感情までは描いていませんが(見た感じは能天気でな~にも悩みがなさそうーだけど^^;)、女性2人の育ってきた環境は似てるんだけどちょい複雑。
親の言われるまま育ってきたわけですが、ビビアンは自ら自分が歩む道を見つけ、フィオナは親の敷いたレールを。だけども2人が再び出会い、現在はそれぞれ違った状況に置かれていても皆でバカをやっている時は楽しくてしょうがない。
そして悩みや今思っていることを素直に吐き出せる場所はネット。はい、現代はやはりネットです。
ビビアンは繊細だしフィオナは周りに流されやすい。この作品では男性はタフに、女性たちは脆く描かれておりある意味対照的かも。

"竹野内豊"と呼ばれている刑事がいい味出してました^^かなりの「ビーチ・ボーイズ」ファンなんだろうか。
若者2人よりこの刑事の方が断然タイプかも…と思い調べてみるとお名前はチャン・ハン(張翰)。なんとチャン・チェン(張震)のお兄さんだった!なんか嬉しいなぁ。初めてお兄さんを見たけどなかなかいい感じじゃないっすか~。
もしやわたくし、この張家となにか赤い糸で結ばれてるんじゃ…。←結ばれてなんかないない(笑)。張ブラザーズ、最高!!

チャン・チェンのお兄さんが観れただけで満足です(笑)。内容も想像していたのとは全然違い、どちらかといえば好きなタイプの作品です、ハイ^^

「ソウ5」

『ソウ5-SAW5-』  SAW Ⅴ

ソウ5

 製作年:2008年
 製作国:アメリカ
 監督:デイヴィッド・ハックル
 出演者:トビン・ベル
      コスタス・マンディラー
      スコット・パターソン
      ベッツィ・ラッセル
      マーク・ロルストン
      ジュリー・ベンツ
      カルロ・ロタ
      グレッグ・ブリック
      ローラ・ゴードン
      ミーガン・グッド



<簡単なあらすじ>
ジグソウから何とか自力で逃れたFBIのストラムは、無傷でジグソウから逃れたホフマン刑事が後継者ではないかと疑う。警察は一連の事件が終焉を迎えたと発表したためストラムは単独でホフマンを調べ始める。一方、ジグソウの遺品が妻のジルに渡された。それを見たジルは…
そして今回のターゲットは5人の男女。首輪がつけられた状態で新しいゲームが始まった――。

<感想>
今回は5人の男女によるゲーム。「いつもと逆のことを…」というヒントが出され生き残ろうと必死になるわけですが、いや~、よく考えたゲームだこと。
5人の性格を把握した上でのヒントはジグソウならでは。やはり人間性はそう簡単には変えられない。こういう結果になることももちろんジグソウは視点に入ってたんだろうな。

冒頭からいきなり!と思ったのもつかの間、その後はのらりくらり^^;
今作品ではホフマン刑事がいつどこでどのようにジグソウの後継者になったのかが明らかになるのですが、そこに時間を割きすぎたのか強烈なシーンは少なかったような。
このシリーズを初めて映画館で観たので(いつもはDVD鑑賞)、それなりの緊張感はあったものの覚悟してしていった分、少し拍子抜けしちゃった。思いっきり6へ続く…という内容になってるし^^;

いつも思うのですが、強制的にゲームへの参加を強いられている人たちの行動を先の先まで把握しているのはすごい!
ストラムのように想定外のことが起こっても最後は予定通り(?)きちんと丸く収まるようになってます。
本当にジグソウがこんな先のシナリオまで考えてるんだろうか?私の勘では本当の黒幕、あるいはジグソウの後継者は妻のジルじゃないかと。
ホフマンに謎の手紙を送ったのもホフマンを操っているのもジル。そう思うとますます本当にそうじゃないかと思えてきた。

パンフレットに「このシリーズの面白さとは見れば見るほどどこに行き着くのかわからなくなる、そんな不確かさがあるのだ」と書かれているのですが、確かにその通り!ホントどこに行き着くんだろう。ジグソウはもうこの世にいないのでまた過去の謎の部分を明らかにしていくんでしょうか。
そうしたら穴だらけのパズルが埋まる?本当に埋まる??
とりあえず来年もまた観に行きます!今度は強烈なシーンと全ての謎が解けることを期待して…。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』  DIARY OF THE DEAD

ダイアリー・オブ・ザ・デッド
 製作年:2007年
 製作国:アメリカ
 監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
 出演者:ミシェル・モーガン
       ジョシュ・クローズ
       ショーン・ロバーツ
       エイミー・ラロンド
       ジョー・ディニコル
       スコット・ウェントワース
       フィリップ・リッチオ
       クリス・バイオレット
       タチアナ・マスラニー




<簡単なあらすじ>
ジェイソンら学生たち数人と教授は大学の卒業製作としてホラー映画を作るために山奥で撮影していた。そんな時、ラジオから世界各地で死体が息を吹き返し人間を襲っているという衝撃なニュースを聞く。ジェイソンらが山を下りるとそこはニュースで流れていた通りの光景だった。ネットで世界にこの状況を知らせるべくカメラを撮り続けるが、次第に仲間が減っていく――。

<感想>
とっても楽しみにしていたロメロ作品。
いつものゾンビ映画とはちょっと違った感じが…。ストレートなゾンビ映画ではなくドキュメンタリーっぽい雰囲気かな。
ジェイソンが手持ちカメラで撮影しているのを私たち観客が観るというPOV(主観撮影)だし、語り手がいるからより一層そう感じるのでしょうか。このPOVは観てて酔いそうになる時もあるんですが、この作品はそれほど揺れがないので私的には大丈夫でした^^

POVの手法は好き嫌いがありますが、この映画のメッセージ性から言えば、普通の映し方よりこちらの方が真実味があります。
世界各地で起こっている悲惨な状況をメディアは流しているが錯綜としており、都合よく編集されてたりもする。情報操作されてるメディアではなく、本当の現状を一般市民に正確に知らせるのは現場にいる自分たちだというのが伝わってきます。
その伝え方なんですが、ゾンビ映画も時代の波にちゃんと乗ってますよ~。ビデオカメラで撮ったのをネットの動画サイトで流してるんだから。さらにさらに、一般市民も多数の人がその動画にアクセスしており、いかに一般市民が情報を手に入れたがってるかがわかります。
なんだか現代の社会を反映してます^^;テレビやラジオから流れるニュース、ネット、動画サイト、どれをとってもどこまで正確に真実を発信しているのか情報を欲してる側は判断しにくいですもんね。

最近観るゾンビ映画は俊足でスピードがありまくりだったので、久しぶりにノロいゾンビを観れてよかったかも^^ やっぱりゾンビは足が遅くなきゃ。ゆっくり追われ、襲われる時はヌッと現れてガブリ!これこそが正しいゾンビの襲われ方だわ(笑)。
強烈なゾンビや吐きそうになるぐらいの負傷はないものの、ノロいゾンビなだけに画面が追いやすいので目が疲れません(笑)。情報発信は現代的、ゾンビは原点、これはこれで面白い^^

途中、耳の不自由で過激なおじさんが登場するんですがこの映画で一番GOODなキャラでした^^散り際も潔いし。←潔いって言葉はちょっと違うか^^;とっさの行動がオトコマエなおじさんです。

今回素朴な疑問が頭をよぎりました。生きてる人間がゾンビに噛まれたらその人間もゾンビになるのかと思ってましたが、この作品では自殺や心臓発作(麻痺だったかな?)で亡くなってもゾンビになってたような…。どこかでゾンビと接触あったのかなぁ。

想像していたゾンビ映画とは少し違いましたが、個人的には好きな作品です^^

「シルク」 <台湾シネマ・コレクション2008>

『シルク』  詭絲  SILK

シルク

製作年:2006年
製作国:台湾
監督・脚本:スー・チャオピン
出演者:江口洋介、チャン・チェン(張震)、カリーナ・ラム(林嘉欣)、バービィー・スー(徐熙媛)、チェン・ボーリン(陳柏霖)、チャン・チュンニン(張鈞)

<簡単なあらすじ>
死後の世界に興味を持っている元天才物理学者の橋本はさまざまな電磁波を吸収することができる「メンジャー・スポンジ」を発明し、これで少年の霊を捕獲することに成功。この少年の生前の背景を知るため並外れた胴体視力と読唇術を持つイエに調査を依頼する。目があった人間を次々に殺害する霊、だが調べていくうちに真相が判明。橋本は少年の動機を「恨み」からくるものだと思っていたが…

<感想>
「メンジャー・スポンジ」というのは実際日本の科学者グループが発明したものなんだとか。瞬時に電磁波を吸収することからそこをヒントに幽霊を捕まえることも可能じゃないかと思いついた監督はある意味すごい。

この作品はサイエンス・スリラーに分類されるみたいですが、私の中ではプチホラーでもいいような気が・・・。めちゃ怖いというわけではないのですが、1回だけあまりにもビックリして体がビクッとなり座席から飛び上がりそうになっちゃった^^;
そして少年の母親、この母親の歩き方は『呪怨』の伽椰子をヒントにしてるのでしょうか…。少年もなんとなく雰囲気が俊雄くんに似てるし。

「メンジャー・スポンジ」に霊を閉じ込め、幽霊になりたいと思っている橋本が研究に被害者を出してまでも熱心になっているというストーリー自体はよく考えてるなと思うのですが、イマイチ少年の背景が飲み込めず。
監督いわく、シルクの糸は人間の感情を表現しているらしいです。距離とか場所は関係なく繋がっており、愛情だけでなく憎しみまでもが繋がっているとか。でも、でもでもお互いの感情で繋がっているのならわかるんですが、どうして一方通行の感情までもが糸で繋がってるの?もうちょっと説明があったらよかったのになぁ。

橋本役には江口洋介、唐沢寿明、真田広之の3人候補がいたんですって。結局は江口洋介に決めたそうなんですが、真田広之の橋本もちょっと興味あり^^しかしこの作品はなんと豪華な顔ぶれ!いやはや、もったいない(><)。
でもチャン・チェンが観れただけでもよしとするか(笑)。日本語もたくさん話してたし。でも普通の刑事があれほど日本語を理解してるなんてちょと違和感も…。
学生時代に日本へ留学してたとか、読唇術が出来るから日本人か関係する事件をたくさん担当してたとか?いや、台湾人の彼が日本語が読唇できるとは限らないしな~。あまり深く考えないでおこう^^;

豪華な出演者、そしてお金をかけた映像を考えるとなんとももったいない作品でした。

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