01 Category | 洋画・・ヒューマン/ドラマ
11/01 「クラッシュ」
10/08 「麦の穂をゆらす風」
09/14 「マイケル・コリンズ」
09/07 「ONCE ダブリンの街角で」
04/19 「ダイアナの選択」
04/15 「英国王給仕人に乾杯!」
03/01 「ホルテンさんのはじめての冒険」
02/18 「ワンダーラスト」
11/29 「この自由な世界で」
11/13 「その土曜日、7時58分」
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2009.11.01 Sun

『クラッシュ』  CRASH

クラッシュ [DVD]

 製作年:2004年
 製作国:アメリカ
 監督:ポール・ハギス




出演:サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ジェニファー・エスポジート、ウィリアム・フィクトナー、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、タンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、ラレンズ・テイト、ノーナ・ゲイ、マイケル・ペーニャ、ロレッタ・ディヴァイン、ショーン・トーブ、ビヴァリー・トッド、キース・デヴィッド、バハー・スーメク、トニー・ダンザ、リーナ・アロヤヴ、ダニエル・デイ・キム、ビリー・ガロ

<簡単なあらすじ>
多くの人は車内にいるから人と触れ合うことが少ない車社会ロサンゼルス。車が衝突することにより人種・年齢・階層・職業の違う人々がぶつかりさまざまな感情や心の中の葛藤、悲しみを前面に出したヒューマンドラマ。

<感想>
最初に事故が起こり、そこから様々な感動する人間ドラマがあるのかと思ってましたが違ったみたい^^;
車だけでなく、人々がクラッシュすることにより各々の感情(あるいは心の中に溜めてあった感情)が対立。言葉で罵倒したり銃だったり…方法はさまざま。けど悪い対立ばかりでなく、いざという時にはわずかな光が差し込んだり…各々のエピソードがあり時折交差したり絡んでたりします。

家の鍵の修理に黒人が来たことで癇癪起こす女性、アラブ人だと誤解され店が強盗にあってしまうペルシャ人家族のエピソードは人は意識的にも意識せずとも外見的・表面的な部分だけで人を判断してしまうというのがよくわかる。

刑事のライアンは人種差別主義者。父親の介護(尿道炎)を気遣ったりする一面も。父親の過去の経緯から人種差別主義者になったかと思われますが、決して心から思ってる訳ではない。ライアンはわかりやすいほど良い面悪い面がはっきりしてる。自分が差別した相手を助けようとするが逆に拒絶されてしまうことで何を思う?

差別をする人間を軽蔑していた若い警官も印象的。表面的には人種差別に対し嫌悪感があるものの、心のどこかで黒人に対し偏見を持っていたことに自分自身が気づいた瞬間・・・しかもその相手となる人物は人種差別にどちらかと言えば無頓着な黒人男性。この2人を巡り合わせたのは皮肉としかいいようがない。

もう一つ、鍵を修理する男性の話で娘に聞かせる「透明マント」の話。ぎゃー!と思った次の瞬間、うるっときちゃった(TT)。怖がる娘に透明マントの話をする父親(といってもこの話のお陰で怖いもの知らずの娘に^^;)、そしてペルシャ人親子では父親のためにした娘の行動には親子間の繋がりを感じます。

銃、強盗、人種売買なども含まれ重いテーマなんですが(が観終えたあとはさほど重く感じない)、どこでも同じことが起こっている、今日もどこかで…という日常的な一部なんだろうな。

00:25 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(0)

2009.10.08 Thu

『麦の穂をゆらす風』  THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション [DVD] 製作年:2006年
 製作国:アイルランド/イギリス/ドイツ/イタリア/スペイン
 監督:ケン・ローチ
 出演者:キリアン・マーフィ、ポーリック・デラニー、
       リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド、
       メアリー・リオドン、メアリー・マーフィー、
       ローレンス・バリー、ダミアン・カーニー、
       フランク・バーク、マイルス・ホーガン
      
<簡単なあらすじ>
1920年アイルランド、デミアンは医者になるためロンドンに行くことになっていた。だがそんな時、イギリス武装警察の手によって仲間の1人を失った。他の仲間から「ロンドンに行くな、俺たちにはお前が必要だ」と言われ、また駅で英国兵の横暴な態度に出くわしたデミアンはロンドンに行くのを止め兄テディらと共に義勇軍の一員としてアイルランド(共和国政府)に忠誠をささげることにした。そして平和条約会議でアイルランド自由国となるが英国王に忠誠を誓うことが条約に盛り込まれていた。この条約をめぐり支持派と反対派に分裂し内戦へと発展、そしてデミアンとテディも敵同士になってしまう。

<感想>
この作品を観てから約1ヵ月経ってしまったため、詳細をあまり覚えてなかったり…^^;でも『マイケル・コリンズ』を観た後にこの作品を観たのは良かったかもしれない。

アイルランド・イギリス両国の代表が講和条約に署名、アイルランド自由国となる。だが自由国は自治領として大英帝国に留まり国会議員は英国王に忠誠を誓うという条件が盛り込まれている。英国からの完全独立を絶対実現するんだという者、その条約を遵守しようという者とで対立し、昨日まで同じ目標を持って一緒に戦っていた同胞が今日は敵に。
若者たちは英国軍に立ち向かうために義勇軍を結成したはずなのに、条約内容で支持派と反対派に分裂し内戦。デミアンは条約反対派、テディは条約承認派となってしまう。

『マイケル・コリンズ』と違いこちらは民衆が主体。コークに住む一般市民の生活は何も変わらない。貧困状況に何も変わりはないし自分たちの生活も変わらない。もちろんマイケル・コリンズやデ・ヴァレラの事情は知らないし彼らにはそんなことは関係ない。

『マイケル・コリンズ』と『麦の穂をゆらす風』はセットで観たらわかりやすいかな。前者は表舞台から見た独立運動から条約。後者は民衆から見た独立運動と条約という感じでしょうか。

仲間でも裏切ったら殺さなければならない。情状酌量はいらない。仲間を殺さないといけないほど求めるものは果てしなく大きいのか…。だけど失うものが多すぎるよ…。17歳の仲間を殺したことで一線を越え心が何も感じなくなってしまたデミアン。本来は医者になって人々の命を救う立場になるはずだったのに…。祖国を愛するため、祖国の自由のためにした代償は大きすぎる。最期は本当にせつない。兄弟でこうなるとは…。

英国軍はただ国から派遣された兵士。彼らも多くの戦友を失ってる。今度は英国軍から見たこれらの歴史に関する映画を観てみたい。

20:28 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(2)

2009.09.14 Mon

『マイケル・コリンズ』  MICHAEL COLLINS

マイケル・コリンズ 特別版 [DVD]
 製作年:1996年
 製作国:アメリカ
 監督:ニール・ジョーダン
 出演者:リーアム・ニーソン、アラン・リックマン、
       エイダン・クイン、スティーブン・レイ、
       ジュリア・ロバーツ、イアン・ハート 、 ジョン・ケニー

<あらすじ>
1916年ダブリン、マイケル・コリンズ、デ・ヴァレラらはイースター蜂起と呼ばれる武装蜂起を行うが失敗し逮捕され首謀者たちは死刑となる。1918年5月、釈放されたコリンズは独立運動の新たな指導者となる。ある日ずっと付きまとっていた男を問いただすと警察の人間で演説でコリンズに興味を持ったという。彼から内部情報を得てコリンズは英国側の全Gメンを暗殺し戦っていた。その頃、刑務所にいるデ・ヴァレラをコリンズと同士ハリーは脱出させることに成功。だがデ・ヴァレラはアイルランド共和国の大統領として、支援と共和国支援を取り付けるため、また国際世論で英国に圧力をかけるためにハリーを連れて渡米。だが交渉は失敗に終わりデ・ヴァレラは英国総督府カスタム・ハウスを攻撃するがまたもや失敗し犠牲者が沢山出た。
ついに英国が休戦を求めてきた。デ・ヴァレラの命令で代表団の隠し玉としてロンドンに行き英国と交渉することになったコリンズ。結果、アイルランド共和国として独立は認められ政府も持てるが英国に忠誠を誓うこと、北は当面英国内に留まるという内容であった。コリンズは条約を呑むが、英国に忠誠を誓うということ、北を手放すということが納得いかない条約反対派と衝突。議会の多数決で条約承認なるがそれが面白くない反対派のデ・ヴァレラは議会と決別。だが1922年6月、国民投票で条約承認。またしてもデ・ヴァレラは負けてしまうが条約は頑なに拒否。そして義勇軍までも分裂しコリンズの仲間が反対派に回ってしまい…そして内戦へ。コリンズはデ・ヴァレラと会談するために故郷コークに行くが反対派の若者たちに奇襲攻撃され撃たれる。その頃コリンズと結婚の約束をしているキティーは花嫁衣裳を選んでいた。
アイルランド独立のために重要な役割を果たしたマイケル・コリンズの半生を描いた歴史ドラマ。

<感想>
こんなに長いあらすじを書いたのはじめてかも。。この内容を簡単にまとめるのって難しいよ。予備知識を頭に入れてからと思いほんの少しだけ勉強してからこの映画を観ました。うん、勉強しなかったら意味半分ぐらいわからなかったよ・・・^^;この作品は予備知識があった方が観やすいかも。

コリンズは自らを破壊大臣と言ったりしつつ、「戦争は立派な殺人」と言ったり「引退したい」と言ったりと決して強人ではない面ものぞかしている。警察の人間を上手く使い内部資料を見せてもらったり、英国側の全Gメンに警告書を送ったりとすることが大胆で行動も早い!

一方、デ・ヴァレラは私がイメージしていた人物像とは少し違った。映画の中では俳優さんの技量でコリンズを前に出し引き立てているけれど、実際はコリンズに対しものすごい嫉妬してる。デ・ヴァレラの口からコリンズへの嫉妬深さは前面的に出ておらず、コリンズの言葉でしか彼のいやらしさが聞けない。
1966年にデ・ヴァレラの声明(?)で「自分が愚かだった」といった内容を出してるけど、これはどこまでが本気なんだろう。条約反対した時に、演説で条約は共和国への道を国民の血で満たすとか義勇軍は同胞の血を浴びるとか、内戦をしなくては完全独立はありえないみたいなこと言ってたじゃないか〜。デ・ヴァレラが主人公のドラマも観てみたい。そしてコリンズに対し、そして独立運動に対し心中
思っていることが知りたいよ。

本当はデ・ヴァレラが行くべきの英国との交渉。完全な独立なんて夢のまた夢。コリンズはデ・ヴァレラがそれを知ってて自分をロンドンに送ったと思ってる。コリンズは自由国の立場を使って共和国を達成しようと思ってる。条約を呑むか英国と戦争をするか…
条約を呑まなかったら悲惨な戦争を引き起こすと訴えるコリンズ、だが反対派のデ・ヴァレラは独立を手に入れるなら内戦してでも自由国政府を打倒する、全ては真の自由を手に入れるためだと。真の自由とは?条約賛成派、反対派ともに真の自由を求めている。英国に忠誠を誓い北の分断を受け入ることが出来ない者、条約が独立への第一歩だと考える者が対立してますが、条約までは皆同じ思想を持ちそれこそ真の自由を求め一つになってたはず。最終目的は同じなのにその過程で昨日の同士が敵に・・・

今までのように破壊するのではなく、これからは共和国への道を築いていくべきと考えるコリンズ。前半と後半ではコリンズの心情が違う。前半は自分の国のためにどんな手を使ってでも戦う、後半は共和国への道へ進むのにかつて同士だった者と内戦をしたくないという想い。だけど完全独立のために条約賛成派と反対派が内戦をする。何か違うんじゃ?と思うんですがその時代、その時に生きてきた彼らは自分の祖国を思う気持ちが強いからこそ内戦に発展したわけで。

結果、短い期間で自由国、そしてのちに共和国への道をつくったコリンズはやはり英雄なんだろう。英国から自由国軍へダブリン城が移管された時にコリンズが7分遅れて到着した時のセリフ、「700年待たせたんだ、7分ぐらい待て」これは名言。ユーモアっぽく聞こえるけど言葉の意味は重い。

このテの感想は本当に難しい。。。でも歴史ドラマとしては傑作だと思います。

23:47 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(0)

2009.09.07 Mon

『ONCE ダブリンの街角で』  ONCE

ONCE ダブリンの街角で デラックス版 [DVD] 製作年:2006年
 製作国:アイルランド
 監督:ジョン・カーニー
 出演者:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ、
       ヒュー・ウォルシュ、ゲリー・ヘンドリック、
       アラスター・フォーリー、ゲオフ・ミノゲ、
       ビル・ホドネット、ダヌシュ・クトレストヴァ、
       ダレン・ヒーリー、マル・ワイト、
      
<簡単なあらすじ>
彼は昼間は掃除機の修理をし、かたわら街中でストリートミュージシャンをしていた。夜、街で自分の作った曲を歌ってている時に花売りをしている若いチェコ人女性と知り合う。彼女にピアノの才能があると知った彼は自分が書いた曲に彼女に詩を書いてもったりとお互いに音楽の才能を認め合っていた。音楽を通し惹かれ合う2人は一緒にバンドを組みデモCDを作ろうとする。彼は夢に向かい、彼女は現実の問題に向き合い歩き始める―――。

<感想>
ダブリンの街を見たくて借りてきた1本。内容は全く予備知識なしで見たので最初は男女のラブストーリーかと思ってたんですが…。ラブストーリーのようなそうでないような。

決して派手さはない映画だけど、なんといっても歌がすんばらしい。もともとそんなに音楽が大好きなわけではないけど映画に合った素晴らしい曲を聞くと聞き入ってしまう。ストーリーも決してドキドキワクワクするものじゃないけど淡々としていてしんみり。
彼は歌とギター、彼女はピアノ。2人が奏でる音楽がなんとも言えない。彼が曲を作り彼女が歌詞を付けた歌も素晴らしいし、個人的には楽器屋さんで2人で歌った歌(エンディングにもなってる曲)が好き^^この時に2人の息が合っていく過程を見てると音楽っていいなとしみじみ思う。初めて聞いた曲に合わせたりハモれたり出来る才能がある人が羨ましいよ。。



彼女に振られ自分の気持ちを歌にしてる彼、中にはしんみりしたのもあれば明るいのもありどれも聴かせる。彼女も心の中にいる人を想い歌詞にする。悲しい旋律なんだけど胸に残ります。(個人的には歌詞よりメロディが好きかな)

2人が恋に突っ走るのではなく、今、現在の道を進む。2人が出会わなくてもそうしたであろう道に戻っただけ。決して距離が縮まることのない2人。もしどちらかが自分の進むべきを見失っていたら…
彼女が母親、幼い子どもと暮らし移民同士の助け合いを目の当たりにした彼。今一歩彼女にプッシュできない理由の一つだとうは思うんですが、「そんなの関係ない!」という言葉を言わないところが冷静でなんとも現実的。振られた彼女のことを想ってる自分もいるしね。

結局彼と彼女は最後の最後まで名前はなかった。ダブリンの街で偶然知り合い、一緒に音楽を奏でそしてお互いの道を進む。未来ある明日へ向かって…という感じでしょうか。正直、内容より音楽の方の方に心奪われた作品でした。

彼女の掃除機を持って街中を歩く姿や銀行のおじさんはほのぼの系ユーモアがあってよかった。
ところでダブリンってバスの中で歌いながらギターを弾いてもいいのかい?

P.S Aer Lingusのカウンターを見てもうすぐ乗るんだと思うとなんか嬉しー^^

21:52 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(2)

2009.04.19 Sun

『ダイアナの選択』  THE LIFE BEFORE HER EYES

ダイアナの選択

製作年:アメリカ
製作国:2007年
監督:ヴァディム・パールマン
原作:ローラ・カジシュキー
出演者:ユマ・サーマン 、エヴァン・レイチェル・ウッド、エヴァ・アムーリ、ブレッド・カレン、ガブリエル・ブレナン、オスカー・アイザック、ジャック・ギルピン、ジョン・マガロ

<簡単なあらすじ>
美術教師のダイアナは大学教授の夫と小学生の娘と幸せに暮らしていた。だが15年前に起こった銃乱射事件がダイアナの頭から離れなかった。当時、親友のモーリーンとトイレでおしゃべりしていると教室から叫び声と銃声が聞こえ、次の瞬間、銃を持ったクラスメイトが目の前に。「どちらか1人を殺す。死ぬのはどっちだ?」と聞かれモーリーンは「私を殺して」と。次はダイアナが答える番。生死の選択を迫られたダイアナは…。

<感想>
は〜、最後の最後まで観ていて緊張したよ。個人的にはすごく好きなタイプの作品。
映画を観る前にパンフレットを読んでいたので最後のドンデン返しと言われている内容をある程度把握しており(このパンフレットには結末まで記載されており、鑑賞後にお読みくださいという注意書きに気付かず読んでしまった…)、とりあえず全編にはりめぐらされた伏線を見逃さないでおこう!と。
結末を知った上で観てると確かに伏線は結構あったと思います(多分)。
特に夫が浮気をしてるんじゃないかと泣きじゃくるシーンでのダイアナのセリフ、これはかなり現実のダイアナの気持ちを代弁してるような気が。どこの部分がどうだって詳しく書きたいんですが、ネタバレせずにそれを書くのはかなり難しい…。

10代のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は家庭や環境から反抗的な態度をとっていた。そんな時、モーリーンという真面目で教会に通う親友ができ、ボーイフレンドの話や将来の夢などを語ったりしていた。
一方、30代のダイアナ(ユマ・サーマン)は10代の頃とは想像できない環境。閑静な住宅街に住み大学教授の夫、可愛い娘と夢にまでみた生活。まさしく10代のダイアナが理想とするような感じ。
だけど15年前に選択したことがずっとトラウマになっており今の生活にかなり影響が。決して順風満帆というわけではなく、娘は自分の若い時にそっくり、夫は若い女性と歩いていたり。現実であってほしくないけどこれが現実。いや、どうかな?フフ。

結末を知らずに観てたら、おそらく衝撃的な結末で「えっ?!何?どういうこと??」「実は30代のダイアナって実は○ー○ー○なんじゃ?」なんて戸惑ったかもしれない。いや、きっとそうだ。
10代のダイアナがくだした選択には良心というキーワードがあるんですが、果たしてこれが本当に正しい選択だったのか?トイレの中で親友と他愛もないおしゃべりしているところにいきなり銃乱射事件、そして過酷な選択。その選択が未来にどう関わっていくのか。
現状に不安を持っている10代のダイアナだからこその未来の人生。とっさの選択の未来よりも、良心を選んで納得したのでしょうか。この究極の選択をヴァディム・パールマン監督は巧みに、そして観てる側に緊張感持たせ上手に映像にしてると思います。特にラスト付近では何度も同じシーンを流すんですがこれがまた有効的(←私的には)。

観終わったあと、どうしようもない余韻が待っていた…。「本当にあなたはその選択で良かったの?それで救われたの?」とダイアナに言いたくなる。どんな気持ちでその選択をしたんだろう。いろんな解釈が出来る奥深い作品だと思う(いい意味で)。
二者択一での罪からの解放、そう考えると奥深いだけでなく難しい問題のような気が。

エンドロールの後、スクリーンにキーワードが映し出され公式HPでそのキーワードを入れると監督の解釈を見る事が出来ます(パンフレットにも記載されてます)。
監督の解釈以外でも"(観客の)みんなの答え"を読むと結構面白いです^^「そんな解釈もあるのか」とか、「その解釈、超納得!」とか。監督と異なる解釈をしてもOKなんだそうで好きなように解釈しましょう(笑)!

結末を事前に承知の上でこの作品を観た私のこの映画に対する好き度 → かなり好き

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2009.04.15 Wed

『英国王給仕人に乾杯!』  OBSLUHOVAL JSEM ANGLICKEHO KRALE / I SERVED THE KING OF ENGLAND

英国王給仕人に乾杯

製作年:2006年
製作国:チェコ/スロバキア
監督:イジー・メンツェル
出演者:イヴァン・バルネフ、オルドジフ・カイゼル、ユリア・イェンチ、マルチン・フバ、マリアン・ラブダ、ヨゼフ・アブルハム、ドルフ・フルシーンスキーJr.

<簡単なあらすじ>
1963年頃、ヤン・ジーチェは再教育監獄から約15年の刑期を終え出所するが、居住許可が下りたのはズデーテンという山中の廃屋で、そこには同じような罪でやってきた年配の男性と若い女性がいた。埃まみれのビールジョッキを見つけたヤンは給仕をしていた昔を思い出す。駅でソーセージを売るところから始まり、田舎のホテルのレストラン、高級娼館でのウェイター、そして「ホテル・パリ」での給仕の修行、その後ヤンは結婚もし、夢も叶ったかと思われたが・・・
戦争という時代を背景に「私の幸運はいつも不運とドンデン返しだった」というヤンの人生を描いた作品。

<感想>
体は小さいが、百万長者になりホテル王になるという大きな夢を持っていた若かりし頃のヤン。
ヤンが投げ撒いたコインを上流階級の人々が人目を気にせず拾うという光景を目にし、それ以来コインを投げまくことしばしば。いくらなんでも紳士淑女たちがプライド気にせずあそこまで拾うとは思えないけど^^;いくらお金持ちでも欲は貧乏人と同じくらい持っているということが言いたいんだろう。←パンフの受け売り

英国王給仕人というのはヤンが働く「ホテル・パリ」の給仕長のことなんですが、チェコ人が英国王に給仕するなどありえない寓意的なタイトルなんだとか。
この「ホテル・パリ」の給仕長の一貫した態度がとても印象的。ヤンはどこか時代に翻弄されている感があるけど給仕長は違う。
給仕人としての今までの経験上、何ヶ国語も話せるのにドイツ語だけは頑固として話さない。皆が敬礼しても彼だけは絶対しない。ドイツ人には金目のものは渡したくない。ここまでの信念というかプライドが徹底してるなんて素晴らしい(その後の彼の消息は考えたくないけど)。この人にまつわる過去のエピソードが観たかったなぁ。

一方、主人公であるヤンは自分の意思、あるいはふとした偶然が重なり職場を転々。したたかな面もあるんだけど、いつの間にかそういう人生になってしまったようで、あれれという間に監獄に入っちゃった〜という感じ(笑)。

夢があり楽しかった自分の過去を山奥で回想する孤独で年老いたヤン(といってもそれほど歳はいってない)。映画の前半は夢も希望もあるヤンをユーモアっぽく描いており、後半はドイツに占領されたチェコに住むヤンにも影響が出始め・・・といってもヤン自身を見てると戦争はまるで他人事のよう。
パンフにはこのように書かれてました。

"困難な時代、ヤンはドイツ人女性と結婚するなど、アウトサイダーとしての彼は始終、戦争の外側にいる。廃村で戦争の時代を思い出すことによってはじめて歴史に参加している"

なるほどね、言われてみればそうだ。
この時代に生きた1人の男の人生を物語にしたという感じの作品でした。

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2009.03.01 Sun

『ホルテンさんのはじめての冒険』  O'HORTEN

ホルテンさんのはじめての冒険

製作年:2007年
製作国:ノルウェー
監督:ベント・ハーメル
出演者:ポード・オーヴェ、ギタ・ナービュ、ビョルン・フローバルグ、エスペン・ションバルグ

<簡単なあらすじ>
オスロ線路沿いに住むノルウェー鉄道の運転手オッド・ホルテンは定年を間近に控えた67歳。勤続約40年、アパートで独り暮らしをし規則正しい生活を送り無事平穏退職するはずだった。退職前日に同僚が送別会を開いてくれたのはいいがひょんなことから退職する日に初めて遅刻をしてしまう。その後ハプニングが続き今まで出会うことがなかった人々と出会い自分を見つめ直す機会となった。そしてホルテンさんはあらたな一歩を踏み出し…

<感想>
こーいう作品、結構好きです^^
でも観る年齢層を選びそうな作品のような気も。おそらく青春真っ只中の年代には退屈、定年退職あたりの年代には共感、私の年代なら好みの問題…ってな感じかな?
毎日規則正しい変わりない毎日を送っていたのに、退職日という最後の最後でレールを外れてから今まで体験したことのない日々。
かといって全てが幸せな出会いであったり楽しいことばかりではなく、冒険というより戸惑うばかりの日。今までホルテンさんが経験したことがない出来事を退職してから徐々にじわーとやっちゃってます。
ヨットを売却するためにオファーしてきた人物と出会うはずの空港内、行きつけの店の主人の死、プールでの開放感、初めて履いたであろう女性靴、目隠ししてのドライブ体験、そして最後は…。
そういう状況に巻き込まれることもあれば、ホルテンさん自身も何か新しいことをチャレンジしたいという気持ちもあったりすんですがなんせこれまで知らなかった世界な訳で、逃げ出したくもなるってもんです。

今まで仕事中心で生活してきたホルテンさん、定年してからも何日か制服を着てます。
40年も勤務しておりその上独り暮らし。趣味と言えばパイプと水泳ぐらい?あたふたと定年を迎えたせいかその後の人生をまだ謳歌していないってことなのでしょうか。まぁ穏便に退職してても制服は退職後もずっと着てそうな感じだけれども^^;

寂しい雰囲気もありつつ素朴で静かなユーモアがなかなかいい感じ^^何度か口もとが緩んじゃいました。特に空港内と赤い靴。
何かにこれが北欧ユーモアと書いてあったけど、そーなの?なら私は北欧で生活しても娯楽生活では全然OKなわけだ。って生活する予定は全くないけど(笑)。

人生を楽しむのは年齢は関係ない!何事も遅すぎることはないじゃないか!という人生論として楽しむことが出来る映画です。
また新たな人生は予測もしないハプニングだらけだけど、一歩前に踏み出せば人生を変えるような新しい何かが待ってるぞ!というメッセージにもとれる映画でした。
勇気を出して一歩踏み出す?人生を変えるような新たな人生が待ってる??
なら私も勇気を出して一歩前に踏み出してみようっと。どういう結果になっても人生の転機にはなりそうな予感…。

08:41 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(0)

2009.02.18 Wed

『ワンダーラスト』  FILTH AND WISDOM

ワンダーラスト

製作年:2008年
製作国:イギリス
監督:マドンナ
出演者:ユージン・ハッツ、ホリー・ウェストン、ヴィッキー・マクルア、 リチャード・E・グラント、インダー・マノチャ、エリオット・レヴィ

<簡単なあらすじ>
ロンドン。ウクライナ移民のAKはミュージシャンを夢見ているが現実はSM調教師をして生計を立てている。ホリーはバレリーナになることを夢見て毎日レッスンに励んでいるが現実はストリッパー。ジュリエットはアフリカの貧しい子どもを救うことを夢見ているが現実は薬局に勤め薬を盗み出していた。理想から程遠い夢を追い続ける2人の若者のストーリー。

<感想>
マドンナが監督をしているということだけで興味本位で観に行ってきました。な、なんて単純な…^^;
マドンナ自身を投影させた3人の若者ということらしいのですが、特に自分自身と一番近いのはAKのキャラなんだそうな。
SM顧客の要望に応えいろんな格好に扮装したり、このバイトをホリーとジュリエットに手伝わしたりするシーンは結構楽しかったり。っていうかSMといいつつやってることは全くエロくなく、逆に笑けてきちゃうw

スターになる前の苦労していた頃、夢のためならどんな犠牲でも払うという環境設定なので観ていてわかりやすい。
犠牲といっても映画自体は重くなく、かといって軽くもなく…いや、どちらかと言えば軽めかな。
でもマドンナ自身が払った犠牲はもっともっとあったんじゃなかろーかと。

さすがマドンナ!と思ったのは挿入歌や主題歌の音楽センス!最高!ユージン・ハッツも最高!
コメディタッチで描かれているシーンも多く、マドンナの笑いのセンスって私の中では好感触。
次の作品のアイディアももう浮かんでいるというマドンナ、こりゃ期待していいのか?!
はー、いろんなことに貪欲になれるっていうのは羨ましいよ。これだけバイタリティーあれば老けるヒマもないはずだ。ああ羨ましい。



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2008.11.29 Sat

『この自由な世界で』  IT'S A FREE WORLD...

この自由な世界で
 製作年:2007年
 製作国:イギリス/イタリア/ドイツ/スペイン
 監督:ケン・ローチ
 出演者:キルストン・ウェアリング
       ジュリエット・エリス
       レズワフ・ジュリック
       ジョー・シフリート
       コリン・コーリン
       レイモンド・マーンズ








<簡単なあらすじ>
11歳の息子を持つシングルマザーのアンジーは仕事をクビになり、今までのノウハウを生かしルームメイトのローズと職業紹介所を立ち上げる。そして移民労働者たちの仕事を斡旋するようになるが、徐々に仕事がトラブルに見舞われ、次第に労働者たちの不満が爆発する。仕事で危機に陥ったアンジーはさらに息子まで巻き込むことになる。

<感想>
この監督の映画は初めて観たのですが、一貫して社会的弱者を描く作品を撮り続けているんだとか。
確かにこの主人公のアンジーもそうかもしれない。といってもアンジーはとってもエネルギッシュで上昇志向が強い^^;今の生活を改善するため、生きるために激しい競争社会に飛び込み上へ上へいこうとする意思が固いのなんのって。
もちろん両親に預けている息子と一緒に住むという目標があってのことですが、それと同時に自分自身のためであったりもする(いい意味でも悪い意味でも)。

「自分がよければ他人を地獄に落としてもいい――何をやっても自由」そんなアンジーですが、血も涙もない女性というわけではなく、働くことができず隠れて住んでるイラン人家族を家に泊めてあげたりもする。だけど生きるためなら彼らを踏み台にすることもためらわない。
うーん、なんだろう、根っからの悪人ではないんですよね〜。自分がどんなひどい事をしているのか心の中ではちゃんとわかってる。移民労働者たちを斡旋するシステムがそこにあるから有効に利用した…という感じ?
自分自身の今の状況を何とかしなきゃいけない!という思いもあるんだろうけど、違法な手段でも「これはいける!」とか「他の人がやって捕まらないんだから私がしても大丈夫でしょ」と思えば即実行。まさに目的のためなら手段選ばずといったところでしょうーか。

監督は「この作品を単に犠牲者の物語にするのではなく、背景となっている搾取する側の態度や心に注目しているらしく、ジャッジは彼女が成功を収めることを可能にする社会体制に対して下されている」と言っている通り、アンジーだけを一方的に悪者にするような雰囲気の映画じゃないです。
だってアンジーには時々天使の声が聞こえ優しい気持ちになることがあるんですもん(←実際天使が登場しささやくシーンはないよ^^;)。だけど現代のイギリス社会のせいか悪魔のささやきの方が勝ってるいるだけ。

ラストは「これが現実なのか」と。お金を稼ぐという夢を持っている移民労働者、それを斡旋する業者、どちらの一方が欠けても本人たちはおろか、国さえも危うくなってしまうという現実。どうすることもできない現実を目の当たりにした作品でした。

23:31 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(6)

2008.11.13 Thu

『その土曜日、7時58分』  BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD

その土曜日、7時58分
 製作年:2007年
 製作国:アメリカ
 監督:シドニー・ルメット
 出演者:フィリップ・シーモア・ホフマン
     イーサン・ホーク
     マリサ・トメイ
     アルバート・フィニー
     ブライアン・F・バーン








<簡単なあらすじ>
優雅に暮らし立派なオフィスで働く会計士のアンディは一見裕福に見えるが、実は会社のお金を横領しておりドラッグにも手を出していた。そんな時、会社に国税局の調査が入ることになり、同じく経済状態が苦しい弟ハンクに両親が営む宝石店への強盗話を持ちかける。保険金がかけられてることで簡単にいくと思われたが、強盗は店員に撃たれ、強盗は店員を撃ち返すという事態に。強盗は失敗に終わっただけでなく、兄弟は撃たれた店員が母親だと知ることとなる。

<感想>
強盗は楽勝でお金の帳尻は合うとたかをくくっていた兄アンディ、甘やかされて育ったせいか自分1人では何もできない弟ハンク、そして息子2人の愚かな計画によって妻を失った父親チャールズ。思わぬ誤算によってこの家族が崩壊していく様が描かれています。
ホントとことん最悪な事態に発展。というより兄の計画も馬鹿げてるし弟のツメの甘さは人並み以上ときてる。兄はよくこんな弟に強盗を持ちかけたもんだ。

強盗のシーンがあってから、強盗4日前の兄弟の状態が時系列で明らかにしていくのですが、それぞれの生活の背景もわかりそこで自信たっぷりの兄、離婚した妻子への養育費が払えず子どもにさえバカにされてる弟という位置づけからも破壊へ続く道がはっきり見えてきます。
なんだろ、ドツボにハマっていく2人を観てるとどんな最悪な結末が待ってるんだろうとそっちに期待していってしまった(笑)。

弟と違い父親から愛されてないと思ってるアンディに対し父親はある言葉をかけるんですが、それを聞いたアンディは子どもの頃からの感情が一気出てしまったのでしょうか。
感情の持っていく場がなくその後の行動は歯止めがきかなくなってなってる。怖い…。
見返すように父親や弟よりも成功したかに見えた生活も自らの手で壊してしまい、父親はそんな息子対し…。
ここまでの破滅を描いた作品だとは思ってなかったので、安易な犯行が失敗した時、これほどまで愚かな行動をしまうものかと愕然としてしまいました。
次々と起こる問題を解決するにはまた一つ犯罪を重ねていくわけで、行く末は破滅しか残されてないのにも関わらず。
結局はこういう結末でしか苦悩を止めることしかできないのかなと。
で、ハンクはいずこへ…?こちらはさほど重要じゃないか^^;

18:59 | 洋画・・ヒューマン/ドラマ | edit | trackback(0) | comment(0)

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