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「ツナグ」 辻村深月

『ツナグ』

ツナグ (新潮文庫)

 著者:辻村深月
 出版社:新潮社 新潮文庫





<簡単なあらすじと感想>
一生にたった一度だけ、死者との再会を叶えてくれる案内人。生きている人が会いたいと望む、すでに死んでしまった人との再会を仲介する。それが使者(ツナグ)。依頼人が死者に会えるのは、生涯に一度、一人だけ。死者も生者に会えるのは一度だけ。なので一度死者に会ってしまうと、再び会いたい死者がいても会うことが出来ない。一方、死者は会いたいと願う生者に対して断ることは出来るものの、一度会ってしまうと他から会いたいと依頼がきても会うことができない。世間からは都市伝説のように思われているが、祖母からを受け継いだ見習いの歩美が「使者(ツナグ)」として依頼者と会う。



『アイドルの心得』
家族から疎まれ会社でも居場所がない平瀬愛美は、三ヶ月前に急性心不全で亡くなった元キャバ嬢という経歴を売りにしていたマルチタレントの水城サヲリに会うため、使者(ツナグ)に依頼をする。ツナグから、死者にとっても生者に会える機会があるのは一度きり、なので断られる場合もあると聞かされる。家族でも友達でもない、ただのファンである自分と会ってくれるのかと思っていたところ、ツナグから連絡が入る。

水城サヲリは有名人なので会いたいという依頼が多く、いちファンである自分なんかとはきっと会ってくれれないだろうと諦めていたところ、まさかのOK。大事な1回を自分のために使って申し訳ないと思う愛美に対し、水城サヲリの返した言葉は的を得ていて納得。さらに彼女は愛美に伝えたかったことがあった。映画を鑑賞し、原作が読みたくなって本作品を借りてきたのですが、映画では『アイドルの心得』はバッサリ切られてました^^;ツナグの役割、どのような経緯でツナグを知り連絡を取ることができるか、また愛美目線でツナグの見た目が詳しく書かれており、結果としても前向きな内容なので、一発目ならではという感じでした^^

『長男の心得』
長男で店を継いでいる畠田は、山を売るために必要な権利書のありかが知りたいので二年前に亡くなった母親に会いたいとツナグに依頼。最後まで死者に会えるとは信じておらず、ずっとインチキか詐欺だと疑っていたが、ツナグへの連絡先は、生前、母親から教えてもらったものだった。実は母親も生前一度ツナグに依頼したことがあるという。そして母親と再会――

長男として家業を継いだ畠田。家業を持つ古い家のせいか、長男は家を継ぐもの、一族を守る者ととして言い聞かされて育てられる。弟はのびのびと育てられる。といっても畠田は物心つく前からそういうものだと育ったので不満はない。が、その責任感からか超頑固で不器用で憎まれ口ばかり。家族、親戚に頭ごなしに怒鳴りつけ褒めることはまずない。でも母親は家族のことは何でもお見通し。もちろん長男である畠田のことも…。映画を先に観たので母親が登場した時にすでに目頭が熱くなってしまった(TT)。映画では畠田の息子と奥さんの件が少なかったけど、原作では母親の性格を受け継いでるらしく頑固親父にこの妻と子ありという感じで良かったデス。ラストも良かった(涙)。畠田=遠藤憲一さん、母親=八千草薫さんはハマリ役!

『親友の心得』
演劇部に所属する自分が一番じゃないと気がすまなくプライドが高い嵐と、嵐のことを立て素直に褒める御園。2人は正反対な性格だったが趣味が合うこともあり仲が良かった。だが演劇部で公演する配役を決める時、いつも裏方だった御園が立候補し主役の座を奪われてしまう。御園さえいなければと思った嵐はある行動に出る。その結果…。嵐はツナグに連絡を取り御園に会えるよう依頼。自分のしたことを他の人に喋られる前に自分が先に御園に会っておこうと思ったのだった。そこに来たのは御園と嵐が気になってる同級生の男の子だった。

映画の感想でも書きましたが、他の依頼者と違い、彼女だけは死者に会いたいと願う目的が違う。自分が楽になりたいため、自分が犯した罪を他の人に喋って欲しくないため。で、実際に会った御園は頼みがあって会うことを承諾したという。この理由は本心?亡くなった御園と再会したことで嵐は一生忘れることができない"後悔"を背負ってしまったように見えるけど、これも御園が望んだこと?ツナグに伝言を託した理由は?嵐がそれを心配していたから安心させるため?それとも嵐に対しなにか意図があったの?「嵐、どうして」と言った御園の最期の言葉。この続きは?映画ではさほど疑問に思わなかったことが、原作を読んで疑問がどんどん膨らんできました…。一番インパクトあって映画でも一番涙した作品でしたが、本当に会ってよかったのか、会わない方がよかったんじゃないか、御園の本心はどうだったのか…いろいろと考えてしまう作品でした。

『待ち人の心得』
土谷は9年前に日向キラリと出会い、その後付き合うことになり結婚を約束した途端に彼女は失踪してしまった。そんな時、土谷は病院の中庭のベンチで知り合った老女に「会いたい人がいるんじゃないか」と聞かれ、ある電話番号を渡される。ツナグへの番号だった。自分の意思で離れていったのか、それとも何かあって連絡できない状態になったのか――気になった土谷はツナグへ連絡することに。だがツナグを通し会えるということは既にキラリは亡くなってることになる。果たして土谷はキラリと会うことが出来るのか。

これは映画よりも小説の方がぐっときた。映像では出会いから結婚まで少しミーハー的な感じがしてたんですが、小説ではそこまでの過程が映画より詳細に書かれており、なんとなくわかったような気がする。あくまでも気だけだけど^^;そしてツナグ=歩美の、ツナグとしての成長度というか人間味が垣間見れて良かった。

『使者の心得』
仕事の依頼ではなく、歩美が祖母から仕事を受け継ぐ経緯、両親など歩美側が描かれてます。使者(ツナグ)になった者は、自分が会いたいと望む死者に自分で交渉することができないと聞かされた歩美。なのでもし会いたい死者がいるなら、仕事を引き継ぐ前に自分が会わせると言う祖母。そして誰に会いたいか考える歩美。一方、今まで受けた依頼を歩美目線でも書かれており、その後が少しわかるように。

歩美は誰に会いたいか――。歩美が誰かを指名すると死者との引導をするツナグもその人物に会うことができる。祖母が会いたいと思う死者に、歩美は会わせてあげることができる。そんなことを考え、今まで受けた依頼を考え、結論を出す歩美。両親の死の真相は切ない。そしてダッフルコート!重要な役割をしてたのね。
全体を読んで感じたこと。最初は家族でも友達でも恋人でもない2人。次は親子。次は友達。次は恋人。そして次は歩美自身、家族について、ツナグという役割について。死者と会うことで救われる者もいればそうでない者もいる。この構成はうまいなーと。自分なら誰に会いたいだろうかと思わず考えてしまう。映画も小説も良い作品でした。映画の感想はこちら

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「GOSICKVI -仮面舞踏会の夜-」 桜庭一樹

『GOSICKVI -仮面舞踏会の夜-』

GOSICKVI ―ゴシック・仮面舞踏会の夜― (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
修道院<ベルゼブブの頭蓋>から脱出した一弥とヴィクトリカは、列車オールド・マスカレード号に乗り、聖マルグリット学園に帰ろうとしていた。コンパートメント内で出会った乗客たちは、それぞれ奇妙な名前で紹介しあう。そんな中、ブレーキ弁が破壊され列車は暴走し、殺人事件まで起こってしまう。その様子をブロワ警部の前で証言する乗客たち。それを聞き知恵の泉で真実を導き出すヴィクトリカ。殺人事件の真相とは?乗客たちの証言に隠された真実とは?GOSICKシリーズ6弾。

<感想>
『GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-』の続きというか、5巻の最後に6巻で起こる事件の背景が少し書かれてたので気になってました。乗り込んだ列車で出会った乗客たちは自己紹介し始めるが、最初の黒髪の少女が自分の誕生日を見つけにもらいに修道院にやってきた”孤児”と名乗ったため、他の乗客たちも奇妙な名を名乗っていく。お忍びで修道院のショーを見に行った”公妃”、冥界の王に捕えられた妹を捜す旅をしている”木こり”、修道院で意を遂げた伝説の”死者”。ヴィクトリカと一弥は誇り高き太古の”灰色狼”と大まぬけな”家来”。

前半は列車内で殺人事件が起こり、その様子と彼らの行動が描かれてます。後半は現場にいた彼らが事件についてブロワ警部やヴィクトリカたちの前で証言するというもの。彼らの証言はどこまで真実なのか、何が隠されているのか、証言から見えてくるのものは何か。誰もが何か隠しているような証言ばかりで、ブロワ警部はヴィクトリカ頼み。そのブロワ警部、髪の毛が二股に!ん?そういや『GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-』でも二股になってたっけ?んで『GOSICKsⅡ -夏から遠ざかる列車-』でその理由が明らかになってた?←自分の感想を読み直すとそんなことを書いてた。本編読んだり外伝読んだりしてるから時系列がよくわからなくなってきちゃった^^;

一弥からはジロジロ見られ、妹からは愉快な頭と言われ、挙句の果てに見飽きたって…。一弥が嫌がってることもあるし、遠まわしに(いや、はっきり言ってるか)普通の髪型にしてもいいってことだよね。でもブロワ警部は意地でもこの髪形を続けそう。。一方、読むにつれてヴィクトリカがどんどん愛らしく思えてきた♪個人的に好きなのは、嬉しい時に鼻歌を歌うところ。今回はエプロンバージョン。毎回歌うわけではないので時々このようなシーンがあると嬉しい♪

本書もやはりオカルト省と科学アカデミーが根底にあるわけですが、内容的にがっつりというわけではなく、嵐の前のちょっとした事件という感じ?が!がっ!今回は最後の方でヴィクトリカが真面目に一弥のことを語ってる!ヴィクトリカが一弥のことを信頼してるのはわかっちゃいたけど、こうやって改めてちゃんと聞いたのは初めて(だっけ?)。なんだかんだと言いながらも一弥のことをわかってる。ヴィクトリカが一弥のことをこういう風に思っていたことがわかって嬉しい!嬉しいぞ!”正しい弱さ”は名言かも。ヴィクトリカにとって最大の謎、母と兄に言われた言葉の意味も理解しつつある雰囲気。鈍感ながらもヴィクトリカに対し正直に自分の気持ちを言う一弥もどこか微笑ましい。

今回はまだ未来に起こるであろう嵐はまだそれほど感じなく、どちらかと言えば2人の距離が縮まったかなと思える1冊でした。次はシリーズ7?それとも外伝を読むんだっけ?次は夏休みが終わり新学期かな?やっぱりこのシリーズの時系列が頭の中ですでにおかしなことになってる~(><)。頭の中を整理しながら次の本を読まなきゃ。といっても海堂さんの著書に比べたら今シリーズの時系列は簡単☆ただ私が本編の中に外伝をまぜて読んでて、それを間を空けず続けて読んでないからそう思うだけなんだけどね~^^;

「GOSICKsⅡ -夏から遠ざかる列車-」 桜庭一樹

『GOSICKsⅡ -夏から遠ざかる列車-』

GOSICKsII―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
夏休みに入った聖マルグリット学園。貴族の子弟たちはみな豪華な休日を過すため学園をあとにする。何も予定がない久城一弥だったが、アブリルから地中海に行こうと誘われ荷造りを始めようとしたところ、寮母さんが一弥宛ての手紙を持ってきた。それを持ってヴィクトリカの所に行く。ヴィクトリカが1人学園に残ることを知った一弥は、アブリルの誘いを断り学園に残ることにする。一弥とヴィクトリカ、2人の長い夏休みが始まろうとしていた。『GOSICK』の外伝短編集第2弾。

<感想>
地中海に行ったアブリルからの手紙に書かれている亡霊話「花降る亡霊」、ヴィクトリカが学園内で偶然見つけた手紙「夏から遠ざかる列車」、一弥の姉からの手紙に書かれていた不思議な事件「怪人の夏」、村で起こった絵画消失事件「絵から出てきた娘」、ソヴェールの警視総監婦人がブロワ警部に話すある出来事「初恋」。夏休みに起こった(もたらされた)これらの謎を、学園にいるヴィクトリカが謎を解くという1冊。
『GOSICKⅣ -愚者を代弁せよ-』のラストでは夏休みまであと2日、『GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-』の第一章の冒頭では夏休み最後の日と書かれているため、本作はその間の出来事のようです。

アブリルの誘いに一度はOKした一弥。だがヴィクトリカが学園に1人寂しく残ると知り、一緒に残ることを決めた一弥。うー、アブリルが気の毒。ショックだろうにそれを表に出さず明るく振舞い、何事もなかったように旅先から手紙を書くアブリルは高感度UP!

本作では『GOSICKs -春来たる死神-』でヴィクトリカが一弥の兄に問題を出した<仔馬のパズル>の解答が発表!でも私には何がなんだか全く理解できず…^^;その兄からヴィクトリカの挑戦問題が。負けず嫌いですぐムキになり答えるヴィクトリカは相変わらず可愛い☆兄とヴィクトリカは意外と似てたりして?!

今回、夏休みということで一弥は制服を着ておらず、なななんと、藍色に染められた着物を着て、黒い帯を締め、下駄を履いてる!でも頭にはいつもの山高帽。服装がいかにもザ・日本人って感じで良いわ~。が!ヴィクトリカといる時は彼女が日に当たらないようひらひらフリルのピンクの日傘を片手に持っているという…。どこまで優しいねんっ(笑)。

個人的に好きな話はタイトルにもなってる「夏から遠ざかる列車」。学園に通うミス・ラフィットと、メイドのゾフィの話。最初は誰?って思いながら読んでいたのですが、うまいこと今に繋がってる!ミス・ラフィットは相変わらずで、彼女の陽気でお調子者なところは昔からだったのね。面白可笑しい友情物語で面白かったです^^

あと一弥の姉:瑠璃の話である「怪人の夏」。女学校に通う美少女瑠璃には取り巻きがいて、ヨーロッパに留学している一弥の事を皆で「一弥め」「一弥め」と言ってるのには笑った。遠い日本でこんなことになってるとは知る由もない一弥は、退屈しているヴィクトリカのために、事件やちょっとした奇妙な出来事を見つける毎日送ってるよ^^;今物語は久城家の人たちが登場するのも嬉しい。瑠璃自身や、彼女の周囲の人たちの今後の展開が気になる~。

「絵から出てきた娘」では、ブロワ警部の部下2人の名前が判明。さらにずっと手を繋いでいる理由も判明!なのにそれほど気にしてない2人はいいキャラだ。しかもとんでもない勘違いをしてるし(笑)。この2人の天然キャラは今後も期待!

「初恋」はブロワ警部と警視総監婦人:ジャクリーヌの話。ここでブロワ警部のドリル髪がどうして二股になったのか判明!ブロワ警部ってイメージがどんどんアップしていってるような気がする。でも天然なのかわざとなのかわからないけど、あれだけわかりやすく君のことなら何でも知ってるオーラを出しているのに、それを全く気付かないジャクリーヌは一体…。この小説には鈍感な人物が多すぎるような気がちらほらしてきた。あまりにも鈍感過ぎると、一弥もブロワ警部の二の舞になっちゃうかも?!いや、それはないか(多分)。

夏休みで他の生徒がいないということで、ヴィクトリカは図書館を出て屋外の東屋だったり、庭園だったり、寮母さんがいる男子寮の台所だったり、一弥がいる男子寮の廊下だったりと、学園内ではあるけれど様々な場所にいるのでなんだか新鮮^^解決するのはヴィクトリカだけど、今回は準主役級、あるいは脇役の人たちがメインになってることが多いので、それぞれのキャラがよりわかってよかった♪全体的にほのぼのしてます。手紙がこのシリーズの特徴なのかな?

本編で謎だったことも、この短編集でわかることもあるのでなんだか得した気分☆個人的な感想だけど、私のように記憶力の悪い人は、『GOSICK』を全部読んでから外伝短編集『GOSICKs』を読むより、発行順で読んだ方がいいかも?
本編のように大きな事件ではなく、身近な人たちの周囲で起こった事件や出来事を、楽しく、また恋愛ちっくに描かれているので読んでいて楽しい一冊でした!

「GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-」 桜庭一樹

『GOSICKⅤ -ベルゼブブの頭蓋-』

GOSICKV-ゴシック・ベルゼブブの頭蓋- (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
1942年、ヨーロッパ小国ソヴェールにある聖マルグリット学園。長い夏休みの最後の日、ヴィクトリカが突然いなくなる。ブロワ侯爵の部下がやってきて、リトアニアにある修道院<ベルゼブブの頭蓋>に連れていき幽閉してしまったのだ。この一週間、ヴィクトリカは食事もせず、書物も読まず、声も出さず、少しずつ弱っていってるとブロワ警部から聞いた一弥は、ヴィクトリカを迎えに行く決心をする。ちょうど修道院では秘密の夜会<ファンタスマゴリアの夜>が開かれることになっており、列車の中で一緒になった人達と話をしなが向かう一弥。果たしてヴィクトリカを連れ戻せるのか?そして夜会で起きた奇妙な事件の真相は?GOSICKシリーズ第5弾。

<感想>
GOSICKシリーズ第4弾のラストで夏休みが始まる寸前で終わり、続きはその夏休みお中で起きる事件がベースなんだろうなと思っていたら、5巻の冒頭では夏休み最後の日になってる!あれれ?夏休み中は何もなかったのかな?

ヴィクトリカの姿が見えなくなり、「君は私を捜せないのかね…?」「……ほらこうやって必ず君を見つけてるだろ?」という前作での会話を蘇えらせる一弥。ということでヴィクトリカを連れ出しに一人修道院へ。<ベルゼブブの頭蓋>と呼ばれている修道院は、中世に国王が疫病から逃れるために作られた螺旋の迷宮で語り継がれる伝説があったり、世界大戦時にはソヴェール王国の科学アカデミーの者たちが工作員のために使わせていた場所。当時、不思議な事件も起こっており、ロスコ―も関わってる模様。

今回はソヴェール王国の科学アカデミー vs オカルト省という構図がベース。前者は国の発展のため科学という新しい力を積極的に取り入れて、今後起こるであろう大戦は機械によって戦われると考えている。後者はヨーロッパ大陸の古き力、魔力や想像上の生物やオカルティックな力を用い、今後起こるであろう大戦に備えようとしている。

この構図ってこのシリーズの核心?!今後の大戦へに向かってブロワ侯爵が関係してるし、当然ヴィクトリカにも影響してくるわけで。だって本作では、今まで名前のみの登場だったヴィクトリカに大いに関係する2人が登場するもんね。なんだかまた新たに物語が大きく動き出したような気がする。

さてヴィクトリカ、今回、急に幽閉されることになったわけですが、今までの傾向から外出する時はすんごい荷造りするのに今回はその時間を利用して一弥にあてた手紙を書きます。この本を読む前に『GOSICKs -春来たる死神-』を読んだせいか、その手紙の中に何か暗号めいたものがはいってるんじゃないかと思いいろいろと考えちゃった^^;

一弥のもとには長兄から手紙が届いたり、次兄は本を送ってくれたり、姉からは手紙や雑誌(しかも編み物ってw)が届いたりと、一弥が思っている以上に家族から愛されてるんだなーとしみじみ。

ヴィクトリカと一弥、自分の気持ちをえらく素直に相手に伝えているような気がする。「ぼくの~~」って(照)。両親や兄たちが知ったら腰抜かすってw一方、ヴィクトリカも一弥が迎えにきてくれた時の態度が可愛い☆名前を何回も呼ぶところはどこかいい☆が、ヴィクトリカの場合は、母親が絡んでいるので一弥が迎えに来てくれた時の感想や、母親の話をする時は切ない…。一弥に対し、人間に戻ったというくだりは泣けてくる…。

ブロワ警部のドリルに変化が!そのブロワ警部、侯爵の意向でヴィクトリカを幽閉してるので何も行動を起こさない(起こせない)と思ってましたが、何かと彼女のことが心配なんだろうなと。それと同時に一弥にことを信頼してマス。ブロワ家の家庭内事情が知りたいなぁ。一体どのような構図になってるんだろう?実はまだ兄弟がいたりして。

徐々に謎が明かされていき、大戦が近づいてきている様子。形見箱は一体どんな役割があるんだろう?もう一つ疑問、コルデリアって一体何歳?!あの一弥が見間違えるなんて。もしかしたら灰色狼は歳をとらないのか?!ああもう、気になる部分がまだまだ多すぎる!早く続きを読まないと。ラストも次巻を読んでねって感じで終わったし。でも発行順だと次は『GOSICKsⅡ -夏から遠ざかる列車-』。そうそう、<仔馬のパズル>の答えを早く知りたい~。←でもどんな問題だったか覚えてない^^;

「GOSICKs -春来たる死神-」 桜庭一樹

『GOSICKs -春来たる死神-』

GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神ー (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
1942年、ヨーロッパ小国ソヴェールにある聖マルグリット学園。極東から留学生してきた真面目な九城一弥は、怪談好きのクラスメイトから<春来たる死神>と噂され誰とも仲良くなれないでいた。そんな時、偶然事件に巻き込まれ容疑者扱いされてしまう。だが初めて会った図書館塔最上階にいる謎の少女:ヴィクトリカが真相を言語化してくれ事件は解決。その後、クラスに転校生:アブリルがやってき一弥と担任のセシル先生の3人で敷地内にある納骨堂に行くとまたもや事件が!一弥とヴィクトリカ出会い、アブリルとの出会い、そして数々の事件や謎を収録した『GOSICK』の外伝短編集。

<感想>
『GOSICKⅣ -愚者を代弁せよ-』まで読んだのですが、どうやら発行順でいくと本作が『GOSICKⅤ』の前のようなのでこちらを先に読むことにしました^^今作の数週間後に、『GOSICK』のクイーンベリー号の謎が起こるみたいで、時系列からいうと『GOSICK』の前にあたる内容。

一弥が聖マルグリット学園に留学してき、初めてヴィクトリカに出会います。留学してきて半年、ある事件の容疑者になり、ブロワ警部や部下の2人から「お前が犯人だろ~」と言われてる時、セシル先生からその場から一弥を助けるため(?)、ヴィクトリカのもとへ授業のプリントを届けさせます。←その後も一弥はヴィクトリカにプリントを届けるわけですが、これが最初のきっかけだったのね。めずらしい食べ物を貢がないと退屈が最大の敵のヴィクトリカは相談に乗ってくれないという構図もここから始まった模様。

最初から一弥は「帝国軍人の三男として…」というのを心に留めており、へまをしないように真面目に行動。が!意外な一面も!お堅くて女の子に疎いと思っていたら、可愛くて美形で金髪の女の子とベタな出会いをすることを夢見てた!意外とロマンチストだったんだ。そっか、ヴィクトリカは実は一弥の理想の女の子にピッタリだったんだ。性格は一弥の国の女性とはかけ離れているけど、外見はまさしく理想?!

一弥の次兄は昔から謎かけが大好き。謎かけなら世界中の誰にも負けない!って豪語。それを聞いたヴィクトリカは黙っちゃいない。早速和也の次兄に謎とき挑戦!この<仔馬のパズル>答えは?私は全くわからないので答えは知りたい~。どうらや夏休み最初の日に、次兄から答えがくるらしい。※巻末の解説によると、『GOSICKsⅡ』に解答があるらしいです。

今回、アブリルが図書館に行きヴィクトリカと…なんてハラハラした!『GOSICKⅣ』では初対面ぽかったけどあれは違うのー?!なんて思ってたら……そういうことね。ってかあの有名な切手を絡ませるとは!紫の本の事件も判明できてすっきり!いつかアブリルの冒険家のおじいちゃんの外伝も読んでみたいなぁ。

最後の序章では、ヴィクトリカが聖マルグリット学園にくる過程。ブロワ侯爵からヴィクトリカに毎日運ぶものをセシル先生に依頼。なーるほど!なので彼女は毎日これらを欠かさず手にしてた(身に付けてた)のね~。迷路花壇が出来た理由もわかってすっきり。そして!なんだ、ヴィクトリカも書物以外に興味を持ったんじゃない^^ってことは?!2人は出会うべくして出会ったってことからしらん。お互い選ばれたって感じ?2人を引き合わせたセシル先生やるねー。
しかしセシル先生、ヴィクトリカの「退屈だ」という口癖の真意を考えるのはナイス!さすがセシル先生。←時々勘違いの発もあるけど^^;

部下2人によって、ブロワ警部の事もいろいろわかりました。この部下2人の会話が意外と多く、語尾に「ねー」といった「-」が多くて憎めないキャラ(^m^) 幼馴染で昔から仲が良い2人、彼らの外伝もいつか読めるのかな?

謎とき云々より、一弥がヴィクトリカやその他の登場人物と出会うシーンが収録されてたり、その登場人物たちの詳細がわかるので面白く読める内容。今後の外伝短編集も楽しみ☆女性陣に囲まれてるだけでなく、いつか一弥に同性の友人も登場させて欲しいなぁ。

「GOSICKⅣ -愚者を代弁せよ-」 桜庭一樹

『GOSICKⅣ -愚者を代弁せよ-』

GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ- (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫




<簡単なあらすじ>
一弥とアブリルは怪奇映画を観た帰り、その舞台となった場所が聖マルグリット学園の時計塔に激似していることに気付く。立ち入り禁止の中に入っていく2人、そこでアブリルから時計塔にまつわる史実に基づく学園の怪談を聞かされる。一方、図書館最上階にいるヴィクトリカの頭上に、金色の書物が落ちてきた。昔学園にいたとされる錬金術師・リヴァイアサンの回顧録で、そこには<未来の汝よ。我は愚者なり。そして汝、愚者の代弁者となりて、我が愚かなりし秘密を暴け!>と書かれていた。それを読んだ時間を持て余しているヴィクトリカはこの挑戦を受け、学園内にある混沌(カオス)の欠片を集めるため下界におりる。同じ頃、時計塔で密室殺人が起き、殺された男性は最期にリヴァイアサンの名を呟く。そして学園には謎の人物もやってき…。果たして殺人事件はかつて学園にいた錬金術師・リヴァイアサンのしわざなのか?時計塔には一体何が?隠された学園の謎とともにヴィクトリカの謎も徐々に明かされるGOSICKシリーズ第4弾。

<感想>
1890年代、国王の前で錬金術師としての力を披露し、その後王妃の寵愛を受け国政にも関わるようになった錬金術師・リヴァイアサン。学園の時計塔に工房を造り、そこにこもり金を造り研究し続けた。だがある時、彼の力を恐れた国王が王立騎士団を派遣し、毒矢で暗殺しようとする。不老不死と言われていた彼は仮面・ローブ・手袋で身を隠していたので、死んだのか生きているのか結局誰にもわからずじまい。その後、リヴァイアサンがいなくなって数十年、工房では不可解な事件が数回起こり、リヴァイアサンの亡霊のしわざと噂される。そんな時、一弥が時計塔で殺された男性を発見したり、ヴィクトリカの頭上にリヴァイアサンの回顧録が落ちてきたことで物語スタート!

いつものように退屈しているヴィクトリカの頭上に棚から落ちてきた金色の書物。ここに書かれている回顧録を読み、彼女は挑戦を受けて立つことに。学校内にばらまかれた混沌(カオス)の欠片を集め再構成し、謎を解くためになんと今回は自ら下界へ降り立った!今まで一弥とセシル先生とブロワ警部との絡みしかなかったんですが、4巻でアブリルと初めて対面。あまりにも美少女なヴィクトリカを見てからかうアブリル、それにムキになって応えるヴィクトリカ。なんかこの2人のやりとりは可愛いぞ?ヴィクトリカって一弥といいセシル先生といいアブリルといい、ばかさ加減がいい塩梅の人と(←私がそう思っているんじゃなくてヴィクトリカ談)相性いいのかも♪

でも学園から出ていく一弥とアブリルの後ろ姿を見て、寂しそうに見送る小さな姿のヴィクトリカを想像すると悲しくなる。2人のあとを追って走り出そうとしたってことは、やはりヴィクトリカも学園の外に出たいんだと思うとまた悲しくなる。もうじき嵐がやってくること、またどうして自分が幽閉されているのか、どんな役割を担うことになるのかなど、自分自身しっかりと理解している模様。多くは語らないが彼女は何もかも知っているんだろう。まだ14歳(15歳?)なのに背負った運命は過酷すぎる…。一弥にとっては頭脳明晰であってもただの小さな女の子なのに…。

一方、一弥の鈍感というか無神経な言動にちょっとガッカリ。初対面のアブリルはちゃんとヴィクトリカの表情を見ているのに、いつも会ってる一弥は気付かない。恋する乙女アブリルにも対し時々ヒドイ言動をしてるような…。無意識だからどうしようもないんだなこれが^^;でも、でもでも、ほっぺたをふくらませる姿や、美味しそうにサンドイッチを食べているヴィクトリカをニコニコ見守ったり、「必ず君を見つける」とか「あと、ぼくもね」と、一弥がよく言う日本時男児ともあろうが者なら恥ずかしくて言えないセリフをさらっと言ったりしちゃう。これも無意識なんだよなー。女性たちに振り回されてるようで、時々一弥の方が振り回しているような気がする。でも女難の相が出てる(?)らしから気を付けないとね~(^m^) しかしヴィクトリカを守るために戦う一弥がかっこいい!お兄さんの格闘本が大いに役立ってる!まさかこんな場面で格闘本が役立ってるとはお兄さんは露知らず~。

忘れちゃいけないのがブロワ警部!いつものようなドリル髪ではないのには驚いた!そうだったんだ…あのドリルは長い髪をセットしてたんだ…。金髪サラサラヘアでハンサムでキザな男といえば…一瞬、『有閑倶楽部』の美童を思い出しちゃった。そして前回から登場回数が多くなった"あら、まぁ"のセシル先生。先生までへんな歌うたってる~(笑)。

今回は錬金術師・リヴァイアサンの真実、現代に起こった時計塔の事件、学園に現れた謎の人物が主体となってます。今までの事件とは違い、リヴァイアサンの真実は奥深く読み入ってしまいました。読み終えると伏線は結構あったなーと。私は一つも気付かなかったので真相を知った時には驚いた!悲しい。仮面の下に隠された素顔…なんて切ない真相なんだろう。ブロワ警部によると、学園にも闇のヨーロッパ史がいくつも眠っているそうで、歴史的に白日の下に晒すことができないほど。学園の過去の秘密はまだまだ隠されていそうな雰囲気。全体的に重さを感じる内容で、今までで一番面白かったです。深みがある中、アブリルとセシル先生の陽気さがいいバランスになってました^^

そしてとうとうヴィクトリカの母親のことを知るあの人物が登場!一弥に都会に生きる灰色狼、今までの歴史、さらに不吉な言葉を語る。一弥はヴィクトリカに対し強い不安、そして焦り似た感情を覚えるぐらいヴィクトリカのことが心配でしょうがない。今後、ちゃんと守れないかもしれないという不吉な予感をも。
大きな嵐がきたら、内容がどんどんシリアスになっていき、今まで一弥に見せてきた意地悪で気まぐれで子供っぽく、時に健気で嬉しそうな顔をするヴィクトリカの姿を見ることが少なくなっていくのかな?

3巻まではキャラ読みしていた部分がありましたが、4巻でかなりシリアスというか今後の予兆ともいえる伏線がたくさんあり、今後の展開が大きく変わりそうな予感。ブロワ侯爵の正体もほんの少し見えてきたし。巻を重ねるにつれ、いい具合に謎が明かされていったり、次回に真相がわかるような伏線であったりと次巻を読まざるを得ない内容。あと2日で学園は夏休み。何もないわけがない!というわけで5巻に突入!と思ってましたが、発行順に読もうと思い図書館で『GOSICKs』を予約してるんですが、予約数が多くて当分きそうもない感じ(悲)。『GOSICK』シリーズは全巻持っているので5巻を読もうかな。それとも『GOSICKs』シリーズ買っちゃうか!

「GOSICKⅢ -蒼い薔薇の下で-」 桜庭一樹

『GOSICKⅢ -蒼い薔薇の下で-』

GOSICKIII  ―ゴシック・青い薔薇の下で― (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
ヨーロッパの小国ソヴュール王国にある聖マルグリット学園に留学している久城一弥のもとへ故郷の姉から手紙がくる。そこに<青い薔薇>を買って送って欲しいと書かれており、セシル先生、同級生のアブリルにも頼まれ、一弥は一人首都ソヴレムにある巨大高級デパート"ジャンタン"に行く。そのデパートで不可解な出来事に遭い、偶然行きの列車の中で出くわしたブロワ警部に相談するも信じてもらえず、デパート周辺にいるストリートチルドレンや、風邪で寝込んでいるヴィクトリカに助言を仰ぐ一弥。そばにヴィクトリカがいない中、起こったことを電話で伝えるだけで解決できるのか?GOSICKシリーズ第3弾。

<感想>
またまたアブリルから聞かされた怪談話に基づく事件に遭遇するわけですが、今回、ヴィクトリカが風邪を引いて寝込んでしまい、難事件の現場には一弥一人。といっても行きの列車の中でブロワ警部と偶然出くわし、同じソヴレムに向かってます。ある難事件解決のために警視庁に呼ばれたんだとか。

一弥はお目当てのデパートに入り頼まれた<青い薔薇>を探すも、どうも様子がおかしい。ある少女と出会ったことでブロワ警部のもとを訪れ、再びデパートに戻るが従業員全員が一弥のことを見ていないという。何がなんだかちんぷんかんぷんの一弥。ソヴレムの街で”闇に消える者たち”の事件が頻発する中、このデパートには何か謎が隠されているのか?というのが事件の概要。

事件には直接遭遇していないヴィクトリカは家で寝込んでます。ということで今回は彼女の住まいが判明!そうだよね、図書館で寝泊まりしてるわけないよね^^;なんかヴィクトリカにぴったりの家で可愛いなぁ。一弥からもらったお土産がよほど嬉しいらしく、にっこりして鼻歌まで。そういや前回はお風呂の歌を歌っていたような…。歌詞が単純で何とも可愛い♪さらに風邪を引いた理由、「ぐじゃ!」や布団かぶったまま移動も可愛い。可愛すぎ。同性だけど萌える~。

寝込んでいても一弥からの電話には出る健気なヴィクトリカ。そんな状況を知ってか知らずか一弥はいつもよりめちゃ強気!ちょっぴり一弥が意地悪でイヤな奴に見えてきた…。前回、あなたを助けた時からずっと手が腫れてるっていうのに~(><。) なんだかんだと鈍感な一弥ですが、ヴィクトリカへのプレゼント、花を添えた手紙と意外と女心をくすぐる行動をとってたり。無意識にしているさりげなさがモテモテにつながるってるのかしら。

今回はセシル先生と一弥のお姉さんのことも少しわかってきました。まずセシル先生、ほんわかしてるようでヴィクトリカと一弥の扱い方をわかってます(特にヴィクトリカに対して)^^2人の性格をちゃんと理解してる模様。そしてお姉さん、厳格な家柄でもっとザ・お嬢様風だと思っていたらめちゃ今風の口調(笑)。お姉さんの日常も知りたくなってきました。

内容より人物についての感想ばかりになってしまった。。まぁいいか。ソヴュール王国の歴史のことも少しわかってきた3作目。ブロワ侯爵家のことについても今後徐々にわかってくるんだろうな~。アブリルとの出会いとされる”紫の本”事件も。前回名前だけ登場したブライアン・ラスコーが今作品でほんの少し登場しており、今後、何かしらの影響をヴィクトリカたちにもたらすんだろうなー。そういや彼が持っていた箱の中、一瞬「えっ?!まさか来ちゃったの?!」と思ったけど違った…。ってことはまさかあの方?そうなの?!めちゃ気になるよー。

そして!何と言っても今3作目の醍醐味はブロワ警部がなぜドリルのようなヘアスタイルをしているのかが判明!!and 部下2人がいつも手を繋いでいる理由も!そうだったのか!そんな理由が!少し笑ってしまったけど、よくよく考えたら律儀というか真面目というか、ただの意地っ張りというか…。でもブロワ警部の株は確実に上がった。女性に対してもそうだけど、本当はいい奴なんじゃ?
3巻目にしてブロワ警部はおちゃらけたキザな男から紳士的な男性へ、ヴィクトリカはツンデレ娘から健気な可愛いお譲さんとイメージがほんの少し変わってきたかも。一弥もヴィクトリカと出会ってから徐々に精神的に強くなってきてる。

まだまだ謎は多く気になることはたくさん!内容以上に登場人物たちが気になって気になって(笑)。ということで明日から4巻目に突入!

「GOSICKⅡ -その罪は名もなき-」 桜庭一樹

『GOSICKⅡ -その罪は名もなき-』

GOSICKII  ―ゴシック・その罪は名もなき― (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
1924年、ヨーロッパの小国ソヴュール王国にある聖マルグリット学園。いつものように九城一弥はヴィクトリカのいる図書館最上階にある植物園に向かい、のみの市で起こった事件の事を話す。だがヴィクトリカにとって単純すぎた事件で退屈極まりないものだった。そこにブロワ警部が真相を聞きに来るが、今回はどうも様子が違った。翌朝、一弥が持ってきた新聞の三行広告に<"灰色狼の末裔"に次ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する>と書かれているのを見たヴィクトリカは、学園を抜け出し山奥にある名もなき小さな村に一弥とやってきた。そこはヴィクトリカの母がかつていた場所で、当時起こった事件を究明し母親の無実を晴らすためだった。だが新たな殺人事件が起こり、一弥とヴィクトリカは巻き込まれてしまう。そんな中、ヴィクトリカは徐々に混沌(カオス)の欠片を集め、知恵の泉により2つの事件の真相に辿り着く。一体この村で何が起こったのか?GOSICKシリーズ第2弾。

<感想>
相変わらずヴィクトリカのいる植物園に通い続ける一弥。まだ2巻目ですが、話の展開はパターン化してる?まず一弥とアヴリルとのやりとり→そして一弥は植物園でヴィクトリカに行動を当てられ、お土産に外で起きた事件を話す→ブロワ警部が来る。→メインの事件→一弥とヴィクトリカが巻き込まれる…ってな感じ?そして物語の間にモノローグが挿入。

退屈しているヴィクトリカのために、外で起きた事件を手土産にヴィクトリカのもとにやってくる一弥。凡人とか中途半端な秀才とか、その他もろもろからかわれつつも何かと仲が良い2人。絶交をされても、殆ど外出したことがないヴィクトリカが心配で、何がなんでも自分が守ってあげなきゃ!とほっておけない。さらに危機に瀕した時、父親や兄に対して語られる想い、本当に素直ないい子だなー。紳士的だし^^

一方、ヴィクトリカは小さな体で一生懸命一弥を守り、言動も1巻よりもかなり魅力的になってる!特にお風呂に入っている時の歌には笑ったwさらに!最初の方で、絶交を言い渡された後に一弥が言った「ぼくより……」の返事とともとれるヴィクトリカの返事が最後にあるのがまたいい(*'∀`*)なんだかんだいっても心の中では一弥のことを信頼してるのね。そしてもう一人の少女、同級生のアブリルは恋する女の子ってカンジで可愛い♪鈍感で天然な一弥のせいで踏んだり蹴ったりだけど(笑)。

今回はヴィクトリカの母親の謎に迫る内容に。といっても全貌じゃないんだよなー。巻を重ねるに連れて少しずつわかってくるのかな?で、ヴィクトリカは母親の無実を晴らすために学園を抜け出し母親の出身地へ。事件に関わる(遭遇する)のは、のみの市で一弥が知り合ったシスター、同じように新聞のメッセージを読み興味を持ちやってきた若者3人グループ、そして村に住む人々。閉鎖的で、灰色狼の伝説のもととなったと言われてる村で、文明と切り離された生活を送ってます。

先祖の霊に質問するという形で村長から一人一つ未来について教えてもらえるという儀式で、一弥とヴィクトリカも質問するんですが、その答えの内容がめちゃ気になる!これっていずれこのような事が起こるってこと?もしや伏線??さらにブロワ警部が言うヴィクトリカが外に出てはいけないという理由、こちらもめちゃ気になる!!こちらもいずれわかるのかしら。なんか伏線だらけで次の巻が読みたくなっちゃうじゃないの~。

ヴィクトリカは混沌の再構成に相手と取引を行うとのこと。しかも痛みをともなう犠牲だって(゚д゚lll)しかもそれは習性で、退屈しのぎに悪魔的な要求してるそうな…。な、なんという…。でも一弥には無茶な見返りを求めてないってことは?大切な友達って認識してるってこと?それとも身内じゃなく自分の事を鼻っから恐れてなく接してくれてるから?んん?このあたりも気になるなぁ。

巻末の解説に、作者は小さい頃にシャーロック・ホームズをよく読んでおり、あの頃自分が味わったようなミステリの面白さ、名探偵ものの様式美みたいなものがわかる入門書になれば…と思われてるそうな。なるほど!だからストーリーの流れが他の名探偵ものと同じようにパターン化されてるんだ。そして確かに読みやすい!

事件の真相はちと無理っぽくない?と思う部分があるものの、登場人物のキャラや謎、いたるところにある伏線、新たな謎の人物が気になり続きが読みたくなる、そんなシリーズのような気がしてきました。とりあえずは3巻も読まなきゃ。といいつつ実はもう3巻を読み終えようとしてます(^m^)

「GOSICK -ゴシック-」 桜庭一樹

『GOSICK -ゴシック-』

GOSICK  ―ゴシック― (角川文庫)

 著者:桜庭一樹
 出版社:角川書店 角川文庫





<簡単なあらすじ>
1924年、ヨーロッパの小国ソヴェール王国。山脈の麓に長い歴史を持つ名門聖マグリット学園がある。そこに留学生として入学した15歳の九城一弥は、学園図書館塔最上階の植物園で、いつも書物を読んでおおり一度も授業に出たことがないヴィクトリカに授業のプリントを渡すために届けに行っていた。ある日、担任の先生から自身の村で起こった奇怪な事件のことを聞き、そのことでブロワ警部が一弥とヴィクトリカの所にやってきた。難事件に遭遇する度に植物園にやってき、一弥に詳細を話聞かせ、それを横で聞いているヴィクトリカが真相を言い当て、ブロワ警部が自分の手柄にするという構図が出来上がっていたのだ。その週末、一弥とヴィクトリカはひょんなことから豪華客船への招待状を見つけ行ってみることに。だがそこで殺人事件に遭遇してしまう。危険な場に追い込まれた2人の運命は?殺人事件の背景には一体何があるのか?

<感想>
図書館塔最上階の植物園で、一日中難解な本を読んでいるヴィクトリカ。なぜか男性名を付けられたこの少女は、身長140cmと小柄で長い金髪、白い肌にエメラルド・グリーンの瞳、まるで人形のような美少女。それでいて、植物園にいながら難事件を解決する頭脳明晰。混沌(カオス)の欠片を再構築し、なんとか言語化するらしい。(←なんか難しい説明ですが、ホームズのような安楽椅子探偵という感じ?といってもメインの事件は現場に出向いてます) これだけだと美人で頭がいいパーフェクト少女ですが、なぜか声は老人のようなしわがれた低い声で口が悪い、友達は一弥だけ、学校にいるのに授業は全く出ず担任もそれを容認、ブロワ警部は直接ヴィクトリカに話しかけない、15歳なのにいつもパイプをくゆらしている等々、、謎だらけの少女。

一方、一弥は軍人一家の末っ子の真面目で品行方正で成績優秀な少年。でもちょっぴりヘタレさん。だけど優しく男らしい部分も。優秀な兄たちのプレッシャーから逃れるため、新たな地に胸躍らせてやってきたものの、会談好きの学園の生徒からは、東洋からやってきた黒髪に漆黒の瞳の一弥のことを<死神>と呼ぶように。なにかと"帝国軍人の三男"だからと言う一弥。呪縛のように言ってる感じですが、強い父や兄たちへの尊敬の意もあり、自分も強くならないと!という自分を奮起してるようにも聞こえます。

このヴィクトリカと一弥の2人が、ある老占い師が殺された事件をきっかけに殺人事件に遭遇するという話。現代の話(といっても1924年だけど^^;)の間にモノローグが組み込まれており、読み進めていくうちに、2つのストーリーの行く末がうまく繋がっててます。
最初、一弥と同級生、一弥とヴィクトリカの会話から、ラノベっぽくて軽い感じのミステリーかと思ってました。が、事件の真相は意外と重い内容。でも独特のキャラのヴィクトリカとお人よしの一弥の会話でちょうどいい感じにミックスされてるなと。口は悪いが心では一弥のことを信頼してると思われるヴィクトリア、危険な場に遭遇すると体を張ってヴィクトリカを守ろうとする一弥、この2人のキャラが愛くるしい♪

あと想像できないほど奇妙な髪形をしナイスポーズを決めるブロワ警部と、いつもなぜか手を繋いでいる部下2人、彼らのキャラ設定はいったい…(笑)?特に部下2人、今後、彼らがもっと多く登場する巻があると嬉しい。ちょっぴり気になる存在。

読み終えてヴィクトリカの謎が一つ解けましたが、まだまだ謎が多く気になる~。これってシリーズ通して徐々にわかってくるのかな?めちゃ気になる~。ヴィクトリアと一弥の関係もそう。今はまだ友情で結ばれているというには確信が持てない関係ですが、今後どのように変化するのか楽しみ♪ミステリとしてはさほど「ええっ!!」ってくるものはないですが、登場人物のキャラとその背景や謎が次も読んでみたい!と思わせるような雰囲気。

ということで、今シリーズは読んでいきたいと思います。実はもう2巻を読み終えようとしてます(^m^)

「叫びと祈り」 梓崎優

『叫びと祈り』  

叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)

 著者:梓崎優
 出版社:東京創元社 ミステリ・フロンティア  






「砂漠を走る船の道」
・「白い巨人(ギガンテ・ブランコ)」
・「凍れるルーシー」
・「叫び」
・「祈り」
海外の動向を分析する雑誌の発行をしている会社で働いている、7ヵ国が操れる語学堪能の斉木が主人公。サハラ砂漠・中部スペイン・南ロシア・南米アマゾンなどの各地で遭遇したり巻き込まれた様々な事件を描いている短編5作からなる連作ミステリー。

「砂漠を走る船の道」
塩の道を取材しにサハラ砂漠にやってきた斉木はあるキャラバンに同行させてもらうことになった。砂漠で脅威と言われている砂嵐シムーンに巻き込まれ、砂漠の道筋を知っている唯一の人物であるキャラバンの長が亡くなってしまう。そこから1人、また1人と殺人事件が連続して起こる。砂漠のど真ん中で失われた信頼。一体誰がなんのために?

砂漠のど真ん中ということで仲間うちに犯人がいることが前提なんですが、誰が犯人かということよりもなぜ砂漠のど真ん中で殺人を犯さなければならなかったのか。伏線があるので砂漠ならではの動機部分は納得。最後はちょっとうまくいきすぎ感があるような気がしますが意外な事実が判明し驚いた!これにはやられたー!

「白い巨人(ギガンテ・ブランコ)」
斉木は大学時代のサークル仲間であるヨースケとサクラの3人で真夏の中部スペインにある風車にやってきた。土産屋の店主から風車小屋から兵士がいなくなるという不思議な話を聞いた3人はその話の謎解きを始める。訪れた風車小屋が彼女を最後に見た場所で同じように姿を消したことから、サクラは謎解きと同時に彼女のことも思い出す。

2人のサークル仲間が下の名前だったりカタカナなのはそういうことなのね、とあとになって気付きました。ってかこんなオチあり?まぁ他の作品が重めなので一作品ぐらいこんなオチでもいいかも。

「凍れるルーシー」
斉木は50年ほど前に修道院で暮らしていた女性リザヴェータの聖人認定の調査取材のため、ロシア正教会の司祭に同行し南ロシアにある女性だけの小さな修道院にやってきた。生前と全く変わらない姿のリザヴェータの前で3日間祈りを捧げる司祭、その裏で斉木はあることに気がつく。

深い信仰心に縁がないせいか事件に関しての動機がよく理解できませんでした。冒頭の話は一体どこに繋がっていたんだろう?それすらもよくわからないときてる。ついでにラストも…。でもこれを映像にしたら恐そう。映像だと冒頭とラストの意味が理解できるかなー。どうだろ。

「叫び」
世界中の民族特集のためアマゾンに取材しにきた斉木は、ここで医療活動に従事する英国人医師アシュリーに同行することになった。デニムというわずか50名弱の部族が住む場所に辿り着いた途端にアシュリーはある異変に気付く。

今回の事件は少数民族独特で彼らにしかわからない動機。その動機を知った斉木とアシュリーですが、互いの価値観の違いから理解し合うことは決してない。もちろん私にも理解出来ないです。やるせなさが色濃く残る作品でした。

「祈り」
"僕"の前に森野と名乗る男性が現れる。森野は自身を"旅人"と称し、ラクダの話や白い巨人、霧の大地の話をする。だが"僕"は森野を知らないし話もよくわからない。そんな"僕"に森野はあるクイズを出した。

雪に覆われ閉ざされた城――明確な場所はわからず。読み始めは頭の中にクエスチョンがちらつきましたが途中で"僕"の状況と森野の正体がやっとわかりました~。これまでの4話で経験したことが全て「祈り」に繋がっているんだ。そりゃね、あれだけのことを目の当たりにしてきたらね…。全体的にちょっとわかりづらい箇所もありましたが個人的には他の4編とは全く趣が違う「祈り」を最後に持ってきたのはアリかなと。


『このミステリーがすごい!2011年版』と『2011本格ミステリ・ベスト10』にランクインされていたので借りてきた一冊。今まで読んだミステリーとは趣が違う作品だったので新鮮でした。斉木が探偵役みたいな感じなんですが別に誰かに依頼されてという訳でなく、その場の状況、登場人物の心情などから真相を知っていくという。"なぜ殺さなければならなかったのか"――その国、文化、あるいはその境遇にいる人々だからこその事件と動機。そのプロットは引き込まれる内容でしたが、斉木さん、まだお若いのに話し方がどこか淡々としてらっしゃる。。

他の方の評価がとても高い文章力については私には詩的・緻密すぎてちょっと難しかった(><。)。イメージしたくてもすんなり頭の中に景色や背景が入ってこない~。個人的にはもうちょっとわかりやすい文章の方がありがたかったデス。

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