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「ラブ・レター」 幾米

『ラブ・レター LOVE LETTERS』  我只能為你畫一張小卡片  LOVE IN THE CARDS  

Love Letters ラブレター
 作・絵:ジミー(幾米)
 訳者:岸田登美子
 出版社:小学館





<感想>
いろんな人からの48通のラブレターを1枚のカードに託し、可愛らしい絵でまとめた絵本。とにかく宛名と差出名が楽しいです♪

「愛する詩人様へ 性格美少女より」
「青春時代へ 現実を見たくない私より」
「ニガウリさんへ 前菜より」
「醤油漬けのたまご君へ 白いたまごより」などなど。

普段面と向かって言えないことをカードに書いたり、感謝の気持ちや思い出話を綴ったり、誰かに宛ててというより日記風だったり、ロマンチックな内容だったり、不安なことを誰かに聞いてほしかったり・・・。
空想的や幻想的なものもあれば、「パパへ あなたの息子より」のように子どもが入院中の父親へ宛てたもので実際ありそうな内容でとっても現実的。
「編集者様へ ジミーの分身より」はとっても興味深い。『幸せの翼』を執筆していている時のエピソードを書いたものですが、この内容を信じるなら、ジミー自身が『幸せの翼』の主人公を哀れんでたんだと知りました。やはりハッピー・エンドじゃなかったんだ~。

最後にジミーからのラブレターが。
別人になった自分が大勢の友人に手紙を書くという空想の世界に浸ったそうな。そしてジミー宛に沢山の手紙来るそうなんですが、そのうち1年に数枚の返事も書けなかったと書いています。カードをテーマに絵本を作ろうとしたのはこのことが原因かもしれないと。
そうなんだ!それで冒頭と巻末の絵の意味がわかりました♪
冒頭に少女がジミー宛の手紙を持って一生懸命ポストへ向かい、巻末ではポストから手紙を持った青年が宛先に一生懸命届ける絵が描かれてます。
これは冒頭の絵はジミー宛に手紙を出すファンを表しており、巻末の絵はジミーがとても遠くへ住んでるファンにカード(返事)を届けてるんですね♪だからカードを受け取った女性は大喜びしてるんだ。違うかな?
絵本とは違った趣向で楽しく読むことが出来ました♪

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「ねえ、どれが いい?」 ジョン・バーニンガム

『ねえ、どれが いい?』   WOULD YOU RATHER    

ねえ、どれが いい? (児童図書館・絵本の部屋)
 作・絵:ジョン・バーニンガム (John Burningham)
 訳:まつかわまゆみ
 出版社:評論社





ジョン・バーニンガムの絵本は前から知ってましたが、実際ちゃんと読んだ(見た)ことがなかったんです。といっても絵に記憶があるのでもしかしたら幼少の頃に読んでもらったかも?
なぜ急に興味をもったのか― それは10月に『ジョン・バーニンガム絵本原画展』に行く予定をしており、ジョン・バーニンガムの絵本を少し読んでおこうという単純な理由から^^;もともとジョン・バーニンガムの絵のタッチは好きなので早速図書館のHPで検索!
しかしあまりにも冊数が多くてどの絵本から読もうか迷った挙句、タイトルで気に入ったのを数冊借りてきました。そのうち1冊がこれ『ねえ、どれが いい?』。どの本にしようか迷った私の声を代弁してくれるようなこのタイトル、気に入りました(笑)。

<簡単なあらすじと感想>
・もしも○○するならどれがいい?
・ねえ、どれがいい? ○○するのと××するのと△△するの。
・どれならできる? ○○するのと××するのと△△するの。
・○○と△△、どっちがいや?
・どこでならまい子になってもいい? ○○、××、△△。
・どれを手伝う? ○○、××、△△。


といったように、子どもと一緒に読んで子どもに「○○ちゃんはどれがいい?」と質問しながら、あるいは絵本に載ってる事柄以外の質問をしたりしてコミュニケーションが取れる絵本という感じでしょうか。可愛い絵を見ながら「どれがいい?」なんて聞かれたら大人の私も思わず「え~っと、これ!」なんて指差しそうです(笑)。
「どれがいい?」と聞かれ、絵本に載ってない答えを考えたりするのも楽しいだろうな~ ←すっかり幼児気分♪

「どれを手つだう? ようせいのまほう・小人のたからさがし・まもののいたずら・魔女のシチューづくり・サンタクロースのプレゼントくばり」なんて言われたら、その状況をウキウキしながら想像しちゃいますもんね。現実的にはどれもあり得ないのですが、幼児にとっては最高の空想の世界(私もうっとり♪)。
「どれなら食べられる? くものシチュー・かたつむりのおだんご・虫のおかゆ・へびのジュース」という質問なんて実際うぇ~って感じですが、私なら「食用かたつむりなら食べれる!エスカルゴ大好き!サイコー♪おだんご?バターとガーリックよろしく♪」なんて答えちゃう(笑)。なんか大人の答えってイヤだわ・・・^^;。
楽しいこと、少し悲しいこと、イヤなこと、夢があること、いろんな質問が数ページに込められており、想像力が豊かな幼児にとってはとっても楽しそうな絵本。
ちなみに小学生にこの絵本を見せると「あほらし~」という答えが返ってきそうな予感。物心ついた子どもには不向きかも^^;

外国の方が書く絵本って、人間の顔が以外に淡白だったりするんですよね~。鼻は一応高く描かれてるものの、目がただの点だったり(笑)。やはり外国人特有の彫りの深い顔は描きにくいんだろうかなんて思ったり。どうだろ?
明らかに幼児向きの絵本なんですが、多数あるジョン・バーニンガム作品の中でこの絵本を最初に選んで良かった~。いつか私に子どもが出来たらこの絵本は一緒に見たい本の一冊にしたいと思いました♪

「欲望の翼」

『欲望の翼』  阿飛正傳  DAYS OF BEING WILD  
            
欲望の翼
 製作年:1990年
 製作国:香港   
 監督・脚本:ウォン・カーウァイ(王家衛)
 撮影:クリストファー・ドイル


出演者:レスリー・チャン(張國榮)、マギー・チャン(張曼玉)、カリーナ・ラウ(劉嘉玲)、アンディ・ラウ(劉徳華)、ジャッキー・チュン(張學友)、レベッカ・パン(藩迪華)、トニー・レオン(梁朝偉)

<簡単なあらすじ>
1960年、ヨディ(レスリー・チャン)はサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)と出会い付き合うが、結婚をほのめかされたため別れてしまう。ヨディは養母(レベッカ・パン)と一緒に暮らしており、養母のヒモと思われる男性と一緒にいるダンサーのミミ(カリーナ・ラウ)とすぐに関係を持ってしまう気ままに生きる自由奔放な男性。ヨディの部屋から出てくるミミに恋をするヨディの親友(ジャッキー・チュン)、ヨディの家付近でスーと出会う警官(アンディ・ラウ)たちの群像劇。

<感想>
とうとうウォン・カーウァイ作品を続けて観るのも4本目。
『恋する惑星』で金城武がクサイセリフを言うな~と思ってましたが、今作品でもクサイセリフのオンパレード。
・男「夢で会おう」 女「夢で会えなかったわ」 男「寝てないな?眠ればきっと俺に会えるぜ」
・「1960年4月16日3時1分前、君は俺といた。この1分を忘れない」

実際こんな事を面と向かって言われたら吹き出しそうだけど、マギー・チャン演じるスーはそうではなかった訳で。この2つ目のセリフがスーにとって重大なセリフ、そしてヨディもなんやかんや言って忘れちゃいなかったんだから。その後ミミを口説く時も歯の浮くようなセリフを発するのですが、2人の女性は彼のことを本気で好きになってしまうのがスゴイ!
私もチャン・チェンや小春さんや金城武やトニー・レオンや林威助(←台湾出身の阪神の選手)にこのようなセリフを言われたら・・・←っていうか多すぎ(笑)。
大好きな人に言われたら目がハートになっちゃいます♪絶対「プププっ、クサっ」なんて笑ったりなんか・・・多分しません!
ただ言った本人ヨディは自分に本気になった女性に対してクール過ぎるというか冷酷というか。典型的なヒドイ男で、惚れる女もそのことは分かっていても嫌いになれないのはわかるようなわからないような・・・。
前半にヨディは自分のことを脚のない鳥に例えて話しますが、この話も後半で重要な部分。

この映画では対照的な人物4人の対比がはっきりしてます。まずはヨディを想う女性2人。地味で自分の感情を表に出すことがないスー、見た目から派手で感情をはっきりと表に出すし行動力もあるミミ。男性陣も性格が全く違います。ヨディは女性を口説きすぐものにするがその後は冷たい、親友のジャッキー・チュン(役名は何だっけな?)は自分のことをよく理解しており、好きな女性に対し控え目だけど想う気持ちは一途。
スーと出会う警官役のアンディ・ラウは制服姿がとっても似合ってます。こういう役の彼はとっても素敵です♪マギー・チャン&レスリー・チャンよりもマギー・チャン&アンディ・ラウの方がしっくりくるんだけどな。最後にいきなり登場するトニー・レオン、一体どんな意味が?!

今思えばもの凄い豪華キャストです。同時代の他の作品の中でも今までの香港映画とは全然違い、この時代にこの映画は斬新で旋風を巻き起こしただろうと思います。この映画の批評を見てるとほとんどの方が絶賛しており「最高傑作」と言われてますが・・・私はそこまでは思わなかったかも・・・。
その理由の一つとして、昔にテレビからVHS録画したものを観たのですが、映像がものすんごく悪かったんです。なんて言ったらいいんでしょ、全体的に明かりがあまりなく暗い感じで、最悪の場合は登場人物の動作すらよくわからない状態。観づらく理解しにくい部分が多々あったので意味がよくわからなかったんです。なので画像が良いDVDを借りて観直そうかとも思ったのですが、とりあえず今感じた感想を書くことにしました^^;

調べてみると・・・『花様年華』『2046』とリンクしてる部分があるらしく、3本合わせて観るとより楽しめるんじゃないかと思ったり。『2046』は観たのですが『花様年華』は観てないので3本合わせて観てみようかな~と。個人的に別の作品とリンクされてる話って好きだし(笑)。『天使の涙』を『恋する惑星』の後に観ると面白かったように、3部作も続けてみると面白いはず?!
もともとウォン・カーウァイ作品は理解出来なかったのですが、最近3作品を数年経ってから観直し、ウォン・カーウァイ作品を魅力ある面白い作品だと思い始めたとこだったんで、この作品もキレイな映像でもう一回観たら魅力がわかるかもと思ってるのですがどうかなぁ?

「天使の涙」

『天使の涙』  堕落天使  FALLEN ANGELS

天使の涙
 製作年:1995年
 製作国:香港
 監督:ウォン・カーウァイ(王家衛)
 撮影:クリストファー・ドイル
 出演者:レオン・ライ(黎明)、ミシェル・リー(李嘉欣)、
      金城武、カレン・モク(莫文蔚)
      チャーリー・ヤン(楊采妮)

<簡単なあらすじ>
男(レオン・ライ)は殺し屋で女パートナー(ミシェル・リー)の指示に従うだけ。誰をどう殺すかはパートナーが決める。だが殺し屋から足を洗いたいと思っている。一方パートナーの女は男とは会わないようにしている。なぜなら情が移るから。だがこの関係も揺らぎ始める。
女がいる重慶マンションの安宿の管理人の息子モウ(金城武)は5歳の時から口が不自由に。職探しも大変なので閉店後の色々な店を勝手に開けて営業している。他にも色んな仕事をしてるが、その時に失恋した女性(チャーリー・ヤン)に出会い初めて恋をする。一方、殺し屋の男はマクドナルドで金髪の女性(カレン・モク)と出会い、そのまま彼女の家に行き関係を持ってしまう。

<感想>※ネタバレあり
またまたウォン・カーウァイ作品。この際だから私が持ってるウォン・カーウァイ作品のビデオを全部観ようじゃないか!
初めてこの映画を観た時は(かんなり前でいつだったかはもう記憶外)正直言ってどこが面白いのかわかりませんでした・・・。が!がっ!!本来『恋する惑星』の第3話として予定されていた物語だったせいもあり(後で知りました)、『恋する惑星』を観た後でこの作品を観ると共通点があって面白い~♪もちろんそれだけの理由じゃなくても個人的に前よりは面白く観れました♪ストーリーはあってないようなつかみどころがない感じですが^^;やはりこれも数回観たのが良かったのか?!(といっても面白いと感じ始めたのは後半から。)
自分でもびっくりなんですが「全然面白くないやん!」から数年経って「結構面白いやん♪」と感想が変わったのはウォン・カーウァイ作品だけかも(面白くないと思った作品は基本的に観直さないので一概に言えませんが)。
あくまでも個人的意見ですが、『天使の涙』>『ブエノスアイレス』>『恋する惑星』って感じかな?『ブエノスアイレス』も好きなのですが、パンフレットに助けられた面が多く、『天使の涙』はパンフレットなしでも面白かったというそれだけです^^;
ウォン・カーウァイ作品を立て続けに3本観ると、監督の特徴が何となくわかったような気がしてきました(多分)。クリストファー・ドイルの撮影法も(多分)。

先ほど述べた通り『恋する惑星』との共通点は多いです。
・金城武の役名がモウ(モウは武の広東語ヨミ)
・『恋する惑星』でのモウのセリフ「雑踏ですれ違う見知らぬ人々の中に、将来の恋人がいるかもしれない 」
 『天使の涙』でのモウのセリフ「毎日大勢とすれ違う。その誰かともしかして親友になるかもしれない」
・恋愛に対して期限切れという言葉を使う
・期限切れのパイン缶を食べて口が不自由に(←あ、ありえん)
・『恋する惑星』で軸となった店が登場。そしてスチュワーデス姿

何といっても登場人物が超個性的というかかなりブッ飛んでる^^;
ミシェル・リーはパートナーの男のゴミをあさり勝手に部屋に入って密かに浸ってるし、金城武は無邪気に悪どい商売をしてる。チャーリー・ヤンは失恋して男を取った女を逆恨みし異常なほど感情むき出しに捜しまくり、カレン・モクのはしゃぎっぷりというかキレっぷりは怖いを通り越してイタい。お下品な役をカレン・モクは違和感なく見事演じてます(←褒めてます)。結局まともなのは殺し屋のレオン・ライだけか?と思ったのですが、こんなカレン・モクと初めて会った夜に彼女と関係を持ってしまうのはやっぱり解せない・・・。
登場人物たちがどこで繋がってるんだろうと思ってたら、これがちゃんと繋がってるだな。でも多少無理やりっぽいところはあるけど^^;孤独な登場人物もいれば前向きに生きてる登場人物も。

印象的だったのは金城武演じるモウ親子。どちらかと言えば無口な父親、モウがいたずらをするともの凄く怒るが、モウが父親をビデオカメラに撮りのちに観るシーンは切ない。モウ本人が悲観的じゃなく淡々と話すのがまたいいんです。
あと脇役ですが、モウが何かしらの商売をしてる時に必ず出会ってしまう男性が密かに面白かったり(笑)。
途中まで何が言いたいのかよくわからなかった女パートナーですが、最後にオイシイどこ取り?殺し屋の男同様、結局は孤独だったんだな~。ミシェル・リー、前髪を下ろしてるのと上げてるのとでは全然雰囲気が違うのにはびっくり!
殺し屋の男女2人組はハードボイルド風で、失恋女性はコミカルに、モウはコミカルだったりシリアスだったりといろんな要素が詰まってる感じでしょうか。

あえてこの作品に不満をいうなら・・・
パッケージの画がカレン・モクだけなこと。なんでなんでなんで??レオン・ライとミシェル・リーと金城武は・・・?こちらの方が主役級でしょ~?内容的に考えてもカレン・モクだけっておかしくないかい?
あと金城武がバイクに乗るシーンがあるのですが、どのシーンでもノーヘルなのに髪が全く揺れてなかったのがちょっと気になったのでした。

「恋する惑星」

『恋する惑星』  重慶森林  CHUNGKING EXPRESS 

恋する惑星 製作年:1994年
 製作国:香港
 監督・脚本:ウォン・カーウァイ(王家衛)
 撮影:クリストファー・ドイル、アンドリュー・ラウ(劉偉強)
 出演者:金城武、ブリジット・リン(林青霞)、
      トニー・レオン(梁朝偉)、フェイ・ウォン(王菲)、
      チャウ・カーリン(周嘉玲)
<簡単なあらすじ>
刑事223号のモウ(金城武)は失恋したばかり。恋人だったメイを早く忘れたいモウはバーで次に入ってきた女性を好きになろうと決める。そこに入ってきたのは金髪で黒いサングラスをした女性(ブリジット・リン)。この女性は麻薬ディーラーだった。麻薬運びのインド人に裏切られ、彼らの伝言代わりに渡されたのは期限切れの缶詰。自分に残された時間は少ないと感じた金髪女性は復讐をし疲れていた。
 
モウがよく行く店に新しい女性店員フェイ(フェイ・ウォン)が入った。モウとフェイの距離が0.1ミリになった瞬間から6時間後、彼女は刑事633号(トニー・レオン)に恋をした。633号にはスチュワーデスの彼女(チャウ・カーリン)がいたがうまくいってなかった。そんな中、スチュワーデスの彼女が店に633号宛ての手紙を預けていき、その中に入っていた鍵でフェイは633号の部屋に忍び込む。
一つの店を軸に2組の男女を描いた作品。

<感想>※ネタバレあり
この映画も『ブエノスアイレス』同様、映画館に観に行きパンフレットを買い、レンタル落ちビデオを購入し1~2回鑑賞した作品。ただイマイチよく理解出来てない。もしかしたら今なら理解出来るかも?とパンフレットをじっくり見てからいざ鑑賞!

金城武演じるモウはとってもロマンチストだったんだと判明。
・雑踏ですれ違う見知らぬ人々の中に、将来の恋人がいるかもしれない
・ポケベルのパスワードは「一万年 愛す」
・失恋をするとジョギングをする。なぜなら体の水分を蒸発させ涙が出ないようにするため
・犬は最良の友なのになぜ僕の悲しみがわからないのか

などなど、なかなか名セリフを言ってる!
メイに振られたのはエイプリルフール、5月1日(モウの誕生日)に期限切れになるメイの好物パイン缶を振られてから毎日買うのはどうして?→30缶買ってメイが彼のもとへ戻らなければ恋も期限切れって・・・ここでもロマンチスト(笑)。

メイとの恋が終わったと確信した日、モウは寂しさゆえに知り合いの3人の女性に電話をするのですが、広東語・日本語・中国語と相手に合わせて喋っており、金城武の本領発揮です(笑)。どうせなら英語バージョンも作って欲しかったな~。
この女性への電話のシーンは好き♪知り合い度%がどんどん少なくなってるのが会話でよ~くわかります。これが結構面白いんだ。
謎の金髪女性とは0.1ミリの距離ですれ違い、57時間後に恋をするという設定のようですが、この2人のキーワードは「期限切れの恋」。

そして刑事633号(モウは名前があったのにこちらは名前なし)とフェイの話は、実生活でこんなことがあったら不法侵入&ストーカーでめっちゃ怖いです^^;フェイ・ウォンが演じるから可愛い行動と錯覚してしまうところがまた怖い・・・。
家に帰るともしかして彼女が戻ってるかもしれないと期待する633号、フェイは633号の家にこっそり忍び込み模様替えまでしてしまう。でもなぜか633号は部屋の様子が変わってもさほど変に思わない。633号が家にある物に話しかけるシーンは全編通して1番面白かったかも♪

後半のストーリーを観て思ったことは、トニーはブリーフ姿になる映画が多い(笑)!私が観た映画がたまたま多いだけ?あと前半の「夢のカリフォルニア」が私には少ししつこすぎ~。もう当分この曲はいいっす・・・(この曲のファンの方スミマセン^^;)。

そして邦題『恋する惑星』のタイトルを付けた人はすごいな~と。原題『重慶森林』とは全く違うのに、映画を観た後は『恋する惑星』がばっちりハマってるような気がします。フェイ・ウォンが歌う「夢中人」もカバーでありながら私の中ではフェイ・ウォンの曲として認識。
私が初めて購入したアジア圏(日本語以外)のCDが「夢中人」が収録されてるフェイ・ウォンのベストで当時よく聞いてたせいもあるかな。

633号の家に大きな白いぬいぐるみがフェイによってトラのぬいぐるみになってるんですが、実はこのぬいぐるみ、モウと金髪女性のストーリーで金髪女性がおもちゃ屋の前で佇んでる時、フェイがこのぬいぐるみを購入して出てくるシーンがあるんです。あれ、2つの物語って同時進行?んな訳ないか。この時点ではまだフェイは633号の部屋の鍵を持ってないはずだし。とすると自分用に買って、後に633号の部屋に持っていったってこと?う~ん、あまり深く考えないでおこっと。
パンフレットによると、前半のストーリーには後半の登場人物たちが数箇所インサートされてるようですが、正直フェイ以外はめっちゃ分かりづらい・・・。フェイのシーンもあらかじめ知ってないと気付かないかも。やっぱパンフレットの「シナリオ採録」もちゃんと読んでおくもんです。パンフレットさまさま~(笑)。さらに監督はこんなことを。

「単に同じある一つの街でほぼ同じ時間に、こんな事をしてる人もいればあんな事をしてる人もいるということ語りたかった。だから決して分析しようとか意味を解釈しようとかしないで欲しい。一つの街や森の中でどう人生をエンジョイするかという、ただそれだけの映画なんだから」と。
はい、意味を解釈しようとするのはやめます。前よりはこの映画を理解することが出来ましたが、やはり謎が多いんですもん(笑)。
金城武、トニー・レオン、フェイ・ウォンの魅力だけは十分に堪能しました♪


パンフレットに「シナリオ採録」が記載されており、この欄をじっくり読んでいると字幕にない新たなことを発見!!(パンフレットを買った当初はもう映画を観たあとだったんで、この会話欄を読むことはなかったんです^^;)

メイが好きだった店前でのモウのモノローグの字幕では・・・
「仕事帰りにのメイをいつもここで待った。彼女の好きな店っだったから。メイとは――ささいなことで別れた」
となってるんですが、実は中国語では
「いつもこの店でメイを待った。店のおやじが、メイは山口百恵に似ているって言って以来、この店が彼女のお気に入りだからだ。でもメイとはついこの間別れた。僕が三浦友和と違いすぎるって言うのだ」
そーだったんだ!!ってマジで振られた理由がこれ?!っていうか山口百恵に似てるメイを想像しちゃいました(映画ではメイの登場なし)。
その後もそのことを象徴するシーンが。モウがエスカレーターを駆け上がってくシーンで字幕では「クソったれ、もうダメだ!」となってるのに対し、本当は「クソッ、三浦友和め」と言ってるそうな。なぜこれを字幕にしなかったんだろう?やっぱこの2人の名を字幕に使う許可が下りなかったんだろうか・・・。

私はレンタル落ちのビデオで観たのですが、原語を聞いて理解出来る人だとこのシーンは楽しめるはず?ちなみにモノローグ部分はモウと金髪女性は北京語、633号とフェイは広東語だそうな。

「ブエノスアイレス」

『ブエノスアイレス』 春光乍洩  HAPPY TOGETHER

ブエノスアイレス 製作年:1997年
 製作国:香港
 監督・製作・脚本:ウォン・カーウァイ(王家衛)
 撮影:クリストファー・ドイル
 出演者:トニー・レオン(梁朝偉)、
      レスリー・チャン(張國榮)、
      チャン・チェン(張震)
<簡単なあらすじ>
ウィン(レスリー・チャン)の「やり直そう」という言葉で別れたりやり直したりの関係を続けているファイ(トニー・レオン)。関係をやり直すために香港を離れアルゼンチンへ。ブエノスアイレスでドアマンの仕事を苦労して見つけたファイ、一方そんなファイの前の前で夜ごと違う男性と遊び歩いているウィン。振り回されっぱなしのファイはウィンと出会ったことを死ぬほど後悔してるが、それでも傷ついたウィンから離れられない。深い愛情・裏切り、そして新たな道―― 

<感想>
当時映画館に観に行き、冒頭のトニーとレスリーのラブシーンにかなり衝撃を受けた記憶がよみがえってきました^^;今観てもドキドキもんです。
ウィンに振り回されてるファイだけど、ウィンにたまらなく惚れてるファイだけにつかず離れずに関係になってるようです。関係をやり直すと自分がのめり込むことを知ってるからやり直すのが怖いんだけど、それでも会うとやり直してしまう。
観続けてると、気ままで自由奔放のウィンですが不意にファイに甘えたり特製ベッドをつくったりと可愛い部分もあるんですよね~。普段はファイに対しだらしないというかふしだらな態度を取ってるにも関わらず、なぜかセクシーで惹かれるのもわかるような気がする。

ドアマンを辞めたあとファイは厨房で働くのですが、そこで登場するのがチャン(チャン・チェン)。台湾出身の旅行者で旅の資金がなくなったから働いている訳ですが、私がチャン・チェンを初めて知り好きになったのはこの映画からなんですよね♪
今よりも体の線が細く、顔立ちがキレイな青年という感じでとってもカッコイイ!!今はすっかり大人になり貫禄さえ漂ってますが、この頃のチャン・チェンはまだ21歳で無邪気な青年のようでほんと素敵なんですって♪♪ですが、製作発表の時にはチャン・チェンの名はなかったそうです(パンフレットに経緯が記載)。レスリーがスケジュールの関係で途中で撮影現場を離れることになり、そのままの状態で終わらせたくなかった監督がここで若い俳優が欲しい!ということでチャン・チェンを投入したそうな。

最後には台北の夜店が映し出されるのですが、チャン・チェンが台北出身だからとか。それと台北が香港に非常に近いところで、「故郷に帰ろうとする者がその故郷への思いを一番強くするのは、もうすぐ故郷に着くという寸前の時だから」だとか。←これもパンフレットに載ってました^^;

ブエノスアイレスのバスの中でも大声で会話するところはさすが香港人って感じ(笑)。
個人的に好きなシーンは、アルゼンチンの裏側にある香港を逆さから撮ったシーンと、タクシーの中でウィンがファイの肩に頭をのせるシーン。何て言ったらいいんでしょ。トニーとレスリーをキャスティングしたのは大正解。10年前とはいえ、すでに大俳優だったこの2人を同性愛の役で起用するのはすごい!トニーのインタビューを見ると、最初に聞かされてたストーリーは全く違い、本当の内容はアルゼンチンに着いてから聞いたようで、自分自身がゲイという設定にかんなりショックを受けたらしい・・・。

ストーリー全体を通して大きく分けて3つのパートから成り立っており、最初のモノクロシーン(過去)、途中から途中からウィンの「やり直そう」という言葉からカラーになりここから第2のパート(現在)、チャンが去ってしまうところから第3パート。この第3パートではモノローグが大量にあり、ファイ個人の世界に重点を置いてるとのこと。
私自身、ウォン・カーウァイ作品はイマイチ理解しにくい感想を持ってるのですが、この『ブエノスアイレス』は好きです。映画館でも観て、パンフレットも買い、さらにレンタル落ちビデオも購入して数回観たからかも(笑)。

ブエノスアイレス 摂氏零度

『ブエノスアイレス 摂氏零度』は本編では描かれなかったアナザーストーリーやメイキング、インタビューが収録されてるそうなので、こちらも是非観たいところ。DVDやパンフレットの表紙になってる画(屋上で2人が寝そべってキスしてるシーン)もそこに収録されてるんだろうな。本編ではこのシーンはなかったし。レンタルショップにあるかな~?探してみよっと♪

「ダーマ&グレッグ」シーズン2 Vol.1

『ダーマ&グレッグ』DHARMA & GREG #24・#25・#26・#27

ダーマ&グレッグ シーズン2 DVD‐BOX

 製作年:1998~
 製作国:アメリカ



 

※順を追って感想を書いてるため、前回までのネタバレが含まれます。


第24話:突然の赤ちゃん
ダーマがよく行くスーパーのレジ係のドナは、もうすぐ赤ちゃんが生まれるというのにその赤ちゃんの父親に捨てられた。1人じゃ育てられないというドナにダーマは赤ちゃんが生まれたら引き取る約束をしてしまう。なにがなんでも反対のグレッグだったが、母親のキティと話をしてたら気が変わり、赤ちゃんを引き取る決意をする。

第25話:おかしなおかしな子育て日記
アビーとラリーは子どもは「村」で育つものだと言い、語り部や母乳調達係、吟遊詩人、アフリカ文化を伝える係などを連れてきた。これは伝統で赤ちゃんを皆で育てるため寝泊りするとダーマはいうがグレッグは納得いかない。しかも広い部屋に越すべきだとも言われて村を解散してほしいと思っていたらなんとキティが村人たちを追い出してしまった。

第26話:命名式の夜に…
赤ちゃんの命名の儀式をすることになったが、どのような形で儀式を行うのかダーマとグレッグの両親の間でもめてしまう。式は一度だけで各自が聖職者を連れてくると決定し、牧師・ラビ・シャーマンを呼んですることに。そんな中ドナの弁護士から電報が届き、赤ちゃんを返してほしいと言ってきた。

第27話:結婚記念日のハプニング
ダーマ&グレッグの初めての結婚記念日。2人の両親はいろいろと計画を立ててくれるが、結婚記念日まで親に振り回されたくない2人はお互いの両親が納得できるよう行けない理由を考えることに。今大ゲンカしてることにし誘いを断ることに成功した2人は車で出かけるが、出先でハプニングにあってしまう。後に引けなくなった2人は・・・。
ダーマがレジ係をしてる!当然お客さんの買い物にケチをつけるのは目に見えてる(笑)。しかしいくらなんでも行きつけのスーパーのレジ係と客という関係だけで赤ちゃんを引き取る約束をするのはどーなの?!ダーマだからいいんだよね・・・。
しかし家に村をつくっちゃうなんてなんてユニークな発想!ダーマもこうやって育ってきたんだろうけど、村人たち、それぞれキャラが濃いよ~。

キティが語る自分の運というか希望は名門の女家長になること。それを聞いたダーマは自分の思ってることを言うと、キティはたちまち元気に!もう生き生きとしていて上流階級としての立場を発揮しまくりです(笑)。キティはやっぱこうじゃなくっちゃ。

そうそう、25話でダーマ&グレッグは引っ越しをしました。今度はキッチンが別になってます。以後ずっとこの部屋で引っ越しはなかったはず・・・。結局ダーマはドナに赤ちゃんを返してしまうけど、26話のラストは少しホロリとしてしまいました。

27話ではダーマ&グレッグ、そして互いの両親の間で火花が散るのですが、この親にしてこの子ありという感じで面白い♪なんだかんだいって一番理解してくれてるのはエドワードだったりして。

2人が出先で使った偽名は「アイク&ティナ」、この名前を聞いてピンときた人は懐かしいはず?ちなみに私は「アイク&ティナ」がブレイクした頃はまだ生まれてないのでわかりませ~ん。ティナを初めて知ったのはブライアン・アダムスとデュエットした時でしょーか。これはこれで懐かしい^^
ウェイトレス姿のダーマがとっても似合ってた27話でした。

「図書館内乱」 有川浩

『図書館内乱』    

図書館内乱
 著者:有川浩
 イラスト:徒花スクモ
 出版社:メディアワークス   
 




<簡単なあらすじ>
図書特殊部隊として働く笠原郁のもとに両親が見学にやってきた。戦闘職種配属のことを内緒にしてる郁は周りの協力を得て一般の図書館員になりすます。一難去った後、小牧教官のプライベートや手塚の家族関係が明らかに。そして柴崎にも恋の予感?!図書館では新しい館長が赴任するが、派閥で何か問題が起こりそうな雰囲気。新たな登場人物も加わった『図書館戦争』シリーズの第2弾。

<感想>※ネタバレあり
前作の続きで郁の両親がとうとう職場へ訪ねてくるところから始まるのですが、お馴染みの登場人物たちが最初から一斉に登場!笑い上戸の正論を貫く小牧教官、負けず嫌いの手塚、外面がいい柴崎、豪快で細かいことを気にしない玄田隊長、地元中学生の木村、そして郁と堂上教官。なんだか前作を読んで間が空いてる人向けに、登場人物のおさらいをしてるような感じ?
郁の母親は難物で女の子が危険な目に遭うことに耐えれないと思ってるのに対し(でも無邪気なところもあり、郁の語源センスは母親ゆずり)、父親は娘に敬遠されてることも承知してるし、娘の行動もよく見てる。娘がどのように職場で働いているか心配でしょうがない様子。
でも、でも!!父親が堂上に託した思いがはっきりと描写されてなく、次で明らかにされるのかな?父親の思いはこのままあやふやでもいいかなと思うのですが、私が思うに著者は必ずこの思いをどこかで明らかにすると勝手に予想してます(笑)。

堂上・小牧が卒業した図書大学校ってすごい!図書隊が発足した当初、戦闘を前提にした業務に憂えて司書を辞める人が続出して社会問題に。その時優秀な隊員を育成するための教育機関(もちろんOJTで戦闘実技あり)ってすごくないですか?!前作で郁が新人研修(だっけ?)を受けた内容を大学で既に習うってことだし。この2人意外にも卒業生が沢山いるってことですよね?新たな発見!

そして今回は小牧教官のプライベートというか恋愛事情を良化特殊機関の襲来を絡ませてるのですが、ちょっと無理やりっぽく感じてしまう・・・。渦中の毬江ちゃんの気持ちは共感できる部分はあるけれど、良化特殊機関の行動はあまりにも後々を考えなさすぎのような。
しかし小牧教官が正論を守り続ける理由が明らかに。しかもここから小牧のプライベートの話への前兆を促す内容に。
さらにさらに柴崎にまとわりつく男性がいたり、今作品は全体的に恋愛モードです。それと同時に柴崎の今のような性格になった過去も語られており、皆のプライベート部分が主体になってるのかな~。

また前作同様に図書館の事情もよく描かれてるな~と。読んでて「あるある!」と思っちゃうシーンもチラホラ。
貸出カウンターって空いてる時はガラ空きなのに一度混み始めると集中して混む、レファレンス・サービス業務をするにあたっての幅広い知識、特設コーナー配置、行政人事、少年の人権を保護するという問題(犯罪を犯した未成年の少年の実名が週刊誌に記載)などがさりげなく盛り込まれてるんですが、前作に比べて全体的に軽い内容と思ってしまうのは仕方がないか。今作品は恋愛モードだし(笑)。
郁の王子さまも判明するのですが、まさかそんなところからだなんて・・・。これは予想外だった。

次作は『図書館危機』。登場人物たちのその後の展開も気になるし、タイトルにある図書館の危機も気になる!今作品と同時に予約したからそろそろ図書館から連絡くる頃かな?

「眼には眼を」 イギリス・ミステリ傑作選'74

『眼には眼を』 WINTER'S CRIMES 6

 編者:ジョージ・ハーディング(George Hardinge)
 訳者:中村能三ほか
 出版社:早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫 イギリス・ミステリ傑作選'74


『サーカス』 ウインストン・グレアム
『裏目』 コリン・ワトスン
『アリバイ』 メアリ・インゲイト
『椅子』 アイヴァー・ドラモンド
『漂流物』 ケネス・ベントン
『もう山査子摘みもおしまい』 クリスチアナ・ブランド
『あなたには何も話す義務はありません』 ジョン・ウェインライト
『失踪』 アントニイ・レジャーン
『手袋』 ジェニイ・メルヴィル
『息子の証明』 マイルズ・トリップ
『てめえの運はてめえでひらけ』 P・B・ユイル
『赤鹿暴走譚』 P・M・ハバード
『お巡り稼業』 ヴァル・ギールグッド
『岩よりも年ふりて』 グウェンドリン・バトラー
『眼には眼を』 エリザベス・フェラーズ

15人の短編からなる1974年のイギリス・ミステリ傑作選。その中からいくつか紹介。
『サーカス』20数年ぶりにイギリスへ帰国したギャレスは、商売上の友人宅で音信不通だった兄と再会する。仕事が成功した弟と庭師をしてる兄は子供の頃の思い出話をするが、兄が近所に来たサーカス団内の殺人を目撃したことを話し出した。品評会でほとんど優勝するぐらいの優秀な庭師の兄が発見したものとの関わりにびっくり。後で読み返してみると確かにラストに結びつく伏線はしっかりありました。

『裏目』気弱そうにしてるのに何をしても1番で、不愉快なヘンリーに対し、同級生の2人は度を越したいたずらを仕掛けるがタイトル通り裏目に出てしまうというもの。いたずらを仕掛ける側は十指にはいる傑作ないたずらだと面白がるが、これがとんでもない結末に。性質の悪いいたずらの代償は大きかった・・。

『アリバイ』アーサーは平凡な青年だったが泥棒だった。そして唯一のアリバイは下宿先の娘のところに泊まりに行くこと。ある晩、押し入った先で殺人をしてしまうがアリバイがあるアーサーは安心。と思っていたがその肝心のアリバイが新たな問題となる。アーサーにバチが当たったとしか言えない皮肉な結末に。

『椅子』図書館にある暖炉わきにあるお気に入りの自分専用(と自分は思ってる)の椅子を、以前から虫の好かない男に座られてしまったことで殺人を決意。殺人を実行するにあたって5つの方法を考え、順番に計画を実行していくことに。椅子を奪われた時の悲嘆さとはうってかわり、実行の過程はユーモアあって面白い!オチもよく出来てます。前半は偏屈で孤独な老人の話かと思いきや、後半は一気にドタバタ喜劇のようになり楽しく読めた作品。

『あなたには何も話す義務はありません』日頃からの依頼人が殺人罪で逮捕されたと、夜中に警察から呼ばれた弁護士ハリデイ。警察らしい形式を全く無視してる捜査主任警部レノックスのペースにのまれっぱなしのハリデイは・・・。お互い真相を究明することが仕事の2人のやりとりは見もの。こんな風に事件が解決するのは、ある意味相当な自信がないと出来ないはず。というか決定的な真実を伏せておき、最後で出すのにはあっぱれ!

『手袋』不倫相手の恋人は一日中どころかベッドの中でも手袋をはめてる男性。ある日恋人が寝ている間に手袋を取って生身の手を見てみることに。そんな時、恋人の妻が亡くなり友人だった主人公は形見として聖書をもらうが、その中にあるメモが入っていた。正直結末をどのように解釈したらいいのかわからない・・・。あなたも気をつけてという警告?それなら手袋に隠された手の意味は?うーん、わからない。

『岩よりも年ふりて』著者はジェニイ・メルヴィルと同一人物。ある女性からインタビュー&博物館に展示するためのパイプを求める手紙を受け取った作家は、この依頼者のことを調べると不審な点がいくつか見つかった。それだけでなくほかの作家たちにも同様の手紙を出してる模様。そしてその女性が家にやってきたが作家はどのように対応するのか。『手袋』同様、理解出来ず・・・。意味が深いストーリーなんだろうけど私にはちょっと難しすぎかも。

『眼には眼を』1人ぐらしの老女ミセス・ゴスは骨折したことで姪夫婦の家で世話になることになったが、この姪夫婦の狙いは遺産相続。遺言状に自分たちの名前を書いて欲しい姪夫婦はミセス・ゴスに対し監禁状態に。復讐というかラストは理にかなってるというか・・・。最後の3行が気になるところ。


ほとんど知らない作家ばかりでしたが、全体的に面白く読めました。イギリス・ミステリ傑作選は昔に古本屋さんで買い溜めしており、まだまだ未読の本が山積みに・・・。徐々に読んでいこうとは思ってるのですがなかなか難しい^^;じっくり読んでいこう!

「A型の女」 マイクル・Z・リューイン

『A型の女』 ASK THE RIGHT QUESTION     

 著者:マイクル・Z・リューイン (Michael Z. Lewin)
 編訳者:石田善彦
 出版社:早川書房 ハヤカワ文庫   
 
<簡単なあらすじ>
「生物学上の父を探してほしい」と大富豪クリスタル家の娘で16歳のエロイーズから依頼を受けた私立探偵サムスン。エロイーズの本当の父親を調査していくうちに、家族の醜悪な争いに巻き込まれていくことに・・・。

<感想>
依頼者がまったく来ない探偵はたくさんいるけど、サムスンはお金の節約のために家でクロスワードパズルをして遊ぶしタバコも吸わなければアルコールも飲まない。離婚歴があって娘は元妻と暮らしてる。子持ちのガールフレンドはいるけどフランクな付き合い。サムスンは探偵なんだけどどこか探偵らしくないんですよね。
私はサムスンを40~50代だと勝手に思ってたのですが、実は37歳でした・・・。37歳にしては派手なイメージは全くなく落ち着いてるな~。

マイクロフィルム(まあ1970年という設定だから調べる方法は限られてますよね)でエロイーズの家族を調べたり、新聞記者になりすまし取材という形で関係者から聞き出したり、探偵というより地味な調査員って感じです。生臭い修羅場もないし探偵が死体に遭遇しないし、ましてや色気ある女性が登場しない代わりに子どもが登場。
不法侵入をしてもそこに自分の物を置き忘れ物をしてしまう。大事な書類を置いてる自分のオフィスに不法侵入されるという警戒心が全くない。カバーのあらすじには暴力を憎む心優しき知性派探偵とあるのですが、えっ、知性派??この『A型の女』ではかなりのうっかりさんの印象が・・・。
かと思えば嘘をつかれることは大嫌いで、嘘をつかれたことを証明しようとするサムスン。意外と頑固で正義感が強いんです。

最後は一気に展開が早くなるのですが、ハードボイルド独特のクサさはないし安心して読めるという探偵モノかな。←だからネオハードボイルドの代表的作家の1人と言われてるのか。
私立探偵サムスンシリーズだけでなく、このシリーズの登場人物から生まれた別シリーズもあるようで、そちらも読んでみたいところ。 

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