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「エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏」 ウッドハウス

『エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏』  EGGS, BEANS AND CRUMPETS

エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏 (ウッドハウス・スペシャル)

 著者:P・G・ウッドハウス (Pelham Grenville Wodehouse)
 訳者:森村たまき
 出版社:国書刊行会 ウッドハウス・スペシャル  





【ユークリッジもの】
 「ユークリッジとママママ伯父さん」
 「バターカップ・デー」
 「メイベルの小さな幸運」
 「ユークリッジのホーム・フロム・ホーム」
【フレディー・フィッチ=フィッチもの】
 「ドロイトゲート鉱泉のロマンス」
【マリナー氏もの】
 「アンセルム、チャンスをつかむ」
【ビンゴもの】
 「すべてビンゴはこともなし」
 「ビンゴとペケ犬危機」
 「編集長の後悔」
 「サニーボーイ」
【フレディー・ウィジョンもの】
 「元気ハツラツ、ブラムレイ・オン・シー」
 「タズレイの災難」
以上、名作短編集となってます。
ユークリッジものは売れない作家であるコーキーが語り手となってるんですが、このコーキー、下積み時代のウッドハウス自身の姿が色濃く投影されてるんですって。
ユークリッジにもモデルがいるようで、人の物を勝手に自分の持ち物にしたりかなり無責任でお調子モノ。血縁関係はないものの親戚までもがお調子モノときてる。自分で災いを作ることもあれば身内からやっかいなことに巻き込まれることもあるけど、そんなことでへこたれるユークリッジじゃぁ~ない!
上流階級で身なりはいいけどいつも金欠状態、楽にお金を手に入れようとしていつも失敗。でもへこたれない。
しかしなんだな、ウッドハウスに登場する叔母さんたちはみな威厳たっぷりだこと(笑)。
自分のことを試練の道を通り抜けてきた男、そしてボロ儲けをする機会にはとっても用心すること、ヤバイと思ったらウサギみたいに逃げ出すことと言ってる。ユークリッジの人生は楽しそうだわ(笑)。

フレディー・フィッチ=フィッチの話はノンシリーズものでありながらこれまた愉快な話。
彼女と結婚するため伯父さんに信託財産を引き渡してほしいフレディーは、彼女に良い家柄だと嘘をつかせ伯父さんに気に入られるように計画するが、そんな時彼女のやっかいな叔父さんが現れてしまうという。ラスト5ページがものすごい急展開であれよあれよと…。上流階級の間ではそんなことが名声になるのかと。バカバカしくて面白すぎです(笑)。

マリナー氏ものはマリナー氏の従兄弟の息子で副牧師をしているアンセルムの話。
名付け親から切手アルバム1冊を受け継ぎ。その価値を知ろうと切手蒐集家に見てもらうが…。そしてアンセルムはある日素晴らしい説教をしたため自体は思ってもみなかった方向へ。

ビンゴものはジーヴスシリーズでお馴染みバーティーの友人ビンゴ・リトルの話。
女流小説家ロージーととっても幸せな結婚生活を送ってるだけでなく、いつの間にか子供まで出来てる!幸せは幸せなんだけど、ギャンブル防止のためにお金を持たしてもらえないビンゴの立ち回り風がステキ(笑)。ビンゴ夫人の前での焦り方が伝わってくるほど。
ユークリッジものと違い、こちらは冷や汗かきまくった分だけ結果オーライ?
ユークリッジの立ち振る舞いはことごとく失敗、ビンゴはちょっとしたことで最悪の偶然が重なるものの万事休すという感じでしょうか。ドタバタ劇にもいちおうパターンがあるのね。

フレディー・ウィジョンものはエッグ氏、ビーン氏、クランペット氏と同様にドローンズ・クラブの一員であるフレディーの話。
彼は女性と意気投合するまではほぼ確実にOKなのに意気投合し続けていることが絶対にできないという…。要領の悪い男性の代名詞にもなれるぐらい(笑)。それなりに努力はしてるのに大事な場面で何かしらヘマをしたり勝手に誤解されたりで完全に神様から見放されてる^^;
そうそう、ビンゴものとフレディー・ウィジョンものはドローンズ・クラブにてエッグ氏、ビーン氏、クランペット氏から語られるという形になってます。
ビンゴ、フレディーもクラブに所属してる模様。クラブについては巻末に特別付録として少し詳しく書かれてるのでそちらを読むといいかも。


タイトルにもなってるエッグ氏、ビーン氏、クランペット氏って個人名じゃなかったのね~。訳者あとがきに以下のように書かれてます。
「エッグ」「ビーン」「クランペット」は、人の頭の形状と似通っていたためそれらを指す俗語となり、転じて人自体を表すようになった。
1人のビーン氏、1人のクランペット氏、1人のエッグ氏って文中では書かれており、一体どういう意味だろうと思っていたらそういうことだったのね。
おバカな登場人物たちはホント愉快で目が離せないだけでなく、勉強にもなりました♪

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「氷の女王が死んだ」 コリン・ホルト・ソーヤー

『氷の女王が死んだ』 MURDER IN GRAY AND WHITE 

氷の女王が死んだ (創元推理文庫)

 著者:コリン・ホルト・ソーヤー(Corinne Holt Sawyer)
 訳者:中村有希
 出版社:東京創元社 創元推理文庫  




<簡単なあらすじ>
アンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトがいる高級老人ホーム<海の上のカムデン>にエイミーが入居してきた。だが利己的で自分勝手な行動をとる鉄の女エイミーは誰かに撲殺されてしまう。他人に恥をかかせることに関して天才的だったので、誰が犯人でもおかしくない状態。そんな中、アンジェラとキャレドニアは探偵のように犯人を見つけようと調べまわるが…。シリーズ2作目。

<感想>
故提督婦人の小柄なアンジェラは<海の上のカムデン>で一番強く一番尊敬されている大柄なキャレドニアと親友になってから人生を愉しむようになってる!アンジェラはいい意味でも悪い意味でも超が付くほど天真爛漫。その個性のおかげで若々しくいれるって素晴らしい^^が、平和で静かな老人ホームの入居者が撲殺されたとなると、このアンジェラとキャレドニアが黙っちゃいない。

事件を担当する警部補は1作目から登場してるんですが、おばちゃま2人のキャラが強すぎのせいかあまりインパクトが強くないものの、無謀な探偵ごっこをする2人に好意を抱いてくれてるのは嬉しい存在。2人に危険な真似をして欲しくなく、かといって2人を傷つけたくない。
好奇心有り余った2人に対し、自分たちが何か役に立ってると思ってほしくて私服捜査官としてひと働きしないかと持ちかけるものの(実は捜査をする前に先まわりして邪魔されたくないだけなんだけど(笑))、アンジェラとキャレドニアはその任務に対しさらに上をいくという…。素晴らしい行動力だわ^^;
結局は2人の感性と洞察力が警察の捜査に役に立つんだよな~。警察であってもこの2人の探偵ごっこを止めることなんてできやしない(笑)。

それと同時にアルコールばかり飲んでる入居者を更生させようと努力したり、他の入居者や従業員が大勢登場するので<海の上のカムデン>の中の様子がなんとなくわかってきました。

この2作目でアンジェラの歳が判明!年齢を知るとやっぱり若い!どこからこれほどまでの好奇心が生まれるんだろう?年齢をバラされて怒る姿はまるで30代のよう(笑)。歳を言われたくないのはまだまだ若い証拠。女性の心も忘れちゃいない。ほんと天真爛漫という言葉がピッタリの女性。
歳をとったらこの高級老人ホームのように、最高に美味しい料理を食べて入居者たちとゲームをしたりおしゃべりしたり、そしてたまになにか刺激的なことがあったら(殺人はイヤだけど^^;)最高だろうな。アンジェラとキャレドニアを見てると希望が持てます♪

この2作目はシリーズ1作目を読んでから2年以上経っているため、な~んとなくしか主人公のキャラを覚えてなかったんです(><)。なので1作目の自分の感想を読んでみると…最初は仲良し4人組だったんだ。とすると2人はどこへ?!
びっくりするほど1作目のストーリーの記憶がないよ(><)。3作目は2作目の記憶がまだ残ってるうちに読もう!

「俺たちダンクシューター」

『俺たちダンクシューター』   SEMI-PRO

俺たちダンクシューター
 製作年:2008年
 製作国:アメリカ
 監督:ケント・オルターマン
 出演者:ウィル・フェレル、ウディ・ハレルソン、アンドレ・ベンジャミン、
       モーラ・ティアニー、ウィル・アーネット、アンディ・リクター

<簡単なあらすじ>
1970年代後半、オーナー兼コーチ兼選手のジャッキー・ムーン率いるABAのチーム"トロピックス"は、パフォーマンスに重点を置いており実力は全くないチーム。ある日ABAリーグ会合でNBAに吸収されることを知り、成績のよい上位4チーム以外は解散せざるを得なくなった。ジャッキーはチーム存続をかけ上位に食い込もうと奮闘するが、さらにホームでは毎試合の観客動員が2000人以上という条件が付け加えられることに。トロピックスは存続危機から脱出できるのか?!

<感想>
バスケのことは全く無知なんですが、ABAとは実在したバスケットボール・リーグで劇中で描かれてるとおり、NBAに吸収合併されることとなり上位4チーム以外は解散という話があったんですって。しかも劇中の試合シーンではすでに解散したチームのユニフォームやロゴや細部まで再現されてるそうな。
アメリカのバスケットボール・リーグ事情を全く知らない私にはチンプンカンプンだけど好きな人にはたまらない演出なんだろう。きっと。
でもアメリカ70年代の衣装や音楽は楽しめた^^きっとこんな感じだったんだろうという想像だけど(笑)。そういや1人マッシュルームカットのような髪型をしたチームメンバーもいたような…。ビートルズファッション?これも70年代?

ダメダメチームが存続をかけて奮闘し、そのうち地域からも支持を受け試合を決める。
中には恋愛もあり、仲違い&友情あり、ギャグありとありきたりなストーリーをどこまで面白くさせるかだと思うんですが、まぁまぁそこそこには面白かったかな。めっちゃ面白いわけでもないし超ガッカリってわけでもない。なんか微妙な感想^^;
ロシアンルーレット風(?)のシーンは好きなんだけど、観客の誰1人としてクスリともしてなかった…。というか全編通してシーン…。どちらかと言えば声に出さず「ふっ」って口元が緩む感じかな。
試合を盛り上げようとパフォーマンスに力入れているジャッキー。どちらかと言えば自己満足の世界?
それよりびっくりしたのはウィル・フェレルが1967年生まれだってこと。まだ41歳?!で、ウディ・ハレルソンが47歳(あの髪はヅラ?)。失礼ながらウィル・フェレルはもうちょっとお歳を召してるかと思ってました^^;

ちょっと嬉しかったのは『ER』のアビーがリン役で登場してた♪彼女がER以外で演技してるの初めて見たかも。初めてERでモーラ・ティアニーを見てからずっとデミ・ムーアに似てるな~って思ってるんですが、この2人が姉妹役をしたら絶対ウケると思うのは私だけ?
それとアンドレ・ベンジャミン、彼の声が頭から離れない。『リボルバー』の時もそうだけど私には印象深い声に聞こえるんだよなぁ。歌ってる声はあまり魅力感じないけど(笑)。

こういう映画ってスポコンコメディって言うのかな?スポーツコメディ?『俺たちフィギュアスケーター』の方が面白いって評判なのでレンタルが安価の時にでも借りてこよう。
あれ?映画の感想は殆ど書いてないような…。ま、そんな感じの作品でした(笑)。

「言えない秘密」

『言えない秘密』   不能説的・秘密

言えない秘密

製作年:2007年
製作国:台湾
監督・脚本・音楽:ジェイ・チョウ(周杰倫)
出演者:ジェイ・チョウ(周杰倫)、グイ・ルンメイ(桂綸鎂)、アリス・ツォン、アンソニー・ウォン(黄秋生)

<簡単なあらすじ>
淡江音楽学校に転校してきたシャンルン(ジェイ・チョウ)は、旧校舎の教室でピアノを弾いていたシャオユー(グイ・ルンメイ)と出会う。何の曲かと聞くと彼女は「誰にも言えない秘密」とささやくだけ。次第に惹かれあう2人だったが、シャオユーは喘息で学校を休むように。卒業式の日、久しぶりに2人は再会するがシャオユーは姿を消してしまった。シャンルンは彼女の家に行き、母親からあるものを見せられ次第に彼女の秘密に気付く…。

<感想>
ジェイ・チョウが監督デビュー、そして主演ということで絶対映画館で観ようと思っていた作品。
正直言って、予告編では一体どんな作品なのかイマイチわかっていませんでした^^;むしろ全く興味のわかない予告編だったため「コレって面白いのかなぁ?」って不安に思いながら観たのですが…。

良い意味で予想を裏切られました。
最初は可愛らしい男女の青春ラブストーリーのように思われますが、後半は彼女の視点から徐々に秘密がわかるようになり…。
彼女登場してわりとすぐ「ああ、彼女はきっと…」とわかってしまう人は多いはず。ところどころの伏線はわかりやすいし、これはわざと観客に気付かせてるのかな。彼女の言えない秘密は私が想像していた倍以上の秘密だったけど^^;
でも終わってみて思うのはまだまだ秘密が多い。最後の写真で彼女の運命が変わったのはわかるけど、そうなると現在は一体どうなるの?←これめっちゃ気になる。クラスメイトのチンイーはシャオユーの秘密を知っていたのか?パンフレットにも書かれてあるけど用務員さんの変貌を見ると一体彼の身に何が起こったのか、シャンルンの父親のその後は?

ただこの作品に関して秘密の部分が多くても、伝えたいことは

今という時間を大切にして欲しい。失ってからじゃ遅い、時間を元に戻すことはできない。

ということ(らしい)。なるほど~。謎の部分が多くても個人的には全体的にはよく出来てると思う。今年観た映画ベスト5には入れたい。そして珍しくまた観たいと思ってしまった^^←ストーリーを把握した上でもう一度観たら違った視点から観れそうだからというのと、ジェイ・チョウをまた観たいから(笑)

全編を通して映像、音楽ともによく出来てる!
なんと言っても全編を通して音楽が素晴らしい!!「ピアノってステキ、習ってみようかな~?」なんて一瞬思っちゃったり。
ジェイ・チョウのピアノバトルはもちろんのこと、挿入歌もバッチグー(←古っ!)。なんてったってジェイ・チョウのアルバム『我很忙』に入っている「蒲公英的約定」がいろんなパターンで流れてるんですもん♪このアルバムの中でも私が好きな曲の一つが使われてるということだけでかなり嬉しい。サントラ盤が欲しくなっちゃいます♪

アンソニー・ウォンとジェイ・チョウと言えば『頭文字D』でも親子役。この映画でも親子役ですが、アンソニー・ウォンのキャラが月とスッポンほど違うよ~。ジェイ・チョウは素朴で純粋な青年という雰囲気で、自ら監督してるからか自分自身の魅せ方がよくわかってる(笑)。
映画のように人差し指でホッペをちょんってされたいし目をつぶり5歩歩いて抱きしめてたりなんかしたら…ダメだ、想像しただけで顔がニヤけてくるよ。だけどこの作品って高校生の設定なの?ちょっと無理ない(笑)?

そうそう、シャンルンの自転車の後ろにシャオユーを乗せて二人乗りしてますが、この自転車、後ろの席にも黒い長方形のサドルのようなものが付いてて後ろに座ってる人もお尻が痛くないようになってるんです。初めて見たんですが台湾では当たり前なのかなぁ。今度行った時に意識して見てみよ。
そして淡水、私は昼間しか行ったことがなくこの映画を観て夕方以降にも行ってみたいな~とも。最近台湾の映画を観ると景色や街並みまで気になってしょーがない(笑)。

話がそれましたが、監督デビュー作としてはかなり成功したんじゃないかと個人的には思うんですが…。全体的の雰囲気は結構好きで楽しめた作品でした。こりゃ次作も楽しみだわ^^

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩

『西の魔女が死んだ』  

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 著者:梨木香歩
 出版社:新潮社 新潮文庫





<簡単なあらすじ>
中学に入った頃、喘息があることや同級生になじめないことから学校に行かなくなったまいは、田舎に住んでる母方のおばあちゃんのところで少しの間一緒に暮らすことになった。イギリス人である大好きなおばあちゃんから魔女の話を聞き、自分も魔女の能力が持てるようおばあちゃんから手ほどきを受ける。「意思の力、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力」が大切だと聞き魔女修行をする中、まいの転校が決まりおばあちゃんの家から去ることとなった。その2年後、おばあちゃんが死んだ。

<感想>
気が付けば映画が終わっていたので原作を読むことに。てっきり翻訳本だと思ってたら梨木香歩さんという方の本でした^^;すごい勘違いしてたよ~。

西の魔女=祖母が亡くなり、一ヵ月余り一緒に住んでいたおばあちゃんとの生活を思い出す回想となってます。
「アイ・ノウ」と応えるおばあちゃん、まいの存在を優しく、時には厳しく包み込む姿は凛々しくもあり寛大でもあります。中学生になったばかりの孫にわが家は魔女の家系だという話をしたのはおばあちゃんの知恵といっていいかも。まいが今後生きていくうえで必要なことを教え、強い精神力を持つようにと。

ほのぼのした中にも"死"がテーマとして盛り込まれてます。おばあちゃんの魂の話はわかりやすく、そして現実的。まいと交わした約束もちゃんと守るところはさすが魔女と言われてるおばあちゃん!最後の数ページはおばあちゃんの「アイ・ノウ」が聞こえてきそうですもん。

『西の魔女が死んだ』には、その後のまいが描かれている『渡りの一日』も収録されています。
新しい学校で友達ができ、その子の母親からある展覧会のチケットをもらい2人が向かう話。まいは世の中にはいろんなタイプの女性がいることを知り、未来に向かっていつか自分もその中の1人になるだろうと。おばあちゃんのことは出てきませんが、少なからず成長をしているまいです。
こちらの話はユーモアがあり、特に同じクラスの男の子とその兄がとってもいい味だしてる♪なんて前向きな誤解をする兄弟なんだろう(笑)。"誤解は人生を彩る"。まさにその通り!

まいだけでなく、現代の子供たちへのメッセージ的要素が感じられる『西の魔女が死んだ』、ユーモアのある『渡りの一日』、この2つの話があってこそ面白く読める1冊かなと思います。個人的には『渡りの一日』の方が好きかも。

「北京ヴァイオリン」

『北京ヴァイオリン』  和你在一  TOGETHER

北京ヴァイオリン 特別プレミアム版
 製作年:2002年
 製作国:中国
 監督:チェン・カイコー(陳凱歌)
 出演者:タン・ユン(唐韻)、リウ・ペイチー(劉佩奇)、
      ワン・チーウェン(王志文)、チェン・カイコー(陳凱歌)、
      チェン・ホン(陳紅)、チェン・チエン(程前)


<簡単なあらすじ>
チュンが北京のコンクールに出場することが決まり、父親と北京に行くことになった。そして北京に移り住んでチアン先生のもとでレッスンを受けることに。レッスン代を稼ぐために働く父親は偶然見たバイオリンコンサートでユイ教授のことを知り、今度は権威ある先生に指導をお願いする。するとチュンは大事な母親の形見であるバイオリンを売ってしまった。

<感想>
先にドラマ版を観たあとでこの映画版を観たのですが、漢字は一緒なんだけど無理にカタカナにしてるから、ドラマ版とは微妙に字幕に出てくる名前のヨミが違うのでなんかピンとこないよ^^;
各々の性格はドラマ版も映画版も同じなので違和感は全然ないです。
ドラマ版の方は24話まであったので、リウ、チアン先生、リリ、チョン、リンそれぞれのドラマがあったり、チュンの本当の父親は…といったエピソードがあったせいか、映画はとってもシンプルに感じてしまいました。といってもこのシンプルさがまた良かった♪
どちらかと言えば映画の方がすっきりしてて面白かったりして。

余計な背景がない映画を観てからドラマ版を観た方がいいかもしれない。ドラマ版を先に観ちゃうと映画にない背景をいろいろと思い出しちゃう。
ただチュンの出生の秘密、なぜ先生が知っていたのかの説明が少ないだけでなく、どうしてあの場で言ってしまったのか疑問に残ってしまいました。
ドラマ版ではかなり時間かけて出生の秘密を明らかにしていったから余計にそう思っちゃうのかな。うーん、やはり映画を先に観ればよかった^^;

ところどころシンプルすぎてどうしてそういう結果に?と思ってしまうシーンも少しはあったような…。
ラストでも駅に来たチュンに対し、どうしてここにいるのかとまず理由を問いただすのがリウの性格だと思うんだけど、あんな穏やかな顔をしてるのはなぜ??
その後チュンのバイオリンを聞き、13年前に駅でチュンと出会ったことを思い出し感極まるリウの姿を見て私まで目頭が熱くなってしまった…。

ドラマ版とは結末が違いますが、親子の絆が今まで以上に固まったのは間違いなし。
だけどチュンをコンクールに出場させるため一生懸命頑張ってきたリウの涙ぐましい努力は?成功するよりも絆の方が大事だってことなのかしら。

個人的に残念だったのはチェン・チエン(程前)の登場シーンが思ってたより少なかったこと。しかもいてもいなくてもさほど重要な役じゃないし(><)。
そうそう、リリ役のチェン・ホンって監督の奥さんだったんですね。キレイな奥さんだこと♪

この映画で一番良かったのはまたリウ演じるリウ・ペイチー演じる父親が観れたってことかな。子を想う気持ちが十分に伝わってき、この父親にはやはりこの俳優さんしかいない!←といっても中国の俳優さんはほんの一握りしか知らないんだけど(笑)。
あとチアン先生に家にある洗面器、金魚の絵が描いてありとっても可愛いかった~♪
全体的なストーリーは既にドラマ版で知ってましたが、チュン演じる青年も違うし内容を思い出しながら鑑賞したのでわりと新鮮に観れました^^

「コレラの時代の愛」 G・ガルシア=マルケス

『コレラの時代の愛』  El amor en los tiempos del cólera

コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))

 著者:G・ガルシア=マルケス (Gabriel Garcia Márquez)
 訳者:木村榮一
 出版社:新潮社




<簡単なあらすじ>
医者のフナベル・ウルビーノ博士が亡くなった。埋葬が済んだあと未亡人となった72歳の妻フェルミーナ・ダーサのもとへフロレンティーノ・アリーサがやってき、51年9ヵ月と4日間想い続けた彼女に愛を告白する。出会いから51年9ヵ月4日、2人はお互いどんな人生を過ごしてきたのか、そしてこれからどんなことが待ち受けているのか…

<感想>
映画の予告編を観て、原作が読みたくなったので借りてきました。
いや~読むのに疲れた(笑)。なんてたって会話が少ない!解説にも書いてあるけどとにかく写実的な記述や描写が永遠に続くのだ!しかも微妙~に登場人物が多く、途中で「これ誰だっけ?」って読んだページを戻る始末。巻頭に登場人物の紹介がないのがツライところ^^;

出会った頃のフロレンティーノの行動は純愛と言うべきかストーカーと言うべきか紙一重的な感じですが、男女間の接触が困難な時代を考えるとちょっと度を越した熱愛でしょうか。
一時は互いに夢中になり結婚の約束をしていた2人、フェルミーナが彼を「なんてかわいそうな人」と思い拒絶し、フナベル・ウルビーノ博士と結婚。たびたび顔を合わせることはあってもまったく別の世界を生きることになった2人。

フロレンティーノがフェルミーナが少女の頃に一目惚れして以来ずっと想い続けてるのですが、かといって彼女1人だけをずっと愛してきたわけじゃない。フロレンティーノは様々な女性と関係を持ってきたしフェルミーナも夫との長い結婚生活がある。なので51年9ヵ月と4日間想い続けたといっても純粋な純愛とは違う。期待・失望・苦しみ・現実と様々な描写が続くわけで。

しかし結婚したフェルミーナに対し力ずくでも奪うのではなく、彼女の夫が亡くなり未亡人になるのを待ってたというのはすごい。未亡人になった最初の夜にふたたび永遠の愛を誓うなんて尋常じゃない。

タイトル通りコレラの時代の愛なのですが、ところどころ伝染病コレラが流行してたという時代背景が垣間見れます。
そして51年9ヵ月と4日間という歳月で避けては通れないのは「老い」ということ。老いた2人の描写もリアルに書かれています。
若いときは「若すぎる」と反対され、晩年になると今度は「歳をとりすぎている」と反対される。しかし歳をとり未亡人になったフェルミーナにはもう何も失うものはないということなのか?愛とは死に近づくほど深まるものなのか?!

若い頃は女性の憧れの的だったフナベル・ウルビーノ博士と結婚したフェルミーナとの結婚生活は、波瀾な時もありいろんな感情を持ちつつ一心同体であったという関係。個人的にはフロレンティーノとの関係ではなく、夫との過ごした年月の方に興味を持ちました。

読み終えた思ったこと。これは映画の方がすんなり理解できるかも(笑)。といいつつ映画を観る予定はないので何とも言えないけど^^;

「アヒルと鴨のコインロッカー」 伊坂幸太郎

『アヒルと鴨のコインロッカー』  

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 著者:伊坂幸太郎
 出版社:東京創元社 創元推理文庫





<簡単なあらすじ>
大学入学のために関東から東北のアパートに引っ越してきた椎名。越してきてすぐ隣人の青年から「一緒に本屋を襲わないか」と誘われる。同じアパートにアジア人が住んでおり、彼女と別れ閉じこもっているその彼のために広辞苑をプレゼントしたいと言う。椎名はふとしたことで街のペットショップの店長と知り合いになり、彼女から「隣人とアジア人、そしてその元彼女の3人には3人の物語があり、その終わりに君は巻き込まれた」と告げられる。なぜ椎名は本屋強盗に巻き込まれたのか、そして3人の物語とは…。

<感想>
現在の椎名と隣人、2年前の隣人と外国人そしてその彼女、この2つの物語が交互に進んでいきます。
現在は本屋強盗、2年前の物語ではペット虐殺事件がベースになっておりそれぞれの話が平行して書かれてるんですが、話が進んでいくにつれ2つの物語が徐々に近づき謎が解けるというか2年前から現在にかけての物語が終焉を迎えるというか。
なぜ辞書を盗んだのか、ペットショップ店長との会話、自宅から本が消えるという怪事件、尻尾にくじをつけた猫、それらの疑問が解かれます。

外国人はブータン出身で見た目は日本人そっくり。そのブータンでの宗教的な考え方や風習、男女間の意識の違いなどがキーポイントでしょうか。因果応報も。

現在の途中で2年前のある登場人物の行方は?と気になってしょうがなかった!とっても残虐な結末を想像してたよ^^;なんとなく2年前の結末の行方は想像してたけど…
完全に騙された!全く予想にすらしなかった展開が待ってたよ。
読み終わったあと椎名が引っ越してきたところを軽く読み直すとちゃんと伏線がある!あーそっか、こんなにわかりやすく伏線をはってるのに全く気付かなかった。完璧にやられた~(><)。
そうだったのか、そう考えると話の流れは確かにそうだ。でもよ?これって確か映画化されてるよね。どうやって演じてるんだろう??本だから可能な話だけど、これを映像で表現するってかなり難しくない?

今回は登場人物に注目しながら読んだので他の作品にも登場してる人物発見!
『重力ピエロ』と同じく田村蕎麦の主人が登場。この『アヒルと鴨のコインロッカー』でも登場するって知ってないと絶対気付かなかったよ^^;そして椎名の叔母は『陽気なギャングが地球を回す』にも登場しており椎名が親戚の中でも唯一親しみが持てる人物。

越してきて隣人の部屋に挨拶に行った時誰も出ず自分が取り残されていると感じたり、バスに乗っても周りの乗客は自分のことをよそ者と見下してるんじゃないかといった被害妄想的な考えが頭をよぎるような椎名。冴えない青年はとんだ物語に巻き込まれたもんです。こんな性格の椎名に叔母はいろいろと助言してたんだ。

いや~この本の感想は難しい。思わずネタバレを書いちゃいそう(笑)。ネタバレを考えるとやはり映画が気になる。
隣人の行方は映画ではどうなってるんだろう。DVDを借りるか?いや、やっぱ止めとくか。テレビ放送待つか。←あるのか?しばらくの間葛藤が続きそう…。

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