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「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊

『ナイチンゲールの沈黙』

ナイチンゲールの沈黙

 著者名:海堂尊
 出版社:宝島社





<簡単なあらすじ>
小児科病棟(オレンジ新棟)に勤務する看護師の浜田小夜は、忘年会の出し物コンテストで優勝するぐらいの歌唱力を持つ。その夜、同じ看護師の友人と街に出たところ、伝説の歌姫と言われてる水落冴子のライブが聞けることに。その後、水落冴子は小夜が働く病院に入院する。そんな小夜が担当しているのは目を摘出する子どもたち。子どもたちのメンタル面を気にした小児科看護師長は田口の不定愁訴外来(愚痴外来)にお願いをする。そんな時、小児科の少年の父親が殺され、警視正の加納がやってきただけでなく、またもやあの男がやってきた。

<感想>
『チーム・バチスタの栄光』の続編というか第2弾。『チーム・バチスタの栄光』から9ヵ月後の設定となってるようです。今回は主として小児科病棟に入院する子どもの父親が殺された、犯人は誰だ!というのがテーマになっているのですが、もちろん一筋縄ではいかないのがいいところ。
小夜が水落冴子のライブを聞きある感情を思い出す、その意味とは?新たな登場となる加納警視正という人物とは?やはり話の後半からの登場となる白鳥、今回はどのように事件を解決するのか?父親が殺された小児科の牧村瑞人、彼の本当の心理とは?などなど今回も細かいテーマが盛りだくさん。が、本当のテーマはやはりタイトルにもある『ナイチンゲールの沈黙』なんだろうな~。

正直、医学的な内容にイマイチ理解できないのが本当のところ^^;そんなことが本当にあり得るの?なんて半信半疑なのが正直な感想。現実的に本当にある事例だとしても、突拍子もない結果にどうも話がもう一つのみ込めない。一番現実的だったのは小児科のヒデマサだったかも(笑)。
前回に比べて今回は謎も多く、ん?って部分が多かったのですが、田口&白鳥コンビに加納警視正&玉村が加わり、それぞれ登場人物のキャラは楽しい♪でも白鳥のキャラが少し薄れたような気が・・・
今回は前回の『チーム・バチスタの栄光』から同じ登場人物は数名ですが、小夜と同僚はチーム・バチスタの大友の前任者である星野と同期だったり、小児科病棟看護師長は不定愁訴外来専任看護師である藤原の後輩だったりとどこか繋がってたり。

忘年会で高階病院長が言った言葉、「我が東城大学医学部は、自らミスを申告した者は必ず守り抜く」。これって不正を隠匿するって意味にも聞こえるし、ミスした者が申告しなかったらえらい目にあうとも取れる。うーん、この言葉の意味は・・・。

この本を調べてる時に知ったのですが、さらに続編の『ジェネラル・ルージュの凱旋』も発売されてるんですね~。『チーム・バチスタの栄光』を読んだ時、ここまでシリーズ化されてるとは全然知らなかった^^;そうそう、白鳥の部下である姫宮も登場するんだとか。本書でも姫宮のことが触れられているのですが、続編への前触れだったのかな?とにかく続編も読まなければ!

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「変身ものがたり」 ちくま文学の森4

『変身ものがたり』 ちくま文学の森4     
   
変身ものがたり
 編者:安野光雅/森毅/井上ひさし/池内紀
 訳者:川口篤/中村真一郎/平井肇/石川淳/
     高橋健二/荒俣宏/田辺貞之助/清水徹
 出版社:筑摩書房 <ちくま文学の森4>



『死なない蛸』 萩原朔太郎
『風博士』 坂口安吾  
『オノレ・シュブラックの失踪』 アポリネール
『壁抜け男』 エーメ(エイメ)
『鼻』 ゴーゴリ
『のっぺらぼう』 子母沢寛
『夢応の鯉魚』 上田秋成
『魚服記』 太宰治
『こうのとりになったカリフ』 ハウフ
『妖精族のむすめ』 ダンセイニ
『山月記』 中島敦
『高野聖』 泉鏡花
『死霊の恋』 ゴーチエ
『マルセイユのまぼろし』 コクトー
『秘密』 谷崎潤一郎
『人間椅子』 江戸川乱歩
『化粧』 川端康成
『お化けの世界』 坪田譲治
『猫町』 萩原朔太郎
『夢十夜』 夏目漱石
『東京日記 抄』 内田百
この中からいくつか紹介。
『オノレ・シュブラックの失踪』
金持ちのオノレは年中ガウンのようなものを羽織ってるだけで、素足につっかけ靴を履いていた。なぜなら危険が迫っている時カメレオンのように周りのものに同化することができ、すぐ裸になれるからという理由。ある日オノレの身に危険が迫った時、いつものように壁に同化したが・・・。『壁抜け男』のようなインパクト性はないけれど、奇抜な話ではあるかな。

『壁抜け男』
壁を通り抜けることが出来るという不思議な能力を持っている男の話。普段はこの能力を使おうとはしなかったが、勤務先にやってきた新しい次長が嫌な奴だったため、壁抜けをして仕返しをする。調子に乗った男は窃盗をし、注目を浴びることに喜びを感じていた。さらにエスカレートしていくがいつものように壁抜けをしようとすると・・・。
かなり昔に読んだことがあったのですがやっぱ面白い。ユーモアもあるし♪軽妙奇抜という言葉がピッタリだわ。今でも壁の中にいるんじゃないかと思ってしまったり(笑)。モンマルトルには「壁抜け男」をモチーフにした彫刻(エーメが壁を抜けようとしている)があるそうな。

『鼻』
ある朝、理髪師がパンを食べようとすると中から鼻が出てきた。びっくりした理髪師は河へ鼻を捨ててしまう。一方その鼻の持ち主コワリョーフは、朝起きて鼻がなくなりその場所がのっぺらぼうになってるのに驚く。街中で偶然にも自分の鼻を見かけ、後をついていくが・・。
ありえん、朝起きたら自分の鼻が失踪してるなんて。奇想天外にもほどがある~(笑)。馬鹿馬鹿しすぎるけどユーモアがあるといっちゃある。ただ全体的に一体何がどうなったのかイマイチ把握できないけど(苦笑)。そう読者が思うのを見通して、ラストで作者が弁解(?)してるようにも思えたり。

『夢応の鯉魚』
延長の頃、三井寺に興義という僧がいた。絵が好きな興義は魚をよく描いており、夢に出た魚までもを描いていたがある日病に倒れ臨終を迎えた。その頃興義は夢を見ており、魚になって湖を泳いでいた。しかしあまりにもお腹が空いて漁師の釣り糸の餌に食いつくとつかまってしまい、料理される寸前に大声で助けを求めるが気付いてもらえない。と、ここで目が覚めた。
「雨月物語」の中の一編。このストーリーは臨死体験なのでしょうか。最後の興義の言葉がいいです。「人間の苦痛の叫びは他人の耳には入らない。それどころか住む世界が異なれば、酒の肴になる仕儀である」と。さらに興義は長生きした後、亡くなる前に鯉の絵を湖に散らすと、描かれていた鯉が紙から離れて泳ぎ始めるだなんて。なんてロマンチックなんでしょう。ちなみに興義は実在した僧なんだとか。(そうなの?)
『こうのとりになったカリフ』バグダッドの王カリフは、動物の姿になれる魔法の粉が入ってる小箱を手に入れた。宰相とこうのとりになったが、元の姿に戻る呪文を忘れてしまった。そんな時、ふくろうの姿にされてしまった王女と出会う。
なんだろう、外国のおとぎ話のような感じ。でも変身するという点ではまさしくその言葉通り(笑)!

『山月記』
隴西の李徴は、将来は詩家として名を残そうと思っていた。しかしなかなかうまくいかず、生活は苦しくなる一方だった。その後公用で旅に出た時に発狂し行方不明となる。翌年、友人の袁傪が河南省へ行った時に一匹の虎と遭遇するが、その虎は李徴だった。
普段は虎の本能を持っている李徴だが、一日のうち数時間は人間の心に戻るため、自分がどうしてこんな運命になったのか。いずれは人間の心を忘れてしまい、獣となってしまうことを恐れている李徴は虎になって今までの自分の愚かさに気付くのですが、それでも家族のことより先に自分の詩を伝録して欲しいと袁傪に頼んでしまうのです。そんな自分のことをよくわかっている李徴。うーん、読み終わった後、何とも言えない余韻が・・。この『変身ものがたり』で一番印象に残った作品だったかも。『文字禍』も読んでみたいな~。

『人間椅子』
有名作家の佳子のもとに封書がきた。原稿が送られてきたのかと思われたが、そこにはある男性が綴った罪悪の告白だった。醜い容貌である自分は家具職人で、大きな肘掛椅子を製作した際、椅子の形に合わせて自らが入れるスペースを作ったこと。その椅子にさまざまな人が座ったこと。ある役人に購入され夫人が使用しようしてたこと。そしてその夫人を愛してしまったこと。読み終えた時、女中から一通の封書を渡された。そこには・・・。
読み終えたあと、なんだそうだったのか~なんて思ってましたが、椅子がある店から役人に渡ったこと、書斎に置かれたことなど詳しく知ってる模様。これは内容に真実味をもたせるために下調べしたってこと?あるいはストーカー?結果的には佳子を騙せた(?)わけだから、封書を送った主からしたら大成功ってことなんだろうな。しかしタチが悪い^^;

『お化けの世界』
善太と三平という小学生の兄弟は、どちらの動物が強いか真似をしてよく遊んでいた。だがある日、父親が会社を辞めることになり自宅が差押さえに。かつて父親の兄が自殺したことがあり、三平は子供ながらに不安になっていた。兄弟と父親がじゃれてる時に、鼻をつままれてもお腹の帯をきつく引っ張られても首を絞められても「いい気持ちだな、眠るように気持ちがいいよ。死んだっていいさ」と父親が言ったことに三平は死ということを考えるようになる。
お兄ちゃんの善太は死を理解してるようなのですが、弟の三平は死というものをまだまだ理解しておらず、父親の言葉を信じてます。なので犬に対し残虐な行為をしようとしたり、橋の上から川へ飛び込もうとしたり。何にでも疑問に思う幼い少年をリアルに描いているような気がします。

『夢十夜』
感想はこちら

夏目漱石の『夢十夜』が読みたくて借りてきた一冊(といっても『夢十夜』はもう一冊借りてきました^^;)。このシリーズって結構有名どころを収録してたんですね~。今回『山月記』を知ることが出来て良かった♪またこのシリーズを借りてこよっと。

「ゴルきちの心情」 ウッドハウス

『ゴルきちの心情』  THE HEART OF A GOOF       

著者:P・G・ウッドハウス (Pelham Grenville Wodehouse)
訳者:古賀正義
出版社:創土社

<簡単なあらすじと感想>
全31編の『ゴルフ大全』から訳された9編『ゴルフ人生』を読んだ時、その他の翻訳が読みたいと思っていたらお世話になっているkazuouさんにこちらの本を教えていただきました。ありがとうございます♪
こちらに収録されてるのは以下の通り。


1.「ゴルきちの心情」ゴルフに身も心も全て捧げてしまい、生活まで影響を及ぼすぐらいのゴルきちの男性が、女性のおかげで克服できたという話。
2.「高価な賭け」
上手いゴルファーは小さな掛け金で満足する、下手なゴルファーほど大きな賭け金で勝負する。とても高価なものを賭けて勝負した2人の金持ちの話。
3.「ヴォスパーとの修交」
「高価な賭け」のその後。妻と一緒にゴルフをする苦難、そして新しい執事がもたらす影響度の話。
4.「チェスター我を忘れる」
感情をあらわにする男性が、本能を抑えたため幸せが遠のきそうになる。
5.「魔法のプラス・フォア」ある男性がゴルフウエアを変えたことで気持ちに変化が起こり、突然ゴルフが上手くなった。次第に彼女や周りの人たちが離れていくが、そのことでゴルフ本来の姿を知ったという話。
6.「ロロ・ポッドマーシュの目覚め」
母親に甘やかされて育った世間知らずロロ。そんなロロが女性に恋をする。
7.「ロドニーの失格」
幼馴染みのウィリアムとジェーンはゴルフ好きのカップルだが、互いに慎重派なためなかなか今以上に関係に進展しなかった。そんな時、2人の間にロドニーという詩人が現れ彼女は彼に夢中になってしまう。だがゴルフをしないロドニーに対しジェーンは・・・。
8.「ジェーン、フェアウェイを外す」
「ロドニーの失格」のその後。めでたく結婚したウィリアムとジェーンだったが、再びロドニーが現れ、またもやロドニーに影響を受けるジェーンだった。
9.「ロドニー・スペルヴィンの改心」
「ジェーン、フェアウェイを外す」のその後。今度はジェーンの妹アナスタシアがロドニーに夢中になっていた。ジェーンは1人だけで何とか阻止しようとするが、その行動を見てウィリアムは怪しく思っていた。
今回は『ゴルフ人生』でお馴染みの"最長老メンバー"が全て語り手となってます。『ゴルフ大全』の時から薄々気付いていましたが、この『ゴルフちきの心情』で確信しました。相手が聞くのを嫌がっていても有無を言わさず語り始めるってことを(笑)。聞き手が断ろうが話してる途中であろうがお構いなし。さらに悩める子羊たちがみな自分に相談にくるということを当たり前のように思ってる^^
聞き手は話の流れから同じ青年と思ってたのですが、おそらく2~3人の青年が登場している模様。みな最初は「またかよ、やれやれ」といった諦めムードで聞いてるのですが、最後の方の話では相手が逃げないように上着の袖をつかむ"最長老メンバー"。

このゴルフ話には、いろんなタイプの女性が登場するのもまた楽しみの一つ。ゴルフに対し何かしらの悩みを持つ男性を支える女性、反対にどん底に落とす女性。女性の行動に振り回される男性がいたり、肩透かしにあったり。
ゴルフのエピソードを交えながらの登場人物たちはみな個性があって相変わらず面白い。ウッドハウスはホントに期待を裏切らないな~♪最高!

「ホームレス中学生」 田村裕

『ホームレス中学生』       
  
ホームレス中学生

 著者:田村裕
 出版社:ワニブックス





<感想>
なんだかすごい人気があるようなので借りてきちゃいました。父親に家の前で「解散!!」と言われてから公園生活が始まったというのは前からテレビで言ってましたが、ま・さ・か本になるなんて!しかもベストセラーだなんて・・・。
これはネタだなと思ってたんですが、本書を読むと短期間であってもホントに公園で生活してたんですね。
中学生が家を失くし、公園で1人生活していくという状況が信じられないと同時に、周りの大人たちは一体何してたんだろうなんて。「どうして親戚や先生に相談しなかたんだろ?」と誰もが思いますが、このような質問が多かったのか(?)、作中でそうしなかった理由もちゃんと書かれてます^^

母親、兄弟、友達の親、先生……いつも誰かが救ってくれたという感謝の想いを持ち続けていられるのは著者の人柄なのかしら。愛情をたくさん注いでくれた母親に対する想いは人一倍強く、苦難な時は天国から見守ってくれてると信じてる。うんうん(涙)。
公園での生活だけでなく、「解散!!」から麒麟のコンビを組むまでが書かれており、昔のさまざまな出来事があって、今の自分がいるといった貧乏自叙伝でしょうか。     

その中で自転車で家出する場面があるのですが、吹田から甲子園、さらに西舞子までって・・・。頑張ったね(笑)。
吹田を朝出て昼頃に甲子園、そして夜には西舞子(もう少し行けば明石だったのにね^^)。自転車だからなせる業なのか?!しかも甲子園から須磨海岸まで山を越えトンネルを抜けってあるけど、一体どんなルートで行ったんだろ??43や2国を通らなかったんだろうか。ローカルな話になっちゃったけど著者が通ったルートが気になる~。

「カルマ」

『カルマ』 異度空間  INNER SENSES

カルマ 製作年:2002年
 製作国:香港
 監督:ロー・チーリョン(羅志良)
 出演:レスリー・チャン(張國榮)、カリーナ・ラム(林嘉欣)、
     レイ・チーホン(李子雄)、ヴァレリー・チョウ(周嘉玲)、
     チョイ・シウキョン(徐少強)、マギー・プーン(潘美)


<簡単なあらすじ>
脚本の翻訳をしてるヤン(カリーナ・ラム)は新しいアパートに越してきた。しかしずっと幽霊が見え続け神経がまいってしまう。いとこ(ヴァレリー・チョウ)の夫ウィルソン(レイ・チーホン)の友人である精神科医のジム(レスリー・チャン)の治療を受けるが、幽霊は脳の産物と思ってるジムはヤンの病状に対し心の病だとみて楽観的に考えるが、今度はジムに異変が起きはじめる。

<感想>
カルマとは・・・調べてみると、梵語(サンスクリット語)読みで日本語では業(ごう)と訳すらしい。前世までの行いの結果が、現世の喜びや苦しみとなって現れるというもので因果応報のようなものかな?この映画でいうなら、自分がかつてしたことは、必ず自分に降りかかり同じ苦しみを味わうという感じ?罪の償いといったことでしょうか。あれ?違う?
ヤンもジムも大家さんもそれぞれ罪の意識を持っており、ヤンとジムに関してはそのことから不安や恐怖心を抱くようになる。なのでホラーと言うよりも心理的な映画という感じかな。

そういや『ダーマ&グレッグ』で、グレッグの父親がダーマのことをカルマって呼び間違いするシーンがあったり、カルマをテーマにしたストーリーもありました。こちらはコメディなので観ていてカルマのことを深く考えてなかったよ^^;

感想ですが、ホラーとしての要素(霊とか音響とか)も取り入れてるのですが、ホラー好きには物足りない・・・。ストーリー的には悪くないんだけどこれまた何か物足りない・・・。
しかし『カルマ』の内容うんぬんよりも、レスリー・チャンの演技の方に釘付けになってしまった!!ラブコメディに出てるレスリー・チャンもいいですが、今作品のような役どころもさすが!という感じで1人存在感が際立ってます。これが遺作だというのを後で知ったのですが、ほんと名優でした。

最後に・・・コメディ要素が全くない作品なのですが、1つだけそれらしいシーンが!ヤン、レディなのにあんなアイスクリームの食べ方はないでしょ(笑)。

「君といたとき、いないとき」 幾米

『君といたとき、いないとき』  月亮忘記了  WITH MY LITTLE MOON

君といたとき、いないとき
 作・絵:ジミー(幾米)
 訳者:宝迫典子
 出版社:出版社:小学館





<簡単なあらすじ>
ある日、月が地上に落ちてしまった。その落ちた月を森で偶然見つけた少年は家に持ち帰る。一方世の中では月のいなくなったことで大ニュース。小さな人口の月が大量に作ら一時的に街は明るくなるが、いつの間にか街角はすさんでしまい人口の月はどんどん捨てられるように。そんな時、少年と一緒にいた本物の月は自分の本来の姿を思い出すように・・・。


<感想>
まずは冒頭。これにはびっくりです。だって月を見ながらベランダの柵に座ってる男性がいきなり・・・(これ以上はネタバレになっちゃうので書けない~^^;)

月が夜を照らしてくれるのは当たり前のことで、いざ月が世の中からなくなると世界はパニック状態。だけどすぐさま人口の月が大量生産されるってのは現代を象徴してるような。月は暗い夜を照らしてくれるのが当然と人は思ってますが、いざ月がなくなると恐怖におちいり、代替のものを作ることで安心。最初は小さくて可愛らしい月をみな大事するも、飽きて捨ててしまうのも現代を象徴してる。

一方で、孤独だった少年と月。この両者は出会うことで互いに寂しさを埋めていったのかな。少年は何かするごとに母親のことも触れており、自分に関心を示して欲しいのがよ~くわかります。
暗闇=孤独?孤独=自分自身?うーん、2回読み直しましたがジミー作品は考えれば考えるほど奥深すぎていろんな意味に取れます。一体どこまでが夢というか想像なんだろう。ってどうみても現実じゃないけどさ(笑)。
これほど読者に問いかける絵本作家がいるとは!絵本で字数が少ないとはいえ訳者は大変だ。
だけどジミー作品は言葉がなくても画だけでも惹かれてしまう。
ほかの作品の主役たちが脇役として登場するところはもうお決まり!!しかも全然無理やりではなく、脇役としてもちゃんと自らのストーリーの一環として登場してるのがすごい。

そういや少年に拾われた月が徐々に大きくなっていってる・・。最初は手のひらサイズだったのにどんどん大きくなっていってるのは月が少年の愛情を受けてるからなんだろうか。ん?愛情?
ここからは私の勝手な解釈。
"大人になった主人公は孤独で、仕事あるいは恋愛に疲れている。で、心がすさんでいる時に冒頭の出来事が。夢の中で少年時代に月と一緒に過ごしたこと、親友である月が今もずっと空から見守ってくれてることを思い出す。"
どうでしょ?想像だけが膨らんでいく・・。ジミー作品は頭の活性化になるわ~(笑)。

個人的に好きなシーンは傘をたたく雨の音を聞きながら散歩する少年と月。月の嬉しいそうな顔も素敵ですが、傘をたたく雨の音もいいかもしんないと思えるようなシーンでした♪

「ゴルフ人生」 ウッドハウス

『ゴルフ人生』  THE GOLF OMNIBUS       

著者:P・G・ウッドハウス (Pelham Grenville Wodehouse)
訳者:原田敬一
出版社:日本経済新聞社

<簡単なあらすじと感想>
全31編の『ゴルフ大全』の中から9編を訳したもの。

「アーチボルトの勝利」アーチボルトは仲間たちに好かれてはいたがゴルフの腕はまるっきしダメだった。そんな彼が婚約し、婚約者がゴルフ選手権大会に見るくるんじゃないかと心配した仲間たちは彼が恥をかかないように工作するというもの。
仲間たちはアーチボルトが勝つように作戦を実行するのですが、はたから見てるとなんとも可愛らしい作戦(笑)。当のアーチボルトはそんな作戦はもちろん知らず、婚約者との約束の時間に遅れて落ち着かない。結局のところはアーチボルトと婚約者はお互いが相手に嫌われたくないために無理をしてただけという・・・。
アーチボルトが所属するのは「細かいことはいいじゃん、楽しくのんびりやろうよ♪」という感じの下手くそでものんび~りプレーすることが出来るゴルフクラブ。ゲームの厳しさとは無縁のこのクラブは、ゴルフ愛好家(下手の横好き。あとがきによるとへぼゴルファーらしい)のウッドハウスならではの楽園のような場所。私はゴルフをしたことがないのでわからないですが、こんな道楽クラブ、現実に存在するんだろうな~。

ゴルフを辞める!こんな暇つぶしが一体何の役に立つのだ?!と言う青年に対し、ある男性の例を出しゴルフが役に立つという「カスバートの成功」
真のゴルファーたるものは恋も注意深くならないといけない。相手によってはゴルフが上達することもあるし、駄目になってしまうこともある。同じ女性に恋をしてしまう男性2人の話「女というものは」
ゴルフは若いうちに始める方がいい。年をとってから始めると我を忘れ、物事のけじめを忘れてしまい大変危険である。その通りの結末を迎えてしまった男性の話「スリーサムの悲喜劇」。その男性のその後の話「心千々に乱れて」
おしゃべりゴルファーはとても悲しいものだが、治療によっては改善できる。おしゃべりゴルファーが完全に治った話「ジョージ・マッキントッシュ救わる」
人の本当の正確を見抜く方法は一緒にゴルフをすること。ゴルフでカッとなるのは馬鹿げているが、人事異動をゴルフで決めるという「ゴルフ人事異動」。 
ゴルフにももちろんルールはあるが、ルールを引き合いに出して勝敗を決めようとするやり過ぎの2人の「ロング・ホール」
ゴルフには絶対確実ということはなく、最高のプレーヤーでもミスをする。そんな男性の話「アキレス腱」

最初の「アーチボルトの勝利」以外の8編は"最長老メンバー"が語り手となってます。(もしかしたら「アーチボルトの勝利」の語り手も実は"最長老メンバー"なのかも?)
どれをとってもゴルフをする上でありそうな話、これを面白おかしくユーモア満点に書かれてます。特にゴルフが上手くない人にとっては共感できそうな内容ばかり。さすがゴルフ愛好家ウッドハウス!!
語り手の形としては、『マリナー氏の冒険譚』と同じ1人の男性がある事柄について聞き手に有無言わさず聞かせるというもの。
今作品はゴルフ前提の小説ですが、相変わらず愉快でウッドハウスワールドに浸ることができました♪でもこれって『ゴルフ大全』の中のたった9編。残りの22編は??違う本で訳されてるのかな?国書刊行会の「ウッドハウス・スペシャル」シリーズや文藝春秋の「P・G・ウッドハウス選集」シリーズで取り上げてくれないかな~。 

2008年のはじまり

明けましておめでとうございます。

昨年同様、年末からダラダラと寝正月を送っております・・・。
そしてこれまた昨年同様、年末年始用に図書館から本を数冊借りてきたのにも関わらず、
未だ1冊も読んでない・・・ん~なんとかなるさ(笑)。

今年の抱負
・昨年末からちょこちょこと読み始めた日本人作家、今年は幅広く読んでみよう
・前から興味があった中国映画、少しずつ観ていこう
・誤字脱字が多いので、文章を見直すようにしよう

相変わらず下手な文章でまとまりのない感想文のようなブログですが^^;
今年もよろしくお願いしますね~。

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